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angela

15年の軌跡を彩る珠玉の名曲たちと共に、2人はこれからも走り続けていく。

アニソン界を牽引する2人組アーティストユニット、angelaがデビュー15周年を記念したオールタイム・ベストアルバムを10/24にリリースする。2003年にキングレコードからデビューを飾って以来、様々なアニメ〜ドラマを彩る楽曲を生み出してきた2人。ここまでの集大成と言える今作は『angela All Time Best 2003-2009 』、『angela All Time Best 2010-2017』と題され、それぞれCD2枚組、2形態でのリリースとなる。それぞれのCDは15周年にかけて全て15曲収録、1形態につき30曲…つまり全60曲という大ボリュームだ。数々のアニメ作品を鮮やかに映し取った粒ぞろいの名曲を多数収録し、長年のファンに響くツボをついた選曲でありながら、入門編としても最高のアルバムと言えるだろう。路上ミュージシャンからスタートし、ロック〜ポップスからジャズやデジタルミュージックに至るまで多様なジャンルを貪欲に消化・吸収して作り上げた“angelaサウンド”は、まさに唯一無二。10/27には日比谷野外大音楽堂でのワンマン開催、さらに11/28には劇場アニメーション『K SEVEN STORIES』エンディング主題歌ミニアルバムを発売予定と、とどまることを知らない2人に迫る表紙&巻頭10,000字インタビュー。

 

「自分たちだけで試行錯誤しながら作れたことが、私たちが私たちになれた一番の理由かなって思います。不安ではあったけれど、その中でチャレンジを積み重ねて“angela”を作っていけたというのは本当に良かったなと。だから、“何々っぽいね”とも言われないのかな」

●まずはデビュー15周年おめでとうございます。去年3月には初の武道館単独公演を成功されて、つい先日は“KING SUPER LIVE 2018”で東京ドームのステージに立たれたわけですが、15年前にこういった大舞台に立つことを想像されていましたか?

atsuko:全く想像していなかったですね。(デビューの段階で)2ndシングルまでは出せる予定だったんですけど、それ以降のことは下手に期待すると傷付くから考えていなくて。“きっとこれが最後だ”とリリースの度に思いながら、ずっとやってきました。

●最初からそんな想いでやっていたんですね…。

KATSU:1999年に一度別のレコード会社からデビューしたんですけど、“デビューが決まったよ、お母さん”と言った時に母親がすごく喜んでくれたんです。でも実際にCDを出しても全く売れなくて、お客さんも5〜6人しかいなくて…。

atsuko:8人ね!

●訂正が…(笑)。

KATSU:そっか、8人もいたんだ…っていうくらいの感じで。当時所属していた事務所が期待するようなアーティストにもなれなくて、その時のトラウマがずっと心の中に残っていたんです。だから2003年に『明日へのbrilliant road』でキングレコードから再デビューした時も“ラストチャンスだ”という気持ちで挑みつつ、心のどこかで“どうせすぐ終わってしまうんだろうな…”と思ってしまう弱い自分もいて。その“弱い自分”と”必死にしがみつく自分”が常に共存している…というところからの始まりでしたね。

●2度目のデビューとなると、1回目ほどには夢を抱けない?

atsuko:全然、抱けないですよ。

KATSU:やっぱり世間からは“1回デビューして売れなかった人たち”というレッテルを貼られちゃうんですよね。だから次にまたレコード会社からCDを出そうと思っても、そのイメージが常に付きまとって。それを背負っていくのが、重荷にはなっていました。

●その重荷は途中で外れたんでしょうか?

KATSU:その後で路上ライブをしている時に今のプロデューサーと出会って、『明日へのbrilliant road』のお話を頂いたんです。たまたまそれもアニメの主題歌(※TVアニメ『宇宙のステルヴィア』OPテーマ)だったんですけど、最初にお話を頂いた時に“実は1回デビューしたけど、売れなくて失敗しています。それでも良いんですか?”とこちらから訊いたんですよ。そしたら、その方が“そんなことは全然、関係ないです。僕はangelaさんのサウンドが好きだし、今から自分の作るアニメに必ず合うし、成功する未来しか見えない“と言ってくれて。“そんなことは関係ない”と言ってくれたことがすごく嬉しくて…そこからでしたね。

●そういう方に出会えたことが大きかった。

atsuko:やっぱり路上ライブをやっていると、“自称・プロデューサー”みたいな人がよく現れて。その場で私たちが販売しているCDを“俺の友だちが××(※レコード会社)にいるから渡してあげるよ。だから1枚ちょうだい”みたいな感じで買わずに持って行こうとする人がわりと多いんです(笑)。

●“あるある話”ですよね(笑)。

atsuko:だから、そういうふうに声をかけてくる人を信頼していなかったんですよ。ただ、今のプロデューサーである中西(豪)さんはその場では“キングレコードの者です”とは名乗らずに、ただ路上ライブを観てからCDを買って帰られて。後日、電話がかかってきたという経緯なので、そこも好印象でしたね。

●その出会いも、諦めずに路上ライブを続けていたからこそでは?

atsuko:そうですね。でも実はもう、その段階では諦めが出てきていて…。既に路上ライブも3年くらいやっていたので、限界を感じていたんですよ。20代も後半になってきて、道端で毎日のように歌っても代わり映えしなくて。自分の想定内のライブばかりで疲れてきて、“もう解散しようか”と話していた直後にキングレコードから声をかけて頂いたんです。

●解散する一歩手前の状況だったんですね。

atsuko:だから、本当に一筋の希望の光のような…。でも希望の光のはずなのに、そこに対する確固たる信頼も最初はなかったんです。“期待したら裏切られる”みたいな感覚が抜けなくて、微妙な感じでしたね(笑)。ただ、“これがラストチャンスだろう”というのは、お互いの共通認識としてありました。

 

 

●そこから信頼が生まれるキッカケは、何だったんでしょうか?

atsuko:そのプロデューサーが、実に“プロデューサー”っぽくない人で。大学生みたいな見た目で、歳も私たちと一緒だったんですよ。しかも“もっとこういう音色じゃないとダメだよ”とか“歌詞はもっと万人受けするようなものじゃないと”みたいなことを全く言わない人だったんです。

●いわゆる“プロデューサー”的な感じではなかった。

atsuko:むしろ大事なデビュー曲のレコーディング現場にもいなかったんですよ。それも本来なら“ん?”っていう感じなんですけど、本人に話を聞くと“僕は2人の音楽性を信じているし、それまでにもデモテープ作りの段階で何回も聴いているから、レコーディング本番は2人にお任せしたい。何時間もスタジオに座って一緒に聴いているより、その間に少しでも外に出て次の仕事を探したり、これからの道筋を決めてくるのが僕の仕事だと思うんです”と言われて。それを聞いて、“すごい人だな”と思いました。

●実際に『明日へのbrilliant road』で再デビューした時の反響は、どうだったんですか?

atsuko:『明日へのbrilliant road』を出した時は、インストアライブにもたくさんのお客さんが来てくれて。デビューの日に池袋の東武百貨店でフリーライブをやったんですけど、その場所でそれまでにやったイベントでのCD売上枚数の1位になったりしたんです。

●いきなり大きな反響があった。

atsuko:その当時は、まだ路上ライブもやっていて。“さいたま新都心の隣のけやきひろばで路上ライブをやります”とラジオで言ったら、ものすごい数の人が来ちゃって…見たことがないような光景でしたね。ライブが始まる前に物販用のCDが売り切れちゃったので、KATSUさんがCDを取りに家まで1回帰ったんですよ。お客さんに“今、CDを取りに帰っているので、ちょっと待って下さい”と言う、謎の路上ライブでした(笑)。

●状況が激変したわけですね。

atsuko:あんなに人生が変わらなかった『memories』と、ある日突然、劇的に変わった『明日へのbrilliant road』という、本当に真逆の“デビュー”で。なかなか稀有な体験ができましたね(笑)。

●そういう意味では、2回目のデビューは順風満帆だったのでは?

atsuko:今思えば、そうですね。そこから“年末にはオリジナルアルバムも出しましょう”とか“来年も『蒼穹のファフナー』という作品を仕込んでいるのでその曲を作って下さい”とか、どんどん仕事が入ってきたんですよ。それでも作っている時は毎回“まあ、これが最後だろう”と思っていて…、その感覚は全然抜けなかったですね。

●一度染み付いたものは、なかなか抜けないというか。

atsuko:私たちはキングレコードのアニメの部署にずっと所属しているんですけど、私自身は元々アニソンやアニメのことを全然知らないまま、ここに来てしまったんですよ。今でこそ“アニソン歌手になりたい”という志を抱いて入ってくる人も多い中で、本当に全然知らないまま入ってきて。その年に“STARCHILD DREAM in KOBE”という数千人規模のイベントに出たんですけど、そこで“声優さんの人気ってすごい!”というのを目の当たりにしたんです。声優さんのCDがすごく売れているというのも知って、そんな中に身を置いていると“いや、私たちなんてそんな…”みたいな卑屈な想いがまた生まれてきて…。

●そこでも卑屈な想いが…。

atsuko:“声優さんで盛り上がっているところに何ですが、angelaです”みたいな感じでステージに出ていくっていう(笑)。ただ、お客さんたちはすごく優しくて。アニメファンの方たちって、誰に対しても盛り上がってくれて、温かいんですよ。本当に“優しいな”と感じましたね。

●アニメとの出会いが、その後の音楽人生に与えた影響は大きかったのでは?

atsuko:普通はミュージシャンって、“俺たちの想いを込めて作った曲を聴いてくれ!”みたいなスタンスがあるわけじゃないですか。でも私たちは、そのアニメに合う曲を作ることを一番に考えているんです。だから“このアニメにはロックが合うだろう”と思ったらロックな曲を作るし、“このアニメにはキラキラしたポップスが合うな”と思ったらそういう曲を作るし、ジャジーなものが合いそうだと思ったらそれを作るので、ジャンルの統一性がないんですよ。だからこそ面白いことが色々できたし、新しい音楽性へのチャレンジもできたし、そうやって色んなものを吸収して、今のangelaになったんだなという想いがあって。

●それだけ色んなジャンルの曲を作れることがすごいと思います。

KATSU:90年代はCDが一番売れている時代だったんですけど、そういう中でも僕らはなかなかデビューできなくて。“どうやったらデビューできるんだろう?”と考えた結果、“売れている音楽を作ることができれば自分たちもデビューできる”と思い込んじゃったんです。

 

 

●“売れている音楽を作る”というのは?

KATSU:たとえば小室哲哉さんのTKサウンドみたいなものを自分たちも極めれば、デビューできると思っていて。だからそういうものをすごく勉強して、曲を作っていたんです。その後に渋谷系と言われる70年代のソウルをルーツにした都会的でオシャレな音楽が流行っていた頃は、そういう音楽を作ろうとしたり…。

atsuko:その後にZARDやビーイング系の音楽が流行っていた時は織田哲郎さん風の楽曲もやりましたし、CHARAさんが流行れば私はウィスパーボイスで歌っていましたし…。ポリシーがなさすぎるっていう(笑)。

●売れているものは何でも取り入れようとした。

KATSU:ジャジーな曲をやるようになったキッカケも元を言えば、EGO-WRAPPIN'やorange pekoeあたりがブームだった時に、“これができればデビューできる”と思い込んでいたからなんですよ。全てはデビューするための手段だったんです。

●それくらいデビューへの想いが強かったからこそ、結果的に色んな音楽を吸収できたわけですよね。

atsuko:そうですね。キングレコードからデビューするまでに、90年代の色んなものを吸収してきたけど…結局はどれも二番煎じでしかないっていう(笑)。

KATSU:あと、『memories』の時に所属していた事務所の社長に認めてもらえればデビューできると、僕は思い込んでいたんですよ。この社長に“こいつら、すげえ!”って思わせないとデビューできないと考えていたので、どんなに体調を崩そうが、とにかく1週間に1曲作って、やる気をアピールしていたんです。手を変え品を変え…みたいな感じで作り続けていたので、本当に色んなジャンルを取り込むことができて。しかも早いスパンで曲を作る技術も、身に付いたんですよね。

●そこでの経験も大きかった。

KATSU:普通のバンドはロックだったらロックだけを突き詰めると思うんですけど、angelaの場合は路上ライブでも色んなジャンルの曲をやっていて。当時はオーディションに応募したりもしていて、審査員の方から“君たちは何をやりたいのかわからない”と言われていたんです。確かに色んなことをやりすぎていて、自分たちに“これだ!”というものがないのは弱い部分かなと思っていましたね。

●色んなことをやりすぎて、軸が見えなくなっていたというか。

KATSU:でもデビューしてから頂いたタイアップの中には、宇宙を舞台にしたロボットの話もあれば、学園モノもあったし、『ヴァンパイアホスト』みたいな深夜ドラマもあって。“深夜ドラマで舞台が新宿だから、これはビッグバンドが合うだろう”みたいな感じで作ったのが、「in your arms」(TVドラマ『ヴァンパイアホスト』OPテーマ)だったんです。そういうものも自分の引き出しから出せたことで、“苦肉の策で身に付けたものがこの世界ではすごく役に立っているな”と感じられましたね。

●作曲の引き出しだけでなく、歌の表現力もそんな中で培われてきたのでは?

atsuko:元々は全て二番煎じの“真似っ子”なんですけどね(笑)。でもほとんど全てのミュージシャンは、誰かのカバーから入るわけじゃないですか。そこからどれだけ自分のカラーを出して、オリジナル曲を作っていくかが大事だと思うんです。

●まずは誰かのカバーから始まって、徐々にオリジナリティを出していく。

atsuko:私自身もそれこそビーイング最盛期の頃は、本当に大黒摩季さんそっくりの時代もあって(笑)。そういうことを散々やったし、“何がやりたいのかわからない”とオーディションでも言われていたのに、今では“唯一無二のボーカル・atsuko”みたいに書かれていたりするのを見ると自分でも“おかしいな…?”と思うんです。“そんなんじゃないんだよ、私は!”っていう(笑)。

●“唯一無二”と言われることに違和感がある?

atsuko:だって“唯一無二の歌声を持つ”とは、真逆じゃないですか。ZARDからCHARAさんまで色んな人の歌い方を散々真似てきたのに、そういう感じでangelaを紹介して下さっているのを見ると、不思議な気持ちになりますね(笑)。

●それだけ色んな歌い方ができるという意味で、唯一無二のボーカリストなんだと思います。

atsuko:ああ〜、確かにそうですね。主人公が戦うようなアニメの主題歌を歌わせて頂くことが多いので、そういうところで見せる力強さとかがangelaのカラーではあると思うんです。でもたまに学園ギャグものとかの曲をやらせて頂く時は、また違う歌い方で。TVで初めて聴いた人がテロップに“主題歌:angela”と出た時に、“ええっ! これもangelaだったの?”と言われたりするんです。“私は私でしかないけど、聴く人によっては驚かれたりするものなんだな”と思ったりして。それは確かに過去に積み重ねてきた色々な経験があってこそなんだろうなとは思いますね。

●今回ベスト盤2作で全60曲を一気に聴かせて頂いて思ったのが、atsukoさんの歌は“少女”から“悪女”まで演じているような振り幅があるなということで。

atsuko:それも作品に合わせただけなんですけどね。作品に合わせて作ると大人っぽくなることもあれば、ギャグっぽい感じになることもあって。ファルセットやヴィブラートはよく使う手法ではあるんですけど、そういうものを全く封印してデジタルなサウンドの声に加工して歌うこともあるんです。でも“こんなの私じゃない!”とは全然思わないんですよね(笑)。“こういうのも面白いな”という感じでやれるので、そこは柔軟だと思います。

●“こういうのも面白いな”と思えるところが、強みなのでは?

atsuko:私はわりと飽きっぽいんですよ。だから、同じような曲は作りたくなくて。曲調としてはマイナー調でアップテンポなものを望まれることがここ15年くらいでは一番多いんですけど、その中でも音楽性や歌い方をどう変えていくかというのを常に考えています。“こういうものを作っておけば合うでしょう?”みたいなのはイヤなので、“自分たちだったらどうするか?”ということを考えながら作っていますね。

●“自分たちだったらどうするか?”を常に考えることも、オリジナリティにつながっているんでしょうね。

atsuko:やっぱりデビュー曲のレコーディングから、プロデューサーが現場にいなかったというのが一番大きかったというか。普通は(新人アーティストの)デビューというのは、レコード会社にとって大きなプロジェクトじゃないですか。だからプロデューサーが“こういうふうに歌って”と助言したり、今後の売り方とかも色々と考えたりするものだと思うんですよ。でも私たちの場合は、そういうものが全くなくて(笑)。自分たちだけで試行錯誤しながら作れたことが、私たちが私たちになれた一番の理由かなって思います。

●現場で指示してくれる人がいないぶん、自分たちで考えるしかなかった。

atsuko:たぶんベテランの音楽プロデューサーの方に付いてもらって、“こうすれば良いんだよ”という感じで最初から道筋を示されていたら、精神的にはすごく安心しただろうなと思うんです。私たちはそういうものがなくて不安ではあったけれど、その中でチャレンジを積み重ねて“angela”を作っていけたというのは本当に良かったなと思います。だから、“何々っぽいね”とも言われないのかなって。

 

 

●結果的に何にも似ていないものになったと。

KATSU:現プロデューサーの中西さんが、“angelaさんの作るものが正解なんで”みたいなスタンスでいてくれたことが大きくて。そういう意味では、angelaのコントロールが一番上手いというか。“この人たちは自由に動かしているほうが、良いものができるな”というのを最初の段階からわかっていたのかなって思います。

●どうやったら2人が最も活きるかを理解していたんですね。

KATSU:だから15年経った今でも、中西さんに対しては不信感みたいなものが一切なくて。事前にデモを作って“ああでもないこうでもない”というやりとりをしているからというのもあるし、本当に違うものにはちゃんと“違う”と言ってくれるし、完全に野放しというわけではないんですよね。レールをちゃんと敷いてくれた上で“さぁ、angelaさん、好きに走って下さい。それが正解です”というプロデュース法なんですよ。

●“これが正解だ”と提示されないので自分たちで探さなければいけないけれど、だからこそ“自分たちなりの正解”を見つけられたのかなと。

atsuko:“正解”って、意外と1つじゃないなと気付いたんです。その時その時で色んな選択肢が生まれるじゃないですか。人生においても、レコーディングにおいても、歌詞を書く時においても、そこで自分が選んできたものの先が“正解”でしかないから。

●そういう意味では今回のベスト盤の60曲は、60個の“正解”でもあるのかなと思うんです。そこは自信もあるのでは?

atsuko:もちろん自信を持って作れたものもあるけれど、中には“これで本当に大丈夫かな…?”と思いながら作ったものもあるんですよ。でも“この時はこれが精一杯だったな”というものを受け入れることによって、今に道が続いているなとも思っていて。もちろん“これが転機になったな”という曲もあるんですけれど、全ては同じ道なんですよね。

●同じ道をずっと歩き続けてきた。

atsuko:ありがたいことに、私たちは移籍を繰り返したりはしていなくて。キングレコードになってからはずっと変わっていないし、事務所もずっと同じなんですよ。そういう意味では“心機一転、裸一貫でやってまいります!”みたいなこともなく、全ての道がつながっているという安心感はありますね。それもありつつ、その道を“どういうふうに装飾していこうかな”とか“ここまでは自転車で来たけど、ここからはアメ車を買っちゃったからそれに乗っていこうかな”みたいな感じです(笑)。

●その安心感も大事なのでは?

atsuko:ベーシックな安心感があるからこそ、チャレンジできるのかなって思います。本当に明日をも知れないような感じだったら、そういうことはできないと思うんですよ。レコード会社も信頼してくれているし、事務所も“家”みたいな信頼感だし、メンバー2人の付き合いも長いし、だからこそ新しいチャレンジもできるというか。“ちょっと変なことをやっちゃいますけど、大丈夫ですか!? 失敗したら、ごめんなさい! でも良いと思うんですよ…”みたいな感じでやれるし、そこの精神的な安心感があるのはすごく大きいですね。

●ベーシックが安定しているから、ちょっと変なことをやっても“これがangelaだ”という部分は揺るがないのかなと思います。

KATSU:でも人から“これがangelaだ”と言われると、“どこのことを言っているんだろう?”と僕は思ってしまうんですよ。たとえば“atsukoの声とか歌い方なのかな?”とは思うんですけど、自分ではそれが何なのかわかっていないんですよね。逆に言えば、わかっていないからこそ作れているところがあって。それがわかってしまうと、ジャンルも統一されてしまうと思うんです。

●自分から“angelaらしさ”に寄せてしまうというか。

KATSU:“これが一番、atsukoの声に似合う”みたいなものも、自分ではよくわからなくて。確かに『蒼穹のファフナー』の仮歌をatsukoが歌っているのを聴けば、“これはファフナー声だな”というのはわかるんです。でも“これがangelaだ”というものは何かと訊かれたら、“わかんない…、全部?”みたいにしか答えられないんですよね。

●“全部”というのが、まさに答えになっている気がします。色んな要素を含んだ集合体が、angelaを形作っているのかなと。たとえば「シドニア」(TVアニメ『シドニアの騎士』OPテーマ)みたいな曲と、全然タイプの違う「蒼い春」(TVアニメ『生徒会役員共』EDテーマ)みたいな曲を同じ人が歌うことって、普通はあまりないと思うんですよ。

atsuko:まず歌わないですね。おかしいんですよ(笑)。

●それをできるのが、angelaらしさにつながっているのでは?

atsuko:でもたとえばロック色の強い曲でangelaを初めて聴いて“すごく良い”と思った方が今作を聴いた時に、もっとガチャガチャした感じの曲やキラキラしたポップスみたいな曲も入っていたりすると、“なんか違うんだよな〜?”と感じる要因にもなるかなと思っていて。

KATSU:「僕は僕であって」(TVシリーズ『亜人』第2クール前期OPテーマ)を聴いて“angela、カッコ良いな! 次も買おう”となった時に、「全力☆Summer!」(TVアニメ『アホガール』OPテーマ)が来ると“ズコー”ってなると思うんですよ。

●ハハハ(笑)。

KATSU:そうなるとは思うけど、そこは“許して”と言うしかないんです。それぞれのアニメ作品のために作った曲だから。別に「全力☆Summer!」みたいな曲を最初から作ろうとしていたわけではなくて、『アホガール』に合わせたら結果的にこうなったというだけなんですよね。

atsuko:だから今、angelaを常に応援してくれて、ライブに来て下さるファンの方は心が広いなと思うんですよ。私たちがカッコ良い歌を歌おうが、ちょっとおかしな歌を歌おうが、ジャジーな曲を歌おうが、子ども向けアニメのかわいい曲を歌おうが、全部に対して“それもangelaだから好きです”と言って下さるファンの方って、“なんて心が広いんだろう…”って思います(笑)。

●今は子どもも大人も世代にかかわらずアニメやマンガに接する時代だからこそ、angelaの曲が幅広い層に届いている部分もあるのかなと。

atsuko:今は本当に10代から60代くらいまでの男女が、私たちのファンクラブにはいて。私は“小さな地球“と呼んでいます(笑)。

KATSU:最初は、男性のほうが多かったんですよ。『蒼穹のファフナー』も今でこそ女性にも人気がありますけど、元々は男性が見るロボットアニメというイメージだったから。でも『K』(TVアニメ)の曲をやるようになったあたりから今度は一気に女性が増えてきて、今では本当に半々になっているんです。下は10代から、上は自分たちよりも年配の人たちがいて。今思えば、自分たちが元々行きたかったところにやっと、ここ何年かで行けたような気がしますね。

●10/27には日比谷野外大音楽堂でのワンマンも予定されていますが、ライブもangelaの大きな魅力だと思います。

atsuko:ライブで演奏するとお客さんのコールも入ったりして、曲が育っていく感じがするんですよね。それがまた楽しくて。CDを発売したり、TVで流れた瞬間から、その曲が“自分たちだけのものじゃなくなるんだな”という感覚を何度も経験してきたんです。そして曲が育っていく楽しさも経験できて…、本当に良い人生を送れているなと思います。

Interview:IMAI

 

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