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coldrain

数々の化学反応はバンドのポテンシャルを最大限まで引き出した

盟友HEY-SMITHとSiMと共に全国8箇所をソールドアウトさせた“TRIPLE AXE TOUR '12”の興奮も覚めやらぬ中、新世代ラウドロックシーンを牽引するcoldrainが新作を完成させた。6trackアルバム『Through Clarity』は、ParamoreやBreaking Benjamin、Killswitch Engage、Papa Roachなどで知られるDavid Bendethをプロデューサーに迎え、初の海外レコーディングを敢行。現時点のバンドが持つポテンシャルが最大限発揮されたキラーチューン6曲は、現在 のシーンに深い爪痕を残すに違いない。脱皮と進化を繰り返して現在進行形でビルドアップし続けているライブもまた必見。9月から始まる“Through Clarity Tour 2012”で暴れまくれ。

INTERVIEW #1

「本当にすごくよかったのが、お互いのいいところも見られたし、自分たちに何が足りないかも見えたことですね」

●coldrain、HEY-SMITH、SiMの3バンドによる全国8箇所ツアー"TRIPLE AXE TOUR '12"は大盛況でしたね。

Katsuma:最高だったとしか言いようがないです。

Y.K.C:やってよかったし、今度はどういう風にするというビジョンはないんですけど、"もし同じようなことをやるときにはこうしたいな"とか、"今後 の自分達はどうしていこう"とか、あれをやったことでいろんな発見もできたし、いろいろと前に進めたツアーだったと思います。

●なるほど。

Masato:"TRIPLE AXE TOUR '12"は本当に短かったという感覚で。最初は8本でも多いだろうと思っていたんですけど、やってみたら"もっとやってもいいなじゃないかな"という感 じ。日程的に、間が空くこともなく連チャンでやっていたので、けっこうあっという間で。ツアーファイナルが終わって、なんか全然覚えていなかったですも ん。毎回のライブを、お客さんもバンドもガチでやっていたイメージしか残っていない。

●そうそう。お客さんもバンドも、もっと言えば関係者も、全員のテンションがMAXでしたよね。

Sugi:持ち時間は各バンド1時間くらいあったので、その分内容も濃かったと思いますね。まだ全然お客さんが入っていない頃から出会っているバンドだから、この3バンドであれだけのお客さんの前でできたということは、単純に嬉しい。

Katsuma:あの3バンドで1ヶ月間ツアーをした後、HEY-SMITHとSiMが対バンしているスケジュールとか見ると、羨ましいんですよね。

●嫉妬しちゃうってこと?

Katsuma:しっちょしちゃいますね。

一同:「しっちょしちゃいます」って(爆笑)。

●言えてないし(笑)。

Katsuma:一緒にやっているのを見ると"いいなあ…"って。

●ガチの嫉妬じゃないですか(笑)。

Katsuma:なんか寂しくなっちゃう(笑)。でも、他のバンドも同じことを言っているんですよ。HEY-SMITHのG./Vo.猪狩も、SiMのVo.MAHもうちらが一緒にやっていると「いいなあ…」ってメールをしてくるし。

●ちょっとキモい感じですね(笑)。

Katsuma:キモいグルーヴが生まれていますね(笑)。

●でも、やっぱりこの3バンドはお互いにとって特別な存在ですよね。本誌で3者対談をさせていただいたときも、「お互いのセットリストにめちゃめちゃ口出しをしてきたり、ライブ後もいろいろ言ってきたり」という話があって。メンバー全員仲がいいんですよね。

Y.K.C:そうですね。

●だから刺激も当然多かっただろうし、このメンツでこのようなツアーができたというのはひとつの区切りというか。いつになるかは分かりませんが、また"TRIPLE AXE TOUR '12"みたいなことはやるんでしょうか?

Y.K.C:やりたいですね。

Masato:本当にすごくよかったのが、お互いのいいところも見られたし、自分たちに何が足りないかも見えたことですね。いい意味で不完全燃焼で、やり きった中で"まだやれる"という想いが最後に残ったんですよ。「次に対してまだできることがある」とみんなが、特にフロントマンの3人は口々に言っていた ので、やっぱり達成感と同時に悔しさが残ったという感じです。次は何年か先になるかもしれないですけど、やるときの期待感は、自分たちの中でも増えたと思 います。

INTERVIEW #2

「自分たちの中でも迷っていたり悩んでいる部分に関しては"この曲はどうしたいんだ?"と言われる」

●ところで今作『Through Clarity』は海外でレコーディングされたらしいですが、これはどういう経緯で決まったんですか?

Y.K.C:バンドをやっている中で、ぼんやりと"いつかは海外でレコーディングしたいな"と思ってはいたし、そういうことを制作チームで話してもいたん ですよ。それで今回、「もしかしたらできるんじゃないか?」という話になって、とりあえず打診してみようということで何人か候補を揚げたんです。

●プロデュースしてくれる方の候補を?

Y.K.C:そうです。メンバーみんなで話し合ったときに、自分たちが今までどういう音楽を聴いてきたかとか、バンドとしてどういう音楽が好きだったかと いうことをまとめた結果、まず最初に名前が上がって、コンタクトを取れそうだったのが今回プロデュースしてくれたDavid Bendeth(以下、David)だったんです。

●おお、なるほど。

Y.K.C:とは言っても、話をしてみないことには分からないので、Davidにコンタクトを取ってもらったら意外と本人は乗り気で、"これはもしかすると実現するんじゃないか?"と。今年の3月にやれるとなったときには、ちょっと信じられなかったですけど(笑)。

●要するに、今回たまたまという話ではなく、以前からやりたいと思っていてこのタイミングで色んな状況が整ったということですね。

Masato:1枚目のときからやりたいという気持ちはありましたからね。洋楽を好きなバンドマンなら大半が夢に見ていると思うし、やっぱりノウハウ的に も海外が持っているサウンドやセンスを常に追ってきたし。ただ単に憧れでやりたいというわけじゃなくて、挑戦してみたいという気持ちが大きかったんです。 自分たちが憧れているサウンドと同じプロダクションで作ったら、同じというかもっといいものにできるのか? という。だからチャレンジでもありました。

●なるほど。

Masato:そこでダメだったら、明らかに自分たちに何かが足りていないわけじゃないですか。そういう意味では、バンドとしてそういう挑戦をするタイミングだったのかなと。

●それは前作『The Enemy Inside』のインタビューでMasatoくんが言っていたことと関係していると思うんです。前作について「自分たちが責任を持って音を作るようになった作品で、本当の意味で広がるのは次回作以降だ」と言っていて。

Masato:言ってましたね。

●要するに、前作は自分たちでやれるところまでやりきったという実感があったからこそ、今回アメリカへ行ったのかなと。

Masato:まさにそうですね。前作は、どこまでがバンドの力で、どこまでがエンジニアやプロデューサーの力なのかが分かったタイミングだったんです。 だからこそ、自分たちで出せる分を出し切ったら、そこに加えたいのは向こうのサウンドだった。向こうへ行ってどうなるか試したかったし、そのチャンスをも らえるんだったら「どうしてもやりたいんだ」とレーベルに伝えて、運よく受け入れてもらえて、やらせてもらえた。それは"行ってみることがバンドの成長に 繋がる"と思ってもらえたからこそなんだろうけど、いろいろタイミングも噛み合って、すごく恵まれていると思いました。

●YouTubeにアップされているメイキングの映像からするとDavidはすごく気さくなおっちゃんのような気がしたんですけど、実際にはどうでしたか?

Y.K.C:最高ですね。人としてもそうだし、彼もミュージシャンだし。抜くところは抜くというか、アメリカ人らしく適当な感じもあって(笑)。僕らの人 間性の部分も見てくれて。人としてすごくやりやすい人でした。もちろんプロデューサー / エンジニアとしては当然のことながら素晴らしいですし、新しい扉を開けてくれたし。最高でしたね。

●なるほど。

Y.K.C:先にデモを送っていはいたんですけど、向こうに行ってからもう一度プリプロの期間を1週間ほど設けたんです。その間にDavidの部屋で自分 たちの曲をザクっと聴いたときに、「ここはなぜこうなんだ?」とか「サビへ行くまでにガーッとなり過ぎているけど、俺のミックスだったらそんなに音を被せ なくても圧力があるから大丈夫だ」とか。楽曲の最終的な着地点が見えている人からアレンジのアドバイスをもらえるのがすごく新鮮でした。だから最初は引き 算的なことが多かった気がします。

●そうだったんですね。

Y.K.C:あとすごく印象的だったのは、"1曲の中で変化がないとダメだ"ということをまず教えてもらったことです。彼曰く、いい曲は8小節くらいで何 らかの変化が起こると。「じゃあお前らの曲を聴いてみようぜ」と一緒に聴いて「ほら、8小節を過ぎたけど何も変わらないじゃないか」って(笑)。

●へぇ~、なるほど。

Y.K.C:もちろん、ヴォーカルのメロディラインとかは変わっているんですよ。ただ、もっと距離を置いて曲を見たときに、リズムだったり全体的なグルーヴ、アンサンブルに変化がないと「退屈で聴いていられない」と言うんですよ。

Masato:ミックスをやっている人だからこそ、そこまで聴こえているんですよね。そこは任せるしかなかった。「どういう音になるのか俺は分かるけど、お前らはまだ分からないだろうから、そこは安心して俺を信じろよ」とずっと言ってくれて。

●頼もしいですね。

Masato:でもアレンジとかは割と適当なところもあって、「いい」とか「悪い」っていう部分が日によって変わるんですよ(笑)。本当に直感なんでしょうね(笑)。

●「昨日は逆のことを言ってたのに!」って?

RxYxO:本当にそんな感じです(笑)。

Masato:プリプロでは「そこはちょっとやり過ぎだよ」って言われたけど、次の日にまったく同じことをやっていたら「やっぱり変えてよかったじゃないか!」って(笑)。

●ハハハハ(笑)。

Masato:でも、常に初めて聴いたかのように言うんです。だから本当に直感でやっているんだなと。逆に俺らが押し切れば「分かった、分かった」と受け 入れてもくれたし。常に直感で言うけど、頑固な部分と頑固じゃない部分があって、サウンド面はDavidが分かっているから頑固だけど、俺らの欲しいサウ ンドや作りたい曲ということに関しては「いいと思うよ」と認めてくれる。Davidの経験値で出せるものと、俺らが出せるものの差をちゃんと理解していた んですよね。

Y.K.C:自分たちのコンセプトがしっかりと決まっていたところは、最終的にはDavidにも伝わってほとんどそのままなんですよね。少しマイナーチェンジするくらい。でも自分たちの中でも迷っていたり悩んでいる部分に関しては「この曲はどうしたいんだ?」と言われる。

●そういうところまでわかるんですね。作品としては、曲作りの段階でどういうイメージを持っていたんですか?

Y.K.C:前回もそうだったんですけど、やっぱりミニアルバムなので、そのタイミングで自分たちがやりたいもの…例えば"ライブでこういう曲が欲しい" だったり、"今こういうサウンドがかっこいいと思う"だったり。思ったことにストレートに進めていったらこうなりました。

●なんとなくですが、coldrainのライブは徐々に変わってきていると感じているんですけど、その変化と今作のイメージがリンクしているように思うんです。

Y.K.C:ああ~。

●最近のライブは一体感と、その逆のカオティックな部分のメリハリがはっきりしてきた気がするんです。それにすごく感覚的なんですけど、Masatoくんの佇まいも、自信に満ちているというか、ちょっとふてぶてしくなってきたというか。

一同:(笑)。

●なんとなくそういう風に見えるんですよね。立ち振る舞いなのか、表情なのか、もしかするとメンタル的な部分なのかもしれないし、今まで の経験なのかもしれない。とにかくそういうものが、この6曲に入っているような印象を受けて。それにミニアルバムということもあるんでしょうけど、色んな 面を見せる作品というより、すごく意志の込められている曲ばかりな気がして。

Masato:イメージとしては、本当に全曲シングルにできるくらいの狙い方というか。1曲1曲のテーマがあって、作品自体はそれがコンセプトという感じ。

●なるほど。

Masato:そこで何か少しでも変わった部分…単純に自分たちの登ってきたステップの中で"こういう曲がやりたい"というものが出ていればいいなと思う し、歌詞も自然と向かって行く方向を見つけるような歌詞になっているし。今回は特に"今やりたいこと"がテーマだったんです。

●PVにもなっているM-1「No Escape」は、全部にパンチがあると思うんです。イントロのリフから、当然メロディも、パートの1つ1つがいちいちキャッチーで、いちいちパンチが あって、すごくエネルギッシュな曲というか。なぜこのような曲が出来上がったんですか?

Y.K.C:そもそも『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ(以下、バイオハザード)』のCMソングになると決まっていて。

●タイアップの話が先にあったんですね。

Y.K.C:そうなんです。その時点でいくつか作っている曲はあったけど、先ほどおっしゃった"パンチ感"という意味で、自分たちも"もっとすごいパンチ 感のある曲が欲しい"と思っていたんです。そんな中でお話をいただいて、俺らも知っているゲームで。新作の紹介VTRを見せてもらったら「やべえ! 超かっこいい!」となりまして(笑)。自分たちの思うかっこいい感じとすごく近かったんですよね。そこからインスパイアされたのが、最初のリフとかになる んじゃないかな。

●なるほど。

Masato:coldrainが"今やりたい"と思っていたこととすごく近かったんです。雰囲気がすごく合うものだし、きっと『バイオハザード』がなくても作っていたんじゃないかと思えるんですよね。

●タイアップがひとつのきっかけとなって、後押しになったと。

Masato:それに、この曲にもたくさんDavidの意見が入っていて。最初はもうちょっと細かい部分が多かった曲なんですけど、Davidに「お前ら の言う"ヘヴィな感じ"と俺の作るサウンドで出せる"ヘヴィな感じ"は違うと思う。だからもっとガツンとやればいいんだよ」と言われたんです。

●そうだったんですね。

Masato:どちらかといえば俺らはレコーディングだからこそ出せる音を考えていたんですけど、「ライブでやり切れる感じを出してこい」と言われて。そ れでまったくわけが分からないくらい音を抜いていったんですけど、最終的にすごくソリッドになった。本当に要らないものが抜かれていったというか。もしか したらデモの段階ではPVを作るシングルっぽい曲にはならなかったかもしれない。それを明確な曲に持っていってくれたのはDavidかなと。だから、生身 のパンチが出せたと思います。やっていてそれはすごく感じました。

INTERVIEW #3 「言っていることは超普通なんだけど、等身大だからこそ言葉が重くなる部分はあると思うし、"普通でいいや"と思えたんです」

●M-6「Inside Of Me」についても訊きたかったんですが、この曲は曲の始まりで受ける印象からどんどん雰囲気が変わっていって、最終的に壮大な曲になるじゃないですか。間 奏のスケール感が大きかったりして。複雑というかおもしろい曲だなと思ったんですが、一体どんな経緯でこうなったんですか?

Sugi:1stアルバムと2ndアルバムではすごくシンプルな曲が多かった中で、このミニアルバムでは自由に作ろうという状況になり、今まで以上にやってしまえばいいんじゃないかと思って。

●おっ。

Sugi:それで"テンポも違えば、拍も違うような曲でもいいじゃん"と思って、実際に変えてみたんですけど、自分の中でかなり挑戦した曲なんです。それ からメンバーと詰めていったり、Davidと一緒にやったりしてイントロが生まれたり、こういう間奏になったりして。もともと間奏はもっと長かったんです よ。たぶん尺が倍くらいありました。

●倍? 今も結構間奏は長いですけど。

Y.K.C:今の倍くらいはありましたね。

Masato:それでDavidに「わけが分かんねえ」って言われたんだよね(笑)。

●ハハハ(笑)。

Masato:こっちから「間奏は半分でもいいと思っているんだけど」と言ったら、めっちゃ喜んで「そうだねえ!」って言われました(笑)。

Y.K.C:「その方がスマートだね!」って言ってた(笑)。

●要するに思いっきりやろうと。

Masato:別に倍でもよかったんだけど。

Y.K.C:倍でも変化があればいいんだけどね。

●さっき言いましたけど、今作は意志や感情が見える印象を受ける曲が多い中で、この曲だけは景色が見えるというか、少しタイプが違う気がするんです。

Masato:そうなんですよ。「Inside Of Me」は不思議だったんですけど、もともとはもう少しテンポが早くて、ノリはいいけど壮大さは全然なかったんです。

●あ、そうだったんですか。

Masato:でも練習でテンポを極端に落としたときがあって、やってみると印象がめちゃくちゃ変わって。もしかすると、それがなかったら俺はこの曲をボツっているんじゃないかというくらい、テンポひとつで急激によくなったんです。

●へぇ~。そこまで変わったんですね。

Masato:曲の中でテンポチェンジがあるから、どちらの雰囲気が大事なのかが最初は見えにくかったんでしょうね。どちらのテンポの雰囲気に合わせて曲 を着地させるのかが自分たちの中で明確じゃなくて。でもテンポを落としたときに、勢いのあるところと壮大なところの両方が一気に前に出たんです。間奏の部 分も、テンポを下げていなかったらああいうブリッジにはなっていないと思います。今思うと、本当に面白い曲なんですよね。

●テンポを落としたことによって、曲が見えたと。

Y.K.C:デスク上でもいっぱい考えたし、いっぱいジャムもしたんです。特にテンポの違いを上手く聴こえさせるために、「勢いは落ちても連動性があるか らこそ、スッと入ってくる曲にするにはどうしたらいいか?」とか。「1番と2番は一緒でよかったのかとか?」とか、「サビが終わった後にどうやって終わっ ていくんだろう?」とか。「どうやってこの曲を始まるようにしよう?」とか。そういう色んな要素を、自分たちの中でバランスを取る作業にけっこう時間がか かりましたね。

●なるほど。それとさっき「今作は意志が見える」と言いましたけど、M-3「The Future」はものすごくリアルな歌詞で。日記か! というくらい。それは「No Escape」でも感じる部分ではあるんですが、この曲は現在の心境をそのまま歌詞にしたんでしょうか?

Masato:そうですね。最初に歌詞を書き始めたときは、もうちょっと物語調だったんです。いろんな曲で違うことを試していて、迷っている部分もあって、やっぱり3枚目や4枚目の作品になってくると、自分でもわけが分からなくなって。

●「何を歌うべきなのか」ということが?

Masato:そうです。実は、歌詞でわけが分からなくなるタイミングが今回は多かったんです。やっぱり"ちょっと洗練されたものにしたい"とか考え出す とダメなんですよ。どういう歌詞にしたいかを考えた瞬間にダメになる。だから、それこそ日記というか、普通に今、未来に対して思っていることを書いていっ たらこういう歌詞になったんです。言っていることは超普通なんだけど、等身大だからこそ言葉が重くなる部分はあると思うし、"普通でいいや"と思えたんで すよね。

●それは今までと違う感覚なんですか?

Masato:いや、むしろ1stアルバム『Final Destination』のときは、そういう感覚が今以上にあったんじゃないかと思います。それこそ「8AM」とかに近いのかも。

●ああ、確かに。

Masato:ぽんっと書いただけという。

●本当に思っていることを書いただけだと。

Masato:曲によって、そういう感覚はあったりなかったりするんだけど、「The Future」は特に書き始めたらすぐに書けたし。言い方は変ですけど、特別なことを書いているわけではないんですよね。"今"なんですよ。何かがあった ということではなく、今生きていて、その先を見て書いただけの歌詞です。

●うん。でも、だからこそ伝わってくるものがあります。

Masato:だから2~3年経ったら歌いたくなくなるんじゃないかと思います(笑)。

●ハハハ(笑)。今過ぎるっていうね。

Masato:そうそう。歌詞で"7年前"とか言ってますからね(笑)。

●そしてリリース後はいろいろな所でライブがありつつ、9月にはツアーが控えていますね。ここ最近のライブの変化についてさっき少し言いましたけど、自分たちでもライブの変化を実感することはあるんですか?

Katsuma:俺はいちばん後ろで叩いているので全体が見えるんですけど、さっき言っていた「Masatoのふてぶてしさ」というのはすごくよくわかりますよ。

●あ、わかります?

Katsuma:言いたい感じがめっちゃわかります(笑)。強気な感じがすごくする。

●そうなんですよね。それはフロントマンの責任感の表れなのかなとも思うんですが。

Masato:単純に不安みたいなものがなくなりましたね。いや、まだもちろんあるんですけど、考えながらやっていないし。そういう意味でも、アメリカは すごくよかったのかもしれないですね。アメリカでレコーディングしただけでも自信になった部分はきっとあるし、Davidにも言われたんですけど"自分た ちは自分たちなんだ"って改めて気付けた。変に他を意識しなくていいし、自分たちのライブって、敵はいないじゃないですか。

●確かに。

Masato:同じときに同じステージでライブをしているバンドはいないんだし、お客さんはライブを観に来ているんだし、別にマイナスなことはステージに はない。体調が悪いとか以外は、楽しんだり表現したりするだけだから。そういう考えにシフトしたときに、すごく楽になりました。でも、本当によくなったな と個人的に思うのは、"TRIPLE AXE TOUR '12"の後なんです。

●お、本当に最近ですね。

Masato:やっぱり"TRIPLE AXE TOUR '12"があっての変化だと思います。なおさら他のバンドと比べなくなりました。これは自分だけかもしれないけど、人と比べなくなると、簡単に刺激を受けるんですよね。

●人と比べなくなると刺激を受け易くなる?

Masato:争っていないから、簡単に"あ、それいいな"って思える。人のいいところを受け入れられるというか。それが"TRIPLE AXE TOUR '12"ですごく分かった。とくにSiMのMAHなんて、お互いが超ダメなときから見ていて、やっぱり変わっていく姿をすごく見ているので、お互いが"ク ソッ!"って思いながら刺激し合ってきた部分もあって。特に最近、違いが見えるようになってきたし、近かった部分もいい感じに離れてきたと思うんです。ス タイルも違うし。でも一方で、"ここはいいな。俺もそういうのが欲しいな"って、素直に思うようになってきたんです。

●いいことですね。

Katsuma:俺が思うに、前までは1人1人が"バンドの一体感をどう見せるか"ということをけっこう考えていた気がするんですけど。でも今はいい意味 でプレイスタイルとかもけっこうバラバラなんですよ。それぞれが自分の動きだったりポジションだったり、自分で自分がこの中でこういう役割なんだと自信が 持ててきたというか。

●ああ、なるほど。

Katsuma:しかも"TRIPLE AXE TOUR '12"でどうにもなっていない頃から一緒にやってきた奴らと話していると、気付くことも多くて。人の意見を聞くことによって自信が持てたり、自分のこと を分かってきたりだとかして。だから"TRIPLE AXE TOUR '12"以降変わったところがあるかもしれないですね。

Masato:よくないライブをするとHEY-SMITHやSiMのメンバーに怒られますからね(笑)。"TRIPLE AXE TOUR '12"のファイナルの打ち上げなんて、"ヴォーカリストとは何か?"みたいなテーマで、ヴォーカリスト以外が集まって語ってましたから(笑)。

●ハハハ(笑)。

Y.K.C:ツアーの最終日、しかも打ち上げなのになぜかダメ出し会が行われて(笑)。

Masato:でもそういうのはデカいと思います。"TRIPLE AXE TOUR '12"以降、3バンドとも変わったと思うんです。全員のためになりました。

Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:Hirase.M