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25市(ニーゴーイチ)〜25日の革命〜

6組の放った鮮やかな光が、革命への道を照らしだした。

2018/7/25@下北沢CLUB251
Act:PARKLIFE / ariel makes gloomy / カヨ / THE ANREG / wannabies / コシミキヤ

 

今秋で25周年を迎える下北沢CLUB251がアニバーサリー企画の一貫として、ニューカマーを中心としたショウケースイベント“25市(ニーゴーイチ)〜25日の革命〜”を6月より5ヶ月連続で開催。その第2弾が7/25に開催された。

 

コシミキヤ

この日のトップバッターは北海道札幌市からやってきたシンガーソングライター、コシミキヤだ。今回初めて東京でライブを行うということで、その姿勢からは“やってやろう!”という気迫がひしひし伝わってくる。メッセージ性の強い楽曲だけでなく、人間味のあるMCも含めて、観る者を惹きつけていく。小さい頃のエピソードを話してから最後に演奏した「頑張る人への応援歌」では、意志のこもった歌に自分自身も背中を押されたような感覚になった。

 

 

 

THE ANREG

悠然とした雰囲気を漂わせて、ステージに登場したのはTHE ANREG。冒頭からR&Bを基調とした大人っぽい楽曲で、まずはオーディエンスを聴き入らせる。月香(Vo.)とYotsu(G.)による2人組ユニットだが、寄り添うリズム隊のスキルも高く、一体となって喜怒哀楽の感情を丁寧に伝える表現力が素晴らしい。後半はパワフルなロックチューンも交えて、フロアを揺らしていく。最後はシンガロングも巻き起こし、ピースフルな空気感を残していった。

 

 

 

wannabies

宇都宮を拠点に活動している3ピースバンド・wannabiesは、7月の時点で既に60本以上のライブをこなしてきたという。そんな現場での経験に裏付けられたライブパフォーマンスは、こちらのテンションを確実にブチ上げてくれるものだ。メロディック/ポップパンクをルーツにした一癖あるサウンドで、矢継ぎ早に放たれるショートチューンが心地よい。10代最後のライブということで“大人になることなんてクソッタレだ!”と叫んだ彼らは、今後も走り続けていくのだろう。

 

 

 

カヨ

軽快なリズムのSEに乗ってカヨの5人がステージに現れると、自然と拍手が湧き起こる。強烈なリフと4つ打ちのリズムでオーディエンスの心をガッチリ掴んだオープニングナンバーに続けて、9/5にリリース予定の1stミニアルバム『PANIC COLLECTION』にも収録される「ときめきチェンソー」を披露。過去に何度も観てきたバンドなのだが、ヴィジュアル面も表現力も大きく変貌を遂げ、まるで生まれ変わったかのようだ。今後への期待も高まらずにはいられない。

 

 

 

ariel makes gloomy

その不可思議な存在感で異彩を放ったのは、4ピース編成のプロジェクト・ariel makes gloomy。ギターポップやシューゲイザー、ポストロックからオルタナまで様々な要素を独自昇華したサウンドは、今まであまり聴いたことのないものだ。緩急の利いた展開を見せる緻密な楽曲に踊らされ、キャッチーなメロディと歌声にいつの間にか魅了されている。MCで見せるイシタミ(Key./Vox)のつかめないキャラクターも含めて、好奇心を刺激されるライブだった。

 

 

 

PARKLIFE

トリを飾るのは東京発3ピース・ロックバンド、PARKLIFEだ。歌っている時の野澤太秀(Vo./G.)は本気で楽しんでいることが伝わる“良い顔”をしており、観ているこちらも気持ちが良い。伸びのある歌声はもちろん、コーラスワークもきれいで、彼らの世界にグッと引き込まれてしまう。全員で会社を辞めてバンドを始めたという純粋で熱い気持ちを投影したように、その音には初期衝動が詰まっているのだ。キラキラとした輝きを放つライブは、何度でも観たいと思わせられるものだった。

Text:有馬ゴウジュン
Photo:マサ(Twitter,Instagram/@masalivephoto)

 

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