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CRAZY WEST MOUNTAIN

心の望むままに泣いて笑って、人生の頂きへ登り続けていく。

“グッとくるのにユーモラス!”をキャッチコピーに掲げる新感覚ミクスチャー“山”バンド、CRAZY WEST MOUNTAIN(通称・クレ山)がアルバム形態としては約3年ぶりとなる新作をリリースした。様々な試行錯誤や紆余曲折も経て、“音楽を本気で一生続けていく”と腹を括ったという4人。タイトルに込めた“君がなりたいものになれば良いんだよ”というメッセージは、そんな彼らが放つからこそリアルに響くのだろう。説得力も表現力も増したクレ山は、これからも人生の頂きを目指して登り続けていく。

 

「今のクレ山の最終目標は“笑顔の先の涙”なんですよ。新しいキャッチコピーとして“グッとくるのにユーモラス!”を掲げているように、“なんで私、楽しいのに泣いているんだろう?”みたいなところにまで持っていきたいと思っています」

●前作のミニアルバム『ROCKY』以来3年ぶりの新作となりますが、その間も活動は続けていたんですよね?

鶴岡:色んな動きはしていたんですけど、ライブの物販には『ROCKY』しか置かれていないっていう状態で…。よく3年間、ずっと走り続けてきたなとは思いますね。

●『ROCKY』リリース後に富士登山にも挑戦したわけですが、この3年間も山には登ってきた?

前田:実はその翌年は“学校”をテーマに1年間企画をやったりして、ちょっと山から離れていた時期もあったんです。

鶴岡:“学校”をテーマにしていた時期もまだフザけていたんですけど、それを終えた後の去年は楽曲的にもちょっと真面目な方向に行っていて。

●前作の時はフザけていたという自覚があったと(笑)。

鶴岡:そうですね(笑)。でもそこから“真面目も必要だよね”っていう話があって。その時期に作ったM-2「トレイルラン」は真面目なんですけど、やっぱり自分の中で山を捨てきれていないんですよ。

●“目指すは山の向こう”と歌っているように、その先にあるものを探していたわけですね。

鶴岡:それが(意味的に)良い感じでハマってくれているのは助かるんですけど、やっぱり山から離れきれていない自分たちがいて。そこから腹を括って、また戻ってきた感じですね。むしろ最近、“ちゃんと山に登ろう”となったところなんです。

●山に登ろうと腹を括ったんだ(笑)。

鶴岡:ミーティングで“やっぱり俺たちは山なんじゃないの?”となって。CRAZY WEST MOUNTAINという名前なんだから、自分たちの名前に誇りと尊厳を持って、“山”バンドであることを推していこうとなりました。

●せっかく“MOUNTAIN”を名乗っているからには。

鶴岡:ただ“サカナクションって、あんまり魚の曲をやらないよね”みたいな話も出ましたけどね(笑)。バンド名にあまり引っ張られなくても良いんじゃないかという話もあって色々と試行錯誤したんですけど、やっぱり自分たちには“山”しかなかったという…。

●結局そこに戻ってきた。

鶴岡:今回のアーティスト写真では衣装をBURTONっていうアウトドア/スノーボードのブランドで揃えているんですけど、それも“山”バンドになろうっていう決意からなんです。ジャケット写真の緑・オレンジ・青っていう3つの配色も山・太陽・空を表しているんですよ。

●ちゃんと意味があるんですね。そういうところも含めて、メンバー間で方向性を話し合ったりしている?

前田:メンバーとはこれまで話してこなかったようなことも、この1年で話し合うようになって。よりディープな関係性になったというか、ただの幼なじみから始まった自分たちが“人生を一緒に歩いていくんだ”という団結力みたいなものを培ってきた1年だと思います。2016年はライブをメインに1年間活動して、2017年は制作メインで1年間やってきたんです。その中で今作のリード曲を作るにあたって、“CRAZY WEST MOUNTAINとはどういうバンドなのか?”みたいな根本的なところから話し合ったりもしました。

●バンドやメンバーとも真剣に向き合った。

鶴岡:脱皮した感はありますね。『ROCKY』は幼なじみ5人がただ好きなことをやっている中から生まれてきたものだったので“遊び”みたいな感覚もまだあったんですけど、そこから“音楽で食っていくんだ”と腹を括って。

●何かキッカケがあったんですか?

鶴岡:1年前くらいに“本当にこのまま俺たちは音楽をやっていくのか?”っていう根本的な問いかけをした時に、みんなの心が折れそうになったりもしたんです。そんな時に生まれたのが「トレイルラン」なんですよね。“それでも走って行く”ということを決めた時期も経て今に至っているので、『ROCKY』の時に比べたら顔つきまで変わったんじゃないかなって思います。

●楽曲や歌詞も前作よりも、良い意味で真面目になった気がします。

鶴岡:やっぱりオシャレで、カッコ良いものを作りたいから。『ROCKY』の頃は全てが変化球みたいな曲だったんですけど、そういうものをポップな形に落とし込んでいったというか。その頃にあった魅力や持ち味を捨てたわけではなくて、“世に届ける”ことで昇華させていくという感じですね。最近は“届ける”ということに重きを置いているので、そのマインドとスタンスは今作にもよく表れていると思います。

●曲作りもそういった意識に基づいている?

前田:そうですね。でも去年1年間で今作に向けた曲作りをしていた時は、まだ『ROCKY』の後遺症みたいなものがあって(笑)。フザけすぎて意味のわからない曲が生まれたりもしていたんです。

鶴岡:それも今聴くと、カッコ良いんだけどね(笑)。

●それを徐々に修正していった?

前田:曲の作り方も変わったんです。以前はセッションの中で反射神経を使って、その場でどんどん組み立てていくという感じで。でもここ1年はメンバーの誰かがデモを持ってきて、方向性も話し合った上で組み立てています。今回のアルバムはその新しいやり方を試みた初めての作品なので、前作とは全く作り方が違いますね。

●今回の収録曲は、どれもこの3年間で作ってきたものでしょうか?

鶴岡:この中ではM-3「あっためてくれ!」が一番古い楽曲です。毎月ライブで新曲を発表するという企画をやったりもしていたので、曲はずっと作っていて。その中でも今回は、バンドとしてどこに行くのか模索している最中にできた曲たちが多いですね。

●「あっためてくれ!」はラブソング?

鶴岡:そうですね。実は「あっためてくれ!」からM-6「Mr.オンタイム」までは1つの時系列でつながっているんですよ。

●あ、そうなんですね。

鶴岡:一途な1人の男性を時系列順に追っていて。「あっためてくれ!」で出会って、M-4「STEP BY STEP」で初デートをして、M-5「赤いレンタカー」では付き合っているんです。最後のM-6「Mr.オンタイム」は、変なオチになっているんですけどね(笑)。2人がもっと仲良くなって、お互いに空気のような存在になった挙げ句、当たり前のように(主人公が)待たされている…という。そういう時系列になっています。

●ラストのM-7「グッドモーニング・アゲイン」はまた違うテーマ?

鶴岡:「グッドモーニング・アゲイン」はアルバムの締め的な感じで、この4つのストーリーとはまた別の話ですね。この曲が最後にくることによって、このアルバム全体の流れができていて。“アゲイン アゲイン”という言葉で終わるので、もう一度最初から聴きたくなるような仕掛けにもなっているんです。

●繰り返して聴きたくなるような流れになっている。

鶴岡:M-1「Explooosion!!」で夢への第1歩を踏み出し、「トレイルラン」ではその道の途中で挫けそうにもなって、ラブストーリー4曲を挟んだ後で、それら全てのストーリーを俯瞰して見ているような大きな視点を持った曲が最後に来ているんです。「グッドモーニング・アゲイン」は、そこまでの曲で歌われてきた“もどかしさ”も“希望”も全てを肯定するような1曲だから。“これで締めたらすごくきれいだよね”っていうことで、満場一致で決まりましたね。

●今の話に出ましたが、「Explooosion!!」は夢への第1歩を踏み出しているというイメージ?

鶴岡:アルバムタイトルも決まって、収録曲も決まった時に“1曲目(に適したもの)だけないね”となったんです。そこから“1曲目を作ろう”という明確な意図を持って作ったのが、「Explooosion!!」ですね。作品の1曲目はテーマ的にも楽曲的にもそのアルバムを言い表すような曲でありたいと思っているので、メッセージは“Be What You Wanna Be”だと決めていて。そこにクレ山のやんちゃさや明るさ、元気さとかを全部落とし込んで作り上げました。

●アルバムタイトルのほうが先に決まっていたんですね。

鶴岡:1曲目以外の収録曲を並べてみた時に、全体に共通するテーマみたいなものがあるなと思って。そこを突き詰めて考えた時に、“あなたのなりたいものになりなさい”っていう意味のタイトルが出てきたんですよ。どの曲も何か自分のなりたいものがあって、それになりきれていない“もどかしさ”や“焦燥感”の先にある“希望”を歌っているように感じたんです。

●それが全ての曲に共通していた。

鶴岡:今作が自分たちと同じように夢を追っていたり、なりたいものになるために毎日走り続けている人たちに希望を届けられるものになれば、すごく前向きな1枚になるんじゃないかなと思って。収録曲の作成時期はバラバラなんですけど、『Be What You Wanna Be』というタイトルがそこに1本の芯を通して、まとめてくれたというか。結果的にすごく良いところに着地できたなと思っています。

●タイトルは自分たち自身にも向けられているのでは?

鶴岡:“CRAZY WEST MOUNTAINというバンドで、音楽で夢を掴みにいく”という決意をしたところでできた1枚だから。自分たちの姿も重ねられるし、同じような立場にいる人たちにとっても勇気が出るようなものにしたいなっていう意識で作りましたね。

●今作を作り上げたことで、バンドとして新たな一歩を踏み出せた感覚もあるんじゃないですか?

鶴岡:1つ見えたというか。これで完成というわけではないですけど、今の状態のクレ山は形に残せたなって思います。それを自分たちなりにも客観視して、お客さんの反応も見た上で、これからの動き方も変えられるから。3年ぶりに作品をリリースできたことで、バンドとしてもすごく盛り上がっているんですよ。“やっぱりバンドは、これが楽しいんだよ”という感覚があって。

●今作を持ってツアーに行くのも楽しみなのでは?

鶴岡:“山”バンドという方向性が決まったことでよりわかりやすく見せる自信はあるので、ツアーがすごく楽しみです。

前田:ここ最近のライブは、昔と比べ物にならないくらい変わってきていて。昔はフザけ倒していたというか、どれだけ変な感じに見せられるかということを考えていたんですよ。でも最近はメッセージや気持ちをちゃんと人の心に伝えたいし、突き刺したいと思うようになりました。そういう溢れ出る“本気さ”みたいなものが、ライブで出せるようになってきたかなと。

●音楽に向き合う“本気さ”をライブでも感じられる。

前田:今までと違って、ちゃんとエンターテインメントとして見せたいというか。僕らなりの“クレ山のライブってこうだよな”っていうものを提示できたら良いなと思っています。

●笑わせるだけが、エンターテイメントではないですからね。

前田:そうなんです! ちゃんと感動させようと思っていて。

鶴岡:今のクレ山の最終目標は“笑顔の先の涙”なんですよ。“笑いながら泣いている”みたいな状態に、お客さんを持っていきたいですね。新しいキャッチコピーとして“グッとくるのにユーモラス!”を掲げているように、“なんで私、楽しいのに泣いているんだろう?”みたいなところにまで持っていきたいと思っています。

Interview:IMAI
Assistant:SHUNYA

 

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