音楽メディア・フリーマガジン

25市(ニーゴーイチ)

それぞれの放った輝きが未来の飛躍を予感させた。

CLUB251 25th ANV. EVENT
“25市(ニーゴーイチ)〜25日の革命〜”
2018/9/25@下北沢CLUB251
Act:GIG BACK TOWN / PICKLES / Stockholm sea side /
TRUE HONEY LAND / BACKROND / (O.A.)ひとりmonovous

 

今秋で25周年を迎える下北沢CLUB251のアニバーサリーイベントの一貫として毎月25日に開催の“25市(ニーゴーイチ)〜25日の革命〜”、その第4弾が9/25に開催された。

 

 

1音目からどデカい音でパンチを効かせたのは平均年齢20歳のロックバンド、BACKRONDだ。序盤からアップテンポな楽曲を3曲立て続けに披露して、ガンガン盛り上げていく。そして“この25分に人生かけてるから!”という熱いMCに続けて放たれた「風見鶏」で、一気に心を掴まれてしまった。曲の入りから既に名曲感を漂わせ、サビでドラマチックに広がる展開がグッとくる。今後どんな仲間と出会って、どんな成長をしていくのか気になるバンドだ。

 

 

山梨県甲府市からやってきたというGIG BACK TOWNは、青春パンク的なサウンドに乗せてメッセージ性のある歌詞を聴かせる。青臭さを感じさせながらも、決してダサくならないのが彼らの大きな魅力だろう。“俺たちが今日の勝ち組ってこと、もう決まってんだよね〜”というMCもたまらない。観客をシンガロングへ誘う強制力も、天才的だ。ロックバンドのカリスマ性とはまた違う、もっと近い距離感で“ついていきたい!”と思わせてくれた。

 

 

シュガーベイブの名曲「DOWN TOWN」に乗って登場したのは、男女2人ずつの混合バンド、TRUE HONEY LAND。とにかく爽やかな曲調に、丁寧なコーラスワークが織りなすサウンドは、老若男女に受け入れられそうなポップセンスを感じさせる。“王子様”感すら漂わせるVo./G.渡部淳のキャラクターも、このバンドの強みだろう。中でもMV曲「青春謳歌」の曲調や歌詞がここまでハマる人は他にいない! と思えるほどの存在感を放っていた。

 

 

オープニングナンバー「どうなりたいの?」でいきなりブチ上げにきたのは、大阪高槻発・パワフル系POPガールズバンド、PICKLESだ。全員が迷彩柄の衣装に身を包み、ワイルドかつキュートなパフォーマンスで観客を魅了する。100本にも及ぶツアーを敢行中の彼女たちだが、“この4人でしかできない”という意志とメンバー愛が節々から感じられ、それがまた観る者たちを引きこんでいく。あと、関西弁のMCも可愛くて、ズルい(笑)!

 

 

トリを務めたのは、Stockholm sea side。オルタナティヴロックやポストロック、シューゲイザーなどを昇華した独自のサウンドに、Vo./G.平山匠の透き通った声が心地よく重なる。彼らがステージに登場して音を奏でた瞬間から、会場の空気が切り替わった気がした。一見取っ付きにくそうな音楽性とは裏腹に、人の良さそうなMCもギャップがあって面白い。情景が浮かぶような美しい世界観の歌詞も秀逸で、さらなる飛躍の可能性を感じさせるライブを最後に見せ、充実の1日を締め括ってくれた。

Text:有馬ゴウジュン
Photo:マサ(Twitter,Instagram/@masalivephoto)

 

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj