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Whiteboard Jungle

違いが生んだポジティブな化学反応に未来への光を見た。

JUNGLE☆LIFE × CLUB251 presents “Whiteboard Jungle”
2018/4/10@下北沢CLUB251
Act:THE MUSMUS / Malcolm Mask McLaren / 宮脇早紀 /
Quintet Queen Quest / IRIS MONDE / ASTROMATE

JUNGLE☆LIFEと下北沢CLUB251による共催イベント“Whiteboard Jungle”の2018年第2弾が、4/10に開催された。今回は“バンド×アイドル”というコンセプトで、女性ヴォーカルバンドやガールズバンドからアイドルまでが一堂に会する新機軸のイベントだ。平日の火曜日にもかかわらず、開演時間が近付くにつれて観客が徐々に増え始め、期待度の高さが伝わる。

 

 

まずトップバッターで登場したのは、エレクトロガールズバンド・IRIS MONDEだ。登場シーンからフロアを煽っていくと、オーディエンスも掛け声と手拍子で応える。キャッチーでポップなメロディが乗るサイバー感のある楽曲に、Vo.KULUMIとVo.PLUMによるタイプの異なる2色のツインボーカルが重なり合って魅了。初めて観るであろう人々も巻き込んでコール&レスポンスやサークルモッシュを発生させ、最初から大いに盛り上げてくれた。

 

 

そこで生まれた熱気を2番手の宮脇早紀が、さらに上昇させていく。奈良県からバンドを引き連れてやってきた彼女は、序盤からエンジン全開だ。疾走感溢れるメロディックチューンに芯の通った力強い歌声、そして曲中でもガンガン観客に呼び掛ける姿勢に圧倒された人も多いだろう。アグレッシブなサウンドを次々と繰り出し、ステージから飛び出さんばかりの勢いで最前に立って扇動していった彼女。全身を使って表現する魂のこもったライブに、心打たれずにはいられない。

 

 

ゴリゴリのSEに乗って登場したのは、バンドサウンド中心の楽曲を歌って踊る「明日誰かに教えたくなる」ロックアイドル・ASTROMATE。3月に大阪と東京でのお披露目ライブを終えたばかりの6人が、フレッシュな歌とダンスで爽やかな風を吹かせてくれる。4/25のリリースより一足先に、1stシングルから表題曲の「ASTRO」とカップリングの「COLORS」を披露。息の合った動きとファンからの掛け声も合わせて一体感を生み出し、次へとバトンを繋ぐ。

 

 

ざらついたギターのフィードバックノイズから、フロアの空気を一変させたのはQuintet Queen Questだ。統一感のある衣装を身にまとったキュートなルックスのガールズバンドだが、彼女たちが鳴らすのは本格派のロックサウンド。Vo.Ayanoがセンターに立ち、凛とした歌とパフォーマンスで観客の視線を釘付けにしてしまう。この日から配信スタートされた2ndシングル「カナリア」では切ないロックバラードを堂々と響かせ、スケール感の大きさも見せつけた。

 

 

トリ前に登場した4人組アイドル・Malcolm Mask McLarenは海外のラウドロックバンドすら想起させるソリッドなEASY COREサウンドを炸裂させ、空間をあっという間に制圧する。重低音の利いたアッパーチューンに、4つの声が織りなすコーラスワークも重なることでもたらされる圧倒的な高揚感。5/15リリースの新曲「Light on!!」など、聴く者のテンションのギアを上げる楽曲を連発し、大勢のオーディエンスで埋まった場内はもうお祭り騒ぎに。

 

 

最高にヴォルテージの上がった会場をさらに炎上させるべく、大トリのステージに現れたのはTHE MUSMUSだ。荒ぶる本能のままに放たれるようなVo.CHIOの歌声と、生々しいダイナミズムに満ちたバンドの音が、心の奥底にある火種を燃え上がらせる。軽妙なMCで爆笑も引き起こしつつ、独自の世界観が漂う爆裂的ライブアクトで会場にいる全員の心を掴んだ。それを証明したのは、本編終了後も鳴り止まない歓声。想定外のアンコールも含め、フロアを完全燃焼させた。

 

 

最初から最後まで大盛況で、オーディエンスも時間が立つごとに増えていくばかり。音楽性や編成、ライブスタイルまで多種多様な6組のステージは、その“違い”をプラスの方向に作用させ、見事な化学反応を生み出した。ジャンルやシーンをいとも簡単に飛び越えた歴史的な一夜に、未来へと続く新たな可能性を見た気がする。

Text:IMAI
Photo:マサ(Twitter,Instagram/@masalivephoto)

 

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