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彼女 IN THE DISPLAY

黄金色に染まった夢を抱く5人が新たなフィールドへ駆け抜けていく

“GOLD EXPERIENCE REQUIEM TOUR”
2017/11/25@渋谷TSUTAYA O-Crest

 

 

「行こうか、東京!」とVo.RYOSUKEがステージから呼びかけると、笑顔の観客たちがたくさんの手を振り上げる。
冒頭から幸福感に満ちた雰囲気の中で、彼女 IN THE DISPLAYの“GOLD EXPERIENCE REQUIEM TOUR”ファイナル公演は幕を開けた。
オープニングナンバーの「GOLD EXPERIENCE」に続けて「[1959]」を放った後には早くも「最高に楽しいです。ありがとう!」と言ったところからも、場内の良い空気は伝わってくるだろう。
ステージとオーディエンスが一体となって、それを生み出しているのだ。

 

 

最初のMCタイムでもメンバー同士の仲良さが伝わってくる会話を繰り広げ、和やかなムードが漂う。
だが、「NEVER SAY NEVER」の流麗な鍵盤の音色が鳴り響いた瞬間に、再びグッと楽曲の世界に引き込まれる観客たち。
MCではラフなスタンスでリラックスしているように見せて、いざ演奏が始まれば音楽への真摯な姿勢とメッセージ性で魅了する。
さらに「The straight edge dance party」でのコール&レスポンスや「LET IT DIE -Hail 2 U-」でのサークルモッシュなど、大いに盛り上げることも忘れない。

 

 

“喜怒哀楽がいっぱいある曲たち”というRYOSUKEの言葉が、彼らの音楽性をよく物語っている。
「ここからディープな曲を」という言葉に続けての「Don’t let me go」「MAGI」「loser」あたりではエモーショナルな歌を聴かせつつ、「ここからは遊んでいこう。踊ろうぜ!」と呼びかけてからの「Let’s get the party!!!」ではフロアをパーティー会場へと一瞬で変貌させてしまうのだ。
曲単位だけではなく、1曲の中でも聴き入らせるところと楽しく騒げるパートが共存しているところも、彼女 IN THE DISPLAYの楽曲ならではだろう。

 

 

初期のバンドを支えた代表曲と言える「Crazy Diamond」でヘッドバンギングやサークルモッシュを巻き起こし、終盤戦へ突入する。
果てしなくヴォルテージを上昇させていった末に、「このツアーで“彼女 IN THE DISPLAY”というジャンルができたと思います」と高らかに宣言したRYOSUKE。
感極まったのか「泣きそうだ!」と思わず口に出すと目頭を押さえて、後ろを向いて短く一声叫んで気合を入れ直してから「アカネ」で本編を締め括った。

 

 

“今までで一番大事なツアー”だったという今回の“GOLD EXPERIENCE REQUIEM TOUR”で、彼らが得たものは相当大きかったに違いない。
アンコールでは2018年春に日本コロムビア内のレーベルTRIADよりメジャーデビューすることを発表し、場内は歓喜と祝福に包まれた。
「アカネ」でも歌っているとおり“変わることのない過去と今が紡いだ道しるべ”の先にもまだ長い道のりは続いている。
「メジャーに行っても俺らは俺らだからな!」という揺るぎない覚悟を持った5人は、これからも黄金色に染まった夢を抱きながら駆け抜けていく。

TEXT:IMAI
PHOTO:伊藤 由岐

 

 

 

 
 
 
 

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