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ヤバイTシャツ屋さん

いつか僕らがヤバみな深みに気づくまで

今年1月に2ndフルアルバム『Galaxy of the Tank-top』をリリースし、“Galaxy of the Tank-top” TOUR2018を大成功させまくったヤバイTシャツ屋さん。そんな彼らが『NHKフレッシャーズキャンペーン2018』のイメージキャラクターに大抜擢されたのもつかの間、モード学園TVCMソング「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」収録のシングル『げんきいっぱい』を5/16にリリースし、各メンバー出身地ツアーを開催する。飛ぶ鳥を落としまくる勢いで音楽シーンを駆け抜ける彼らに、ニューシングルについて、そしてバンドの美学と表現の変化について訊いた。

 

「興味持ってくれた人とか好きになってくれた人が読み解いていったら、“ちゃんと主張あるんやな”って気づいてくれたらいい」

●つい最近『NHKフレッシャーズキャンペーン2018』のイメージキャラクターに抜擢されていましたが、びっくりしました。

こやま:びっくりしましたね。

●特設サイトでは“若者に人気のヤバイTシャツ屋さんにNHKが目を付けました”みたいな感じで紹介されていて、「案外わるないNHK」という楽曲を描き下ろして、NHKの固いイメージを払拭しているという。

こやま:関わってる人数がすごく多くてびっくりしました。普段のMVは3人とかで撮ってるのに、現場には30人ぐらいの人が居て。

しばた:おったおった。

こやま:まずそこにびっくりしましたね。

もりもりもと:キャストさんとかも、キャラクターたちも、「あんなに集まることは滅多にない」って言ってもらえました。

しばた:夢の舞台みたいな感じでしたね。みんな知ってるキャラクターがいっぱい集まって、同じカメラに映ってワイワイしてるっていうのはNHK好きからしたらたまらん映像かなって思います。

●その特設サイトで見たんですけど、NHKの番組『おかあさんといっしょ』に、1996年にこやまさんが出演していたという。これ、どういうことですか?

こやま:偶然出てたんですよね。京都放送局での収録があって、母親が応募してて当たったという(笑)。

しばた:すごい倍率で有名な。

こやま:倍率かなり高いらしいすね。

●22年前ですけど当時の事は覚えてるんですか?

こやま:覚えてますよ。いちばん古い記憶かもしれないぐらいですね。

しばた:3歳。

こやま:『おかあさんといっしょ』って、エンディングで風船が降ってくるんですよ。でもね、京都放送局やから降ってこなくて…僕、ずっと最後に上を見てたんですよ。それだけ覚えてます。

●ハハハ(笑)。

しばた:寂しかったんやろね。

もりもりもと:なんでそんな可愛いアピールしてんの。

●そんなNHKとのコラボがある一方で、今回のシングル曲「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」はモード学園のTVCMソングというコラボで。引っ張りだこ。

こやま:ありがたいですね。

しばた:本当にありがたいです。

●コラボの話をいただいたとき、曲のイメージはあったんですか?

こやま:サビはテレビCMっぽくしたいというか、キャッチーにしたいと思ってました。自分なりのモード学園を目指してる人へのメッセージもあるし、ちゃんとヤバイTシャツ屋さんとしての主張も入れてるし、皮肉も入れてるし。CMに寄り添いながら自分たちの曲にもできたなって思います。

●今作はすごくエモいと感じたんですよね。ふざけてるけどそれだけじゃない。表題曲「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」は特にヤバTのバンドの姿勢の核みたいなものを存分に詰め込んでいますよね。他の曲もそうですけど、「音楽をかっこよく作って歌詞でふざける」という今までのヤバイTシャツ屋さんの美学があるとしたら、今作はその先のスタンスを表現できている気がする。

こやま:「ヤバみ」(2017年4月リリース4th シングル『どうぶつえんツアー』/2018年1月リリース2ndアルバム『Galaxy of the Tank-top』収録)ぐらいから、シリアスな歌詞やけどふざけてるように聴こえて、ちゃんと読んでみたらみたら「あれ? メッセージあるやん」みたいなのを目指して作ってるところはあって。

●そういう意識はあるんですね

こやま:意識はしてますね結構。基本的には頭空っぽにして聴いて欲しいけど、またその先で興味持ってくれた人とか好きになってくれた人が読み解いていったら、“ちゃんと主張あるんやな”って気づいてくれたらいいなと。それは「ヤバみ」の時に思ってたんです。でもなかなかそこまで気づいてくれる人が居なかったという悔しさが「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」になってる。

●なかなか気づいてもらえなかった…。

しばた:「ヤバみ」にこやまさんは気持ちを乗せた部分が結構多かったのに、“ヤバみバみ”というフレーズのせいでそこの部分ばっかり切り取られて。

こやま:そう(笑)。「また意味分からん曲歌ってる」って。

●キャッチーさが勝ってしまった。

しばた:そうそう(笑)。だから自分の中では「ヤバみ」のアンサーソングやと思って「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」を作ってます。

しばた:すぐ自分でアンサーソング出すもんな(笑)。

こやま:1年ぐらいで(笑)。

●メッセージがあった方がいいなと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?

こやま:うーん、前のアルバム出したときに「中身が無い」と言われ過ぎて納得いかなかったんでしょうね(笑)。

●ハハハ(笑)。

こやま:それに大学も卒業して大人になったんで、考えることも増えてきたのかなって。関わる人も増えてきたし、自然と「ヤバみ」みたいな曲も増えてきたのかなと自分では思ってたんですけど、なかなか伝わらへんなっていう。

●なるほど。例えば「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」の歌詞に出てくる“理屈っぽいぐらいなら安っぽいがいい”というのは、自己主張というか、表現していく中での葛藤から生じたひとつの到達点だと思うんですよね。

こやま:自分の主張もキャッチーにして届けたいから、どうしても難しい言葉並べて伝えるより、安っぽい言葉で何とかして伝えたいと思ってるというか。とりあえず頭空っぽでもいいから聴いてもらう事が第1やなと。

●まさに「ヤバみ」と「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」で歌っていることだと。

こやま:そうですね。

●それとM-2「かかとローラー」は問題作だと思うんですが。

3人:ハハハ(笑)。

●聴き始めは「めっちゃいい曲!」と思ったんですけど、歌詞を聴いていくうちに「あれ? また変なこと歌ってる」と気づいて(笑)。こんないい曲やのにこんなしょうもないこと歌って…あ、これは褒め言葉なんですけど…「もったいない!」と(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

しばた:おっしゃる通りです(笑)。

●これたぶん、ものすごくエモい歌詞を乗せたらすごい名曲になると思う。

こやま:こういう曲が結局いちばん得意ですね。

しばた:早かったもんな。秒やったな(笑)。

こやま:秒やな。こういう、なんのタイアップにもならなさそうな曲がいちばん得意ですよね。やっぱり(笑)。

しばた:最も自由とされてるやつね(笑)。

もりもりもと:活き活きやってましたね。ヘラヘラしながら。

●すごく真面目なこと…恋愛でもなんでもいいんですけど…そういう歌詞で曲を作ろうと思ったらダメなんですか?

こやま:ダメですね。全然書けない。

しばた:かかとローラーじゃなかったらできなかったですね。

●マジかよ(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

こやま:かかとローラーへの想い入れがなかったら書けなかったです。

●「かかとローラーへの想い入れ」ってなんやねん。

もりもりもと:絵がすごい浮かんでくるんですよね。ぶつかられてムスッとしたこやまさんの顔も浮かんでくる(笑)。

しばた:ずっと堪えてるこやまさんが出てくるもんな(笑)。

●「小3とか小4とかどっちでもええわ」と思いながら聴きました。

しばた:ハハハ(笑)。でもそこを気にしてるのはこやまさんらしいですよね。

●この歌詞は実際にあったことなんですか?

こやま:ありましたね。かかとローラーを履いた子にぶつかられて、直接注意する勇気もないし、だから“曲にしたろう”と思って。

●モヤッとした気持ちを曲で昇華してやろうと。

こやま:やっぱりアーティストなんで…。

しばた:表現者やな~。

一同:ハハハ(笑)。

●その場で主張するとかじゃなくて、アーティストなので音楽で表現するのが1つの答えというか。

こやま:そうっすね。伝えたいなって。

もりもりもと:届いてるといいね。

しばた:せやな。

●「なんでこんなことをこんなにエモく真面目に歌ってるんだろう?」と思ったんですよね。

しばた:心がこもっちゃうんですよね。

こやま:熱くなっちゃうんですよね。自然と…。

しばた:ハハハ(笑)。

 

 

●いつごろ作った曲なんですか?

こやま:テーマ自体はだいぶ前からあって、フレーズとかもだいぶ前からあったんですけど、作ったのは最近ですね。“2018年5月はこれしかない”と思って。

しばた:「かかとローラー」しかない。

●というか、かかとローラーっていつ流行りましたっけ?

こやま:めっちゃ前じゃない?

しばた:10年ぐらい前かな。

●なのに“2018年5月はこれしかない”と思ったのか…。

しばた:地元のスーパーとか行くとたまに履いてる子を見ますよね。

●それにM-3「ざつにどうぶつしょうかい」も問題作だと思うんですけど…。

もりもりもと:問題しかない(笑)。

しばた:立て続けに(笑)。

●聴いてて「めっちゃ雑やん!」と思うんですけど、最初に「ざつに…」と言われてるからツッコミようがなかった。

こやま:子ども向けに振り切った曲を作ってみたいなと思いまして。

●分かりやすいもの。

こやま:そうですね。結構悩んだんですけど、動物って普通ちゃんと紹介したくなるじゃないですか。

●「子ども向け」と考えたらそうですよね。

こやま:そこを雑に紹介するっていう、それを思い付くのに時間がかかりましたね。

●そうなのか。

こやま:「あ、動物を雑に紹介したらええんや」ということを思いついてからはすぐできましたね。

●子ども向けにと思ったきっかけはNHKとのコラボがあったから?

こやま:そういうのもありますけど、より幅広い年齢の人に知ってもらいたいっていう。

しばた:ライブでも小さい子が増えてきたんです。

もりもりもと:親がヤバTを子供に聴かせて、MVとか一緒に観てワイワイしていたりとか。

●いい話だ!

こやま:でもその曲の歌詞が“レッドブルでウォッカ割って飲んで”みたいな感じで子どもがキャッキャしてるから…。

しばた:“吐いた女持ち帰って”はあかんやろ(※共に「あつまれ!パーティーピーポー」の歌詞)

こやま:ちょっと悪いなと思って(笑)。子どももちゃんと聴けるような曲がいいかなと。

●ちなみにこの曲の低音コーラスはもりもりもとさんですか?

もりもりもと:僕です。

●あのコーラスめっちゃ渋いですね。

こやま:ハハハ(笑)。

しばた:あのコーラスがアメリカン感を出してますよね。

●アメリカン感。

こやま:最近は低音をもりもとに任せているんです。

しばた:「かかとローラー」も歌ってますし。

もりもりもと:「かかとローラー」は掛け合いの部分で結構声を張って出してて、こういう曲で割り振られることが増えてきたし、それはいいですよね。

しばた:音圧も出るし。

こやま:僕らの中では「ORANGE RANGEスタイル」と呼んでます。

しばた:勝手に。

もりもりもと:パート分けがちゃんとできましたね。

こやま:もりもとは「ヤバTのRYO」と呼ばれてます。

●ハハハ(笑)。もりもとさんのキャラを活かすためにこういうアレンジを思い付いたんですか?

こやま:うーん、そこまで考えてない。

もりもりもと:なんだよ(笑)。

しばた:いつもだいたいノリです。

こやま:寂しくなったら「ちょっともりもと歌ってや」と言って(笑)。

もりもりもと:あ、けどデモを聴いたときに“これは歌わされそうだな”って思うときはありますね。

●そしてリリース後の6月には“げんきいっぱい” TOUR 2018が控えていますが、静岡の浜松と大阪の高槻と京都…。

しばた:ほぼ西っていう(笑)。

こやま:メンバーの地元ツアーなんです。

●なるほど!

しばた:私は大阪府高槻市出身なんですけど、京都や静岡にツアーでまわったときは「おかえり!」みたいな雰囲気が出るんですけど、大阪だと全然出ないんですよ。

こやま:ハハハ(笑)。元々が大阪で活動してたからな。

しばた:大阪は私の地元じゃなくてヤバTの地元になってるんですよ。私の地元がない。

●それはちょっと切ない。

しばた:「おかえり」とか言われたいんですよ。

こやま:だから高槻でね。

しばた:私はすごく高槻に誇りを持ってるんですけど、地理的には孤立した場所なんですよね。

●確かに、大阪でも京都でもない感じはある。

しばた:だからどうしても高槻でライブしたくて、ずっとマネージャーさんに「高槻でライブさせてくれ」と言ってて。

もりもりもと:ずっと言ってたな。

しばた:でも普通のツアーにポンって高槻が入るのはおかしな話やなというのは分かってたんで、今回の地元ツアーでやっと実現できたんです。

●満を持して。

こやま:僕は宇治出身なんですけど、宇治にはライブハウスがないんです。“京都大作戦”しかない。なのでKBSホールにしたんですけど…デカいんですよ…。

しばた:デカいね。

こやま:高槻RASPBERRYがキャパ130人とかなんですけど…京都KBSホールは2000人の2DAYSなんすよ(笑)。平日に京都で2000は不安です(笑)。

もりもりもと:浜松の窓枠も…。

しばた:窓枠2DAYSも結構珍しいよね。気合い入るな!

もりもりもと:だから盛り上げ対決をしたいなと思いますね。自分の地元をどんな風に盛り上げられるかっていう。

●浜松の音楽シーンはどういう感じなんですか?

もりもりもと:僕が高校生のときにライブハウス通ってた頃とかは、めちゃくちゃおとなしい感じで“そういう県民性なのかな?”と思ってたんです。でもヤバTでライブしてみたら毎回もみくちゃになるくらい盛り上がるので「あっ、これは僕ら(が当時やっていたバンドの)実力がなかったんだ!」と思いましたね(笑)。ヤバTで来たときは本当に温かいんです。

しばた:何か特別温かくない? 京都とか大阪とかより浜松の方がホーム感が強い。

●お客さんが温かい?

しばた:そうです。もりもとがなに言ってもスベらんし。

もりもりもと:ハハハ(笑)。

こやま:「もりもとー! おかえり!」みたいな。

しばた:しかも静岡特有のCMの歌とか歌って、こっちは全然分からんからシーンとなってるのにお客さんたちは「ワー!」みたいな。

●愛があるツアーになるということですね。地元盛り上がり対決ができるツアー。

しばた:KBSホールやばいな(笑)。

こやま:もはやKBSホールなんて京都の人だけが来るわけじゃないやろ。

もりもりもと:まあそうですよね。

こやま:平日にKBSホールか…。

しばた:がんばろうね!

●ツアー後はフェスもありますが、制作の予定はあるんですか?

こやま:そうですね。

●今までいっぱい曲を作ってきてると思うんですけど、過去の曲が新しい曲を作るときに…邪魔になると言うと語弊がありますけど…歌うテーマが消去法になる場合もあるんでしょうか?

こやま:そうですね。あ、でも今回の曲はほとんど「ヤバみ」と歌ってることは一緒ですけどね。

もりもりもと:それ言っちゃう(笑)。

しばた:アンサーソングやからね。そういうもんやからアンサーソングって(笑)。

こやま:そうそう(笑)。

もりもりもと:確かにそうか。

●過去に歌ったテーマだからといってNGではないと。

しばた:逆にしつこく歌っても大丈夫なバンドやと思う(笑)。

もりもりもと:僕らって考え方を180度変えても大丈夫なバンドだと思うんですよ。「寝なくてもいける」って言ってたのに「寝たい」って言うとか。

しばた:なにを言っても…たぶん大丈夫。しつこくタンクトップの曲歌ってるし。

こやま:タンクトップの歌だったらすぐできるんですけどね。

●まだすぐ作れるんですか?

こやま:まだできますね。ほんまにいいんやったら次のCDで全部タンクトップの歌でも全然できますね。

●ヤバイな。

こやま:ただ“しつこいかな?”とは思うので、アルバムなら入れてもいいかなと。シングルの1曲目でまたタンクトップやったら「おいおい!」ってなりそう。でも次のアルバムには入るんじゃないですかね。

●もう言ってる(笑)。

しばた:だって今まで2回入ってるもんな。

こやま:2回入ったら3回はあるな。

●前のインタビューでも「3枚目のアルバム1曲目はタンクトップで全然OKです」と言ってたけど。

しばた:大概は3部作やもんな。

こやま:そこでやめたら「こいつら変わったな」となるから。4枚、5枚、6枚と出して「他とは違うぞ!」というところを見せたい。

●別にそこはもう…(苦笑)。

もりもりもと:1回やめてまた登場させるっていうのはちょっとね。

こやま:それは大変やから。

しばた:「またタンクトップに頼りよった」となるし。

●タンクトップじゃなかったら「ヤバT変わったな」となるのかな?

しばた:ならないですか?

こやま:寂しがると思う。

しばた:タンクトップファンの人がね。

こやま:「もうヤバT聴かんとこ」ってなると思います。

しばた:おー! すげえ過激派やなそれ。

●英語詞で歌ってたバンドが日本語で歌うようになって「こいつら変わった」と言われる、みたいな。

3人:それと一緒です。

●一緒じゃないでしょ!

一同:ハハハ(笑)。

こやま:「メジャーいって変わった」と言われたくないですからね。

Interview:Takeshi.Yamanaka

 

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