音楽メディア・フリーマガジン

GHEEE × Large House Satisfaction

比類なきロックバンド同士の邂逅が、新たなる伝説の一夜を歴史に刻んだ。

SPECIAL LIVE REPORT:CLUB251 25th Anniversary
JUNGLE☆LIFE × CLUB251 presents
“Whiteboard Jungle”
2018/10/09@下北沢CLUB251

 

10/9に開催されたJUNGLE☆LIFEとCLUB251の共同企画“Whiteboard Jungle”は、GHEEEとLarge House Satisfactionによる2マンライブ。CLUB251の25周年を祝うにふさわしい、強力無比な2組のライブバンドによる激突が実現した。

まずステージに現れたのは、Large House Satisfactionだ。ズブズブのドープなSEから雪崩れ込むように爆音を鳴り響かせて、オープニングチューン「トワイライト」のイントロに突入。Ba.小林賢司の野太いベースとサポートメンバーによるパワフルなドラムが強烈なグルーヴでフロアを一瞬で飲み込んだ。さらにその上でVo./G.小林要司の荒々しくも色気のある歌声と、ノイジーなギターが唸りを上げていく。始まりの瞬間からもう全身を震わせる興奮と高揚感を湧き起こし、彼らの音が場内を席巻していった。

序盤から暴力的なまでに圧巻のサウンドで攻め立てておきながら、最初のMCタイムでは“ここからほとんど話さないと思うんで。地獄みたいになると思うんですけど、ついてきて下さい”と宣言。続く「20000V放電」からはその言葉どおり容赦なく、一切の油断も見せない全身全霊のパフォーマンスを叩きつけていく。フロアで観ていた外国人のオーディエンスも満面の笑顔で身体を揺らしていた姿が、彼らの音が放つ説得力と破壊力を物語っていただろう。言語や人種の違いも超えて、人間の本能に訴えかけるような“本物”のライブ。今こそLarge House Satisfactionのライブを体感して欲しいと、心から願わずにいられない。

 

 

十分すぎるほどに温まった会場に、GHEEEのメンバーが登場する。「Cheers for the sun」でスタートすると、海外のバンドにも比肩する本格派のギターロックサウンドを次々と放っていく。Vo./G.近藤智洋とVo./G.深沼元昭のツインボーカルがパートごとに入れ替わり、時に重なり合いながら紡ぎ出していくメロディが心地よい。そしてBa.HisayoとDr.YANAのリズム隊が生み出す盤石にして変幻自在なビートに、自然と身体が揺れるのだ。キャリアに裏打ちされた完成度の高い演奏とは裏腹に、フロント2人のユルい掛け合いで笑いを誘うMCもベテランならではの魅力か(笑)。

そのMCで明らかにされたのだが、なんと今年3回目のライブという貴重な機会となった今回。前半から「Bright light」に「Empty laurel」、中盤に「Silver tongue」と来て、アンコールには「Runaway Pigeon Bus」「Beautiful stungun」と過去にリリースしてきた5枚のアルバムから代表的なキラーチューンがもれなく披露されるなど、“ベスト”的な選曲はファンのみならず、初めて観た人をも魅了したことだろう。後半には「On the beach」でコール&レスポンスも巻き起こし、フロアを一体感で包み込んだ。

いずれもロックの持つダイナミズムと瞬発力溢れる圧巻のサウンドをそれぞれのやり方で表現し、会場に集った人々を最初から最後まで揺らし続けた至福の時間。初めての組み合わせが実現した2マンだったが、どちらのファンにも新鮮な驚きと喜びをもたらしたことだろう。下北沢CLUB251の25年に及ぶ歴史に、また新たな伝説の一夜が刻まれた。

Text:IMAI
Photo:YOSHIHITO_SASAKI

 

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