音楽メディア・フリーマガジン

9mm Parabellum Bullet

そのライブは、ステージで命を燃やす 4人の“生き様”そのもの

2015/6/19@Zepp Namba “カオスの百年 vol.11”

main_5D3_08796月19日、大阪Zepp Nambaにて9mm Parabellum Bullet(以下9mm)の自主企画“カオスの百年 vol.11”が開催された。大阪では初開催となるうえに半年振りのライブということで、オーディエンスの期待度も満点。メンバーの登場早々に割れんばかりの拍手が巻き起こり、Vo./G.菅原がいつものお辞儀をしたのちに「Answer And Answer」でステージが“はじまった”。次の「Discommunication」ではBa.中村が手で枠を作っているシーンがあり、思わずニヤッとする。

MCに入ると客席から「待ってたぜー!」と声が飛ぶ。すると菅原も「俺もだぜー!」と返し「(ライブをしていない間は)死んでたようなもんです。今生き返った!」と、この日をどれだけ心待ちにしていたのかが伺えるやりとりも。続いて「俺たちは今までいろんな人のカバーをさせてもらっているけど、まだライブでやったことのない曲を」と言うと、Nirvanaの「Territorial Pissings」を演奏! 中村によるゴリゴリのベースイントロから始まり、G.滝の技が光るテクニカルなギターで魅せ、Dr.かみじょうが高速ツーバスを多用した強靭なリズムを刻んでいく。

レアな1曲の後は、同じくカバー曲である山本リンダの「どうにもとまらない」。歌謡曲のムードとバンドカラーが上手く合わさってクセになる曲だ。次いでインスト曲の「The Revenge of Surf Queen」、メロディアスな旋律が秀逸な「Scenes」など、高い表現力が存分に発揮されたセットリストで攻めていく。

2度目のMCでは、9月9日に前代未聞のクアトロA-Sideシングルをリリースすることを発表! 「内容を覚えられないので…」とカンペを用意する菅原に少し親近感を覚えつつ(笑)その全貌を聞くと、なんとメンバー全員がそれぞれ作曲&プロデュースした4曲が収録。ということで、本日どこよりも早くこの会場で収録曲である「反逆のマーチ(滝作曲)」「ダークホース(中村作曲)」「誰も知らない(菅原作曲)」「Mad Pierrot(かみじょう作曲)」が披露された! 立て続けに繰り出された四者四様の楽曲の音源化が待ち遠しい。

「Butterfly Effect」「キャンドルの灯を」「カモメ」と叙情的な曲が続き、舞台はいよいよクライマックスへ。「ハートに火をつけて」「Black Market Blues」「Living Dying Message」といったキラーチューンのラッシュ! その盛り上がりようは、もはや説明不要だろう。本編ラストは「The Silence」でフィニッシュ。アンコールではかみじょうがドラムソロを披露したりと、バリエーション豊かな演出がなされた充実のライブだった。

「ライブをしていないと、“何のために生きてるんだっけ?”ってなる。でも「Answer And Answer」を演奏したときに“生き返った!”って感じがした」と、ライブ終盤に改めて胸の内をしみじみ語った菅原。その言葉を聞いたとき“今日この瞬間に立ち会えてよかった”と心から思った。夏には多くのイベント出演が決定しており、10月にはこの日対バンが発表された“カオスの百年TOUR 2015”も控えている9mm。ぜひまた、命を燃やしてステージに立つ4人の生き様を目の当たりにしたいと願う。

TEXT:森下恭子

  • new_umbro
  • banner-umbloi•ÒW—pj