音楽メディア・フリーマガジン

FLOWLIGHT

3号連続スペシャル・インタビュー #2 不安や迷い、悲しみや痛みも全て抱きしめて。 二度とない瞬間をこの3人で生み出していく。

平均身長150cmという小さな身体からは想像もつかない、存在感・躍動感・熱量でリスナーの感情の色を変える3人組ダンス&ヴォーカルユニット、FLOWLIGHT。ROCK&POPをベースした楽曲とドラマチックなパフォーマンスを武器に活動する彼女たちが、3ヶ月連続でシングルをリリースする。今回リリースした2ndシングルの表題曲「自画自賛歌」は、ライブで一番の盛り上がりを見せる爽快なピアノポップ。さらに物語性のある情景描写がドラマチックなバラード曲「春夏秋冬」と、また異なる表情を見せる2曲について3人にたっぷり語ってもらった。

 

「寄り添ってくれるタイプだったり、引っ張ってくれるタイプだったり、曲ごとの形や雰囲気は違えど、最終的には自分をすごく元気づけてくれて、前に進むことを後押ししてくれる曲が多いなと思いますね」

●前作の1stシングル『beginning』は、どちらもロック色の強い2曲を収録していましたよね。

Hazuki:どちらもロック系でしたね。曲に込めた想いは一緒なんですけど、“白と黒”という感じになっていて。心の中ですごく思っている感じの曲が「Help me!!」(=黒)で、それを経た上での想いをみんなの前で大声で歌うような曲が「beginning」(=白)というか。

●内面に抱えた想いを歌ったのが「Help me!!」で、それをポジティブに昇華した上で外に向けて届けているのが「beginning」だった。

Nonoka:“裏表”になっている2曲だなと思いました。レコードのA面/B面みたいな感じで、すごく面白かったですね。

●対照的な2曲になっていたんですね。

Nonoka:どちらかと言えば「beginning」は真っ直ぐな歌詞なんですけど、「Help me!!」はオーバーな表現が多くて。そういうところがパフォーマンスしている時にサムく感じられてしまわないように、「Help me!!」では“思い切り”が大切になってくるなと思っていたんです。自分が恥ずかしがっていたり自信がないとそれが表に出ちゃって、“そんな感じでよくこんな大層な歌を歌っているね?”みたいに思われちゃうから。自分たちを信じて、やりたい曲だなとすごく思っています。

●自分たちを信じるという意味では、今回の2ndシングル『自画自賛歌』のタイトルはまさに…。

Kotono:題名からして、自画自賛しちゃっているっていう(笑)。

Nonoka:自己肯定感の固まり…(笑)。

Hazuki:曲ごとの振り幅がすごいなって思います。

●確かに(笑)。

Nonoka:1stシングルでは、すごく悩んでいたかと思えば…。

Hazuki:2ndシングルでは、もう自画自賛しちゃうんです(笑)。今回はどっちの曲もハッピーな感じですね。

●こういう曲も歌えるということは、3人ともポジティブな面がある?

Nonoka:ありますね。もしなかったら、たぶんここまで続けていないと思うんですよ。もちろん“どうしよう…?”って考える時もあるけど、それでも自分を信じて活動を続けてきたからこそ今があるわけで。自分のことが好きじゃなかったら色んなことを途中で投げ出していただろうし、悩むことなく何も考えずに生きてきただろうなって思うから。そういうところでも、自分に落とし込みやすい曲でしたね。

Hazuki:逆に私は最初、この曲にちょっと違和感があって…。Nonokaの言っていることもわかるんですけど、私は根がすごくネガティブなんですよ。

●えっ、そうなんですか?

Hazuki:人前では見せないようにしているだけで、よく自信もなくしてしまうタイプだし、すごくネガティブなんです。だから、この曲では自分で自分を励ましているような感じがしていて。“自分を信じて頑張れよ”って言われているような気持ちで歌っています。

●自分自身を励ましてくれる曲になっている。

Hazuki:そうですね。FLOWLIGHTの中で一番明るくて楽しい曲なのでライブではもちろん楽しいんですけど、自分自身がそういうところをバリバリに出せるタイプかと言うとそうでもなくて…。

Nonoka:私も日常ではネガティブな部分が勝っちゃうことも多いんですけど、この曲の音を聴くと切り替わるんですよね。イントロだったり、音そのものが励ましてくれる感じがするというか。

●歌詞だけではなく、サウンドも含めてポジティブな気持ちに変えてくれる曲なんですね。

Hazuki:“小さな失敗なんて 笑い飛ばしちゃえ”という歌詞も、自分自身に向けて言われているような感じがします。私はそういうプラス思考に、すぐには持っていけない性格をしているから…。

Kotono:私も一度悩み込むと底辺まで落ちてしまって、そこからまた元に戻っていくというタイプなんですよ。1回落ちるところまで落ちた時にこの曲を聴いて“ダメだ。せっかく自分のやりたいことをやっているのに、自信を持たないともったいないな”と思ったりもします。

●まさに自分自身を奮起させてくれるところがある。

Kotono:自分にも言っているし、お客さんにも言っているところがあって。“なんでも人任せじゃダメ!”とか“自信持てなきゃ もったいないよ”みたいなことを自分自身だけじゃなくてお客さんにも言うことで、お互いにハッピーな気持ちになれる曲かなって思います。元気になれる曲ですね。

●誰でもどこかに重なる部分がある内容なのかなと思います。

Kotono:“グダグダすぎる 週末過ごして 憂鬱になる 日曜日の午後8時 目覚ましは合わせたけど夜更かし 気付いたらもう朝!? 駅までダッシュ!”なんかは、まさに“女の子の朝”みたいな感じでかわいいですよね。自分にもそういう日があるので、“頑張れ、おまえ”みたいなところがあって(笑)。

●身近なシチュエーションも歌っているから、聴く側も歌う側も共感できるわけですよね。

Kotono:これは全部の曲に共通していることなんですけど、やっぱり歌詞が良いからすごく“届く”感じがしますね。落ちサビの部分で“誰かの為になんかじゃない”と歌っているとおり、“自分のやりたいことをやっているわけだから、他人に何と言われようと自分の道を進もう”という心境に今はなっていて。たとえばSNSでの評判だったり、他人の目を気にしたりもするんですよ。でも“そういうヤツらなんて、どうでもいいや。自分だけ信じていこう”みたいな気持ちになれたら良いなと思っています。

●どの曲も背中を押してくれる感じは共通しているのかなと。

Nonoka:寄り添ってくれるタイプだったり、引っ張ってくれるタイプだったり、曲ごとの形や雰囲気は違えど、最終的には自分をすごく元気づけてくれて、前に進むことを後押ししてくれる曲が多いなと思いますね。

●ライブでもすごく盛り上がる曲なんですよね?

Hazuki:そうなんです。この曲はサビの振り付けが特になくて。3人がそれぞれステージの上手・センター・下手に、煽りに行く感じなんですよ。お客さんも声を出してくれるし、私たちもあえて歌わずに“オイオイオイ!”と煽ったりもするので、ライブで一番盛り上がる曲かなと思います。

●逆にカップリングの「春夏秋冬」はバラード曲で、「自画自賛歌」とは正反対の曲調になっていますね。1stシングルとまた違うギャップを見せられている感じがしました。

Hazuki:すごくギャップがあると思いますね。

Nonoka:「自画自賛歌」のほうは1stシングルの2曲と同じように、自分と向き合った上での歌詞というか。でも「春夏秋冬」の歌詞には、“相手”が明確に出てくるんですよ。そういう意味で曲調だけじゃなく、題材としても新しい曲なんじゃないかなと思います。

●“相手”も出てきますが、これは恋愛の歌?

Hazuki:そうですね。実は、恋愛の曲を歌うのも初めてなんです。

●歌詞に自分を重ねられたりもする…?

Nonoka:私はどちらかと言うと、こういう(歌詞のような)感じで相手にしんみり感謝できるタイプじゃないんですよ(笑)。

●“しんみり感謝”って(笑)。

Nonoka:だからこの曲に関しては“お芝居”みたいに、“演じている”ところはありますね。元から歌が好きで色んな曲を歌ってきたので、ラブソングもたくさん歌ってきたんですよ。そういう意味でも歌いやすいというか。一生懸命に歌詞を解釈して頑張らなきゃいけない感じではなくて、何も考えなくても自然と気持ちが入る曲だなと思いました。

●自然と気持ちが入るんですね。

Hazuki:私は、すごくきれいな歌詞だなと思って。1曲の中に春・夏・秋・冬(の情景描写)があって、ストーリー性がすごくある曲なんです。ただのラブソングというよりは小説を読んでいるような感覚に近い歌詞なので、Nonokaも言っていたように“お芝居”みたいなスイッチが入ったりもしますね。

●完全に共感するわけではなくても、気持ちを重ねて歌うことはできる。

Kotono:そうですね。“不安や迷い 悲しみ痛み 全て抱きしめて君といこう”という部分はメンバーが個々で歌うんですけど、自分の中ではFLOWLIGHTに重ねていて。“君といこう”のところを、私は“この3人でいこう”という想いで歌っているんです。

●恋愛の相手を想像するのではなく、自分たち自身と重ねて歌っていると。

Kotono:だから“この道の先 何があっても 君となら乗り越えていける”という部分もそういう気持ちを込めて、振り付けを考えました。

Hazuki:この曲の振り付けは、Kotonoが考えたんです。

●振り付けにもメンバーへの想いを込めている?

Kotono:振り付けを考える上でも自分は“恋愛”というよりも“仲間”をイメージしたほうが、気持ちが入るかなと思ったから。(メンバーに対して)“君たちが私を変えてくれた”みたいな感覚があるんですよ。だから歌詞の“君”という部分では、私は“君たち”への愛を込めて歌っていますね。

●“ラブソング”という以外の捉え方もできる曲なんですね。

Nonoka:“恋の始まり”という歌詞もあるとおり、“ラブソング”ではあるんですけどね。でも部分部分のフレーズを切り取って見てみると、そういう恋愛の話だけじゃなくて、対人関係全てにおいて言えることなんじゃないかなと思っています。

Kotono:“ラブソング”っぽいけど、自分の中では友だちや家族への愛情みたいな気持ちのほうが強いかな。

●色んな解釈ができるという意味でも、広がりのある曲になっているというか。

Nonoka:この曲を聴いていると、自分の中で思い浮かぶ顔がいくつもあって。誰が聴いても、色んな人の顔が頭の中に浮かんでくるような曲なんじゃないかなって思います。

●1stシングルもそうでしたが、表題曲もカップリング曲もどちらも魅力的な作品になっていますよね。

Nonoka:“表題曲も良いのに、カップリングにも同じくらい良い曲が入っているの!?”っていうところでのワクワク感があるなと思っていて。1stシングルを聴いてもらった人には、きっと2ndシングルのカップリング曲も楽しみにしてもらえるんじゃないかなって思います。

●1stシングルを聴けば2ndシングルが楽しみになるし、2ndシングルを聴けば3rdシングルが楽しみになる…という感じで、どんどん楽しみが続いていくような流れになっているのかなと。

Nonoka:そうですね。今回の3ヶ月連続シングルリリースだけに限らず、この先もっと大きくなっていくためには“まだある!? まだ続く!? まだまだ続く!”みたいなものを提供し続けていかないとなって自分たちでも思っているから。そこは心がけつつ、常に上を目指していきたいです。

Interview:IMAI

 

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj