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FLOPPY 来るべきサードウェイヴ・オブ・ニューウェイヴの時代へ。 15周年を超えた先も、揺るがぬマイペースで歩き続ける。

FLOPPY 来るべきサードウェイヴ・オブ・ニューウェイヴの時代へ。 15周年を超えた先も、揺るがぬマイペースで歩き続ける。

小林写楽と戸田宏武という共に類い稀な才能を持つ2人の電子音楽家からなるニューウェイヴ~エレクトロポップ・ユニット、FLOPPYが結成15周年という記念すべきタイミングでニューアルバムをリリースした。前作『I am computer music』(2014)リリース時から5年ぶりの新作となるが、その間もライブ活動は続けていた2人が重い腰を上げて今年の春にようやくレコーディングに突入。『2045survivor』と題した、2枚組アルバムを作り上げた。5年間で蓄えたアイデアを詰め込んだであろう書き下ろしの6曲に、中野テルヲがP-MODELに残した楽曲「メビウスの帯」のカヴァーも加えたDisc 1は、バラエティ豊かな作品に仕上がっている。さらにDisc 2として、現在では入手困難となっている初期シングルやライブ会場限定販売CD、無料配布CDから選りすぐりのレアトラックを多数収録。彼らの活動をずっと追いかけているファンはもちろん、ここ数年で知ったリスナーにも嬉しい充実の内容だ。ニューウェイヴが勃興した1980年頃から40年、ニューウェイヴ・オブ・ニューウェイヴの動きが生まれた2000年頃から20年。20年を周期としたムーブメントの第三波が起こるかもしれない2020年代を目前に、揺るがぬマイペースで活動を続ける2人に迫る表紙&スペシャル・メールインタビュー。
 
 
 

●まずは15周年、おめでとうございます! お2人にとって、この15年間はどんな時間でしたか?
 
写楽:あっという間の出来事でした。
 
戸田:ノンビリとですが、粛々と過ごしてまいりました。

 

●前作『I am computer music』リリース時もちょうど10周年だったので上記と同じ質問をしたところ、お2人とも“青春”という回答でした。それを踏まえた上で、10周年からの5年間はどんな時間だったのでしょうか…?
 
写楽:個人的に色々、音楽とのスタンスが変わった5年でした。
 
戸田:ちょっと寝ている隙に5年くらい経つのだなぁ、と思いました。

 

●結成した時は、これほど長く活動が続くと考えられていましたか?
 
写楽:“長く続けよう”と意識はしていなかったので、こんなに続くもんなんだなあと思っています。
 
戸田:こんなに長生きするとは思っていなかったので、この先どうしたら良いのでしょうか。

 

●結成時と現在を比較して、自分たちに進化や変化を感じていますか?
 
写楽:結成当時に比べると、深く考えなくなりました。
 
戸田:以前にも増して、物忘れが酷くなっています。

 

●15年前と比べて、活動スタンスにもどこか変化があるのでしょうか?
 
写楽:のんびりやりたいなぁという気持ちに変化しました。
 
戸田:私の体力が低下し、ツアーに行けなくなりました。申し訳御座居ません。

 

●音楽に対する向き合い方や、日頃から聴く音楽に変化はありましたか?
 
写楽:テクノ以外のものを聴くようになりました。
 
戸田:耳が辛くてCD900ST(業務用ヘッドフォンのスタンダード機種)でモニタリング出来なくなりました。音楽の好みは10代から変わっていません。

 

●15周年を迎えた今、自分たちにとって“FLOPPY”とはどのような存在ですか?
 
写楽:“変わらないもの”という感じです。
 
戸田:あると安心。常備薬のような感じでしょうか

 

●前作『I am computer music』から5年ぶりの新作となりますが、ここまで時間がかかった理由とは?
 
戸田:ボーッとしていたら、つい。
 
写楽:作ろうとしないと作らないので、時間が経ってしまいました。

 

●15周年というタイミングは意識されましたか?
 
写楽:そのタイミングなので“作ろう!”という流れになりました。

 

●制作を始めたのは、いつ頃でしたか?
 
写楽:今年の春頃に制作を始めました。
 
戸田:「生と死」(Disc 1/M-2)の元曲ファイル制作日時(初保存時)は2月16日 18時54分、「メビウスの帯(戸田改)」(Disc 1/M-5)のファイル制作日時(初保存時)は4月4日 7時25分です。

 

●いつもリリースが決まるまでは楽曲制作を行われていないようですが、今回もそういう感じでしょうか…?
 
写楽:今回もそういう感じです。
 
戸田:ストックのようなものは常々たまって行くのですが、結局イチから新しく作ることが多いです。飽きっぽいので。

 
 

 
 

●今回のアルバムを作るにあたって、作品の方向性は何か考えられていましたか?
 
写楽:初心に戻ったような作品になればと考えて作りだしました。
 
戸田:いつも通りにやろうと思っていました。

 

●アルバムの方向性が見えてきたタイミングやキッカケがあれば、教えて下さい。
 
写楽:方向性は、数曲出来た後で三浦(俊一・プロデューサー)さんとの話し合いで決めました。そこで「一般的に考えられている近未来はもう現実に追い抜かれてしまっているよね」という話をして、アルバムの軸になるキーワードを出し合いました。そのうちのいくつかは、アルバムや楽曲のタイトルになっています。

 

●「A.I.」(Disc 1/M-1)は2017年8月11日に行われたライブでライブ入場者のみに配布されたCD『FLOPPY THE 13TH 20170811 HAIFU DISK!』の音源データを再ミックス&リマスターしたものですが、この曲をオープニングにもってきた理由とは?
 
写楽:現状で認識されている“A.I.”のイメージからスタートして、A.I.が人間の知識を超えると言われている2045年へ向かうという流れになっています。それに適した曲ということで、これをオープニングにもってきました。

 

●「A.I.」やM-4「Techno Utopia」の歌詞は、科学の進歩に対して疑問を投げかけるような視点になっているように感じました。アルバム『Over Technology』(2010)の世界観にも通じるように思いますが、過去の作品からの流れや関連性も意識されていましたか?
 
写楽:“科学を信用するな”というのが、常にテーマとしてあります。

 

●写楽さんが作詞を担当された「生と死」、「無限の住人」(Disc 1/M-3)、「過去と生きる」(Disc 1/M-6)は、どれも“生死”にまつわる内容のように感じました。共通するテーマのようなものがあったのでしょうか?
 
写楽:最近“死”を意識するようになり、自然とそういうテーマが多くなっています。

 

●「生と死」は“生きているのがつらい”という部分もありつつ、最終的にはポジティブな方向に向かっているように感じられました。写楽さん自身は、どういうイメージで書かれましたか?
 
写楽:“人生の残り時間を充実したものにしたい”という感じのテーマです。

 

●「生と死」は戸田さんの作曲ですが、制作する上で何かイメージはあったのでしょうか?
 
戸田:多分、“FLOPPYの曲を正しく作ろう”と心掛けていたと思います。15周年のアルバムだと聞いたので、今までの楽曲の音色やフレーズをそこかしこに入れています。

 

●「過去と生きる」では“終わる所も見出だせないまま今に至る”というフレーズが印象的でした。「生と死」でも“最後の時まで”と歌われていますが、活動や人生において“終わり”を意識する事柄があったのでしょうか?
 
写楽:“人は死ぬんだ”ということに気付き、こういう歌詞が多めになってしまいました

 

●「過去と生きる」は第3のメンバーとも言える三浦俊一さんの作曲によるものですが、どういった楽曲が欲しいかリクエストしたのでしょうか? また、曲を最初に聴いた時の印象を教えて下さい。
 
写楽:毎回、これといったリクエストはしていません。メンバーの曲がいくつか出てきた時点で“こういう方向の曲もあったほうがいいんじゃないかな”といったような感じで作られているようです。
 
戸田:非常にFLOPPYっぽいなぁ、と。

 

●「メビウスの帯(戸田改)」は中野テルヲさんがP-MODELに残した楽曲のカヴァーですが、この曲を今作に収録した理由とは?
 
写楽:中野さんの曲をやりたいので担当して欲しいと(戸田)宏武くんに伝えました。
 
戸田:その案をいただきまして、P-MODELの『ONE PATTERN』(1986年)に収録されている「メビウスの帯」でお願いします、と。

 

●カヴァーするにあたって、アレンジ面ではどういった点を意識されましたか?
 
戸田:私には正しい音楽の素養がないので、手クセというか脳のクセに任せ、何も考えずに8割方のアレンジを終えます。今回はBPMを上げてしまい、最終的にサーフ調のギターチューンになりました。クーラーが使えず、部屋が暑かったからだと思います。

 

●戸田さんは毎回アルバムでは“2曲は作る”という流れがあったと思いますが、今回は「生と死」のみとなっています。これは「メビウスの帯(戸田改)」も戸田曲にカウントするということでよろしいでしょうか…?
 
戸田:どうなのでしょうか。そういうことでお願い致します。

 
 
 

 
 
 

●『2045survivor』という今回のアルバムタイトルに込めた意味とは?
 
写楽:A.I.に人間が支配されるとされる時代をどうスマートに生き抜くか、といった感じです。すでにA.I.が購入や閲覧の履歴を解析しておすすめしてくるAmazonの商品を買っている時点で支配され始めていますが。

 

●Disc 2には、過去の音源から選りすぐりのレアトラックを多数収録してあります。このような音源集を付けようと思ったのも、15周年を記念してのことでしょうか?
 
写楽:このような入手が難しい音源を集めて出せる機会はそうそうないので、タイミング的にちょうどいいと思いました。

 

●Disc 2収録曲の中で特に気に入っているものや思い入れのあるもの、聴きどころと捉えている楽曲があれば教えて下さい。
 
戸田:「R.A.M.(remixed by 戸田宏武)」(Disc 2/M-3)でしょうか。原曲を聴いた時、写楽さんスゲエなぁと思ったので。

 

●今作全体を振り返って、どのような作品になったと思いますか?
 
写楽:結成当時を彷彿とさせる作品になったのではないかと思います。
 
戸田:2枚組で盛り沢山な内容になったのではと思います。

 

●今作を作ったことで16年目への意欲や、次に向けた制作欲も生まれてきたのでは?
 
戸田:どうしましょう、サボテンでも育てようかしら。

 

●10/19には代官山UNITで、15周年を記念したワンマンライブも予定されています。どういったライブにしようとお考えでしょうか?
 
写楽:目出度いライブになればと思います。
 
戸田:新しい衣装の未知数の暑さに戦慄し、小型扇風機を2つ購入しました。熱いライブになるのではないでしょうか。

 

●最後に15周年ライブに向けた意気込みをお願いします!
 
写楽:記念らしいライブにしたいです。よろしくお願いします!!
 
戸田:頑張ります!!

 
 
Interview:IMAI
 
 

リリース情報

New Album
『2045survivor』
Beat Surfers
BSUK-1012~1013
¥3,000+税
NOW ON SALE
FLOPPY 15th Anniversary「Live 2045survivor」
10/19(土) 代官山UNIT
 
more info→
https://www.floppyinfo.jp/