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地獄ヘルズ

音楽的極楽の境地へと誘う地獄のロックンロールファイヤー

THE SLUT BANKS、Droog、首振りDollsというロックンロールをこよなく愛する3組のロックバンドから、豪華メンバーが集結して結成された混合悪巧みバンド、地獄ヘルズ。スリーマンでの対バン全国ツアーと連夜の打ち上げを重ねる中で、世代を超えて意気投合したメンバーが予測不能な化学反応を引き起こしながら1stアルバム『地獄のロックンロールファイヤー』を誕生させた。変幻自在に入り乱れるトリプルヴォーカルに、正々堂々と絡み合うツインギターに加えて、D'ERLANGERの菊地哲(Dr.)も参加した強力無比なリズム隊が生み出す音は、アグレッシヴでありながら決してキャッチーさも失わない。連綿たるロックの歴史を深い愛情と共に独自昇華した、圧巻の説得力と迫力を併せ持つ普遍的なサウンドがここに鳴り響いている。菊地以外の7人が一堂に会して好き放題に語った、あまりに自由すぎる座談会的10,000字ロングインタビュー。

 

「お酒を勧めたら、みんな“ありがとうございます!”と言ってすぐに呑むんですよ。そういうのが良いんですよね。あと、楽屋には常にビールがあるというのも良いなって」(戸城憲夫)

●このメンバーが出会ったのは、いつ頃なんですか?

カタヤマ:3年前くらいに俺たちがTHE SLUT BANKSを紹介してもらって、まず知り合いになって。そこから俺たちが首振りDollsを紹介して、3組がつながった感じですね。

ナオ:首振りDollsの結成当初からDroogとは、よくライブを一緒にさせてもらっていたんですよ。

●THE SLUT BANKSとDroogの出会いも対バンだったんでしょうか?

戸城:いや、俺がDroogのライブを観に行ったんです。知り合いに誘われて行ったんですけど、ライブを観たら自分の好きなタイプのバンドで“カッコ良いじゃん”と思って。それが最初の出会いでしたね。

カタヤマ:僕らは“すごい人が観に来てくれたな…”という感じでした(笑)。でもそこで「おまえら、良いじゃん」と言ってくれたので、めちゃくちゃ嬉しかったです。

●それをキッカケに対バンするようになっていった?

戸城:そうですね。“まあ、対バンくらいしようよ”っていう感じで。

●首振りDollsがTHE SLUT BANKSと初めて対バンしたのは?

ナオ:2年前くらいですかね。柏でTHE SLUT BANKSとDroogの2マンが決まっていたところに「首振りDollsも出してよ」と祐ちゃん(※荒金)に連絡したら、OKをもらえて。そこから突然…、仲良しになりました(笑)。

●地元の九州じゃなくて、なぜか柏で対バンしたんですね…(笑)。

戸城:シブいよね(笑)。

荒金:しかもその時、首振りDollsは柏に単発で来ましたからね。

●そのくらい一緒にやりたかったということ?

ナオ:THE SLUT BANKSとDroogが一緒にやっているところに自分たちも混ぜてもらえるのなら、単発でも柏に行く価値はあるなと思って。…だから、今も超・幸せです。

●急に仲良くなったという話もありましたが、会ってすぐに意気投合したんですか?

戸城:さすがに親と子くらい歳も離れているので、“意気投合”っていう感じではないですけどね(笑)。俺は2組とも気に入っているから“イイネ!”っていう感じで。

●若いメンバーも緊張することなく、一緒にやれている?

カタヤマ:いや、緊張感はありますけど(笑)、ノビノビやらせてもらっています。

荒金:みんな優しいんで…。

戸城:優しいんですよ(笑)。

●カネタク(※金川)さんはTHE SLUT BANKSの中では世代的にDroogや首振りDollsのメンバーに近いので、間に入るクッション的な役割を果たしていたりするのでは…?

ジョニー:俺たちの兄貴的な存在ですね。

カネタク:いやいや、舎弟です。

ナオ:絶対、そんなこと思っていないくせに(笑)。嘘ばっかり言うんですよ。

荒金:自虐ネタが…(笑)。

●良い関係性なのは伝わりました(笑)。

カネタク:同じくらいの世代でこんなカッコ良いヤツらがいるんだなと思って、尊敬していますね。

ジョニー:兄貴っ!

一同:ハハハハハ(笑)。

●(板谷)祐さんは、彼らと最初に出会った時の印象はいかがでしたか?

祐:初めはこんな若い人たちに一緒にやってもらって、“ありがとうございます”という感じでした。とにかく楽しい連中だから、とても良いツアーになりましたね。

●ツアーや打ち上げを通じて、仲が深まったそうですが。

戸城:お酒を勧めたら、みんな「ありがとうございます!」と言ってすぐに呑むんですよ。そういうのが良いんですよね。あと、楽屋には常にビールがあるというのも良いなって。

ナオ:それはたぶん、九州のノリですね(笑)。“勧められたお酒は断らない”みたいなものがあって。

●そういうノリの人たちが集まっている?

ナオ:メンバー全員、そういう感じなんです。

戸城:みんな呑むからね。俺らみたいな昭和を過ごしてきたバンドは打ち上げでもよく呑むんだけど、最近の若い子たちはあんまりそういう印象がなくて。ライブが終わってもファミレスとかにすぐ行っちゃう感じがするというか。でも彼らは全然、そうじゃないから。昭和感があるのが良いですね。

●そういう人たちだから、一緒にバンドをやろうという気持ちにもなったのでは?

戸城:お酒とバンドはまた別の話だけど、もちろん一緒に音を出したい人たちだからというのはあるよね。

●地獄ヘルズ結成の話は、戸城さんから?

戸城:俺か…? っていうか、どう考えても俺だよな(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

●キッカケは戸城さんだったと。

戸城:うん。まず3バンドでツアーをまわるにあたって、3曲入りのCDを作ったんですよ。会場限定でそれを売って、浮いたお金を3組で割れば良いなと思って。これまでは西のほうをずっとまわっていたんだけど、みんなで一緒に北海道とかも行きたいなと思ったんですよね。でもやっぱり札幌まで行くには、お金もかかるじゃないですか。“だったらCDを作って売れば、(その売上げで)行けるんじゃない?”みたいなところが最初の発想でした。

●ある意味、みんなで一緒にツアーで色んな場所へ行くために結成した部分もあるというか。

戸城:もちろん“この人たちと一緒に音を作ってみたい”という気持ちはあったけど、そういう部分もありましたね。

 

 

「2人の中での気持ちとしては、“アンガスとマルコム”(※AC/DCのヤング兄弟)的な立ち位置なんですよ。“俺はもう一歩も動かねぇ”的な気持ちでやっています(笑)」(荒金祐太朗)

●どんな音がやりたいというイメージは最初から浮かんでいたんでしょうか?

戸城:いや、最初は特になかったですね。でも一緒にツアーをまわっていく中で、“こいつはこういう感じか”というのがだんだんわかってきて。このアルバムを作る段階ではイメージがあったかな。

●一緒にツアーをまわるという濃厚な経験をすることで、お互いへの理解も深まったのかなと。

戸城:そうかもしれないですね。

荒金:こんなにガッツリと一緒に演奏することはないので、色々と勉強させてもらっていて。演奏している時はすごく楽しいけど、良い意味での緊張感はありますね。

ジョニー:楽屋では和気あいあいとしていてすごく楽しいんですけど、レコーディングではめっちゃ緊張しました。最初の頃は、緊張が音にも出ていましたね(笑)。

●そんなに(笑)? 荒金さんとジョニーさんはギタリスト同士ということで、お互いに刺激を受ける部分もあるんじゃないですか?

ジョニー:すごく勉強になります。荒金先生には、お世話になっていますね。

カネタク:荒金先生が影のフィクサーというか…。演奏面では、彼が要なんです。

荒金:いやいや…。ライブの時はジョニーがお客さんをすごく煽ってくれるから、俺はパフォーマンスの面ではあまり頑張らなくても良いんですよ。ずっとドラムのほうを向いて演奏できるというのが新鮮で。“ジョニー、やってやれ!”と思っています。

●そのライブでの立ち位置がジャケット写真にも表れている?

荒金:確かにジョニーがすごく前に出ていますね…(笑)。一応、2人の中での気持ちとしては、“アンガスとマルコム”(※AC/DCのヤング兄弟)的な立ち位置なんですよ。“俺はもう一歩も動かねぇ”的な気持ちでやっています(笑)。

ジョニー:“兄貴”(=マルコム・ヤング)的な感じですね。

●そういう役割分担は、ツアーをまわる中で自然とできてきた?

荒金:だって、この見た目(※アー写参照)には勝てないじゃないですか(笑)。“演奏以外でどうやって勝てば良いんだ!?”っていう感じだったから、「おまえがアンガスをやって、俺にマルコムをやらせてくれ」と言いました。

ジョニー:お互いのやりたいことに合わせて、自然とそうなった感じですね。

●ボーカルも3人いるわけですが、自然と役割分担がなされていったんでしょうか?

戸城:まあ、そうかな。そもそも似たような感じではないから。

ナオ:みんな自分の得意分野でやっていたら、それが自然と役割になっていった感じで。だから全然、違和感も何もないんです。

祐:まさにそのとおりですね。

●3人とも個性が強いので、自然と役割分担ができている。

ナオ:そうですね。同じメロディを歌っても、伝わり方は全然違うというのが面白いんですよ。1曲の中でボーカルが3人いるようなバンドって、今までやったことがなかったから新しくて。

祐:それが楽しいんだよね。

●“地獄ヘルズ”というバンド名も戸城さんが考えたんですか?

戸城:俺が考えたらしいんですけど、こんなのはただのノリですよ。最初からこういう展開になるとは思っていなかったから(笑)。

●『地獄のロックンロールファイヤー』というアルバムタイトルも、ノリっぽいなと感じていました(笑)。

戸城:ジャケットもそうだけど、70年代の日本映画の“あの雰囲気”というか。あと、(洋楽や洋画の)邦題っぽいイメージもあって付けましたね。

●そういう雰囲気があって、何となくカッコ良さげな言葉を使っているだけというか…。

戸城:“地獄”って付いてりゃ、カッコ良いんじゃないかっていう。

ナオ:…発想が“中2”ですよね。

ジョニー:言っちゃったよ(笑)。

一同:ハハハハハ(笑)。

●確かに“中2”感がありますね(笑)。

ナオ:それが最高なんです。

戸城:そういうのは永遠に不滅な感じだと思うんだよね。

●音楽的にも難しいことをやるというより、ただカッコ良い音を出すという感じなのかなと思いました。

戸城:単純にカッコ良いものだよね。そもそもリハも全然やれていないから、難しいことなんてできないんですよ。

 

 

「“交換日記”みたいな感じですよ。誰かから“パンパン!”と来たら、次に(別の人から)“パンパン!”と来て、その次にまた“パンパン!”と来て、“パンパンパンパン!”っていう」(板谷祐)

●ツアーもずっとまわられていた中で、いつ制作をされたんですか?

戸城:全員でレコーディングのためのセッションを1回、3時間くらいやっただけで。あとはみんなでグループLINEで仲良くやりとりしていましたね(笑)。

●LINE上でのやりとりで、曲を作っていったんですね。

戸城:俺が大体の曲構成のデモ的なものを作って、それをグループLINEに乗っけるんです。そこからみんなでワイワイガヤガヤしながら、歌詞はAメロを誰が書くとか、Bメロを誰が書くといったやりとりをしていって、“こんなんできました〜”みたいな(笑)。“じゃあ、次行きま〜す”みたいな感じで仲良くやっていましたよ。

●スムーズに曲ができていった?

ナオ:ビックリするくらいのスピードで、曲が仕上がっていきましたね。戸城さんの作曲のペースがめっちゃ速いなと思いました。俺たちも“戸城さんはいつ曲を作っているんだろう?”って思うくらいで。たとえばツアーから帰って1日〜2日しか経っていないのにもう3曲くらいデモが届いて、“いつやっていたの!?”っていう。

●戸城さんの中で、曲のアイデアがどんどん出てきたんでしょうか?

戸城:いざやるとなると、そういうふうになる性格なんだよね。

●スイッチが入るというか。

戸城:そうそう。もちろん、みんなにも曲は書いてもらったけどね。

●ただ、曲数は圧倒的に戸城さんの割合が多いという…。

戸城:それはしょうがないよ。俺が言い出しっぺだから(笑)。

●なるほど(笑)。戸城さん以外のメンバーは、自分の中で何かテーマがあって曲作りをしたんですか?

ジョニー:僕はありましたね。最初にM-5「地獄のrock 'n' roll fire」という曲があったから、“次はサンダーだな”って自分の中で決めていて。

戸城:曲調とか内容じゃないのか…。

ナオ:このバンドには、中2しかいないんです(笑)。

一同:ハハハハハ(笑)。

●曲調は“サンダー”のイメージから広げていった?

ジョニー:そうですね。色々パクって…。

●色々パクって…?

ジョニー:色々な曲を参考にして(笑)。

●あっ、言い直した(笑)。

ジョニー:それを戸城さんに聴いてもらったら、「全然、まんまじゃねぇか!」と言われて。

戸城:「ヤバいヤバい! 訴えられるぞ!」って(笑)。そこから俺が勝手に変えて…。

ジョニー:最終的に良い感じになりました。

●戸城さんの手直しが入って、良い感じになったと。

ジョニー:曲は戸城さんにいったん提出して、そこから返ってくるという流れなんです。

戸城:俺がバシバシ変えちゃっていますね。それで「こんなふうにしてみたけど、どう?」と訊いて、本人に感想をもらってからまたちょっと作り変えたりしていきました。

●そういうやり取りをする中で、パクリの要素が消えていったと…。

戸城:“パクリ”を“オマージュ”に変えていきました(笑)。

祐:色んな言い方があるもんだな(笑)。

●ハハハ(笑)。荒金さんはどういう方向性で作ったんですか?

荒金:1人1曲ずつ作るとなったので、俺はせっかくならDroogっぽさも入れようとは思っていましたね。それとギターが2人いるので、2本の音がちゃんと絡み合うような曲というか。あと、ライブでもっと盛り上げられるような曲というイメージだけはあったんですけど、全然ひらめかなくて…。

●イメージはありつつ、曲が出てこなかった。

荒金:でも2人(ジョニーとナオ)は先に作っていたので、自分だけできていないのは“ヤバい!”と思って。自分も“ファイヤー”とか“サンダー”みたいなタイトルをまず付けたほうが良いのかなと考えた時に“ヘルズ・ボーイズ”というタイトルがパッと浮かんだんです。それをみんなに言ったら「めっちゃ良いじゃん」という反応が返ってきて、“あっ、こんなので良かったんだ!”っていう(笑)。

●考えすぎないほうが良かったわけですね。

戸城:そうですね。初期衝動っていう感じかな。

荒金:そこで自信をすごくもらって。当時はまだツアーの最中だったんですけど、ファイナルの打ち上げが終わった後に取り掛かってできたのがこの曲なんです。

●なるほど。ナオさんが作曲したM-6「ヤバいヤツ」は、どういうイメージで?

ナオ:これは地獄ヘルズ用に作ったというよりは、その時やりたかったことを出した感じですね。主にお酒の歌なんですけど、地獄っぽい雰囲気を出せたら良いかなとは思っていて。戸城さんに荒削りすぎるデモを提出したら、めちゃくちゃ作り変えられて返ってきました(笑)。

戸城:かなり変えましたね。

●戸城さんの手が入って、今の形になっている。

ナオ:でも超カッコ良くなって返ってきたから、感動しちゃいました。“あの曲がこんなふうになるんや!”みたいな感じでしたね。

●歌詞はどれもボーカル3人の連名になっていますが、どうやって共作しているんですか?

祐:簡単に言うと、“交換日記”みたいな感じですよ。誰かから“パンパン!”と来たら、次に(別の人から)“パンパン!”と来て、その次にまた“パンパン!”と来て、“パンパンパンパン!”っていう。

●何となくニュアンスはわかりますけど、“パンパン!”としか言っていないですよね…(笑)。

祐:ハハハ(笑)。

ナオ:でも本当に“パンパンパンパン!”っていう感じでできていきましたね。みんな、作詞のペースが速いんですよ。誰かがAメロの歌詞を上げてきたら、そこからイメージして他の2人も“パンパン!”と書くっていう。

 

 

「戸城さんが“面白いだろ?”っていう感じで出してくれるものを見た時に“こういうのもやってみたかったな”という感覚があって。だから、すごくフィットするんだと思います」(カタヤマヒロキ)

●「ヤバいヤツ」の歌詞はナオさんが出発点?

ナオ:私が出発点です。

●この歌詞が一番ストーリー的だったので、こういう体験を実際にされたのかなと思ったんですが…。

ナオ:それはご想像にお任せいたします(笑)。

●ハハハ(笑)。ちなみに“地獄”というワードは、歌詞や曲を書く上でのインスピレーションの大元になっているんでしょうか?

戸城:そんなに深くなくて、本当に中学生みたいな感覚なんですよ。単純に“これ、カッコ良くない?”みたいな(笑)。

●深い意味というよりは、字面や響きのカッコ良さが大事というか。

ナオ:“地獄ヘルズ”っていう名前が決まった時もみんなで呑みながら大はしゃぎしましたからね(笑)。「“地獄ヘルズ”って最高じゃん!」って(笑)。

戸城:頭が悪いよね。たぶん、この名前を付けたヤツは“地獄”と“ヘルズ”が同じ意味だって知らないぜ(笑)。

一同:ハハハハハ(爆笑)。

カタヤマ:付けたのは、戸城さんじゃないですか(笑)。

ナオ:“あえて付けた”とかじゃなくて、“知らない”っていう…(笑)。

●そういう感覚が面白いですよね(笑)。

ナオ:面白さで言うと、一番フザけたのはM-9「デストロイヤー」ですね。“蜘蛛の怪人”とか“巨大兵器”って、地獄ヘルズとは何も関係がないっていう(笑)。

●でもただ面白いだけじゃなくて、“いつもやられ役の悪役にも 夢や希望がある”という部分では哀愁感も共存しているのが魅力かなと。

ナオ:戸城さんの曲って、そういう歌詞を入れやすいんですよ。その部分の直前まで曲調的にも歌詞的にも“ウォ〜!”っていう感じなんですけど、ああいう展開をされたら歌詞もちょっとドラマチックにしなきゃって思うから。自然とこういう歌詞になるように導かれた感があったというか。

戸城:泣きの部分を入れてみるのも良いかなと思って。

●曲に導かれて、こういう歌詞になっている。

ナオ:基本的に首振りDollsは自分で作詞作曲をしているから、人が書いた曲に歌詞を付けるのはすごく新鮮で面白かったですね。

戸城:他の曲ではほぼメロディも俺が指定しているんだけど、この曲の平歌の部分に関しては「3人で適当にやってこい」っていう感じにしたんです。そしたらナオくんが最初に作ってきた中に、“デストロイヤー”というフレーズが乗せてあって。そっちのほうがインパクトがあるなと思ったので、元々あったAメロをナシにして、それを新たにAメロにしたんですよ。

●“デストロイヤー”というフレーズ自体も、ナオさんから出てきた?

ナオ:はい、この曲にハマるなと思って。地獄ヘルズのツアー中にデモの音源を車で延々と聴きながら、イメージを広げていったんです。でも“デストロイヤー”というフレーズがどこから出てきたのか、自分でもわからないんですよ。…中2だからかもしれない(笑)。

●それも中2のせいなのか(笑)。

戸城:俺らくらいの歳になると、やっぱりジャイアント馬場と闘っていたザ・デストロイヤーというプロレスラーのイメージがあるけど、知らないよね?

ナオ:はい。“デストロイヤー”ってそんなに馴染みのない言葉なんですけど、なぜか出てきたんです。

●本当にプロレスラーのことは知らなかったんですね。

荒金:俺はKISSのイメージならありますけどね。

戸城:KISSの『地獄の軍団』(1976年)の原題が『Destroyer』なんですよね。

●そちらのイメージはあると。個人的にはM-4「地獄のサンダー超特急」の曲調もプロレスの入場曲っぽいなと思ったんですが。

ジョニー:確かに(笑)。

●あ、本人は意識していなかったんですね?

ジョニー:意識していないですね。でも確かに合いそうな…。

戸城:今のプロレスじゃなくて、昔の感じだよね。リッキー・スティムボートとかリック・フレアーみたいな。

ナオ:わからない…。

●今、ここに世代の壁が…(笑)。

戸城:でもきっとみんな、根っこの部分でそういうものが好きなんだろうね。

カタヤマ:たとえば今回のジャケットとかもそうなんですけど、戸城さんが“面白いだろ?”っていう感じで出してくれるものを見た時に“こういうのもやってみたかったな”という感覚があって。だから、すごくフィットするんだと思います。

 

 

「THE SLUT BANKSとDroogと一緒にツアーをまわっている時が俺は一番楽しいですね。色んなバンドとツアーをまわってきたし、その時はその時で楽しいんですけど、この地獄ヘルズのメンバーとまわっている時が一番楽しいです」(ナオ)

●首振りDollsも昭和感がありますよね。

ナオ:昭和が大好きですね。

祐:首振りDollsやDroogと知り合って一緒にツアーに行くことになったことで、小倉や別府でライブをやらせてもらう機会もできて。彼らがずっと育ってきた街やライブハウスに行くと、そういう片鱗が見えますよね。“あ〜、なるほどな〜”みたいな。

カタヤマ:確かに街並みも、そういうところがありますね(笑)。

戸城:街が良い意味で、洗練されていないんだよね。

●何十年か前から時間が止まっているような感じというか。

戸城:そう。でもそれが良いんですよ。小倉とか別府に行って、“この街で育ったんだな”というのがわかる…あの感じが良かったですね。

●ツアーでそれぞれのバンドが育った街に行くことで、より理解も深まるというか。

戸城:逆に彼らと知り合いになっていなかったら、行かなかったと思うからね。そういうことがなかったら行かないような街に行けて、その街がまた良い街で…というのはすごく良かったですね。

祐:ライブハウスも音がもうダダ漏れで、100m先くらいから“あそこで音が鳴っているからライブハウスなんだな”とわかるくらいだったんですよ。でもライブハウスの人も「警察はしょっちゅう来ているから、むしろ大丈夫です」みたいなことを言っていて(笑)。街ぐるみでウェルカムな感じが良いなと思いましたね。

カタヤマ:改めて考えると、すごい街だなって思います(笑)。

●もしそういう街で育っていなかったから、こうはなっていないのでは?

祐:きっとそうだよね。

荒金:たぶん福岡とか大分の出身じゃなくて、小倉と別府っていう2番目の感じが良かったんだと思います。近くに都会もあるからちゃんと今が2018年だっていうことはわかるんですけど、住んでいるところはたぶん(時代から)5年は遅れているんですよ。

カタヤマ:確かにそうやな…。

●都会とは違う時間の流れで生きている良さもある。

荒金:俺らが中高生の頃って、地元ではまだビデオやカセットも全然知っている世代なんですよ。でもたぶん東京で俺らと同世代のヤツらにはわからないんじゃないかなって。別府や小倉で育った俺たちだからわかるっていうところはすごくあると思います。

●小倉と別府という2番目の街だからという話もありましたが、良い意味での“B級感”みたいなものも上手く作用しているのかなと。

戸城:まぁ…、俺が埼玉だからね。

一同:ハハハハハ(笑)。

●そこにつながるんですね(笑)。

戸城:そういうことだと思います(笑)。

祐:「あいつらを埼玉に連れて行かなくちゃ…」とずっと言っていましたよ(笑)。

●戸城さんの育った街に(笑)。小倉はいかがですか?

ナオ:小倉は河原にギターが落ちている街ですからね。

●えっ、どういうこと?

ナオ:ジョニーは河原でベースを拾ったのが、音楽を始めるキッカケだったんですよ。

ジョニー:高校生の時に河原で友だちがギターを拾って。同じ日に、同じ場所で僕もベースを拾ったんです。それをキッカケにして「バンドやろうや」となって。

祐:なんか、ちょっと『桃太郎』っぽいな…。

●確かに(笑)。

ナオ:同じ河原でラモーンズのスコアも拾ったらしいんですよ。

ジョニー:ラモーンズ以外にも、ランシドとかもあって。他にもパンク系のCDも何枚か落ちていたんですよ。僕はそこでパンクに出会ったんです。

祐:どんな河原だよ、それ(笑)。

●特殊な街だということはわかりました(笑)。そして、地獄ヘルズはそういう街で育った人たちが集まっているバンドだということも…。

戸城:今後、(メンバーの)人数がどんどん増えても構わないと思っているんですよ。またこういう感じで若いバンドと友だちになったら、「君、イイねぇ。地獄ヘルズに入りなよ?」みたいな感じで誘っていって。

ナオ:地獄のスカウトが…(笑)。

戸城:それで気付いたら、50人くらいになっているのが俺の理想かな(笑)。

一同:ハハハハハ(笑)。

●今後も続けていきたいという気持ちはあるわけですよね?

ナオ:すごくやりたいです。こう言うと語弊があるかもしれないですけど、THE SLUT BANKSとDroogと一緒にツアーをまわっている時が俺は一番楽しいですね。色んなバンドとツアーをまわってきたし、その時はその時で楽しいんですけど、この地獄ヘルズのメンバーとまわっている時が一番楽しいです。

●3/17にはレコ発イベントもありますが、最後にカネタクさんから意気込みを頂けますか?

カネタク:本当に素晴らしい才能に溢れた若者と昭和のロックンロールを引っ張ってきたレジェンドが出会ったこのバンド…、貴重だと思います。非常にレアなライブになりますので、お見逃しなく!

Interview:IMAI

 

 

 
 
 
 

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