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lynch.

古き良き時代を継承し、新たに彩った逸品

今年3月に行われた幕張メッセでのワンマンライブを終えてから作り上げたというlynch.の最新作『Xlll』は、結成13周年にリリースする13枚目のアルバム、そして全13曲収録というこだわりの深い作品に仕上がった。

1曲目の「INTRODUCTION」は、13年という時間の重さや深さ、そして尊さを表現したインスト曲だ。lynch.のライブのSEは、アルバムに収録されるオープニングインストが起用されることが多く、7月から始まるツアーへの期待も高まる。

続く「THIRTEEN」は、アルバムタイトルともリンクしている最重要ポジションと言えよう。“曲作り期間の最後に1曲目を作るという意識のもと作った”と話す葉月の丹精込められたサウンドを堪能してほしい。

葉月が“このアルバムの全ての始まり”と話すのは「GROTESQUE」。90年代のビジュアルロックを彷彿とさせる絶妙に古いアプローチが逆に新鮮で、激しさと妖艶さを兼ね備えたlynch.特有の美しきグロが描かれている。

冒頭の晁直によるドラムが存在感を放つ「EXIST」。抜けの良いシャウトが特徴に挙げられるが、この曲のシャウト部分は何度も録り直したと言う。

サーカスをモチーフにしたMVを作りたいという意向から楽曲制作が進んだ「JØKER」は今作の表題曲。疾走感あるサウンドにキレのあるメロディー、中盤のクラッブやシャウトタイムを聴いて、ライブ中のカオスな絶景が目に浮かんだ。

“バンドが復活して一発目に作曲した”と悠介が語る「RENATUS」。低音までしっかりと響かせる葉月の歌声とファンタジーな歌詞にもご注目。

過去最高にシンプルなデモから生まれた「AMBLE」は“ただ過ぎ去る時が愛おしくて、名残惜しくて書いた”と言う葉月の願いが綴られたバラード曲。

“虚無感”を意味する「SENSE OF EMPTINESS」は、明徳の一時的なバンド脱退時期に悠介が作曲。気配を消すかのような冷たい静けさが、心が洗われた気分になる。

ギター、ベース、ドラム各パートがしっかりと映える「FIVE」は“5人”であることが重要視される今作に収録されるべき一曲となった。

“時”を表すかのような時計の針が動く音と、寂しさを感じさせるピアノの単音が印象的な「INTERLUDE」。「FIVE」と「FAITH」の間を紡ぐ役割も果たしており、3曲通してスムーズな曲の流れを楽しめる。

玲央のギターソロがド派手な「FAITH」は、とにかくライブでヘッドバンギングやサークルモッシュを楽しみたい。

明徳が“ライブ化け曲”と例える「OBVIOUS」。ラウドな一面がありながらも突如始まる壮大なスケールの歌もの部分が、舞台のフィナーレを感じさせる。

今作の13曲目は、悠介が初めて作詞を手掛けた「A FOOL」。このアルバムが世に出るのは7月の七夕シーズン。“流星のかけら この手に握りしめ”と言う情緒溢れる歌詞が非常にマッチしている。

6月にlynch.は、後輩バンドであるR指定、アルルカン、DEZERTとの対バンで先輩としての威厳あるパフォーマンスを見せつけ、念願の出演を果たした“LUNATIC FEST.2018”では兄貴分であるLUNA SEAと同じ舞台に立った。

lynch.は今、上の世代からも下の世代からも刺激と愛情を受けながら、自らのジャンルを確立している真っ最中だ。まだまだ伸び代しかないこのバンドの成長過程を、この目で、耳で、体感してほしい。

Text:羽村萌

 

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