音楽メディア・フリーマガジン

Cat Shaped Robot

夢と希望と感動を届ける“歓びのロック”

青いアイツ、“猫型ロボット”という意味の名を持つ3ピースバンドCat Shaped Robot。キャッチーなメロディーに、70年代を思わせるヴィンテージサウンド。そして、打ち込みを使わずに分厚いハーモニーを生み出すコーラスワークが、人間らしい温かさを感じさせる。ポジティブな未来を描き出す楽曲達が詰まった1stアルバム『Great Adventure』を全国発売する彼らに、結成10年目の集大成でもある今作に込めた想いを訊いた。

 

 
●バンド名は猫型ロボット…ドラえもんですよね?

たいしょ:バンド名を考えていた時に、ちょうどテレビでドラえもんの映画の告知が流れたんです。そこでドラえもんの言った映画のテーマが“夢と希望と感動と”だったんですが、僕達がやりたかったバンドのテーマと一緒だったので、この名前にしました。

●たしかに今作の『Great Adventure』を聴いても、夢と希望に溢れた前向きな楽曲が多いですよね。結成10周年にして初のフルアルバムということで、ライブでもお馴染みの曲が詰まっているのでしょうか?

たいしょ:そうですね。ただ、ライブではCDよりも激しくなります。

●CDからも熱い感じは伝わりましたよ。とくにタイトル曲のM-3「Great Adventure」なんて、軽やかだけどすごくパワフルな印象を受けました。

さやか:この曲は、ライブだとさらにオラオラな感じなんです(笑)。もちろん聴かせるサビでは、ぐっと引いて。壮大だけど、みんなが踊れるようにノリよく、ロックなソロも入れて、盛りだくさんな感じですね。

たいしょ:お客さんにも一緒に歌って盛り上がってほしいから、前に前に飛ばしていく感じになるんですよ。

●M-4「いっぱいいっぱい」も、ライブでシンガロングすると楽しそうです。“チューチューチュチュー♪”というコーラスの遊び心も面白いですし!

長田:最初は普通に録っていたんですけど、「もっと面白い感じにしようよ!」と言われて半分やけくそになってやったら、こうなりました(笑)。

●やけくそって(笑)。

長田:やっていくうちに、面白くなったんですけど(笑)。

●レコーディングは全体的に楽しくできたんですか?

さやか:コーラスは順調だったんですが、演奏はシビアでした(笑)。とくに長田は大変だったと思いますよ。

●と、いいますと?

たいしょ:ほとんど全曲のフレーズを作り直したんです。

長田:しかも、ある程度録ったところで新しいベースを買ったんですけど、そっちの音の方がよかったので「録り直すか!」と。

●思い切りましたね…! それほど音にこだわって作られたんですね。

長田:ただ、機材関係は俺が設定しても上手くできないから、たいしょにやってもらうんですけど(笑)。

●音作りに関しては、たいしょさんが仕切るんですか?

たいしょ:3人のわりに音数が多いから、バランスを考えないと聴こえなくなっちゃうんです。せっかく入れるんだから、全部聴いてもらわないと意味がないし。

●サウンドも楽曲と同じくらい重要だと。

たいしょ:いい音って説得力があると思うし、音で曲ができることもありますからね。あと、ほとんど生で出している音ばかりなんですよ。

●打ち込みを使っていないんですか?

たいしょ:アナログにこだわって、3ピースの限界まで音を出そうと思っています。

●M-11「タイムマシン」のイントロでは、まさにタイムスリップできそうな不思議な音が鳴っていますが、あれも生音?

さやか:シュワシュワした音ですよね。

たいしょ:打ち込みじゃなく、エフェクターで出せる音で作りました。

●とことんバンド感にこだわっているんですね。
さやか:キーボードすら入れていないですからね。
長田:キーボードが欲しくなったら、コーラスを入れるんです。

●コーラスだけであんなにも広がりが出るものなんですか?
さやか:意外とできるんですよ! 綺麗すぎない生感が欲しいので、全部人力でやりたいんです。

●今作を聴いた時に温かみを感じるのは、コーラスが生むハーモニーやサウンドの人間味による部分も大きいのかもしれないです。

さやか:かなり考えましたからね。でも、“こうやれば機械っぽく聴こえる”とか、いろいろと考えることも楽しいんですよ!

●そういう部分も楽しみながらやっているんですね。

たいしょ:バンドって面白くて刺激的でポジティブなものだと思うから、そういうことを歌って、そういう活動をしたいんです。

●聴き手の背中を押せるような音楽でありたい?

たいしょ:俺達が引っ張りたくはないんです。一緒にテンションを上げたいんですよ。

●聴き手と並んで一緒に進みたいと。そういえばM-9「風」の歌詞は、ファンへの想いが描かれていますよね?

たいしょ:“みんなの力が追い風になる”という想いを込めた歌詞ですね。10年目にして初めて全国発売を果たせたので、みんなのためにこの曲を入れたいと思いました。

長田:個人的にも、この曲がすごく好きなんですよ。

●音源を作るなら、この曲を入れたかった?

長田:絶対に入れたいと思っていました。だから今作を作ることが決まった時に、「やろうぜやろうぜ!」と。

●めちゃめちゃお気に入りだったんですね。

さやか:アレンジをガッツリ変えたんですが、以前よりもよくなって、曲が生き返ったような感覚です。

●すごく爽やかな印象の曲になっていますよね。

さやか:シンプルにしたから、より歌詞が入ってくるようになりました。

●たしかに。歌詞といえば、全体的にポジティブな未来を描いた楽曲が多いですが、とくにラスト3曲は前進するパワーが漲っているように感じました。

たいしょ:M-14「光」は、とくにメッセージ性が強くて、言いたいことを全部詰め込んだ曲なんですよ。

●そんな「光」で“きっと未来は光を放つ”と歌われていますが、これからCat Shaped Robotを通じてどんな未来を創っていきたいですか?

たいしょ:音楽を通じて、手の届く範囲からどんどんポジティブな輪を広げていきたいですね。

長田:僕は、みんなで一緒に歌いながら楽しめるような曲やライブをやっていきたいです!

たいしょ:バンド活動は、お前にとってアドベンチャーなんだよな?

長田:本当にそうなんですよ。仕事だけの生活では絶対に味わえない楽しみがありますね。

●わくわくできる場所なんですね。さやかさんは?

さやか:M-12「夢に乗せて」とM-6「夜はこれから」は新曲なんですけど、今までとは全然違う作り方をしているんですよ。

●たしかに少し落ち着いた雰囲気の曲です。

さやか:自分達にとっても“新しいCat Shaped Robotの曲”という感じで、大人のロックになっているんですよね。今までになかった新たな扉を開いた感じ。ここから、こういう音楽性も見せていけたらいいなと思います!

 

Interview:Hirase.M

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