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HUMANDRIVE

いくつもの出会いと別れを越えて、沈黙を破り踏み出した新たな一歩。

どこか懐かしい香りを漂わせる言葉と音をストレートに放つ、東北×関東のメンバーで構成された4人組正統派ロックバンド、HUMANDRIVE。彼らが4年ぶりの全国流通盤となる、新作ミニアルバム『告白』をリリースする。ライブで磨き上げてきた楽曲を中心に全てシングル級のフックを備えるバラエティ豊かな楽曲揃いの今作は、紛れもなく現時点での最高傑作と言えるだろう。4年間という沈黙を破り、遂に新たな一歩を踏み出した4人の今後がさらに楽しみになる1枚が完成した。

 

「“これが今の俺たちです”と告白しているところもありますね」

●HUMANDRIVEは、東北×関東のメンバーで構成されているとのことですが。

野田:僕とDr.クドノが青森出身で、G.須貝とBa.一二三が東京出身なんです。

クドノ:僕らは地元で組んだ4人組バンドで一緒に上京してきて、須貝と一二三も当時は別のバンドで一緒にやっていたんですよ。その両バンドが同じタイミングで解散してしまったところで、4人が意気投合して結成したという流れですね。

●2組のバンドが合体して、このバンドが生まれたと。野田さんとクドノさんは、バンドをやるために上京してきたんですか?

野田:そうですね。僕は高校時代からバンドをやっていたんですけど、クドノは当時まだ何もやっていなくて。ただ当時から顔が老けていて、ニルヴァーナのデイヴ・グロールにちょっと似ていたんですよ(笑)。僕はニルヴァーナが好きだったので“ドラムをやってみない?”と声をかけて、そのまま東京に引っ張りだしてきたんです。

●ある意味、クドノさんは巻き込まれている…(笑)。

クドノ:東京に憧れはあったので、誘われた時も“じゃあ、行こう”となりましたね。最初は本当に初心者で1年くらいコピーバンドをやったことがある程度だったんですけど、その状態で上京してきちゃいました。

●進学や就職とも関係なく、バンドのためだけに上京してくるというのは相当な覚悟が必要だったのでは?

野田:若さならではの勢いはあったと思います。不安みたいなものは特に感じていなかったですね。

クドノ:本当に若さだけというか。後先は考えずに、ただ“バンドをやろう”という気持ちだけで出てきました。

●自分たちの音楽に自信があったからこそなんじゃないですか?

野田:知識も何もないのに、自信だけはありましたね。でも東京に出てきて初めてライブハウスへ行った時に、“こんなにシビアなんだな”というのは感じて。その当時はライブハウスに出演するためにオーディションを受けないといけなくて、今よりもシビアだったんですよ。当時の経験は、すごく勉強になったなと思います。

●今のメンバーになったのはいつ頃?

野田:2010年ですね。自分たちとしては、そこから本格的にやり始めたという感覚があります。

●これまでにも何枚か作品をリリースしてきているんですよね。

須貝:2011年に1stミニアルバム(『空カラフル雨』)を出して、2013年には2作目(『十響 -TOKYO-』)という感じでわりとポンポン出していって。でも2作目を出した後に、そこまで所属していたレーベルを離れることになったんですよ。その結果、次の3rdミニアルバム(『瞬か?周到か?』)は完全自主制作で出すことになったんです。

野田:2作目を出した時に自分たちの中で色々と思うこともあって、今後も流通盤を出すのか自主制作でやっていくのかということを考えたんです。そういう中で“自主制作でやっていくほうが今の時代には合っているんじゃないか”と思って、当時はそうすることにしました。

●そこから今回の新作『告白』をリリースするまでに4年かかったと。

野田:自主で活動していく中で、全国流通することへの“腰の重さ”みたいなものが出てきてしまって。相当な気合いも必要だし、諸々の準備が必要だということもわかっていたので、そういうこともあって4年もかかってしまったのかなと思います。

●今作を作ろうと思ったキッカケは何だったんでしょうか?

野田:M-3「告白」が今回のメインなんですけど、“この曲ができたからこういうアルバムになった”というところが大きくて。自分たちの中で、今までにないタイプの曲だったんですよ。

●それはどういった部分が?

野田:今作自体が今までの作品と違っていて、すごくシンプルなんです。奇をてらったりもしていなくて、曲を本当にそのままの形で出したいなと思って作った作品で。「告白」はその中でも、ど真ん中の曲という感じですね。

●逆に今までの作品では、奇をてらったりもしていた?

野田:していましたね。

須貝:あまり長い曲が多くない今の時代に、5分台の曲ばかりやっていて。時代に逆行するようなことをしていました(笑)。1st〜2ndの頃は、まさにその最盛期でしたね。

●以前のプロフィールには“ハイブリッドロックバンド”と書かれていましたが、今回は“正統派ロックバンド”となっているのもそういう変化を表している?

野田:そうですね。思いっきり変えました(笑)。“変えた”というよりも、自然と変わっていったというか。

須貝:歳を重ねて、角がとれてきたのかもしれないですね(笑)。3枚目を自主制作したことでCDを作る過程や大変さを知って。それが楽しくもあったんですけど、どうやって採算を取るかということや色んなことを自分たちで考えながらやるようになったんです。そこからバンドとお客さんの関係性についての意識も変わっていったんだと思います。

●もっとリスナーに届くものを意識するようになった?

須貝:ライブを通して、自然とそういう方向性になっていったというか。どうすれば伝わりやすくなるかを考えるようになりましたね。

●作曲は須貝さんが担当しているんですか?

野田:そうですね。作詞は僕が担当しているので、この2人がメインで曲のやりとりをしていて。だから曲の変化も、途中からすごく感じてはいたんです。

クドノ:自分は曲が仕上がってくるのを待つ立場なので、お客さんに近い目線で“どういう曲になるのかな? 楽しみだな”という感覚でいて。3rdミニアルバムあたりから、既に“かなり方向性を変えたな”とは感じていました。

●3rdからは既に今に通じる兆しはあったと。そこをさらに突き進めたのが今作?

野田:そうですね。今回は本当に“極み”という感じです。何も狙わずに出てきたものを曲にしたというか。

須貝:無駄な部分を削ぎ落した感じですね。

●最新のアーティスト写真でメンバー全員が白いTシャツを着ているのは“まっさらになった”という意志の現れなのかなと。

須貝:…そのとおりでございます(笑)。

クドノ:“初心忘るべからず”というか。まっさらな気持ちで今はいます。

野田:“再出発”みたいな気持ちは確実にありますね。

●そういう気持ちになれる曲ができたということなんでしょうね。

クドノ:そうですね。メイン曲として、まず「告白」があって。でもそれ以外も全部、客観的に見ても“推し曲”だと思えるんですよ。

野田:すごく聴き応えのあるものができたので、色んな人に聴いて欲しいなと思っています。

●候補曲がたくさんある中から、ベストなものを選んだ感じでしょうか?

野田:ボツになった曲もたくさんあって。今の自分たちが求めている曲以外はどれも中途半端になっちゃって、完全体にはならないことが多かったですね。

●曲を作った時期はバラバラだったりする?

野田:古いものもあります。特にM-6「雨夜鳥」はすごく古いですね。

須貝:最初期からあった曲なんですけど、音源化していなかったし、ライブでもあまりやっていなかったんです。

●それを今作に収録した理由とは?

野田:歌詞やアレンジを全く変えて、やってみようということになって。それが良かったので、入れることになりました。

●元のイメージとは大きく変わっている?

須貝:演奏はそこまで変わっていないですけど、歌はかなり変わったと思います。

野田:メロディ自体も(原曲とは)全然違うんです。思いっきり変えて、今の感じになりました。かなり変わっているので、ライブでやってもお客さんはみんな“新しい曲”として聴いているんじゃないかな。

●歌詞も書き直しているんでしょうか?

野田:はい、書き直しました。内容的にも全然違うし、タイトルも変えたんですよ。

●「雨夜鳥=あまやどり」という当て字も面白いなと。

須貝:当て字は昔からよくやっていて。

野田:「雨夜鳥」というタイトルにしたくて、意味も考えた上でこの形にしたという感じですね。

●この曲に限らず、歌詞には“君”や“あなた”といった二人称がよく出てきますが、これは異性をイメージしている?

野田:もちろん異性の場合もありますし、自分に対して“君”と言っている曲もあります。

●それはどの曲?

野田:M-5「時を賭ける」ですね。

●この曲の歌詞は、バンドの歩みを歌っているのかなと感じました。

野田:この曲は、まさに自分たちのことを考えて書きましたね。8年やってきたからできた曲という感覚があって。“時は金なり”と言いますけど、自分たちは時を賭けて博打しているような感じでバンドをやっているなと思うんですよ。

●今だからこそ歌える内容だし、“もう一度だけ 夢見させて”という歌詞もあるようにまだ夢を諦めていないという想いも出ている。

野田:そのとおりです。この曲は、音楽を辞めようと考えているバンドマンに聴いて欲しいなと思います。周りでも辞めていくバンドマンが結構いるので、そういう人たちに“これを聴け!”というくらいの気持ちで書きました。

●自分自身が辞めたくなることはなかったんでしょうか?

野田:バンドを辞めたくなることはなかったですね。

クドノ:自分も同じです。バンドに対して“期間限定”みたいな感覚はないんですよね。“いつまでに辞めなきゃ”みたいな自分の中でのラインはなくて。

須貝:大学卒業の時期にそれまで一緒にやっていたバンドがみんな就職とかの理由で辞めていったんですけど、僕はずっと曲を作ったりはしていて。音楽に対して、“辞める”ということをあまり意識したことがないんですよね。

●やり続けることが当然というか。

須貝:たとえバンドを辞めたとしても、音楽を聴くことや曲を作るという行為はたぶん続けるんじゃないかなと思います。音楽を始めた頃からそういうスタンスなので、辞めようと考えることは今までなかったですね。

野田:感覚的には(須貝と)ちょっと違うと思うんですけど、自分は“このバンドでどうにかしていきたい”という気持ちはずっと持っていました。

●“のるかそるか”とも歌っていますが、ただ続けていくだけではなく、ちゃんとした結果も求めている。

野田:そうですね。

クドノ:結果を求めている部分は、みんなあると思います。

●今は自信を持って世に送り出せる曲が揃ったから、流通盤をリリースするに至ったのでは?

野田:そういうことですね。タイミングだったり、出会いだったり、色んなことがあって今回のリリースにつながった感じです。

●出会いという意味では、今作は猫田ヒデヲさん主宰のGARDEN CITY RECORDSからのリリースとなるわけですが。

須貝:出会いは、ヒデヲさんがやられていたFOX LOCO PHANTOMと何度か対バンさせて頂いたことで。“カッコ良いな”と思って、単純にファンだったんです。

野田:ヒデヲさんとの出会いはすごく大きくて。今回の流通盤リリースに関しても、ヒデヲさんとの出会いがなかったらたぶんやれていなかったと思います。

●その出会いもキッカケになって、4年ぶりの流通盤リリースにつながった。

クドノ:今回の『告白』というタイトルには、“濃く吐く”という意味合いもあって。この4年間で色々と溜まったものを吐き出している感覚もあるんです。

野田:元々はファンや聴いてくれている人たちに、自分たちの最も素の部分…つまり“秘密”にしているような部分を曲にして届けるという意味で『告白』というタイトルにして。そこに“濃く吐く”という意味も重ねています。

●“秘密”にしている部分を見せているんですね。

野田:今までのHUMANDRIVEと、今作に収録した6曲とでは印象が全然違うと思うんです。昔から聴いてくれていた人たちの中には、今作を聴いて“あれっ?”と思う人もいるかもしれないんですよ。どっちに転ぶかはわからないですけど、そういう人たちに対して“これが今の俺たちです”と告白しているところもありますね。

●そういう意味でも自信を持って提示できる作品ができた。

クドノ:自信しかないですね。自分で聴いていても、どれも心に刺さってくる曲ばかりだなと感じられるから。“良い曲だな”って、純粋に思えるんですよ。

須貝:ただ、自分の中ではもう作り終えたものなので、意識は次に向かっていて。そういう意味でも、すごく前向きな心境でいますね。

●ツアーでは新しい姿を見せられるのでは?

野田:地方で待っていてくれる人たちもいるので、“やっと届けに行けるな”っていう気持ちがすごくあって。今回の音源とはまた違うものも、新たな欲求としてツアーでは出せるんじゃないかなと思います。

クドノ:この4年間で培った人脈もあって、過去のツアーでは行ったことのない新しい場所も今回は増えているんですよ。ファイナルに向けて、新しい形でパワーアップしたHUMANDRIVEを見せていけたらなと思っています。

Interview:IMAI

 

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