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嘘とカメレオン

これまでやってきたことに何の間違いもない。 問答無用の“大正解”を示したツアーファイナル。

嘘とカメレオン pre.「ここHOLEヲトシアナTOUR」
2018/10/27@渋谷CLUB QUATTRO

 

今年9月にリリースした待望にして万感のメジャー1stフルアルバム『ヲトシアナ』を携えた、嘘とカメレオンの「ここHOLEヲトシアナTOUR」が10/27に渋谷CLUB QUATTRO(以下クアトロ)にてファイナルを迎えた。集まった超満員のオーディエンスの期待感がはち切れんばかりの頃、場内右手に設置されたスクリーンに突如映し出されたのは速報ニュース仕立ての映像だ。刑務所から脱獄してきたメンバーが渋谷の街を通り抜けて、クアトロに立てこもった…という設定らしい。フライドチキンを食べながら逃亡するG./Cho.渡辺壮亮の姿で笑いも巻き起こしつつ、開演と同時に観る者たちを“嘘カメ”の創り出す虚構と現実が入り乱れるエンターテインメントの世界に引き込んでしまう。

気が付くと、そんな間にメンバー5人がステージ上に登場。渡辺が気合いの入った声で煽り立ててから、「百鬼夜行」でライブ本編の幕がいよいよ上がる。音に合わせた掛け声でいきなり会場全体に一体感が生まれ、凄まじいばかりのテンション感で盛り上がっていく。「フェイトンに告ぐ」で勢いをさらに増し、ヴォルテージはグングン上昇。どこまでも全力疾走していくように、その勢いは止まることを知らない。Vo.チャム(.△)も手拍子を扇動したり、飛び跳ねまわったりと、その姿でオーディエンスの高揚感をさらにブチ上げる。最初のMCタイムで渡辺が大きなコーラのペットボトルを持ち、フタをプシィッッと良い音を立てて開ければ、場内も大盛り上がり。“今日一番の盛り上がりじゃない?”とBa.渋江アサヒが茶化すが、まだまだこんなものではない。

 

 

“おまえら、腹は減ってるか〜!?”という渡辺の叫びから始まった「JOHN DOE」では、曲中でフロアを男性陣と女性陣に分けて順番にコール&レスポンス。どちらも負けないくらいの大きな声が、会場全体に響き渡る。その後も「鳴る鱗」「ヤミクロ」「テトラポットニューウラシマ」と曲調は次々と変われど、いずれも嘘カメらしい世界観を持った楽曲たちを連発していく。熱気がすごすぎて曇り止めの意味がないくらいに曇ったメガネを拭きながら、MCで話し始めた渡辺。今年3月に起きた交通事故で活動休止していた期間も、そのフラストレーションで良い曲が書けたのだという。そして“全部をプラスに持っていこうとした”という言葉が嘘ではないことは、『ヲトシアナ』を聴いて、この日のライブを観れば、もう明白だろう。

アルバムには未収録の「Lapis」から始まった後半戦も、ガンガンに攻め立てていく。渋江のブリブリうねるベースとDr.青山拓心のパワフル極まりないビートが支えるリズム隊に、存在感の塊のごとき渡辺と全く相反する冷静沈着なG.菅野悠太によるツインギター、それらをバックに蝶のように舞いながら表現力豊かに歌うチャム(.△)。強烈すぎる5つの個性が交じわり合うことで常に絶妙な化学反応を起こし、爆発的なライブを展開していくのだ。過去のMVに出演していたキャラクターが揃って登場したグッズ紹介コーナーで笑いを提供した後、「N氏について」から超絶に激アガりの終盤戦へ突入。必殺のキラーチューン「されど奇術師は賽を振る」で、フロアの興奮は最高潮へと達した。

 

 

渡辺が“最初から今までやってきたことは間違っていなかった。今ここにいるあなたたちも大正解です”と話したのに続けて、チャム(.△)が“何か嫌なことがあった時にも、心の中で光になるような1曲を”と歌い始めたのは「キンイロノ」。凄まじい勢いだけではなく、トリッキーなだけでもなく、普遍的な歌とメロディもまた嘘カメの軸にある大きな武器なのだ。天から降り注ぐ黄金の光が5人の進む未来への道を照らしているような、美しい光景をこの本編ラストナンバーで見た気がする。アンコールを前に“修羅のごとく曲を作ってやる。まだまだやりたいことがたくさんあるから”と決意を述べた渡辺の力強い言葉通り、彼らは今後も我々の予想を軽く裏切る進化を続けていくことだろう。

Text:IMAI
Photo:橋本塁(SOUND SHOOTER)

 

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