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coldrain

戦いは始まった。すべてを解き放つ時が来た。

185_coldrain今やラウドロックシーンを担っていると言っても過言ではないcoldrainが、昨年7月にリリースした6track Album『Through Clarity』に引き続き、世界的なロックプロデューサー・David Bendeth(Paramore / Breaking Benjamin / Killswitch Engage / Papa Roach)とタッグを組んで待望の3rdアルバムを完成させた。アメリカでの3ヶ月近くに渡るレコーディングは、自分たちが今まで作ってきた楽曲をも忘れ去るほどの集中度で自己を突き詰める作業だったという。あらゆるコアが剥き出しになった3rdアルバム『The Revelation』は、ライブハウスで多くのオーディエンスを熱狂の渦に叩き込むと共に、頼もしいほどに成長を遂げ、より攻撃的になった彼らを不動の存在へと押し上げるだろう。

INTERVIEW #1
「出来上がってきた自分たちの曲を聴いて、初めて新しく感じたというか。別にバンドがめっちゃ変わったわけじゃないですけど、なんか違う。こういうのが自分たちの個性なのかなって」

185_nakamen●今回のアルバム『The Revelation』は前作『Through Clarity』(2012年7月)と同じくDavid Bendethをプロデューサーに迎え、昨年末から今年2月の間にアメリカで制作したとのことですが、制作中のMasatoくんにSkypeでインタビューさせてもらったときの話によると、アメリカに行く前に準備していた曲を4曲ボツにしたということですが。

Y.K.C:そうですね。クオリティ云々という話でボツにしたわけではなくて、アルバムというアウトプットに絞っていったところで「こっちじゃねぇな」みたいな感じだったんです。ボツにした4曲は、制作過程で見えていた“これからのcoldrain”という方向とはまた違ったベクトルの曲だったので。

●ということは、日本で考えていたアルバムのイメージが、制作に入った段階で変わったということ?

Y.K.C:今まで僕らが持っていたキャッチーな要素だったり若々しい部分…悪く言えば青い部分…を表現している楽曲があるとして、今回はそこを超えてきた楽曲も何曲かあったんです。雰囲気もダークだし、今まで以上に深い部分が出ていてちょっと大人っぽい感触がある楽曲というか。

●はい。

Y.K.C:良くも悪くも、その差が出ていたんですよ。プロデューサーのDavidと話していく中で、今後coldrainが外を見たりとか海外でやることを考えたとき、青い部分が出ている楽曲はちょっと扱い辛いと言われたんです。それで「お前らはどっちなんだ?」って。

●お、なるほど。

Y.K.C:「そこを絞ることによってバンドとして次の段階にいけるんじゃないか」という話し合いを最初の段階でしたんです。それで“そっか”と思って、スタジオに入って2〜3日は時差ボケもあるから比較的余裕のあるスケジュールだったんですけど、僕は何曲かデモを作ってみたんですよ。日本から持っていった候補曲をバーッと並べてみんなで聴いたとき「あと何曲か足らないな」という話になって、そこで僕がアメリカで作った曲を流してみたら「これだ!」ということになって。そこで改めて「じゃあ作ろうぜ」という話になったんですよね。

●ふむふむ。

Masato:ある意味、テーマを決めていたわけではないし、今回はプロデューサーのDavidと一緒に作ることになるだろうなとは思っていたんです。そのときに、今までのcoldrainが持っている色んな要素があるとしたら、Davidに「その要素全部を出すんじゃなくて、もっと1つの色の濃いアルバムにしたらどうか」と提案されたというか。俺が個人的にDavidに言われたのは「お前の人生に於いて、今のお前は完全にハッピーなところにいるわけじゃないから、もっとダークな部分も出せよ」ということで。そういうこともあって、楽曲も歌詞も含め、制作のモードがそういう方向に進んだというところはありましたね。

●そういうやり取りがあったんですね。

Masato:Davidからはバンド的にも「今際立っているのはダークな方向だから、アルバムもそっちに向かわなきゃいけないんじゃないか。お前たちは戦っているんだから」という話があって。そういう流れで、自然にポップだったり爽快感のある楽曲が削ぎ落とされたというか。だから曲としてはいいんだけど「今回はちょっと違うんじゃない?」という話になったんです。

●そういうことか。

Masato:Davidから「こうじゃなきゃいけない」とか「このジャンルを目指せ」と言われたわけではなくて、海外でも戦えるレベルの判断をDavidに任せたという感覚なんです。

●そういうやり取りが最初にできたのは、前作の関わりがあったからこそでしょうね。Davidがより深くバンドと関わることができたというか。

Y.K.C:そうですね。結局そこが芯にあるから、その後の音楽的なやり取りもスムーズに進んだし、逆にもっと話さなきゃいけない部分が増えてきたりとかもして。

●coldrainは色んな側面を持っていて、今までの作品も曲単位や、もっと言えば1曲の中でもキャッチーな部分とヘヴィな部分のバランスを取ってきましたよね。でも今回は思いっきりやってみようと。

Masato:結局、今までずっとやってきているからどっちの要素も入ってくるんですよね。だから“どこまでヘヴィさを突き詰められるか”みたいなマインドで制作をして。日本に戻ってきて、“MONSTER ENERGY OUTBURN TOUR 2013”では全箇所でM-2「The Revelation」をやっているんですけど、やっぱり今までのどの曲よりもヘヴィなんですよね。そういう意味では目指していたポイントは間違っていなかったし、バンドの芯がブレないままヘヴィな要素だけを突出させた、という感覚なんです。おもしろいのが、「The Revelation」は日本で作って持っていった曲なんですよ。

●あっ、そうなんですね。Davidとのやり取りがあった上で作ったわけではなくて、もともと作っていた曲だと。

Masato:そうなんですよ。だから持っていた曲にDavidが反応して今作のポイントになったというだけで、バンドが変わったわけではないんですよね。今までとはちょっと感覚が違うんです。“アルバムを絞り出すっていうのはこういうことなのかな”って。ライブでどうしようとか、こういうファンがいるから、みたいな発想は一切なく、単純に自分たちがやりたいことを3枚目にして絞り出したっていうか。アメリカに行ってから作った曲なんて、作っている感覚すらなかったんです。ひたすらブワーッと集中していて、完成して聴いてみたら自分たちの曲じゃないみたいというか。

●へえ〜。

Masato:出来上がってきた自分たちの曲を聴いて、初めて新しく感じたというか。別にバンドがめっちゃ変わったわけじゃないですけど、なんか違う。こういうのが自分たちの個性なのかなって。そういう意味ではすごくおもしろいアルバムになっていると思います。

INTERVIEW #2
「coldrainというすげぇ恵まれた環境の中にいて、そこから1回抜けて、外からバンドを見て。中にいたらわかんなかったようなことが、そのときによく見えたというか」

●オフィシャルHPに今作のメイキング映像がアップされていますが、その中でRxYxOくんが「Katsumaが病気療養して戻ってきたことが今作にすごく影響した」と言っていたのが印象的だったんです。

RxYxO:Katsumaが休むとなったとき、バンドは止まるわけにはいかない状況だったんです。だから不安じゃないですか。Zaxくん(Pay money To my Pain)やTatsu(Crossfaith)、YOUTH-K(BPM13GROOVE)にサポートしてもらったんですけど、そこで1からグルーヴを作っていくときに発見がすごく多かったんです。僕はベースをちゃんと弾いたのはcoldrainが最初だったので、一緒に合わせるのはKatsumaしか知らなかったんですよ。

●あ、なるほど。

RxYxO:だからこそ、よりKatsumaと人との違いもそこで感じて。改めてKatsumaの個性というか、良さに客観的に気づくことができたんですよね。

●浮気したときに、逆に彼女の良さに気づいたと。

一同:ハハハハハ(笑)。

RxYxO:それはちょっと聞こえが悪いですけど(笑)、まあそんな感じですね。更に、Katsumaはスキルアップして戻ってきたんですよ。それもすごく感じたし。

Masato:3人のドラマーにサポートしてもらって、俺たちはすげぇドラマーに囲まれているなって気づいたんです。全員持っているものも違うし、その人たちは1回の練習でライブができちゃうんですよ。それでツアーやフェスとかに出て、大変な部分もいっぱいありましたけど、“これはcoldrainじゃねぇな”という感覚に陥ったことはなかったんです。みんなが対応してくれたことに俺はすごく感動して。みんなが本気でKatsumaを支えて、本気でcoldrainを支えてくれているんだなって思ったんですけど、Katsumaが帰ってきたとき、その人たちに負けるようなドラマーではいてほしくなかったんです。

●うんうん。

Masato:勝ってこそcoldrainは更に進むことができる。より次のレベルが見えたんですよね。俺たちはまだまだもっと行けるって。あの経験でライブに対する感覚も変わったんです。Katsumaが休んで最初のライブはフェスだったんですよ。もともと俺はフェスとかに対して苦手意識があったんですけど、それがふっ切れて。そういう経験値が付いたことは今作にも活きているだろうし。

Sugi:曲の違う側面が見えたりもしたんですよ。“この曲ってこういう凶暴性があったのか”とか、“俺たちが今まで思っていたよりももっと繊細にできるんだ”とか。そういう部分に気付かせてもらう部分もあって。

Masato:違うバンドの核の人が入ってくるわけですからね。できなくなる部分もあるけど、ドラムの大切さだったり、ドラムの重要性もすごく感じましたね。

●バンドとしてはピンチだったけど、そこで自分たちを客観的に見る機会になったんですね。ところで話題の渦中になっているKatsumaくんはどういう心境だったんですか?

Katsuma:活動を休止して手術したんですけど、そのすぐ後からツアーとかフェスが始まって。何もできない中で、色々と外から情報が入ってくるわけですよ。「フェス良かった」とか「Zaxくんすげぇ!」とか。だから…なんとも言えない気持ちでした。

一同:アハハハハ(笑)。

Katsuma:正直に言うと俺の中では、coldrainに戻れるか? というのは50%以下くらいの感じだったんです。だから1から色々と考える機会でもあったんですよね。coldrainというすげぇ恵まれた環境の中にいて、そこから1回抜けて、外からバンドを見て。中にいたらわかんなかったようなことが、そのときによく見えたというか。

●はい。

Katsuma:だから今まで以上のものにならないと戻れないということはわかっていたんです。ようやく身体を動かせるとなったとき、とにかく死にものぐるいでリハビリをして。やれること以上のことを全部やってからじゃないとメンバーには戻れないと思ったし、その時点でアメリカのレコーディングはもう決まっていたので、とにかく時間を掛けたくなかったんです。

●なるほど。

Katsuma:メンバーには「焦らずにちゃんと治して戻ってきて」と言われていましたけど、例えばサポートドラマーが叩いてアメリカでアルバムを作って、メンバーが日本に帰ってきて、その後に俺がバンドに復帰したとしたら、絶対にモチベーションを維持できないなと。だから必死でした。

●そういうマインドが直接的に作用したかどうかはわからないですけど、今作は“強さ”をすごく感じるアルバムだと感じたんです。前回のインタビューで僕は「ライブのMasatoくんがいい意味でどんどんふてぶてしくなってきている」という話をしましたけど、今作はもうバンド自体がすごくふてぶてしくなっている。

一同:ハハハハ(笑)。

●タフさや強さを感じさせるアルバムになったのは、きっとKatsumaくんのマインドも影響しているだろうし、バンドとしての経験も影響している。より“強さ”を求めているような作品だと思うんです。

Y.K.C:そうかもしれないですね。

INTERVIEW #3
「なにか新しい音が入ったとしても、あくまでも世界観の延長線上にある音になるんですよね。言ってみればギターのエフェクターの音と同じくらいに捉えることができる」

●MasatoくんのSkypeインタビューのときに「今までになかった音が入っています」というヒントをもらっていたので、なんとなくラウドなロック + ストリングスというイメージを持っていたんです。でも実際に今作を聴いたとき、今までになかった音がいい意味で気にならなかったんです。よく聴いたら「これは何の音なんだろう?」みたいな音がいっぱい入っているんですけど、coldrainの世界観に完全に馴染んでいる。取って付けた感がまったくないし、表現がより深くなった印象で。その象徴としては、イントロで曲の雰囲気をバーンと色付けている曲が多いということ。

Y.K.C:同期だったりバンド外の音を入れていく中で、バンドサウンドの中にポッとそういう音がいきなり入ってくるとやっぱり不自然なんですよ。もともとその世界になかったものが入ってくると背景が歪んじゃったりして、人工的なものを感じてしまうんですよね。

●うんうん。

Y.K.C:でも曲の頭からそういう音が入ってもいい雰囲気を作っておくことによって、自分が使いたいと思っていたサウンドもスムーズに決定できたんです。そうするとなにか新しい音が入ったとしても、今おっしゃっていたように、あくまでも世界観の延長線上にある音になるんですよね。言ってみればギターのエフェクターの音と同じくらいに捉えることができる。だから布石を打つという意味でも、イントロをちょっと雰囲気のあるものにしてみたり、より楽曲のイメージ付けができるようなものをイントロに持ってきたりして。

●まずイントロで色濃く雰囲気を出そうと。

Y.K.C:そうなんですよ。そこから激しくなるか、もしくは静かになるかではなくて、その音が始まったら「この曲だ」みたいなレベルで表現したいなと思っていたんです。

●バンド外の音を入れようというアイディアは、もともとあったんですか?

Y.K.C:そうですね。アメリカに行く前から…もっと言うと前作からそういう音は入れたいと思っていたんです。でも前回は時間の関係から実現ができなくて。だから今回は向こうに行ったときにそういう流れになるだろうなとは想定していて。アメリカでM-1「The War is On」を作ったとき、デモの段階からバンド外の音をガンガンに入れてDavidに渡したんです。そこで「じゃあこれでいこう」って。

●なるほど。

Y.K.C:僕的にはそこで「俺が作ったやつイケるじゃん」っていう手応えを感じることができたんですよ。ヘヴィな曲をよりヘヴィに聴かせるためには必要だと思ったし。それで難しかったのは、例えばシンセの音を入れるときに「これシンセですよ!」みたいな感じになったら不自然になるんですよ。いない人が弾いてる感じが出てしまうというか。それが超大変だったんです。

●うん、すごく絶妙だと思いました。よく聴いても、何の音なのかよくわからないくらい。

Masato:coldrainを始めた頃によく聴いていたバンドとかは、9割くらいはバンド外の音がCDに入っていたんです。だからどの段階でこういう音が入ってきたとしても、俺たち自身は気にしなかったと思うんです。バランスを上手く取れるかどうかだけの問題で。

●うんうん。

Masato:CrossfaithやFear, and Loathing in Las Vegasはメンバーが積極的にそういう音を入れるじゃないですか。彼らが出てきたとき“coldrainはそういうバンドじゃない”という感覚で、バンド外の音を入れる発想が頭から抜けていたんです。でもそういうことも全部忘れて、今まで作ってきた自分たちの曲も全部忘れて考えたときに「全然アリじゃん」というポイントがあったんです。むしろそういう音が曲の中心になる場合もあったり。なんか、やっとこういうことがやれたなって。

●それに今作はギターがめちゃくちゃ振り切れてますよね。もう思いっきりやってる。

Masato:ギターはむしろ粗くなってるかな(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

Y.K.C:僕的には引き算だったんです。今までは同期の代わりに上モノが楽曲の雰囲気を決定づける重要な要素だったんですけど、今回は同期が入ったので“あれ? 俺はこれやんなくてもいいじゃん”っていう。要するにバランスを取る方にまわったりだとか。そういうところがある分、逆に出せるところはガーンと出していかないと、やっぱりギタリストとしてのアイデンティティもありますから。

●なるほど。音は少なくしたけど1本の音はめちゃくちゃ個性ありますよと。

Y.K.C:だからいい意味で、ギタリストとしても「ずっと弾いていたい」というところから抜け出せたんです。弾いていなくても、自分が弾いた瞬間に「キターッ!」となれる。そういうアレンジができるようになったと思います。そういう意味で、楽譜にできない部分で前に噛み付く感じは今まで以上に出ていると思います。

●ギタリストとしても表現したと。

Sugi:そうですね。だから苦戦した部分も多かったんです。今までよりもメタリックなギターも多いじゃないですか。

●はい。ギターがメタリックだと思います。

Sugi:そういう部分をどれだけメタリックに聴かせることができるかとか。あと、今までにないバラードのノリをどれだけ出せるかとか。色々と苦戦したんです。

●今作で表現の幅が広がった感覚?

Sugi:そうですね。よりリズム隊にグルーヴィーにギターで乗っかることだったり。そういう発見が今回はすごくありました。

INTERVIEW #4
「自分の中で若い怒りがまた出てきているんですよね。反抗していきたい気持ちもあるし、立ち上がる気持ちっていうのはより強いというか、守りに入る必要はない」

185_sub1●アルバム名にもなっている“The Revelation”は“明らかにする”とか“暴露する”、“さらけ出す”という意味ですが、そういう志向性は「The Revelation」以外の曲の歌詞にも出ていますよね。今作の歌詞は基本的にほぼ怒っていると思うんですが(笑)。

Masato:アハハハハ(笑)。

●怒りというか、怒りとも受け取れるほどの強い想いというか。

Masato:一周したんですよね。10代の頃って成長期とか反抗期ってあるじゃないですか。それこそ中高生のときは「てめー! このやろー!」みたいな感じの音楽を聴いて育ってきて。当時はそういう音楽を聴いて“なんでみんなこんなに怒ってるんだろう?”と思っていたんですけど、でもそれがかっこいいと思って聴いていたんです。

●はいはい。

Masato:それを…なんか最近理解してきた感じがあって(笑)。

●その怒りの本質を?

Masato:はい。

Sugi:怒りを提供する側になったんだね。

一同:アハハハハ(笑)。

Masato:俺らみたいなバンドがなんで若い人たちとリンクするかというと、そういうことなのかなって思ったんです。僕らの世代のリアルな怒りって、たぶん若い世代からしたらかっこよく見えるんですよ。でも若いみんなはまだそれほど怒ってないと思うんです。

●“なんでcoldrainはこんなに怒ってるんだろう?”と思いながらも「ウオーッ!」となってると(笑)。

Masato:怒ってるとは思うんですよ。でもそれは小さいことというか、周りのちょっとしたことで。「母ちゃん嫌い!」とか「ゲームやらせろ!」とか。

一同:ハハハ(笑)。

Masato:そういのって絶対に誰でもあったと思うんです。そういうあの頃のちょっとした“怒り”と、俺たちが今まで積み重ねてきたことで生まれた、より大きな力に対する“怒り”がリンクする部分があって。今までの歌詞ではずっと自分と戦っていることを書いてきましたけど、そこを超えたとき、自分と戦うのはもう当たり前になってきて、逆に「自分と戦えない奴って何なんだよ?」みたいな怒りも出てきて。

●うんうん。

Masato:許せないものが生まれてきたというか。今までずっとバンドをやってきて、自分たちが作ってきたものや、自分が感じていることに関して、守らなきゃいけないし、外に向けても戦わなきゃいけないと思った段階というか。

●今まで積み重ねてきたからこそ、外に向けても戦わないといけない。

Masato:それに、世の中で起きていることも年齢のせいなのか無関係じゃない気がしていて。

●それは震災以降、きっと多くの人が感じていることでしょうね。今だからこその怒りというか。

Masato:そうですね。そういう“怒り”が今作には入っていると思います。

●先ほどおっしゃっていましたが、制作の最初の段階でDavidに「もっとダークな部分も出せよ」と言われたことで引き出された?

Masato:うん。Davidにはプライベートな話もしたんですけど、そのときに「お前、それは悲しんでいるんじゃなくて怒ってるじゃん。そういうのを出せよ」って。「今、話しててムカつかついてるじゃん。それを書けよ」って。なんかカウンセリングみたいな感じでした。

●アハハハハ(笑)。

Masato:Davidはいつもそうらしいんですよ。俺たちが憧れてきたバンドの人たちもDavidの前に座らされて、話しているうちに泣き出したりとか(笑)。

●Davidすごいですね。

Masato:たぶん今作の1曲くらいはDavidに対して怒ってるんですけどね(笑)。でもそういう感情もDavidに引き出されたんです。

●感情を解放させられたと。

Masato:普通に喧嘩してましたもん。Davidは俺の母さんくらいの年なんですけど、「なんだよ! お前仕事しろよ!」みたいなことも普通にあるし、ぶつかっていけるからこそそういうマインドが今まで以上に曲に乗っていると思うし。個人的には、アメリカで作っているからこそアメリカの文化から影響を受けて作った感じもあったし、より色んな共感ポイントが増えてるんじゃないかなって思います。

●特にこういうゴリッとしたサウンドだったら、そういった強い感情も乗せやすいし。

Masato:そうですね。珍しく前向きじゃないこともちょいちょい歌って(笑)。

●でも、それも前向きなものを求めているからこその感情ですよね。強さを求めて物事の本質を見ようとしている視点がどの曲にもあるし、そこで生じる感情が“怒り”になっていて。だからアルバムタイトルがすごくハマっていますよね。メッセージ性も強い作品だと思う。

Masato:そうですね。だから若いんですよ。自分の中で若い怒りがまた出てきているんですよね。反抗していきたい気持ちもあるし、立ち上がる気持ちっていうのはより強いというか、守りに入る必要はないと思っていて。

●そういう気持ちの変化はステージに出ていますよね。特にここ1〜2年のcoldrainは、Masatoくんが言っていた“怒り”のような強い感情が出るようになったというか。3ヶ月近くアメリカに行っていましたが、充実した制作だったんですね。

Y.K.C:でも全部が苦労した制作でした。ミックス作業は結局、何曲かこぼれちゃったんですよ。時間切れになって。

●え? あんなに長く行っていたのに?

Y.K.C:録りの作業が終わったのは、帰る前日という。

●ええっ?

Masato:そこが外人クオリティなんですよ(笑)。途中で話が変わるんです。当初からミックス込みの予定だったのに、いつの間にか「そんなこと聞いてねぇよ!」みたいな。「ミックス作業はお前らが帰った後にやるんだよ」って。

●ハハハハ(笑)。

Masato:そういうことがあったわりには、かなりの作業をやり終えて帰国したんです。みんながすごく集中してやる分、日本でもアメリカでも、レコーディングって結局は最終的に時間がなくなるんですよ。別に毎日サボっていたわけじゃなく、「この曲のこの部分はこうしようと」とか「もう1曲作ろうよ」って、より良い作品にしようとしていたからこその話で。

●うんうん。

Masato:録り終えてさえいれば、何曲かのミックスは任せてもいいと最終的には思っていたし。でも…大変どころじゃなかったですね。

4人:うん。

●本当に大変どころの騒ぎじゃなかったんですね(笑)。

Y.K.C:僕は向こうにいた期間、ほとんどどこにも行ってないですもん。いちおう日曜日は休みなんですよ。でもずっとPCで曲作りの作業をしていたし。

Masato:正月もずっと作業してましたもん。クリスマスくらいですね、ちょっとゆっくりしたのは。

Y.K.C:でもクリスマスも本当は作業したいと思っていたくらい心の余裕がなくて。でもDavidが「クリスマスは働くもんじゃねぇ」って家に行って、次の日に響くくらい飲まされて。
RxYxO:負けたら飲まされるというひどいゲームがあったんです(笑)。

●ハハハ(笑)。でも苦労に見合ういい作品になりましたね。リリース後は夏を挟んでツアーが控えていますが、ツアーが楽しみですね。

Y.K.C:そうですね。今回のツアーは楽曲が楽曲なので今まで以上に壮大なライブにしたいとも思っていますし、今まで以上にヘヴィでライブ感のあるステージにしたいとも思っていて。色々と新たなビジョンが見えてきているので、すごく楽しみですね。

Interview:Takeshi.Yamanaka

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