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FOUR GET ME A NOTS

3人の歌とエモーショナルなサウンドが描き出す様々な心象風景

 メロディックシーンで次第にその存在を大きくし、昨年5月に2ndミニアルバム『TRIAD』をリリース、同作ツアーと年末の下北沢SHELTERワンマンを大成功させたFOUR GET ME A NOTS。良質なメロディと疾走感のあるサウンド、3人のヴォーカルによる絶妙なハーモニーを武器に唯一無二の個性をより濃くしてきた彼らが、初のシングル『HEROINE』を発表した。秋にはフルアルバムも予定されており、いよいよ目が離せなくなった彼ら。エモーショナルなメロディと激しいサウンド、3人の秀逸なヴォーカル&コーラスワークに熱狂するオーディエンスの光景が目に浮かぶ。

Interview

「そうだよな。私はこういう人たちを守りたくて、この人たちを元気づけたくて音楽を始めたんだよな」

●昨年は5月に2ndミニアルバム『TRIAD』をリリースして全国28箇所のツアーをまわり、年末には下北沢SHELTERでのワンマンライブをソールドアウトさせましたよね。慌ただしくも充実した1年間だったと思いますが。

石坪:『TRIAD』の前にリリースした1stミニアルバム『FORESIGHT』(2008年3月)と1stフルアルバム『DOWN TO EARTH』(2008年12月)は、バンドを結成して以来作ってきた曲をまとめたような作品だったんですよ。それに僕らは以前4ピースでしたけど、3人になって初めてイチから作った新しい音源が『TRIAD』だったんです。だからいい意味で意識も全然変わったし、いいモチベーションでツアーもまわれたっていうところで、自分たちにとってはすごく大きな1年だったと思います。

●「意識が変わった」というのは、バンドに対する姿勢だったりモチベーションが変わったということでしょうか?

石坪:そうですね。自分たちがやれることとかできることが今まで以上にハッキリ見えるようになったというか。

●このバンドの"個性"みたいな?

石坪:そうですね。そういうものがわかった上で作った音源が『TRIAD』だった。そこを上手く表現できたということが大きかったですね。ツアーも1本1本充実していたし、感慨深いツアーだった記憶があります。

阿部:精神的にも余裕をもって1本1本大事にできたかなって思います。

●いい緊張感も持ちつつ、ツアー自体を楽しめたと。
3人:そうですね。

石坪:そういうツアーをまわれたのは多分去年が初めてだよね。

阿部:うん。

石坪:さっきも言いましたけど、それは"自分たちがやれることとできること"が見えたことが心境的に大きかったんです。

高橋:そうだよね。私たちは常に"そのときの等身大を"ということを念頭に活動してきてるんですけど、『DOWN TO EARTH』は自分たちが若い頃に作った曲とかも入っていて。だからそのときの自分たちを投影した『TRIAD』ができたということ自体が自分たちにとってはすごく大きくて。

●言ってみれば『TRIAD』が完成するまでは現体制になる以前の自分たちにとらわれていた部分もあったというか。

高橋:そうですね。だから『TRIAD』ができて各々の気持ちが変わった部分もあるし、私自身は自分自身を見つめ直すきっかけにもなって。バンドを始めた頃の初心とか、そういう今まで持っていた気持ちを改めて大事だなと思えたんです。

●ワンマン以降、活動的にはどういう感じだったんですか?

石坪:本当はワンマンが終わってすぐに今回のシングルと次にリリースするアルバムを録り始める予定だったんですけど、曲のネタとかも全然あがってなくて。

●曲ができていなかった?

高橋:作ってはいたんですけど、自分たち的に納得いってなかったんです。

石坪:そういうことがあって、実際には予定をズラして今作のレコーディングしたのは4月だったんです。それまではやっぱり悶々とした感じで曲作りをやりつつ、ちょこちょこライブもやりつつ。で、4月からレコーディングが始まってだんだん形になってきて自分たちのモチベーションも上がりつつっていう。よくある感じだと思うんですけど(笑)。

●「自分たち的に納得いってなかった」とおっしゃいましたが、それは前作『TRIAD』が満足のいく作品だったから、次にリリースする作品は前作を超えようという意識があったからでしょうか?

石坪:いや、"前作を超えよう"っていう意識は特になかったんですけど。

高橋:"3人の良さをもっと引き出せたら"っていう想いが強かったよね。

石坪:うん。僕らは基本的に作品を作るとき、"前作を超えよう"みたいな意識はないんですよ。さっき「常に"そのときの等身大を"ということを念頭に活動してきた」と言いましたけど、3人がそのときにできることを表現したくてやっているバンドなので、"超えよう"としたら逆に変な方向になっちゃうというか。

●ということは、さっき「納得がいかなかった」と言っていたのはどういう部分で?

石坪:単純に自分が"いい"と思えるものが出るか出ないか。それだけですね。

高橋:メロディに関してすごくこだわりがあるんですよ。

石坪:やっぱりメロディックパンクバンドをやってるからには、メロディにこだわらないのは嘘じゃないですか。だから自分の中のラインを超えるものが出なかったから納得がいかなかったんです。僕は閃きでメロディを作るんですけど、それ待ちなんですよね。

●それは部分的に? サビとかですか?

石坪:基本的に全部です。寝る前とかお風呂に入ってるときとかにフッと浮かんで鼻歌を録るっていう感じなんですけど。

●要するに閃き待ちだったと。

石坪:そうですね。その閃き待ちの時間がちょっと掛かったというか。

●閃き待ちは基本的に時間が掛かるでしょ(笑)。

石坪:そうなんですよ(笑)。でも僕は毎回そういう作り方なので、今回はたまたまそういう閃きが出てくるまで時間が掛かったという。

●特にメロディに関しては閃きから作る人が多いと思うんですけど、自分なりに閃きやすいコツとかあるんですか?

石坪:"曲を作ろう"とか思ってないときですね。自然に身を任せているときとかの方が出てくるのかな。

●感情が大きく動いたときとかじゃなくて?

石坪:うーん、興奮したりテンションが上がっているときとかは出てこないけど、悲しい出来事が起こったときとかも出るかもしれないですね。僕自身はもともと自分の気持ちを癒すっていうか、ポジティブな気持ちになったり気持ちに作用するようなメロディの曲とかを聴くのが好きなので。

●俗にいうエモーショナルな感じの曲というか。

石坪:そうですね。

高橋:私は逆に感情が大きく動いたときにギターを持つとコードとメロディが流れることが多いんです。

●なぜそういうことを詳しく訊いたかというと、今回の2曲M-1「Heroine」とM-2「Goodbye」は、今までの作品と比べてメロディやストーリー性が際立っているような印象があったんです。

高橋:今回の2曲に関しては、私がほぼメロディだったり歌詞を作ったんです。目を閉じて聴いたときに、場面だったり風景だったり、その人その人の物語が流れるような音楽が私は好きなんですよ。

●あ、なるほど。

高橋:そういう部分が出たから、メロディやストーリー性の印象が強かったんだと思うんです。

阿部:ドラムで言えば、"メロディを活かしたい"という気持ちは前よりも強くなったかもしれないですね。前は演奏の激しさ重視だったような気がするんですよ。でも最近は2人が作ってきたメロディをどう活かすか? みたいな考え方でリズムを付けるようになった気がします。

●「Heroine」はどういう経緯でできた曲なんですか?

高橋:もともと私が音楽を始めたのは、大切な人たちを元気づけてあげたり前に進むきっかけになるような役目に自分がなれたらいいなと思ったことがきっかけなんです。

●ふむふむ。

高橋:それで、たまたま今回の曲作りをしていたタイミングで、すごい壁にぶち当たっている人が周りにいて。そういう人たちを見て初心に戻ったというか。"そうだよな。私はこういう人たちを守りたくて、この人たちを元気づけたくて音楽を始めたんだよな"みたいなことを思っているウチにできた曲ですね。

●"大切な人たちを元気づけてあげたい"という想いで音楽を始めたというのは、自分自身が音楽に助けられた経験があったから?

高橋:それはもちろんありますし、今もずっと助けられてます。でも私が音楽を始めた直接的なきっかけは、私はもともと曲を作ることが好きでバンドをやる前からよく作ってたんですけど、その曲を友達がヘコんでいるときに聴かせたら泣いて喜んでくれて。その経験がいちばん大きいですね。

●ああ~、それが曲を作る原点なんですね。

高橋:そうです。"あ、こういうことが本当にあるんだな"と思って。

●今回の2曲はどういう基準で決まったんですか?

阿部:「Heroine」はそのときにあった曲の中でいちばん自分たちらしい曲だなと思って、シングルにするならこれだっていうのが割とすぐ決まったんです。

高橋:3人の声の感じだとか。

●うんうん。

阿部:で、「Goodbye」は、僕らにとっては結構スローな曲なんですよ。しかも全編通して智恵がメロディを作って智恵が歌詞を書いて智恵が歌っている曲って今までになかったんです。

●あ、なるほど。

阿部:だから僕ら的には新しい一面なんですよね。だからこそシングルでクローズアップしちゃおうかなって。「Heroine」とも全然タイプの違う曲だし、"陰と陽"みたいな感じで2曲でバーンと出したらインパクトも強いかなと。

高橋:私の祖父が1年くらい前に亡くなったんですけど、そのときに「Goodbye」のメロディはできていて。自分でもすごく気持ちがこもった曲だと思ったんですけど、これを形にすることがおじいちゃんにとっても恩返しになるのかなって。歌詞に関してはおじいちゃんに限定した話じゃなくて、近しい友達で離れて行ってしまった人への想いとかも込めて書いたんですけど。

●バンドとしてもそうですけど、高橋さんとしても今までになかったような心境を綴ったんですね。

高橋:そうですね。

●それと今作に限った話ではないですけど、FOUR GET ME A NOTSは3人のヴォーカルのハーモニーが特徴的だしバンドとしての武器になってると思うんですが、曲毎に色んなヴォーカルの絡み方をしていますよね。割り振りはどうやって決めてるんですか?

石坪:僕らは3人とも声質や音域が違うので、それを曲に合うように当てはめていく感じですね。

高橋:決まるときはすぐに決まるけど、色々と試すことも多いよね。

阿部:コーラスとかは特に色んなパターンを試してみることが多いね。試してみて、最終的に全部却下されることも全然あります(笑)。

●ということは、ヴォーカルに関しては誰がどうしなくちゃいけないっていう決まりごとは特になくて、曲にいちばん合う方法を選んでいると。

石坪:そうですね。

高橋:勢いのある曲は2人の男声メインで入れるし、優しい雰囲気を出したかったら私の声を入れる、みたいな。だから声も楽器みたいな感覚というか。

●9月にはアルバムリリースも控えているということですが、インタビューの最後にどんなアルバムになるかちょっとだけ教えてください。

石坪:シングルの延長線上でアルバムをイメージしているとしたら、いい意味で期待を裏切ると思います。

高橋:アルバムは全曲色が違うよね。もちろんFOUR GET ME A NOTSらしさはあるんだけど。

阿部:「Heroine」みたいなメロディが際立った曲もありますけど、前のアルバムよりも全然バラエティ豊富なアルバムになると思います。

interview:Takeshi.Yamanaka