音楽メディア・フリーマガジン

がらくたロボット / Lahaha / PARKLIFE / スーパーバック

今この瞬間のきらめきの中に、4つの可能性が交差した一夜。

がらくたロボット“Shout To Born 〜ツキノアリカ発売GIG”
Supported by JUNGLE☆LIFE & Pangea
2018/6/12@心斎橋Pangea
Act:がらくたロボット / Lahaha / PARKLIFE / スーパーバック

 

神戸の3ピースバンド、がらくたロボットが4/25に1stフルアルバム『ツキノアリカ』をリリース。その発売記念イベントを、6/12に心斎橋Pangeaにて開催した。

 

 

まず1組目は、スーパーバック。ダンサブルで怪しげな「歪曲」から、演奏をスタートする。歪みきったギターサウンドは刺々しさもあるが、10代の素直に感情が出せなかった頃を思い出して、心を熱くさせられる。MCでは「生ビールおいしいんで、最高のお酒をのませたる!」と短く煽り、次の「今夜はスーパーバック」へ突入。踊らせるというよりはむしろ暴れるまわるようなライブで、あっという間に感じられながらも濃厚なインパクトを脳裏に焼きつけていった。

 

 

Vo./G.野澤太秀の「あなたのために歌います」という一言に続けて、響き渡る歌声から始まったのはPARKLIFE。メンバー全員でのコーラスがもたらす清涼感は、まるで春の草原にいるかのような清々しい気持ちにさせてくれる。エネルギッシュな演奏を続けた後、「何か伝わればいいなと思って…この曲を歌います」と語ってから奏でたのはラストの「伝わって」。その曲が終わるまで静かに聴き入った観客が贈る大きな拍手の中、3人はステージを後にした。


 

 

ゆらゆらとつかみどころのないリズムとムーディーなギターが特徴的だったのは、Lahahaだ。まさかの1曲目からコール&レスポンスを要求し、いきなり会場を完全にLahahaワールドで飲み込んだ。少し変わった視点から歌われるラブソングには、どこか微笑ましさが漂う。そんな独自の感性が存分に発揮されたメロディと、いつまでも消えない余韻を残すステージング。MCタイムを取らずに全てを演奏に費やし、彼らの音楽をギュッと凝縮して伝えるようなライブだった。

 

 

トリを飾るのは本日の主役、がらくたロボット。Vo./G.ヤマモトダイジロウが「お待たせしました〜、やったるで〜!」と言い放ち、激しく衝動的なロックンロールの世界が幕を開ける。3ピースバンドとは思えないほどの音圧は、観客の歓声までもかき消していく。3曲続けて演奏した後に「後か先かなんかどうでもええ! 俺ら、今やっ!」と叫び「My Way」がスタートすると、観客は両手を振り上げて全身を揺らす。曲が進むにつれて前へ前へと押し寄せるオーディエンスと、ステージ上で縦横無尽に暴れまわるメンバー3人。そんな中でもラストを飾った「ツキノアリカ」では、目を閉じて聴き入る人々の姿がとりわけ印象的だった。

 

全ての公演が終わってもすぐに会場を後にする観客は少なく、ビールを片手に余韻を楽しんでいた。がらくたロボットのレコ発イベントでありつつ、各地からフレッシュな才能と音楽性を持った4組が集った一夜。それぞれが見せた可能性が今後どのように花開いていくのか、注目して見つめていたい。

TEXT:SHUNYA
PHOTO:梶ふふみ

 

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