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coldrain × SiM × HEY-SMITH

Synchronicity of Next Generation 出会うべくして出会った次世代を担う3人のフロントマン

 coldrainとSiMとHEY-SMITH…それぞれ名古屋、東京、大阪を拠点に活動をスタートさせた同世代の3バンドは、まるで磁石が引かれ合うかのように出会い、そして刺激を与え合いながらバンドを大きくしていった。

12月に大阪でHEY-SMITH企画の“HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2011”、来年1月には東京でSiM企画の“DEAD POP FESTiVAL 2012”、続く2月には名古屋でcoldrain企画の“BLARE DOWN BARRIERS 2012”が開催されるタイミングの今号では、次世代を担う最重要人物の3人に話を訊いた。

 

1st Synchronicity

「すごく苦しいときに初めて両バンドのライブを観たんです。だからけっこう"にじみ出る悔しさ"みたいな記憶がある」

●この3バンドが初めて一緒のステージに立ったのは、SiM企画の"DEAD POP FESTiVAL vol.1"(2010/1/16@渋谷club asia)らしいですね。

MAH:そうですね。それぞれと「何か一緒に面白いことやりたいね」と話していて。もともとはSiMとHEY-SMITH、SiMとcoldrainっていう繋がりで、HEY-SMITHとcoldrainは繋がりがなかったんですよ。

Masato:だから俺は「HEY-SMITHと一緒にやりたい」ってずっと言っていたんです。

猪狩:coldrainのことは知っていたけどね。ライブも観ていたし。

MAH:そのときにSiMはリリースツアーとかじゃなくて、わりと自由なツアーをやっていたんです。で、ファイナルが決まってなくて「じゃあ俺らイベントやるわ」みたいな感じ。この3バンドと、他にも色んなバンド呼んで、ごった煮みたいなイベントを組んで。3バンドの対バンはそこが初めてです。

●お互いのバンドに持っている印象や、リスペクトしているところを訊きたいんですが。

猪狩:SiMは出会う前から…1枚目のアルバムを試聴してかっこいいと思って。まあ全然売れなかったんですけどそのアルバム(笑)。

一同:(爆笑)。

猪狩:そのアルバムめちゃくちゃかっこいいんですよ! そのアルバム聴いてかっこいいと思ってからの対バンやったから、最初から好きやったな。coldrainもそう。たぶん最初にPVを観て、かっこいいと思って。だから両方とも印象が良かったな。

Masato:逆に俺はどっちもライブが先なんだよね。2バンドともすごいライブバンドだから、俺らは結成してからの日が浅かったし、ライブがまだ固まってないというか、すごく苦しいときに初めて両バンドのライブを観たんです。だからけっこう"にじみ出る悔しさ"みたいな記憶がある。

猪狩:ハハハ(笑)。

Masato:当時はみんなそこまで動員があるわけじゃなく、でもやっぱり今と変わらないライブのパンチは持っていて。"悔しかった"という印象が強いですね。

MAH:HEY-SMITHとの初対面はあまり覚えてなくて。CDを出していないときに知り合ったので、どんなバンドか知らない状態で一緒にやって。俺、スカが好きだから"スカとか入っているバンドだ!"というぼんやりとした印象だったんです。それでCDを出した後、ツアーに誘ってくれたので一緒にやったら一皮も二皮もむけていて「あれ? こんなんだったっけ?」みたいな。ヤバいなと思って、そこから印象が全然違いますね。

Masato:俺もその間、SiMとは対バンしていたけどHEY-SMITHとはやってないから、ずっとMAHから植え付けられてたんですよ。「HEY-SMITHのライブはヤバいぞ!」って。

猪狩:アハハハ(笑)。

Masato:で、音源も聴いたら「ヤバい!」ってなって。それでCDショップに挨拶に行ったら、お店中に"HEY-SMITH"と書いてあるみたいな。

一同:(爆笑)。

Masato:「なんだこれは!」って。しかもライブハウスに行けばたいてい「HEY-SMITHは動員がすごい」みたいなことを聞かされる。

●アハハ(笑)。

Masato:いい話しか聞かなかったから、対バンする前に色々植え付けられたっていう。

猪狩:俺ラッキーだな(笑)。

MAH:俺はけっこう自信家なので、日本人のヴォーカルで"この人すごいな"と思う人がいなかったんですよ。憧れもないし。でもMasatoを観たときは「ふーん…やるじゃん」みたいな。

一同:(爆笑)。

Masato:世代的にも変な影響を受け合っているというか。会ったときからお互いのバンドにちょっとずつ影響し合ってるよね。

猪狩:そうやんな。そこがね、この3バンドの珍しいところ。

●どういうことですか?

猪狩:だいたいライブ終わったら「良かったで~」とか「今日はイマイチやったかな~」ぐらいの話で終わったりするんですけど、この3バンドは「あそこはもっとこうして、MCではこんなこと言った方がいいんちゃう?」とか「ああいうのはよくない」とか、マネージャーぐらいの感じで言い合ってるんです。

MAH:俺、こないだのHEY-SMITHのツアーでライブ前にセットリストをもらって「ここはあれで…」とか書いたよね(笑)。

一同:(爆笑)。

猪狩:ツアー初日から数本一緒にまわってもらったんですよ。最初の方やったんで俺らもいまいちで、セットリストすら迷ってて、出来がいいのか悪いのかもわからなかったんですよね。それで2日目ぐらいにMAHが1曲1曲に全部書いて。

Masato:3人とも言うよね、お互いのセットリストについて。

●そういう深い関係になった理由は何なんでしょう?

猪狩:何でしょうね?

Masato:SiMの企画のときに猪狩が「もう敬語とかやめて本気で色々言っていこうよ」と言ったことがデカいかな。そこからもう気にしなくなった。その後、俺らのツアーで3バンド一緒に北海道に行ったのも大きかった。一緒にいる時間も長かったし。

猪狩:あれはデカかったな。今年の3月か。

Masato:全メンバーが全メンバーと仲良くなったのは今年だよね。

●ある意味特別な存在なんですね。盟友でありライバルでもある。

猪狩:気になる。他人とは思えない。

Masato:いいライブして欲しくないし、駄目なライブもして欲しくない(笑)。

猪狩:わかるわかる!

MAH:自分たちが一緒のときはいいライブして欲しくない。

猪狩:超わかる。でもダメなライブされたらそれはそれでイラつく。「何やってんねん、自分らもっとできるやろ」って思ったりするときもある。

●いい関係ですね。

猪狩:まあ、好きですから普通に。ファンですから、ライブ観に行って変なライブやったら普通に嫌。

Masato:すごいわかるんですよね、お互いの何が噛み合っていないかというのが。

猪狩:わかるわかる。観たらわかる。

Masato:超盛り上がってたとしても、ちょっと違うっていう。

MAH:「今日は助けられたね」って(笑)。

一同:(爆笑)。

Masato:こんな話、雑誌で読みたくないよね(笑)。

●でもこういう話は新鮮ですけどね(笑)。

MAH:どんなに盛り上がっても終わった後に「今日はお客さんに助けられた感じだね」って。他のバンドには言えないもんな。

猪狩:そこまで言えないよな。

Masato:3バンドともが絶好調のときってあんまりないんですよ。

猪狩:ないない。絶対ない。

MAH:"京都大作戦2010"はみんな良かったと思うけど。

猪狩:あ~。俺、あのときは自分らの世代が「キタ!」ってめっちゃ思った。

Masato:あれはヤバかった。

MAH:あれヤバかった。

猪狩:EGG BRAINもいたし、NUBOもいたし。

MAH:全バンドパンパンで。全員舞台が牛若ノ舞台だったんですよ。

猪狩:全部観に行った。気になって仕方がなくて。

MAH:それで「あ、この世代間違いないんだな」っていうのは思った。先輩とか関係者にもすごい言われたし。

猪狩:源氏ノ舞台を観て、もちろんそっちに出たいと思いましたけど、「これたぶん、ごっそりこっちに来る日が来るんちゃうかな?」っていうのは感じましたね。

2nd Synchronicity

「お酒飲むのが好きなんで、そういうヤツばかりが出るんですよ。だから楽しいに決まってるっていう」

●12月にHEY-SMITH企画の"HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2011"が、1月にはSiM企画の"DEAD POP FESTiVAL 2012"が、2月にはcoldrain企画の"BLARE DOWN BARRIERS 2012"が開催されますよね。自分たちだけじゃなくてシーン全体を盛り上げようという想いがあるからこそ、こういうイベントを企画されたと思うんですが。
MAH &
Masato:そうですね。

猪狩:でも俺はあまり深く考えていなくて。去年SiMが企画した"DEAD POP FESTiVAL"に出たときに、NUBOとかcoldrainとかCROSSFAITHとか同世代のバンドとけっこうまとめて会えたんですよ。そういう他ジャンルのヤツらと、ライブをやって酒を飲むっていうのが単純に楽しいなと思ったんですよね。

●なるほど。

猪狩:「一緒に何かやりたい」とは話していたんですけど、楽しいかどうかはいまいちわからなかったんです。でもそれがきっかけで「あ、絶対やろう」って思ったんですよね。それで去年追いかけてやって、それはそれは楽しくて。"このシーンがどう"っていうより"みんなが1日に集まってライブをしたら楽しい!"みたいな感じです。俺、お酒飲むのが好きなんで、そういうヤツばかりが出るんですよ。だから楽しいに決まってるっていう。

Masato:控え室なんてアホだったもんな。常に酒飲んでるヤツがいる、みたいな。

MAH:意味わかんない(笑)。

Masato:「お前出番いつ?」みたいな(笑)。

一同:(笑)。

●ある意味、ピュアな動機ですね(笑)。

猪狩:そうですね。

Masato:俺らの企画はもうちょっと、なんというか"違和感"が欲しくて。全然普段一緒にやっていない人たちを集めていて。

猪狩:今年とかめっちゃそうやったよな。

MAH:lynch.とか。

猪狩:OUTRAGEとかもな。

Masato:でも「あり得ないよね」っていう組み合わせじゃないんですけど、特に名古屋ではなかなか観れない組み合わせでやりたいという気持ちもあるし、「1日でこれだけ呼んじゃうの?」というイベントにしたくて。しかもそんなに大きくない規模で。東京だったら2000~3000人規模の会場でやるでしょ? っていうイベントを名古屋の500~600人クラスの会場でやるっていう。でも毎回1時間以上押して、俺らの出番のときにはみんな帰っちゃうっていう(笑)。

一同:(爆笑)。

●1時間以上押すんですか?

Masato:押すんです(笑)。なんか"やり過ぎた感"というのがやりたくて。俺らのアホな感じというのもわかってほしいんですよね。

●SiMの"DEAD POP FESTiVAL"は、具体的にはどういうきっかけで始めたんですか?

MAH:HEY-SMITHやcoldrainとツアーとかの打ち上げで色んなことをしゃべる中でそういう話になって。その当時…2008年頃は、世の中で開催されているイベントのメンツがけっこう偏っているような気がしていたんです。わりと同じジャンルで括っているというか。

●はい。

MAH:で、俺らのような3バンドがジャンルを超えて対バンしていく中で、「こういう方がいいじゃん」と思って。なにより楽しいし、対バンもガチでやれるし。やっぱり同じバンドとずっとやっていると馴れ合いになっちゃうじゃないですか。俺らのいいところって、普段からずっと絡んでいるわけじゃないところだと思っていて。要所要所では顔を合わせるけど、普段から対バンしているわけじゃないから、いい感じの距離感が保てているんですよね。

●なるほど。

MAH:でも1年に1回ぐらいはみんなが集まって「俺らこの1年これだけやってきたぜ」みたいな。「どう?」っていうライブができる場所があればいいなと思ったんです。だからイベントに対する根本的な考え方はたぶん3バンドとも一緒なんですよ。ただ焦点を当てているところがみんな違う。そういうのもあるから、"DEAD POP FESTiVAL"は割と同世代に絞っていて。いつかは借りたいですけどまだ先輩の力は借りずに、その前に自分たちでちゃんと土台を作ろうと。HEY-SMITHの"お酒飲んで楽しもう"っていうのもわかるし、coldrainの"異種格闘技戦みたいなイベントがやりたい"というのもすごくわかる。目的は一緒なんだと思います。

●目的は同じだけど性格は違う、という。

MAH:そうですね。それが面白いのかなって。だから若いヤツらが「出たい」って言ってくれるんですよ。「先輩に頼る」というより、「喰らい付いていきたい」みたいな若いバンドがすごく来る。

Masato:SiMのまわりは多いよね。

猪狩:そういうイメージあるわ。打ち上げとかでそういうこと言われてるのよく見るもん。

MAH:それは絶対いいことだと思うんですよ。だから"シーンを盛り上げよう"という大それたことじゃなくて、同じ世代で盛り上がろうっていう気持ちが強いのかな。

Masato:俺らもまだ若い世代だと思うんですけど、そういうことがしたいんですよね。さらに下の世代を引っ張っていくというか。常に"来いよ感"は出したい。

猪狩:ほう。

●「ほう」って(笑)。

一同:(笑)。

猪狩:いや、俺はあまりそんなこと考えたことがないので、すごいなって(笑)。

Masato:でもまだそういう感じはない。

猪狩:うん、俺も感じない。「下の世代がガンガン来てるな」とかあまり感じない。

MAH:あ、マジで?

猪狩:うん、全然。まず俺はそんなこと言われたりしないから。

MAH:そうなんだ。

Masato:俺は「出たいです!」とか言われたすぐ後に解散してるバンドばっかり。

猪狩&MAH:あ~。

Masato:「俺らガンガンやっていきますから!」ってデモ渡されて、また何処かのライブで会って。「最近どうなの?」って訊いたら「来月解散ライブなんですよ」って。

一同:(苦笑)。

猪狩:ある。そういう人いる。

MAH:あるね。

Masato:そういうのがなんか残念だよね。

猪狩:ムカつくのがさ、mixiとかTwitterとかでメッセージとかできるじゃないですか? それで「ライブ一緒にやりたいんです!」みたいなことを送ってくるヤツがいて。あれほんまに辞めてもらえないですかね?

一同:アハハハ(爆笑)。

MAH:こないだガチ切れしてたね(笑)。

猪狩:これほんま書いてほしいんですけど。

●じゃあ書きましょう(笑)。

猪狩:音源を持って来てくれたら直接話せるやん。俺、別にアイドルじゃないねんから、音源そのまま持ってきて、それやったら聴くかもしれないし、顔も覚えるし。でもメッセージでそんなこと言われても「いやいやいや! それお前違うで!」って。

Masato:まあ俺はいいと思うけどね。

一同:アハハハハハハハ(爆笑)。

猪狩:いや、俺もそんなん送ったことあるねんけど。

●送ったことあるんですか(笑)。

猪狩:あるけど、後で「それは違うぞ」っていうことがわかったんですよ。あんなもん絶対返信返ってこないし、返ってきてもそれで一緒にやれることは絶対ないですから。自分が直接デモを持って行ったりするようになって、その人とやれるようになったことはたくさんあった。だから絶対そうした方がいいよっていう話です。

MAH:何の話だよ(笑)。

3rd Synchronicity

「名古屋に行ったらこんな出会いがあって、大阪に行ったらこんな出会いがあって。海外行ったら…何年生きていても足りないなって」

●この3つのイベントは色んなきっかけになっているような気がします。

MAH:活性化できてると思います。要は、全然呼んでいないバンドの人とかが「あのイベント面白そうだな」って気になってくれたら勝ちじゃないですか。

猪狩:それ嬉しいよな、そう思ってくれるのがいちばん。

Masato:そういう点では"京都大作戦"とかはまさにそうだよね。

猪狩:あれをバンドがやってるからいいねんなあ。

Masato:"京都大作戦"があるから自分たちの企画イベントをやりたくなったというのもあるし。

猪狩:あるある、めっちゃある。

MAH:それはある。

●あ~、そうなんですか。

MAH:"京都大作戦2008"に俺らは出たんですよ。ノンジャンルで、レゲエの人とかも出ていたりして。

Masato:俺も2008年の映像を観て感動したもんな。

猪狩:俺も感動した。俺、けっこうフェスが好きでよく行くんですけど、やっぱりバンドがやっているフェスってすごくいいなって思いました。全員楽しそうですもん。

●"京都大作戦"はお客さんもスタッフも全員楽しそうですよね。

猪狩:そうなんです。そう、スタッフがすごく楽しそうなんですよ。あれがいい。しかも、1日目に出てたバンドがみんな2日目に来たり、2日目のバンドが1日目も観に来ていたりとか。そういうのってなかなか無いと思うんですよね。

MAH:一般的に"夏フェス"はイベンター会社が居てっていうね。バンド主催のフェスってそんなにないから。

Masato:"HAZIKETEMAZARE"はそこまでいってるよね。

MAH:いってると思うよ。

猪狩:ほんま?

MAH:いつ野外でやるの?

猪狩:野外? いつって…来年かな。わかんないですけど(笑)。

●ハハハハ(笑)。

Masato:"HAZIKETEMAZARE"の場合はやっちゃったらいけると思うよね。それに"HAZIKETEMAZARE"は何がすごいって、朝からずっとHEY-SMITHのメンバーが働いてるんですよ。

MAH:交通整理とか(笑)。

猪狩:ハハハハ(笑)。

●超手作りじゃないですか!

Masato:なのに規模が俺らやSiMのイベントよりデカいから「ヤバっ!」って(笑)。

●交通整理がメンバーってすごいですね(笑)。

猪狩:まさかでしょ? もう出番の頃にはクタクタなんですよ。

一同:(爆笑)。

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●ところで、夢というか目標みたいなことって、この3人で語ったことあるんですか?

猪狩:飲みながら常々そんな感じの話になるんですよ。

Masato:基本的にけっこうクサいですよ。

MAH:そうかも。

猪狩:クサい。特にこの2人(MAH & Masato)は。

●何で自分だけ(笑)。

猪狩:いや、俺もそうなんですけど…。

MAH:途中で飽きちゃうんだよね?

猪狩:そう(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

猪狩:真面目度合いがちょっと違うからな。熱いことしゃべるのはすごい好きなんですけど、打ち上げの最初から最後までずっとそういう話はできない。途中で女の子の方に行きたいってなっちゃう。

●アハハ(笑)。

猪狩:夢っていうか、俺は音楽を続けられればいいかな。長いこと音楽をやりたい。正直言って100万枚売りたいとかメディアに出てこうしたい! っていうのはそこまでなくて。

Masato:俺はやっぱり海外というか世界で勝負したいっていうところかな。まだ自分的に納得できていないから海外に出ていくタイミングじゃないと思ってるけど。

猪狩:俺ら結構軽い感じでアメリカ行ってしまった(笑)。

Masato:いや、それは全然いいんだよ(笑)。俺らも行けばいいっていう話で、単にまだ自分で納得できないっていうだけだから。

MAH:俺はデカいステージに立ちたいというか、大勢の前でやりたい。海外のフェスの映像とか観ていて、20万人とかの観客がいて。その人数の前で歌ったヤツが居るわけじゃないですか。だから俺も音楽をやっている以上は、そこを目指さないとなんかつまんないなって。

猪狩:うん、めっちゃわかるで。

MAH:俺は歴史に名を刻みたいんです。無理って思われるかもしれないけど、ジミヘンとかNIRVANAとかを目指さないといけないと思う。

猪狩:もうすぐ死ななあかんやん。

MAH:俺、27歳で死ぬと思ってたんですよ。

●今いくつでしたっけ?

MAH:25歳です。

Masato:しかも20歳ぐらいのとき本気でそう思ってたでしょ?

MAH:本気で思ってた。

●ちょっとびっくり(笑)。

MAH:思ってましたけど、こういう色んなバンドと関わるようになって…。

Masato:今はスーパー丸くなってますからね(笑)。

MAH:俺ほんとに酷かったんです。

猪狩:トゲトゲやったな。

Masato:トゲでしかなかった。

●そんなに刺々しかったんですか?

MAH:そうですよ。前の俺だったらこんなにしゃべらないですもん。高校生のときにNIRVANAにどっぷりハマっちゃって「俺は27歳で死ぬ」と本気で思っていたんですけど、こうしてみんなとやるようになって「ああ、世界は広いな」って。

一同:アハハハハハハ(爆笑)。

Masato:まだ国内でしかないのに(笑)。

MAH:国内でこれなんだったら…って思う。

Masato:でもそう思う。国内でこれなんだったらって。

MAH:名古屋に行ったらこんな出会いがあって、大阪に行ったらこんな出会いがあって。そう考えたら、海外行ったら…何年生きていても足りないなって。

●たぶん感覚的には違うと思うんですけど、それぞれの考える"いいライブ"はどういうものなんですか?

猪狩:俺は、自分にしても人のライブを観ていても、若干ルールとかを破りだすヤツが過半数を占めてくるといいライブだと思います。みんな自分のテンションが抑えきれなくなって、何かが外れちゃって道徳的には間違ってるかもよ? っていう暴れ方とか。

一同:(笑)。

猪狩:もう飲み過ぎてその辺で寝転がってるヤツがいっぱいいるとか、ちょっと常軌を逸した状態を目の当たりにすると「わあ! いいなこれ!」って思います。

Masato:俺がヤバいなと思うのは、やたら色んなヤツがハイタッチしてくるみたいなライブ。やってるときも来るし、終わって楽屋戻るとみんな「うぉー!」っていう感じというか。

一同:あ~。

Masato:普通に「お疲れー」とかじゃなくて「うぉー!」みたいな。

猪狩:あるある。全然違う。

Masato:しかもそういうときは自分も大抵いいと感じているんだよね。

MAH:俺は…。

Masato:あれでしょ? 2階から飛ぶんでしょ? MAHの120点のライブは高い所から飛んだとき(笑)。

一同:アハハハ(爆笑)。

●高い所から飛んだら120点(笑)。

MAH:今までで3回あって。1回目はHEY-SMITHと初めてまわったツアーのファイナルで、俺ら以外全部メロコアのバンドで。初めてメロコアに囲まれるライブだったからすげー刺激を受けて"負けたくない!"と思って飛んじゃったんですよ、2階席から。

●え? 2階席から?

猪狩:けっこうな高さやったんですけどね。

MAH:2回目は去年の"HAZIKETEMAZARE"で、そのときもバンド数がすごく多かったので負けたくなかったんです。

一同:(笑)。

MAH:そのときのライブは、俺的には人生でいちばん良かったんです。飛んだのを抜きにしても。

猪狩:あのライブはクソ良かったもんな。

MAH:いまだに何故良かったのかわからない。けど、人生でいちばん良かったですね。

猪狩:2階から飛び降りたいとか、またそれを支えにいく客もおかしいでしょ?

●おかしいですね(笑)。

猪狩:明らかに危ないじゃないですか。それをやって、客から歓声が上がってるんですよね。そんなん"絶対やったらあかん"ってライブハウスの壁に書いてあるのに、それをいちばん最初にやってね、それで客が喜ぶっていう。それおかしいと思いません? だから俺はいいライブやと思いましたね。

Masato:俺は"京都大作戦"がデカいかな。天候も見方になってくれたみたいな。

猪狩:そう、俺鳥肌立ったの覚えてる。

Masato:すごいタイミングで風が吹いて。俺ドロまみれだったし。

猪狩&MAH:バンド名通りじゃん(笑)。

●ハハハハ(笑)。

Masato:普段だったら「えー!」っていうことが良く思えた。あの日はダイバーに蹴られても嬉しかったもん。

猪狩:わかるわかる。そういう日あるよな。

●3人の話すべてに共通すると思いますけど、そういうときって会場全体が何かわけのわからない空気に包まれていますよね。

Masato:たぶん、くっついて全部が一体化してるんですよ。

猪狩:そうそうそう。

Masato:常にそれでなくちゃいかんのだけど、そこが難しいんだよね。

猪狩:毎回なんて絶対無理。

●でもその魅力に取り憑かれているんですよね?

MAH:だから辞められないんだと思います。

interview:Takeshi.Yamanaka
edit:HiGUMA

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