全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

Droog

若きロックの怪物たちがメジャーシーンに解き放たれる

 平均年齢19歳、大分県別府市で幼稚園時代から共に育った4人が結成したバンド、Droog。映画『時計じかけのオレンジ』に登場する“不良仲間たち”の呼び名をバンド名に冠するように、4人は時代やジャンルを超えた様々なカルチャーを貪欲に吸収し成長してきた。昨年2月にインディーズで1stミニアルバム『Droog』をリリースし、その純粋培養された異端の才能でシーンにまず衝撃を与えた彼らは同年10月に2ndミニアルバム『Violence』を発表。各地でのライブではVo.カタヤマヒロキのカリスマ性のあるグラマラスなルックスに、バンドが叩き出すワイルドかつソリッドなロックサウンドとパフォーマンスでさらなる話題を呼んだ。急速に高まりつつある期待に応えるように、彼らが8/3にミニアルバム『LOVE SONGS』でメジャーデビューを果たす。止むことのない飢餓感と暴力的なまでの初期衝動、そして根底にあるリアル・パンクのスピリットが込められた今作は4人が創り出す痛快な未来を予感させる。

Interview

「常識をブッ壊せるっていうのが、ロックの魅力だと思うから。俺たちはすっげえ汚くて、すっげえ美しいことがしたいんです」

●今はまだ大分在住なんでしたっけ?

カタヤマ:そうですね。あと3日くらいしたら、大分に帰ります。ここのところ1ヶ月くらい東京にいたので、禁断症状が出てくる頃です…温泉の(笑)。

●地元は別府ですもんね(笑)。

カタヤマ:最近は東京に1ヶ月いて、大分に帰って1週間したらまた東京に戻ってくるみたいな状況なんですよ。

荒金:前は1ヶ月の内で東京と大分が半々くらいだったんですけど、最近は東京にいる期間が長くなってきましたね。レコーディングもあったし、ライブの本数も増えてきたので色々とこっちでやることが増えてきたんですよ。

●今作『LOVE SONGS』の収録曲は全て新曲?

荒金:新曲ですね。前作『Violence』を作った後に、全曲作りました。

●曲作りは東京と大分のどちらでしているんですか?

カタヤマ:前は大分で作ることの方が多かったけど、今はどっちが多いということはないですね。

荒金:俺は今でも、大分の方が多いかな。自分の家やよく行くスタジオがある環境の方が作りやすい気はします。

●慣れた環境の方が曲も作りやすい。

カタヤマ:違うところに行って生まれてくるモノよりも、いつもと変わらないところで生まれてくるモノが良いんです。俺らの曲は日常生活の中で生まれてくるモノだから。基本的には普段の生活をしている中で浮かんだアイデアが色々と組み合わさったりして、1つの曲になるんです。

●東京に出てくる期間が長くなって日常生活も変わってきたと思うんですけど、それが曲や歌詞に影響を与えていたりもする?

カタヤマ:歌詞はそういう影響を受けやすいと思いますね。やっぱり、今でも俺には東京は向いていないなと思ったりもして(笑)。

●M-6「狂気の沙汰」の"駅は 沢山のひとで 俺も その中の一人 ポツリ つぶやいてみる それが鬱々しいと"という歌詞は、東京での生活に向けたモノかなと思ったんですが。

カタヤマ:それも少しは関係しているかな。地元にいる時からあった感覚だけど、東京に来たことでより見えるようになったというか。何をしていても、鬱々しいとは感じますね。

●人の多いところが嫌い?

カタヤマ:…俺らが人の多いところが好きだったり、アウトドア派だったらイヤでしょ? (笑)。

荒金:「お祭り大好き!」とかだったらね(笑)。

●地元のお祭りにも参加しないの?

カタヤマ:ほとんど参加しないですね。でもクリスマスのフェスティバルみたいなのには1回、バンドで出たことがあって。ばちかぶりの「only you(唯一人)」とかをカバーしたんですけど、観ていた子どもが泣いちゃいました(笑)。

●子どもにとっては"HORROR SHOW"だったりして(笑)。

カタヤマ:でもM-2「HORROR SHOW」は"セックス"のことを歌っているんですよ。

●え、そうなんだ!? (笑)。映画の『ロッキー・ホラー・ショー』から取ったのかなと思っていました。

カタヤマ:『ロッキー・ホラー・ショー』も好きですし、このタイトルには映画『時計じかけのオレンジ』に出てくるナッドサット語の意味("ホラーショー"="最高""面白い")もかけてあって。1つだけじゃなくて、他にも"日常"とか色んな意味をかけています。

●全てを種明かしすると面白くないけど、Droogの歌詞には色んなルーツが潜んでいますよね。

カタヤマ:M-4「愛に餓えてんなら 骨にしゃぶりつけ」の"罪と罰"とかもそうですね。俺はそういうモノが好きなんです。色んな人に色んなモノを教えてもらったけど、別に直接話して教えてもらったわけじゃなくて。たとえば俺はTHE HIGH-LOWSの「64,928-キャサディ・キャサディ-」という曲を聴いて、ジャック・ケルアックの『路上』っていう本を知ったり、RCサクセションの曲がオーティス・レディングを教えてくれたりとか、そういうことが色々あった。そこが音楽の面白いところでもあるので、俺の歌詞からも色々見出してもらえたらなとは思います。

●M-5「犬・犬・犬(ドッグ・ドッグ・ドッグ)」も変わったタイトルですが、何か元ネタがある?

カタヤマ:これは同名のマンガ(花村萬月・作/さそうあきら・画/小学館)が好きで、そこから取ったんです。最近はバブル時代のマンガをよく読んでいて、当時のグロい描写のモノとかも好きですね。

●バブル時代って、世代的にリアルタイムでは体験していないですよね?

カタヤマ:だから逆に僕らからしたら、夢のある話というか。ジュリアナとかもまるで夢の中の話で、僕らには異次元の世界ですね。マンガからの影響は結構大きいと思います。

●そういうマンガにハマったキッカケは?

カタヤマ:中学時代にセックス・ピストルズを教えてくれた先生が、マンガも教えてくれたんです。そこから音楽と同じように、昔のモノまで掘り下げていって。好きな作者の他の作品を探したりとか、あとはちょっとロックの匂いがするマンガを探したりとか。音楽とマンガって、近いモノがあると思うんですよね。『ガロ』系の作品から最近のモノまで、マンガも年代に関係なく読んでいます。

●特定の好みはない?

荒金:音楽だったら初期パンクですけど、それ以外でもピンとくるモノは何でも好きなんですよ。

カタヤマ:パンクを感じる人やモノが好きなんです。俺はアレン・ギンズバーグみたいなビート詩人も好きで。ギンズバーグに影響を与えた日本人でナナオサカキっていう詩人がいるんですけど、その人の『犬も歩けば』という詩集がすごくパンクで良かったですね。

●核にはパンクがある。

カタヤマ:ダムドやセックス・ピストルズとかは、やっぱり自分たちの核としてあります。中学生くらいの頃は他の人がしていない格好をしたりとか、ド田舎の街ですごいスパイクヘアにしたりとかしていて(笑)。周りから白い目で見られるような行動を、わざと自分からしているところはありましたね。もちろんパンクが好きだからやっていたんですけど、当時はまだ自分に酔っている部分もあったのかな。

荒金:最初は他人と違うモノを選んでいただけだったのかもしれないけど、その内に自分がどういうモノを好きなのかも見えてきて。そこの方向性が、今は明確になりつつあるんだと思います。

●そういう部分が今作にも出ていたりする?

荒金:東京に出てくる機会が増えて色んな音楽に触れられるようになった中で、"俺たちが好きなのはこれだ"っていうモノが明確に見えるようになったんです。他人から薦められても良さがわからないモノはわからないし、"俺らが本当に好きなのはこれだ!"っていうモノがわかって。それがモロに出たのが、今回の曲たちかな。

●他人の意見に左右されず、自分がカッコ良いと思うモノを信じる気持ちが強くなった。

カタヤマ:どっちの方が良いか悪いかなんて、もうどうでもいいんじゃないかなって。俺の歌詞って矛盾ばかりで意味がちぐはぐなところもあるんですけど、"その瞬間瞬間を捉える"っていうところは一貫しているんです。

●矛盾するからこそ人間らしいとも言えるし、逆に理屈っぽい歌詞に心を動かされたりはしない。

カタヤマ:だからどこにでもある言葉で書きたいし、それをつなぎ合わせて俺の言葉にしたいんです。何とも言えない感情や違和感を、俺は言葉にしたいんですよね。パンクとかロックンロールって、それがまかり通ると思うから。普段なら絶対にカッコ良いとは思えないような言葉や動きが、ステージだとカッコ良く感じちゃう。常識をブッ壊せるっていうのが、パンクとかロックンロールの魅力だと思います。

●日常生活ならやっちゃいけないこともステージでは許されるのが、ロックやライブの魅力ですよね。

カタヤマ:許されるし、逆に憧れられたりもする。…不思議ですよね。俺らは"ブッ飛びたい"っていう想いが強いんですよ。そういう意味でやっぱりライブが一番、ブッ飛べるから。

荒金:ライブが一番楽しいし、それに勝るモノはないですね。レコーディングやCDのリリースとか、撮影やインタビューも全部楽しいんですけど、やっぱりライブが一番最高なんですよ。

●ライブに一番のこだわりがある。

荒金:ライブはこれからもガンガンやりたいですね。やっぱり楽しいですから。

カタヤマ:すごくデカいところでもやりたいし、逆にすごく汚いようなところでもやりたい。俺たちはすっげえ汚くて、すっげえ美しいことがしたいんです。俺が好きなデヴィッド・ボウイやイギー・ポップには、そういうところを感じるから。

●グロテスクだけど、美しいみたいな。

カタヤマ:そう! 今回のジャケットもそういうイメージで考えたんです。

荒金:絶妙なバランスだと思いますね。

●今作のタイトルを『LOVE SONGS』にしたのは?

カタヤマ:俺が今まで作ってきた曲は全部、ラブソングだと思っているんですよ。でも今回は1曲だけそうじゃないモノが入っていて、それが「狂気の沙汰」なんです。"他の曲は全部ラブソングだけど、1曲だけそうじゃない曲が入っている"という皮肉を込めて、このタイトルにしました。
●今までも意図的にラブソングを書こうとしていたわけではない?

カタヤマ:できあがってから、"これはラブソングだな"と気付く感じですね。俺はセックス・ピストルズを初めて聴いた時も、ラブソングに聞こえたんです。愛だの恋だの惚れた腫れたを歌ってはいないけど、聴いていて絶対的にポジティブな方向へと向かうから。だから自分の曲も一種のラブソングだと思っていて。

●でも「狂気の沙汰」はできた時に、ラブソングじゃないと思った?

カタヤマ:これは100%憎悪の歌ですね。歌詞に書いている通りなんですけど、自分たちがバンド活動を続けてくる中で色んなことがあったんです。バンドを始めた頃は何のリアクションもないことの方が多かったから、たとえ否定だとしてもリアクションされること自体がうれしかった。でもそれがうざったくなったというか、しらけてきたんですよね。本当は「どうぞお好きなように受け取ってください」と言いたいけど、言えない自分がいて。その気持ちをバーッと書いたら、こういう歌詞になりました。

●周囲の反響がうざったくなったというか。

カタヤマ:俺らみたいなバンドのスタイルは嫌われやすいし、誤解もされやすいから。それは別にいいんですけど、やっぱりどこかカチンとくる自分もいて。そういう鬱憤が溜まった時にできた曲なので、100%憎悪なんですよ。どこへの愛も込められていないし、自分への愛ですらない。

●他の曲にも憎しみは入っているけど、同時に愛も込められている?

カタヤマ:どの曲にも憎しみは入っているんですけど、100%ではないんです。元々、愛の中に憎しみも入っているし、そこには"狂気"も入っているかもしれない。俺は愛と憎しみと同じように、愛と狂気も表裏一体だと思うから。「犬・犬・犬(ドッグ・ドッグ・ドッグ)」で"関係無い"って振り切れているのは、そういうモノに対して自分の中であきらめている部分が出ているというか。

●曲ごとに、その時々で移り変わる感情が出ているわけですね。

カタヤマ:瞬間瞬間で違うんですけど、その時の一番リアルな感情が出ているんだと思います。実は今作で最初にできたのが「狂気の沙汰」なんですよ。そこから今作の曲順とは逆の順番でできていって、最後にM-1「LOVE SONG」ができた。俺らの中では「狂気の沙汰」が始まりで、「LOVE SONG」ができて今作が完結したという感じなんです。それもあって1曲目なのに、"グッド・バイ"と歌っていたりして…。

●1曲目で"グッド・バイ"って、お店に来たお客さんにいきなり「帰れ!」って言っているようなモノですよね。

カタヤマ:アハハハハ! (爆笑)。良いたとえ! それは記事に書いておいてください(笑)。

●そこもパンクですよね(笑)。今作はメジャーデビュー作になるわけですけど、そういう核にある部分はインディーズ時代から全く変わっていないと思いました。

カタヤマ:それは絶対ですね。メジャーに行ってより多くの人に見てもらえるからこそ、"自分たちはこうなんだ"っていうモノをより強く出していきたい。そこはより濃くというか、あるがままに出していきたいですね。

●EXILEや安室奈美恵さんのようなビッグアーティストが揃うエイベックスから、自分たちがメジャーデビューすることについてはどう思う?

カタヤマ:そこも痛快ですよね。Droogがエイベックスからデビューするなんて、笑えないですか? (笑)。俺らがエイベックスからデビューするとなったら、みんなの度胆を抜けるかなと思ったんですよ。実際にみんなが「ええっ~!」となってくれたので、大成功じゃないかな。

●そういう状況も含めて楽しめている。

カタヤマ:楽しんでいる傍らで、「ん…?」と思う自分もいて。それがまた新しい曲になったりもするんです。

荒金:"俺らは変わらずにやる"っていうことを、これから体現していきたいですね。

カタヤマ:体現できたら、もっと笑えるから。本当に笑えるのはこれからですね。

●今作はそこへ向かう一歩目みたいな感じ?

カタヤマ:1stミニアルバム『Droog』の時からそこを向いてはいたんです。好きなモノはカルトヒーローなんだけど、行きたいところはそこじゃないっていう気持ちは常にあって。デヴィッド・ボウイにシビれたのも、カルト的な人だけど誰にでも知られている存在だからなんですよね。

●自分たちもそういう存在になりたい?

カタヤマ:そうなったら痛快だなと思います。そしたら笑ってくれるでしょ?

●(笑)。バカにして笑うわけじゃなくて、"こいつら面白いな"っていう痛快な笑いですよね。

カタヤマ:それができたら、本当の意味での大成功ですね。

Interview:IMAI

banner05
banner_228 banner_top 浅井製作所 NCIS_banner4 new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj