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G-FREAK FACTORY アルバム『VINTAGE』 Vo.茂木インタビュー

G-FREAK FACTORY アルバム『VINTAGE』 Vo.茂木インタビュー


 
 
 
群馬から全国にその名を轟かせるG-FREAK FACTORYが、前アルバム『FREAKY』以来、約3年4ヶ月ぶりにアルバムを完成させた。3枚のシングル『風林花山』『カモメトサカナ』『FLARE/Fire』をリリースしてライブを重ね、着実にその力を拡大させてきた彼らが、2020年に辿り着いたニューアルバム『VINTAGE』はどのような作品なのか。群馬を拠点に活動していた彼らが自粛期間中をどう過ごし、激動の時代をどのように見ているのか。様々なことをオンラインでVo.茂木に訊いた。
 
 
 
 
 
 
 
 

INTERVIEW #1

 
 


「他の職種の人は指をくわえて待っているだけかもしれないし、コロナの影響でバンドを続けられなくなる奴も居るかもしれないですけど、俺らはまだ攻めるぞという気持ちでいる」


 
 
 
 
●2/26のイベント自粛要請以来、約4ヶ月間はどのように過ごしていたんですか?
 
茂木:とにかく地元を好きになる時間だと思ったので、地元に惚れ直していましたね。
 
●メンタル的にはどうでした?
 
茂木:簡単に凹んでしまうので、意識的に凹まないようにしていたかな。それは自然があったからだと思うし、堂々と自粛をながら1人バーベキューとか1人キャンプを楽しんでいたんです。このタイミングでしか出来なかった新しい自分のインプットの時間に充てられた。
 
●なるほど。
 
茂木:あとは楽器の練習が出来たかな。なのでこの期間は、ライブがやりたい気持ちはどんどん募っていくけど、その反面、インプットする時間が増えたのですごくバランスがよかったなと思っているんです。
 
●すぐ切り替えられたんですか?
 
茂木:うーん、切り替えられたというか、今まで“ライブ”というものに観る側も演る側も依存していたと思うんですよ。でもライブがなくても実は生きていける。
 
●確かに。
 
茂木:でも俺はライブで1年を通してバランスを取っていたから、ライブがなくなった時に極端にバランスがおかしくなったんです。そこで河原に行くようになって。1日中河原に居るとすごく疲れるんですよ。
 
●え? 疲れる?
 
茂木:うん。もし自粛する時間があったら河原に行ってみてください(笑)。
 
●1日中居るんですか?
 
茂木:そう。目が覚めて、自分が好きな食べものとギターと音楽コンテンツを持って行って、ハンモックで寝たり、肉を焼いたり、コーヒーを淹れたりして。そういうことをやっていたら自然に溶けこんでいく。いっぱいエネルギーを持っていかれるんだよね。でもその代わりすごくクリーンなものをもらえるというか。
 
●なるほど。
 
茂木:自然界にないものがそこにあるだけで気持ち悪いという感覚というか。こういう状況になって、テレワークとかオンラインのものがいきなり現れて、それがメインになる時代が来た。でもこれがいつまで続くかわからないし、逆に永遠に続く可能性だってある。
 
●うんうん。
 
茂木:だとしたら、みんな好きな場所に住めばいいと思うんです。1週間に1回くらい東京に行くことが出来る場所で、安全で空気がいいところでゆっくり暮らせばいい。
 
●確かにそうですね。必要に迫られてテレワークを導入してみたら、案外問題なくやれている人も多いと聞きます。
 
茂木:だとしたら俺の地元も選ばれたらいいなと思うんです。リアル“どうぶつの森”みたいに集まって(笑)、みんなで川に行ったら病まないと思う。
 
●ミュージシャン仲間とは会話しているんですか?
 
茂木:LINEや電話がメインですけど、話してますよ。みんな考えているんだけど、手詰まり感はある。“じゃあそこでどうする?”と考えた時に、結構ポジティブシンキングだったりする。
 
●きっと今はみんなすごく考えていますよね。たぶん今後面白いことが出てくると思うんです。
 
茂木:そうだね。でもこの時代のこのやり方だと真面目な人ほど病むだろうし、どこかのネジを外さずに、真っ向から向かって行ったら全員おかしくなると思う。
 
●うんうん。
 
茂木:オンラインで全部カテゴライズされて情報提供して、自分というものをどんどん管理社会に吸い上げられる。その中で“ライブ”という、ちょっとアナログで声は大きいけど近くない、バンドマンがやっていることの芽がまず最初に潰される。でも世の中の大きな動きに振り回されて、自分をアジャストしていくことに追われてしまうとダメだなと思っていて。
 
●よくわかります。
 
茂木:だから「俺にアジャストしてみろよ!」と思っていたい(笑)。
 
●日々の情報や流れに振り回されるんじゃなくて、ブレないことが大切だと。
 
茂木:ただ、疫病がこれだけ広範囲になってくると、そんなこと言ってられないということもわかってきたんです。今は“そりゃライブはダメだわ”と自分でも思うし、そこはすごく大きなテーマだと思う。このコロナの自粛中に生まれた子どもたちというのは、アフターコロナのマインドというか、新しい世界を0から生きていくことがすごいと思うし。
 
●そうですね。
 
茂木:でも俺たちは昭和の人間だし、昭和から平成、令和、そして震災、コロナという大きな問題が起こっている時代を生きることが出来ているのは…語弊があるかもしれないけど…贅沢というか。
 
●わかります。時代が動いている瞬間を生きている。
 
茂木:そう。携帯電話も限界が来て、その類似品とかマイナーチェンジしているものはずっと続くんだけど、そこにスマホが出てきて革命が起こったじゃないですか。
 
●はい。
 
茂木:そして知らず知らずのうちにZoomというものが出来ていた(笑)。調べてみれば、Zoomは中国のサーバーを通ってきているから、使ってはいけないというテレビ局もあるらしい。これはイタチごっこで、今度はパソコンで会話をしていることが限界を迎えて、きっと次のカウンターが出てくる。音楽もそうだと思うんですよ。
 
●はい。
 
茂木:聴き手も演り手もマインドがあるから、この時代にバンドをやれているということはすごく大きいことだと思う。
 
●うんうん。
 
茂木:そう考えるしかない。1回ボコボコになるけどね。他の職種の人は指をくわえて待っているだけかもしれないし、コロナの影響でバンドを続けられなくなる奴も居るかもしれないですけど、俺らはまだ攻めるぞという気持ちでいる。
 
 
 
 

 
 
 
 
 

INTERVIEW #2

 
 


「昔から本来からあったものが、便利が故に遠くなったなと思うんです。もちろんオンラインの恩恵みたいなものもあるけど、田舎に居ると今でもオンラインと無縁な人ばかりだから。まだまだリッチな部分がある」


 
 
 
 
●今回のインタビューにあたって、前アルバム『FREAKY』の時のインタビューを振り返ってみたんですけど、当時は「自分の感情の中で何が足りないのかなと考えた時に“喜怒哀楽”の中で“怒”が足りない」とおっしゃっていて。
 
茂木:そうでしたね。『FREAKY』の時と今とは全然マインドが違っていて。今回のアルバムは、ビフォアコロナの最後の気持ちというか。コロナを経てこの先にどういうものを綴るか現時点ではまだ全然わからないし、そういう意味では自分の中で貴重なものになっている感覚があります。
 
●前アルバム『FREAKY』以降、シングルを3枚リリースされていて、それぞれのシングルから収録された曲もありますが、アルバム用の新曲はいつごろ作ったものなんですか?
 
茂木:実は2曲を残して、『FLARE/Fire』のリリース前には全部録り終わっていたんです。
 
●あ、そうなんですか。かなり前ですね。
 
茂木:アルバムの制作を進めている中で「FLARE」と「Fire」はシングルでいこうということになって、その2曲の分を『FLARE/Fire』のツアーをやりながら録っていこうと。
 
●なるほど。
 
茂木:でも全然曲が書けなくて、レコーディングを飛ばしてしまった(笑)。
 
●ハハハ(笑)。前も3回くらい録り直したとかそういう話ありませんでしたっけ?
 
茂木:ありましたね(苦笑)。今回も録り直しました。録り直したというか、書き直した。
 
●書き直した? 歌詞をですか?
 
茂木:そう。
 
●どの曲ですか?
 
茂木:M-6「AGAIN AND AGAINST」。
 
●「AGAIN AND AGAINST」はめちゃくちゃポジティブな曲ですよね。
 
茂木:この曲はオケの後にリリックを書く、という感じで作っていたんですけど、全くリリックが決められなくて。2020年はオリンピックがある年だから、そもそもはオリンピックのような雰囲気のいいテンションで書けたらと思ってたんですよ。そういう風な感じで作詞を始めたんだけど、パンチのあるリリックが書けなくて(笑)。もうちょっとヒューマンに寄った感じになったらいいなと思って書き直したんです。
 
●なるほど。
 
茂木:試行錯誤していく中で、最終的には今の形になったんだけれど、結果的に緊急事態宣言が出た頃の雰囲気にドンピシャだなと思って。
 
●まさにそういう風に受け取りました。歌い出しの“生命線を超える速さで/運命線を書き換えるだけ”や“劣等感を超える速さで/アドレナリンで書き換えるだけ”というフレーズはすごくポジティブだし、弱さから目を逸らしていないですよね。
 
茂木:そうですね。ウイルスに勝てるわけないんだよ。この曲の歌詞には“奴隷船”という卑屈なワードが入っているけど、言ってみたら俺たちはウイルスの奴隷みたいなものだよね。その中でいち早く気づいて、いち早くハッピーの形を変えていかないとダメだなと。マジで激動ですよね、この時代。
 
●マジで激動です。
 
茂木:そしてほとんどの情報が憶測レベルじゃないですか。リアリティじゃないものが溢れている中だけで、自分が欲しい情報だけを取りに行って、その情報を鵜呑みにして信じて、それが誤解やら誰かが作った誤情報だったとしても、そこから派生した人生なわけでしょ。
 
●はい。
 
茂木:昔から本来からあったものが、便利が故に遠くなったなと思うんです。もちろんオンラインの恩恵みたいなものもあるけど、田舎に居ると今でもオンラインと無縁な人ばかりだから。まだまだリッチな部分があるんです。
 
●ほう。
 
茂木:俺が住んでいる街には、これだけ遅れている俺より遅れている人が居るんですよ(笑)。イヤホンつけて1人で携帯持って歩いてる人なんて居ないし、微笑ましいというか。
 
●今おっしゃったことは、M-10「SO LONG」に通ずると思うんです。この歌詞には“ブルジョアのゲーム”や“つまらないゲーム”という表現がありますけど、SNSとかを見ていると、毎日飛び込んでくるニュースとかに一喜一憂してしまうんですよね。
 
茂木:更に、俺と山中さん(インタビュアー)に届いているニュースは違うんですよ。例えば俺がちょっと過激な事を書けば柔らかいニュースが届くし。それは結局AIがやっているんだろうけど、そんなAIみたいなものに、俺というものをデータ化して、カテゴライズされてどんどん決め付けられてしまうことに久しぶりに頭にきたんです。コロナとか自粛でそれがよくわかったというか。
 
●ふむふむ。
 
茂木:昔「BREAK ADDICTION」(2013年リリース『S.O.S』収録)という曲の歌詞にも書いたんだけど、人間というのはどんなに巧みなハッカーでもAIでも解読できないものであるべきで。パソコンの中には自分というキャラクターがデータ化されたものが生きていて、そのことに対してすごく嫌悪感を覚えていたんだけど、そういうことはやっぱり現実にすごくあることなんだよね。
 
●はい。
 
茂木:だから無視することは出来ないし、無視出来ないんだったら育てなきゃダメだなと思ったんです。じゃないと俺が田舎でやっている意味が無いし。その代わり現実の世界の空気はもっと贅沢にしないといけない。
 
●なるほど。
 
茂木:それが出来ればこれから先は勝ちだと思うんです。オンラインというものにアジャストするのではなくて、オンラインがある上で出来たらいいなと思う。
 
●オンラインと現実がイコールという話ではなく、ツールとして利用するという話ですよね。
 
茂木:そうそう。現実と同じくらいの空気でオンラインというものがあるから、どっちもおそらく本当だし、嘘じゃないんだと思う。オンラインのものは嘘であってほしいけどね。
 
●“現実もある”というのを認めなくちゃいけない。
 
茂木:認めざるを得なくなってきた(笑)。やっぱりある程度は助けられているし。
 
 
 
 

 
 
 
 

INTERVIEW #3

 
 


「コロナでどうしようもなくなってしまったところから、“もうこれは上がるしかないな”となれたんです。皮肉だよね。だからいメンタルはすごくいい」


 
 
 
 
●G-FREAK FACTORYの新しいアルバムが完成したらワクワクするんです。そこからライブが大きく変わるだろうという期待が大きいので。
 
茂木:アルバムは曲が一気に増えるからね。
 
●そうそう。今回のアルバムを聴いた中では、特に「ヴィンテージ」がライブでどうなるんだろう? と。
 
茂木:想像できない(笑)。どうなんだろうね(笑)。これをライブハウスで演った時に、フロアがポカーンとなるのか、そのレスポンスも全く想像出来ない。ギターも弾くし、ハープもあるし。
 
●そうか。歌いながら動けない。
 
茂木:こいつに踊らされたら元も子もないですよね。しかもアルバムの表題曲っていう(笑)。「ヴィンテージ」はワンテンションでバーっと書いた曲だから、「ダディ・ダーリン」みたいに“誰がどう思っても関係ない”というモードに自分を持って行かないと負けだなと思う。聴き手に合わせた演奏をしたら火傷する。
 
●確固たる自分を持って歌わないといけない?
 
茂木:それもそうだし、どれだけ自分たちが反応を気にせず曲に入っていけるかという部分。
 
●確かにそういう曲ですね。
 
茂木:「ダディ・ダーリン」もそうだけど、どう判断されてもいい。この曲を演れることにすごく幸せを感じる。何かを探している人に、どれだけ丸裸でその探している何かの隙間に入れるか。だからどうなるかはわからない(笑)。全然ダメかもしれない(笑)。まして今はみんなで合わせられる時間もないし、とにかくイメトレだけをずっとやってます。フロアだってどういう環境になっているかわからないし。まだ想像つかないな。
 
●「ヴィンテージ」はバンドや自分たち自身のことを歌っている曲で、G-FREAK FACTORYというバンドの在り方が詰められていると感じたんです。そういう曲は過去に何曲かあったと思うんですよ、例えば「島生民」とか。だから「ヴィンテージ」はライブで新しいG-FREAK FACTORYを観ることが出来る予感がしたんですよね。
 
茂木:そうだね。確かにこれは新しいG-FREAK FACTORYですね。でもこの曲を表題曲にしようとしたのはすごいと思うけどね(笑)。
 
●ふふふ(笑)。でもG-FREAK FACTORYらしいですけど。
 
茂木:シングル『FLARE/Fire』はたくさん録っていた曲の中から選ぶというやり方を初めてやって、それがめちゃくちゃ良かったんです。
 
●はい。
 
茂木:その時に「ヴィンテージ」をシングルの3曲目に入れてしまおうという気持ちも少しあったんですけど、でもシングルに入れたらアルバムには入れられないなと。今よりもうちょっと平穏だったあの頃に「ヴィンテージ」を出しても流れちゃうなと。こういうのが嫌いな人も居るでしょ?
 
●拒否反応が出る人も居るかもしれないですね。
 
茂木:すごく多いと思う。だから博打だよね。でも結果、俺はこれでいいと思ったんです。キャリア2〜3年のバンドが出来ることじゃないから。とにかく流れていくのが嫌だった。
 
●今までG-FREAK FACTORYが重ねてきたものがあるから、流れないんじゃないですか?
 
茂木:そうかも知れないけど、でも俺たちまだ出会えてない人がめちゃくちゃいるんだよ(笑)。
 
●ふふふ(笑)、そうですけど、初めて聴くとしても「この人たちは今までこういう生き方をしてきたんだ」と受け取ってもらえる気がするんですよね。
 
茂木:そうだったらいいですね。
 
●たとえばニッポン放送の番組『DAYS』のエンディングテーマに「Remain」(『FREAKY』収録)が起用されていますけど、あの曲を歌っている人が「ヴィンテージ」も歌っていると知ったらびっくりするでしょうけど、でも繋がると思うんですよね。
 
茂木:確かにそうかもしれない(笑)。
 
●あと今回の新曲の中ではM-9「乞え〜KOE〜」の作曲がバンド名義ですよね。これはセッションの中で生まれた曲なんですか?
 
茂木:うん。完全にセッション。
 
●この曲もポジティブですよね。パワフルに聴こえる。
 
茂木:全然毒づいてないね(笑)。
 
●そうですね(笑)。でも「パワフル」と言ったのは、毒づいているかどうかじゃなくて…。
 
茂木:マインドでしょ?
 
●そうです。血が沸くというか、力をもらえるというか。
 
茂木:ライブではどうなるかまだ想像がつかないけど、でも楽しそうだよね(笑)。
 
●あと、M-14「呉々も日の暮れと」はものすごくいい曲ですよね。アルバム資料によると“個人的な事を書いている”ということですが、このなんとも言えない感じが、余韻が残ってすごくいい。
 
茂木:なんとも言えないでしょ(笑)。極めてプライベートなことをバンドの曲にして、無差別に聴いてもらうというのは違う気もしたんだけど、『FLARE/Fire』で使ってしまった2曲の分として、「BE ALL AROUND」と「呉々も日の暮れと」が書けたんです。
 
●今はコロナの影響で、会いたくても会えない人がみんないっぱい居るじゃないですか。だから「呉々も日の暮れと」はG-FREAK FACTORYから僕たちへのメッセージとも受け取れる。ライブの最後に聴きたい曲だし、アルバムの最後がすごくハマっている。ガツガツ攻める曲ではないですけど、めちゃくちゃいいと思います。
 
茂木:「呉々も日の暮れと」は、自分の中ではやっと書けたという実感があって。プライベートなことで気持ちが落ちていたこともあったけど、逆にコロナで気持ちが上がってきた。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、コロナでどうしようもなくなってしまったところから、“もうこれは上がるしかないな”となれたんです。皮肉だよね。だからいメンタルはすごくいい。
 
●腹を括ったんですかね。やるしかないというか。
 
茂木:そうそう。やらなきゃ届かないし。
 
●「娯楽は今は必要ない」と言われたりもするじゃないですか。このアルバムを聴いて思ったのは、やっぱりこのアルバムは今の自分にとって必要だったということ。初回限定盤に付いているO-EASTのライブ映像も。
 
茂木:あの映像を観るとといつも“こんなこと出来てたのか”と思いますね。
 
●そうそう。アルバムもライブ映像も、やっぱり生きるために必要だと思ったんです。
 
茂木:今、珍しくいいこと言おうとしてるでしょ? (笑)
 
●いやいや(笑)、どんな仕事をしている人でもみんな不安だし迷っていると思うんですよね。このアルバムを聴いたら、そういうところでブレていたものが直されるというか。改めてG-FREAK FACTORYはそういう音楽だなと思いました。
 
茂木:俺はもっとアナログに生きたいなと思ったりもしたんです。川に行くと電気もなくて、焚き火も出来ないから選んだのはランタンで。パラフィンオイルで焚くランタンの自然な明かりがすごくいいんです。もっとそういうリアルなコンテンツに寄らないと、バランスを保てなくなるなと思うことがあって。あと、“自然な明かりがいい”みたいな感覚はきっと世界共通で、どの時代の人でも絶対に美しいと感じるだろうなと。
 
●なるほど。
 
茂木:川も俺たちが余計な事をしなければ怒らないし、ちゃんと寄り添って生きていくということをサウンドに込めてみんなに伝えたかったんです。俺の住んでいる環境のことを届けるのはすごく必要だなと思う。
 
●地元の群馬を歌う…例えば「風林花山」(2017年リリースシングル曲)とかそうだと思うんですけど、G-FREAK FACTORYが今までやってきたことでもありますよね。
 
茂木:でも今まではどこかに自虐があったんですよ。でも今は、本当に勝ちだなと思えるくらい自然はいいと感じるんです。県を挙げてそういうのをPRしていったらいいと思う。コロナの影響で東京から20万世帯が離れたらしいんですよ。そういうことが始まっている中で、我が町もちゃんと声をあげればいいと思う。だからこの自粛の時に行政に掛け合ったりとかもしたし。この4ヶ月はすごくローカルな時間だったな。
 
●その価値に気づけたというか、思い出せたというか。
 
茂木:そうそう。歳のせいもあるのかもしれないけど(笑)。
 
 
 
 

 
 
 
 

INTERVIEW #4

 
 


「“ベーシック”、“クラシック”というものを超えることよりも、今の時代や背景を今の時代の人たちと分かち合うことを大事にすることが、いつか“ヴィンテージ”になっていくんじゃないかな」


 
 
 
 
●今日の話を聞いたら、今後G-FREAK FACTORYが作っていく曲がめちゃくちゃ楽しみになりました。
 
茂木:楽しみだけど、どういう曲が出来るんだろうね(笑)。やっぱり川にもBPMがあるんですよ。
 
●ん? 川のBPM?
 
茂木:その景色と川が許してくれる曲の速さと、サウンドのエフェクトというのは限られるんだよね。渋谷とかはわかんないけど(笑)。そこでまた新しい音楽に出会えたり。G-FREAK FACTORYはそのチャンネルをもう1個作ればいいかなと。今群馬に住んでいて、今見える環境の中で、そこにまっすぐ向かって曲を作ったり、発信したりすること。それしか勝ち目がないと思うんです。
 
●なるほど。
 
茂木:写真とか動画もたくさん撮ったんだけど、インスタとか肉眼よりよく見せることが出来るじゃないですか。でも自然に関しては、何をやっても自然に勝らないんですよね。こんなもんで俺の街の自然が判断されたら嫌だなと思う。カメラにすると嘘くさくなる。
 
●うんうん。
 
茂木:写真だとイマイチなのに、肉眼で見たらとんでもない。BRAHMANのTOSHI-LOWとかも「こんなに群馬に行きたいと思ったことねぇよ」って電話してきたんです(笑)。自粛の時は東京が遠かったから、東京でみんながどれだけ虐げられた生活をして、圧迫感のある暮らしをしているのかわからなかったけど、でも想像はついたんです。俺はその中で堂々と自粛をしてました。
 
●なるほど。アルバムのツアーは2021年ですが、やっぱりこのタイミングでは“山人音楽祭2020”のことにも触れたいんですが。
 
茂木:そうですよね。
 
●きっとどの取材でも聞かれていると思いますが。
 
茂木:いつも答えているのは「どっちの覚悟も出来ています。やれることに向けてスタッフ一同一生懸命日々動いています」ということだけですね。
 
●はい。
 
茂木:自治体のこともあるし、今は無責任な事は言えないです。もちろんやりたいし、信じてチケット買ってくれた人達がたくさんいる中で、そういう人たちのためにやることが筋ということをわかった上で、やっぱり万全じゃない時にやることによって招いてしまう何かがあるかもしれないじゃないですか。ドームの中は換気が悪いのもわかっているし、そういうことをわかった上で開催することというのは、果たして自分を含め人の為になるのかな? と日々考えている。
 
●うんうん。
 
茂木:でも俺が「今年は“山人音楽祭”出来ない」と言ってもみんな許してくれると思うんです。
 
●もちろん。
 
茂木:まだ開催の方向に向かって日々準備はしているんだけど、でもどっちの可能性もあって、どっちの覚悟も出来ている。ギリギリまで足掻こうと思ってます。
 
●“山人音楽祭”は大好きなフェスなので、楽しみにしながら、もし開催できなかったとしたら来年を楽しみにしようと思っています。その気持ちはみんな同じだと思うんですよね。
 
茂木:楽しみにしていたものが無くなるのはみんな悔しいよね。
 
●O-EASTのツアーファイナルの時に茂木さんが、「2020年はどんな年になるのか」とMCで言っていたじゃないですか。まさかこんな年になるとは思っていなかったけど。
 
茂木:俺もそうだよ。言っていながら(笑)。
 
●ですよね(笑)。
 
茂木:中止を余儀なくされたフェスをたくさん見てきて、フェスは開催出来ただけで半分成功なんだなとすごく思ったんです。“山人音楽祭”が開催出来るということにもすごく感謝をした。贅沢なことだし、周りにやりたくても出来ない奴が大勢いる中で、群馬を選んで群馬という地元で大きな催しを出来る事自体がとんでもないことだなと思う。
 
●はい。
 
茂木:今回無理して、やりたいという自分たちのエゴとか欲求が先に出てリアリティを無視してやってしまうとする。それで何か問題を招いた場合、俺はこの街に住めなくなる。そんなギャンブルは出来ないなと思う気持ちもあるんですよね。だから「じゃあどうやったら開催出来るか?」というところに向かっている。
 
●そうですね。無責任なことは出来ないですね。
 
茂木:少しずつこの状況が明けていけばいいですね。プロ野球だったりディズニーランドだったり、エンターテインメントがどんどん明けていく中、9月はこうなっていたらいいなと淡い夢を描いている。でも8月末頃に万全になったところで、そこから準備を始めても間に合わないし。多くの人の予定を頂いているわけだから、いい頃合いを見て英断をしなくちゃいけないとは思っています。
 
●“山人音楽祭2020”も『VINTAGE』のツアーも楽しみにしています。最後に、アルバムのタイトルを『VINTAGE』にしたのはどういう理由からですか?
 
茂木:フレッシュさの欠片もないバンドをやってきて、自分の憧れみたいなものと、今の事態が20年後に「こういう事を考えていたロックバンドが居た」という、ヴィンテージ物として価値があるものになって欲しかったからですね。
 
●なるほど。
 
茂木:自らを“ヴィンテージ”と言うなんておこがましいと思うけど、願望というか。20年後にコロナが無くなって、世界中がこんなにビビっていたことも忘れられてしまう時代が来たとしても、その頃に光っていたものだったり、その頃のマインドや写真たちが20年後にもう1回見直されて輝けばいいなと。それってすごいことだと思うんです。だからレプリカでもなくインスタントでもない。
 
●それは以前のインタビューでおっしゃっていたことでもあるんですけど、“先達から受け継いで次代に残す”という意識が茂木さんの中に常にあるような気がするんですが。
 
茂木:壊したいですけどね(笑)。でも壊せない。コロナくらい衝撃的なことが起こったら、音楽の聴き方や作り方、捉えられ方が間違いなく変わると思うんです。戦前と戦後くらい。
 
●そうですね。確かに。
 
茂木:例えばベトナム戦争の時にアメリカで生まれたサウンドはその時代のリアルだし。レコーディング技術がどんどん良くなってきて、巧みに色々なサウンドをエフェクトとして入れられる時代になってきたとしても、やっぱりThe Beatlesを誰も超えることが出来ていない。そう思ったら“ベーシック”、“クラシック”というものを超えることよりも、今の時代や背景を今の時代の人たちと分かち合うことを大事にすることが、いつか“ヴィンテージ”になっていくんじゃないかなと。流れていったもののほうが耳あたりがいいし、やりやすいじゃないですか。でもそういうのは俺らじゃなくても出来るじゃん。
 
●その時代に残るものを作っていく。
 
茂木:その瞬間を切り取ったもの。ライブもそうだけど、そういうバンドでありたいなと思います。
 
 
interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:Yuina.Hiramoto
Photo:柿本ケンサク
Live Photo:HayachiN
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

Member
Hiroaki Moteki(Vo.)
Hiroyuki”P×O×N”Watabe(Dr.)
Toshiyuki Harada(G.)
Nobuyuki Yoshihashi(Ba.)
 
リリース情報

Album『VINTAGE』
BADASS
[初回限定盤:CD+DVD]
BDSS-0040
¥3,100+税
[通常盤:CD]
BDSS-0041
¥2,500+税
 
2020/7/15 Release
“VINTAGE” TOUR 2021
2021/1/16(土) 名古屋CLUB QUATTRO
2021/1/17(日) 神戸 太陽と虎
2021/1/24(日) LIVE HOUSE J
2021/1/30(土) 水戸LIGHT HOUSE
2021/1/31(日) HEAVEN'S ROCK宇都宮 VJ-2
2021/2/05(金) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
2021/2/07(日) 静岡Sunash
2021/2/11(木・祝) 心斎橋BIGCAT
2021/2/14(日) GOLDEN PIGS RED STAGE
2021/2/20(土) 高松DIME
2021/2/21(日) CLUB GRINDHOUSE
2021/2/27(土) F.A.D YOKOHAMA
2021/2/28(日) 千葉LOOK
2021/3/06(土) 青森Quarter
2021/3/07(日) club SWINDLE
2021/3/13(土) 金沢vanvanV4
2021/3/20(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
2021/3/21(日) 仙台Rensa
2021/3/27(土) 郡山HIPSHOT JAPAN
2021/3/28(日) 高崎club FLEEZ
2021/4/03(土) 福岡BEAT STATION
2021/4/04(日) 鹿児島SR HALL
2021/4/10(土) 札幌cube garden
2021/4/11(日) 函館club COCOA
2021/4/17(土) KYOTO MUSE
2021/4/18(日) 広島CAVE-BE
 
 
“山人音楽祭2020”
9/26(土)、9/27(日)ヤマダグリーンドーム前橋
 
 
more info→
https://g-freakfactory.com/

 
 
 
 

 
 
 
 

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