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Chelsy

2014年のガールズバンドシーンを担う新星が登場

PHOTO_Chelsy2011年結成のガールズロックバンド・Chelsy。都内ライブハウスを中心に活動を重ねる彼女たちは、2人が20歳で1人は19歳というキャリアながら全員が作詞作曲を担当し、自分たちの意志と気持ちで音を鳴らす、新人ながらとても肝の座ったバンド。軽音楽部ブーム世代を代弁するキャッチーで等身大の楽曲は、ライブハウスでオーディエンスの気持ちを巻き込む強い力を持っている。3月にはCDデビュー及び初ワンマンが決定。2014年のガールズバンドシーンを担うChelsy、必見です!!

 

 

 

「私たちを観て笑ったり、泣きそうな顔をしたり…ライブは、お客さんと感情を共有することができるいちばん大切な場所なんです」

●2011年に結成したということですが、どういうきっかけだったんですか?

AMI:「みつばち軽音部員募集」というプロのミュージシャンに3ヶ月レッスンしてもらえるというオーディションがあって、それに応募したのがきっかけなんです。そのときは3人とも知り合いでもなくて、そこで別々にレッスンを受けたんですけど、そのレッスンが終わった後、オーディションのスタッフの人に「この3人でバンドを組んでみないか」と言われて。

●ということは、3人はそれぞれ別の場所でミュージシャンになりたいと思って育ってきたと。

AMI:そうです。私は小学校に入る前からずっとピアノをやっていて、小学4年生のときに吹奏楽部に入ったんです。私は音階のある楽器をやりたかったんですけど、「あなたはこっちの方が向いてるから」って勧められたんです。だから最初はドラムが嫌だったんですよ(笑)。

●最初は嫌だった(笑)。

AMI:でも私がドラムを叩いたら、他の40人くらいの部員がみんな私のカウントやリズムに付いてくるんですよ。それが鳥肌が立つほど気持よくて、ドラムが大好きになったんです。そこでバンドにも興味が湧いて、高校のときは自分の曲でオリジナルバンドをやっていて、そういうところでこのオーディションを知って「チャンスだ!」と。

●なるほど。MIOさんは?

MIO:父が音楽好きで、私は小さいころから色んな音楽を聴いて育ってきたんです。洋楽や日本の歌謡曲や演歌まで幅広く。その影響で、物心ついたときから歌手になりたいとずっと思っていて。“歌いたい”と思ったきっかけは夏川りみさんなんですけど、中学2年生のときにYUIさんを知って、自分もギターを弾きながら歌いたいと。そこから自分で曲を作るようにもなったんです。高校生になって地元のライブハウスでソロ活動を始めたんですけど、その後にこのオーディションに出会ったんです。

●SHIZUKAさんは?

SHIZUKA:私は4歳のころにお母さんがエレクトーンの教室に行かせてくれたことがきっかけで音楽を好きになって、小学校や中学校では吹奏楽部に入ったんです。高校生になったとき、文化祭でミュージカルをするために曲を作ったりはしていたんですけど、バンドに興味を持つ人が周りに多くて私もなんとなくベースを始めたんです。

●なんとなく?

SHIZUKA:Base Ball Bearが大好きなので女性ベーシストに憧れて。それでバンドに興味を持って、ベースを実際にやってみたらエレクトーンよりもしっくりときたんです。

●「バンドを組んでみないか」と言われてChelsyが始まったわけですよね。知り合いでもなかった3人は、すぐにまとまったんですか?

AMI:いや、何度か顔を合わせてはいたんですけど、まさか一緒にバンドを組むとは思ってもいなくて。

SHIZUKA:さっき言ったように、私はBase Ball Bearが好きだったから、男の子と一緒にバンドをやりたくて。

●あ、確かに(笑)。

SHIZUKA:だから最初は“え? ガールズバンド?”って。

MIO:私もソロで弾き語りでやりたかったから“バンドかぁ…”と思って。バンドなんてほとんど初めての経験だったからどんな音を出していいかもわからないし、最初は戸惑いしかなかったです(笑)。

AMI:私は音楽をやりたいと思っていたのでがんばりたかったんですけど、そんな2人を見て“このバンド大丈夫かな?”と思ってました(笑)。

●ハハハ(笑)。

AMI:私は音楽をやることが夢だったので“やるしかないな”と思っていたんですけど、色んな不安がありました(笑)。

SHIZUKA:最初はそうだったよね(笑)。“やっていけるのかな?”って思ってた。

AMI:最初はすぐデビューできると思っていたんですけど、実際はそんなに甘くなくて。

SHIZUKA:喧嘩もいっぱいしたよね(笑)。

AMI:育ってきた環境も性格も違うから、最初はよそよそしい感じで。

MIO:1年くらいかかったよね。

AMI:うん。「バンド組まないか」と言われて始まったからお仕事っていう感覚に近くて、“Chelsyをどうしていきたいか”みたいな気持ちも今よりは全然なくて。

SHIZUKA:最初はすぐデビューできると漠然と思っていたけどなかなか形にならないから“まずいな”と思って、3人で色々と話し合いをしたり、フライヤーを配ったりとか。

AMI:ライブをやりつつ、フライヤーを配りつつ、曲を作ったりしつつの2年間でした。

●ライブを観て思ったんですけど、MIOさんのヴォーカルは芯があるというか、バンドサウンドに負けない強さがありますよね。

AMI:そうですね。私は、MIOにしか出せない声だと思っていて。MIOの声って、明るいことを歌っていたとしても明るいだけじゃないと思うんです。その歌声に合わせて演奏していると、MIOにしか出せないものを吸収してこっちも演奏できるし、それがChelsyの強みだなって思ってます。

SHIZUKA:初めてMIOの歌を聴いたときから、綺麗だなって思ったんですけどただ綺麗なだけじゃなくて、影があったり芯があったりするなと思っていて。それはMIOにしか出せない歌だと思うんです。

●MIOさんは歌っているとき、何か考えているんですか?

MIO:うーん、無心のときもあるし、目の前にいる人たちを見て歌っているときもあるし…でも、あまり歌っているときの感覚を覚えてないんです。とっても気持ちいいんですけど(笑)。曲に入っている感じというか、曲によってイメージする人物がいるんですけど、歌っているときはその人になるんです。乗り移るっていうか(笑)。そしたらもう、すごく気持ちいい。明るい曲を歌ったら気持ち悪いくらい満面の笑みになってるし。意識しているわけじゃないんですけど、自然となっちゃいますね(笑)。

interview:Takeshi.Yamanaka

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