全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

SPECIAL LIVE REPORT:a flood of circle × THE PINBALLS

気高く美しいロックンロールバンド同士が競演した奇跡の一夜。

JUNGLE☆LIFE × CLUB251 presents “Whiteboard Jungle”
2019/1/29(火) 下北沢CLUB251
出演:a flood of circle / THE PINBALLS / (O.A) ANABANTFULLS

 

a flood of circle(以下AFOC)とTHE PINBALLS。どちらも今や現在の日本におけるロックシーンを牽引する存在にして、JUNGLE☆LIFEでも長きにわたり関わってきた両バンドによるツーマンライブが実現した。下北沢CLUB251との共催イベント“Whiteboard Jungle”、その2019年第1弾としてはこれ以上ない組み合わせと言えよう。

 


 

“今日という日を待ち望んでいました!”という雄叫びから、イベントの幕を明けたのはオープニングアクトのANABANTFULLSだ。場内を超満員に埋め尽くしたオーディエンスも、もちろん彼らと同じ気持ちだっただろう。オープニングナンバーの「目を覚ませ」からヘヴィなグルーヴで観る者の全身を揺さぶり、男くさいコーラスワークで血を沸き立たせていく。説得力のある熱い歌と演奏、そして覚えやすいグッドメロディ。自分たちの武器を最大限に発揮して、この日初めて彼らを観たであろう人々をも一体にしたライブは見事だった。

 


 

十分に温まった会場の熱量をさらに高めるべく、ステージにTHE PINBALLSの4人が登場する。特徴的な「片目のウィリー」のイントロが鳴り響いた瞬間に、フロアのテンションは早くもバースト。続く「劇場支配人のテーマ」「ヤードセールの元老」というVo.古川ならではのファンタジックな世界観全開のキラーチューンの連発に、心も身体も踊りださずにはいられない。そんな盛り上がりに“とても最高の気分だ。まだ聴かせていない曲を今日はやっちゃいます”と話すと、昨年11月リリースの新作『時の肋骨』から「水兵と黒い犬」を初披露。

MCではAFOCのVo./G.佐々木とのエピソードを元に、“(音楽に)全てを賭けている人なんだなと思った”と語った古川。それほどの相手だからこそ、全身全霊でぶつかり合えるのだろう。「失われた宇宙」で激しく踊らせたかと思えば、「樫の木島の夜の唄」ではスケール感の大きな歌で聴き入らせる。「重さのない虹」からはラストの「蝙蝠と聖レオンハルト」までアッパーチューンを立て続けに掻き鳴らし、“フラッドに負けたくないんだよ!”という言葉どおりの意地と誇りに満ちた気高きロックンロールを見せつけた。

 


 

“Are you ready?”というAFOC佐々木の呼びかけに答えるまでもないほど、ブチ上がる準備はできた観客たちが1曲目の「Blood&Bones」から天井知らずにヴォルテージを高めていく。“今日は日本で一番うるさいロックンロールバンドが集まっている”という言葉には、その場にいる誰もが納得したはずだ。「Black Eye Blues」では曲中にビールを呑みたくなった佐々木を、フロア最後部のドリンクカウンターまでクラウドサーフで往復させたオーディエンス。その光景は、微笑ましくハッピーな一体感を生み出していた。

アコギに持ち替えてのささやくような歌から、次第に盛り上がっていくドラマチックな展開で魅せた「夏の砂漠」。そして「コインランドリー・ブルース」では、感動的なバラードで胸を打つ。さらには3/6にリリースされるニューアルバムから、新曲を一足先に披露してくれるという嬉しいサプライズも。歓喜と興奮でテンションの上昇が止まらないところに「Flyer's Waltz」を叩き込み、怒涛の終盤戦へ突入していく。最後は“俺たちとあんたたちの明日に捧げます”と宣言してからの「シーガル」で、本編を締め括ったAFOC。

 

いずれも人生を賭けて磨き上げた音と言葉を紡ぐ、比類なきロックンロールバンド同士の競演。この奇跡的な一夜が2019年1月29日に下北沢で実現したことを、音楽の神に感謝したい。

Text:IMAI
Photo:YOSHIHITO_SASAKI