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Clutcho

一周まわった“初期衝動”を武器にハイテンションで突っ走る

L-R
Dr.SHINGO
Vo./G.YUTO
Ba./Vo.SHINICHI

2002年の結成以来、“若気の至り”を動力源として全国規模の活動をハイテンションで重ねてきたClutcho。
2010年11月に1stアルバ ム 『Clutcho』をリリースし、数々のフェスや大型イベント、ワンマン公演を成功させてきた3人が、結成10周年を迎えた今年、両A面シングル『I Believe in All / A Little Bit』をドロップ!

かねてより定評のあるポップネスとメロディセンスを更に磨き、観る者の興奮を限界まで引き上げるアグレッシブなライブは更に破壊力を増した。
ぐるっと一周 まわった“初期衝動”を武器に突っ走る彼らに怖いものなどない。

#Interview

「今は3人が同じ方向を向けているというか。他のことが見えていないくらいの勢いがありますね」

●Clutchoは15歳のときに愛知県で結成して、もう10年なんですね。

YUTO:そうなんですよね(笑)。けっこう長くやっています。もともとSHINGOが中学校の同級生で、家がすごく近くて、その頃から2人ではずっと一緒にやっていて。中3のときには、もうオリジナルをやっていました。中学校を卒業して、僕は1人で上京したんですけど。

●バンドを志して行動を起こすタイミングが早すぎる!

YUTO:今から考えたら、本当に勢いだけですよね。それで東京でバンドをやるつもりだったんですけど、思い出作りというか、中学校でやってきたことの終 止符になるようなライブをこのClutchoで1回やったんです。それから東京でいろんな奴らとスタジオに入ったり、バンドをやるかどうかの話もしたんで すけど、半年くらい経って夏休みシーズンに帰省して、「もう1回このバンドで出てよ」と誘われたライブがあったのでやったんです。そのときSHINGOに 「東京にいいドラマーがいないから上京してよ」という話をして(笑)。それで、秋頃にSHINGOが高校を辞めて上京してきたんです。

●高校を辞めさせたのか(笑)。

YUTO:そこからガツガツ活動し始めました。だから、いちばん最初にバンドを組んだのは10年前ですけど、ちゃんとやり始めたのがその頃なんですよね。

●2010年11月に1stアルバム『CLUTCHO』をリリースされていますが、曲はどうやって作っているんですか?

YUTO:いつも僕が1人で形にしてからメンバーに投げています。

●自分でリズムアレンジまで含めて全体像を考えるということ?

YUTO:そうですね。もちろん作っていく過程でドラムが間違えて叩いたものがよかったとか、いろいろあってアレンジは変わってはいくんですが、まずは「こういうリズムでこういうテンポで」と。

●原型はYUTOさんが作ってくると。

YUTO:けっこう完璧に作って「俺はこのまま出したいんだけど、どう?」くらいの勢いで、2人に投げます。

●曲作りのスタートはメロディなんでしょうか?

YUTO:メロディですね。ギターを弾きながら考えることもあるんですけど、トイレとかでメロディが浮かんだりすることが多いですね。

●ギターを持ってコードからメロディを拾うのではなくて、鼻歌とかでメロディが出てくるということ?

YUTO:そうですね。風呂とかトイレで浮かぶことが多いです。

●要するに、下半身が露わになっているときが多いと。

YUTO:そうですね(笑)。開放的なときが多いかもしれないです。

●ハハハ(笑)。開放的な気分になっているとき、心の中で風景やイメージが浮かんでいるんですか?

YUTO:いや、そういうわけじゃなくて。思い付くのはだいたいが朝ではないんですよ。スタジオに3人が入っていて、3人で作った曲はだいたいボツになる んですけど、その場で作った曲を持ち帰って1人で聴いたときに"全然よくないな"と思っていると、いいメロディが浮かんでくることが多いです。

●ややこしいですね(笑)。

YUTO:3人で作った曲を聴いて"うわあ、何だよこれ"って思っているときが思い浮かびやすいというか。自分たちの作った曲が"思っていたよりもよくな いな"と思って、「まあいいか」と風呂に入ると、"あそこはもうちょっとこうするばいいかもしれないな?"というアイディアが出てきて、そこから曲が出来 上がるパターンが多いです。

●それで、まったく別物が生まれることもある?

YUTO:まったく別物の方が多いです。1回できちゃったものを、もう1回構成し直すのは苦手なので(笑)。

●ということは、セッション的にスタジオで作ったとしても、結局ボツになるけど、そのボツ曲がないと新しい曲は生まれないということですか。

YUTO:本当にそんな感じだと思います。

●すごい遠回り(笑)。

YUTO:ハハハハ(笑)。

●今回、両A面シングル『I Believe in All / A Little Bit』をリリースされるわけですが、2曲ともサウンド的にはメロディックパンクに寄りつつも、日本語をメインにしたメロディのポップさを融合させてい て、伝わりやすさと感触としての耳触り/肌触りみたいなものが特徴的ですよね。心地いい感じ。

YUTO:レコーディングスタジオの環境もあるとは思いますけど、前作の『CLUTCHO』を作って以降、一度録ってから色々と揉む時間が長くなったんで すよね。やっぱりメロディは本当に自信のあるものしか使いたくないというか、"これならいけるだろう"という状態まで仕上げて。レコーディングはリズムか ら録っていくじゃないですか。でも、うちはオケを3人が「せーの!」で録るんです。

●いわゆる一発録りですね。

YUTO:だから録っているときは客観的に聴けないんですよ。録り終えた後でじっくり聴いてみると「ここはメロディの邪魔をしちゃうな」っていうような部分が見つかって、後から変えることもあります。

●なるほど。メロディを中心にしつつ、アレンジも磨いていく。

YUTO:そうです。メロディがいちばん活きるようなアレンジを心がけています。

●「メロディは本当に自信のあるものしか使いたくない」と言っていましたが、作曲の部分で影響を受けたアーティストとかいるんですか?

YUTO:Green Dayがすごく好きで、インタビューを読むと、Vo./G.ビリーは初めてギターを買ったとき"すげえギタリストになろう!"と思っていたそうなんです。 でもいざギターを持って弾き始めてみると、周りに自分よりも上手いギタリストがいっぱいいて"こいつらに敵うわけがない"と思ったらしいんですよ。

●ふむふむ。

YUTO:そこで彼は"だったら自分は作曲で1番を取ってやろう"と考えたらしくて。それを読んで、"たしかに作曲なら俺も狙える"と思ったんですよね。

●なるほど。Green Dayの音楽から直接影響を受けたというよりも、考え方に刺激を受けたんですね。

YUTO:そうですね。だから「ここから影響を受けました」と言える音楽はなくて。でもそのインタビューを読んで、"その方法があったんだ!"と思ったん です。俺もギターを買ったときはギタリストとして名を馳せようと思っていたはずなんです。小6のときなので、記憶はあまり定かではないんですが。

●何でも早いですね。

YUTO:ビリーの考え方はかなり自分にとって目の前が開けたというか。それでいろんな曲を聴いて、「ここはもうちょっと変えたほうがいいんじゃないかな?」とか、リスナーとして聴きながら偉そうに考えている方が楽しいと思うようになったんです。

●自分の興味や向き/不向きを考えると、"ギタリスト"というよりも"作曲"の方に情熱が傾いていったと。

YUTO:完全にそうですね。そっちの方がいいなと。そう思ってからはなんでも聴くようになりました。

●今リリース後は7/21からツアーがあるんですね。やはりライブは活動のメインという感じですか?

YUTO:そうですね。やっぱり作品を作るときとライブを作るときとの感覚はだいぶ違っていて。ライブはライブで、曲作りは曲作りという感覚なんです。曲 作りはさっき言ったような感じなんですけど、ライブは自分の好きなこととか"こういう風にしたいな"ということを突き詰めていくというか。

●理想とするライブは?

YUTO:本当はクールにビシッといきたいんですよ。でも、つい感情がぶわーっと出てきちゃって。

●我慢できないと。

YUTO:そう! 我慢できなくなっちゃうんですよ(笑)。

●我慢できずに東京まで出てきてしまったような人ですからね(笑)。

YUTO:そうなんですよね。本当は背中で語るくらいのクールさが理想なんですけど、結局言いたいことはつい全部言っちゃうんです。いちおう本番直前にメンバーと「ビシッといこうぜ!」という話をするんです。でもパッと見ると、2人ともドカーン! となっている。

●YUTOさんだけではなくて、3人ともライブでは我慢できなくなると。

YUTO:そうそう(笑)。

●最初は勢いだけで東京に出てきたわけですけど、当時の初期衝動と現在の音楽に対するモチベーションはなにか変わりましたか?

YUTO:そこが1回変わっていたんですけど、今はまた初期衝動みたいなものがあるんですよね。たぶんそれは3人とも一緒だと思うんですけど。

●1回変わったというのは、どういう風に変わったんですか?

YUTO:初期衝動でやってきて、16歳の頃には電車で大阪までツアーに行ったりしていたんですよ。新幹線でツアーに行って野宿するようなバンドだったんです。

●バランスの悪いお金の使い方(笑)。

YUTO:車もないときからツアーに行っていたんです。16歳のときの映像をもう今は観ることもないんですけど、きっと酷いライブをしていたと思うんです よ。でも、そのときはすげえ自信があってツアーに行っていて、自分たち自身で"こんな16歳はいないだろう"って思っている部分もあったんですよね (笑)。だけど、やっぱりいく先々のライブハウスの人とかと話していたらボキボキに折られることもあって。

●心をね。

YUTO:現実と思いっきりぶつかるみたいな。そういうことを経験しているうちに、やりたいことを見失っているわけではないんですけど、"もうちょっとこ うしてみようかな?"って計算するようになって。ちょっと大人になっちゃったというか、ちょっとマセたと思うんですよね。

●例えば"お客さんが盛り上がるようなライブをしよう"とか"お客さんが喜ぶ曲を書こう"みたいなこと?

YUTO:まさにそういうことです。顔色をうかがい過ぎるようになった時期があったんですけど、1stアルバム『CLUTCHO』を出してツアーをまわっ て、また曲をたくさん作り出していくうちに…10周年の節目を迎える直前くらいだと思うんですけど…スタジオに入るのがまた楽しくなってきたんです。だか ら、今は一周して本当に目標が定まったというか。

●なるほど。

YUTO:上京したての頃もガキなりに定まっていたとは思うんですよ。"絶対音楽で金持ちになってやるんだ"みたいな(笑)。だけど、いろいろ現実にぶつ かって"いや、違うな"と思うことも多くて。でも3人でまたいい曲ができて、ライブも自分たちのイメージに近付いてきていて。今は3人が同じ方向を向けて いるというか。他のことが見えていないくらいの勢いがありますね。

Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:Hirase.M