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G-FREAK FACTORY

2013年、群馬発、これが日本のレベルミュージックだ

PHOTO_GFF昨年9月、実に約9年ぶりとなるシングル『EVEN』をリリースし、群馬県前橋市のグリーンドーム前橋にて“GUNMA ROCK FESTIVAL”を開催。トリのステージで衝撃的なライブを見せたG-FREAK FACTORY。まるで命を削るかのごとく音と言葉を紡ぐそのライブを観た者は、その凄まじさに圧倒され、そして魂を強く揺さぶられる。そんな彼らが、待望のアルバム『S.O.S』(SONS OF SON)をリリースする。たくさんのタフな経験と日常を積み重ね、より“現場感”を詰め込んだという今作。2013年、群馬発、これが日本のレベルミュージックだ。

 

 

「“2013年の日本にいる”っていう事実から逃げちゃいけない。今の日本をちゃんと残せたらいいなと思ってます」

●“京都大作戦”でライブを観たんですけど、想いがめちゃくちゃ伝わってくるステージで感動したんです。ライブで放出する感情の量が桁違いというか。以前の取材で「ライブ中は頭の中が真っ白になる」とおっしゃっていましたが、最近のライブはどうですか?

茂木:相変わらずですね。やっぱり真っ白になれた方がいいライブになるはずなので。冷静にやれていたらダメだなって思います。もちろん意図的にそうすることなんてできなくていつも必死なんですけど。

●なるほど。

茂木:背負えるかどうかっていう。ほぼ自分で勝手に背負ってるんですけど、勝手に背負って、それで必死になるっていうのが自分にとってはいちばんいいと思うんです。“このライブに出たい”みたいな意識は、最近はできるだけ強めるようになりました。“なぜ誘ってくれたのか”とか“自分たちがここに出て何をするのか”みたいな。去年の9月に久々にシングル『EVEN』を出したんですけど、あの辺りから意識が変わって。絶対に負けちゃいけないっていう。

●その“負ける/負けない”っていうのは、何に?

茂木:結局“自分に負けない”ということですよね。年齢的にも40歳が見えてきて、そういうときにもう1度…自分たちの生活とか仕事とか普段の暮らしとか、バンドももちろんそうだけど、全部に筋を通すためにはどうしたらいいか? と考えるタイミングだったんです。そこにスタッフの人たちが力を貸してくれて、生かしてくれて、それが前作や今作のリリースにも繋がっていて。だからこそ自分に負けるようなライブは絶対にできないんです。

●ところで今回リリースとなるアルバム『S.O.S』は…アルバムとしてはなんと約9年ぶりなんですね。

茂木:自分でもびっくりしました。前作のシングルからも1年経ってますからね(笑)。

●ハハハ(笑)。今作はどのような作品にしようと思っていたんですか?

茂木:去年“GUNMA ROCK FESTIVAL”をやったことも影響しているんですけど、現場で映える曲と映えない曲っていうのを意識して。もちろん持ち時間とかの関係もあるんですけど、G-FREAK FACTORYというバンドのイメージは各々が違うと思うんですよ。やっぱり僕はサイズの大きなスローな曲が好きなんですけど、それを限られた時間の中でダラーッとやられたら、聴いている人たちのストレスになるんじゃないかなって。

●ふむふむ。

茂木:1セットの中に1曲とかだったらいいんですけどね。そういうことを考えるようになって、今作は、やっぱり現場でどんな尺でも絶対にいける曲っていうのを意識して作ったんです。曲は僕が弾き語りみたいな感じで作ってくる場合と、原田がリフを持ってきてスタジオで合わせて作る場合があるんですけど、今回の勢いのあるものは原田からあがってきたものだったり、スタジオで合わせていくうちに七変化したものもあります。

●今作は昨年リリースしたシングル曲「EVEN」に加えて、既発曲(、M-4「SOUL CONNECTION」、M-6「日はまだ高く」、M-7「風」、M-11「SUNNY ISLAND STORY」)も収録されていますよね。ライブ定番曲というか、G-FREAK FACTORY好きにとってはたまらない曲ばかりなんですが。

茂木:僕らからすると古い曲なんですけど、幸か不幸か、旧譜はことごとく絶盤になってるんですよ。そんな中でライブをやっていくのはお客さんに対して失礼かなと。更に、現場感というところを意識したとき、今のライブの定番曲は入れておかないといけないかなと。

●リード曲のM-1「BREAK ADDICTION」は現場感の極みですよね。いろんな要素が混ざっているすごく攻撃的な曲で。同期も入っていますが。

茂木:“同期の音を入れたいな”と漠然と思っていたんですよ。それでちょっと試してみたら、これはアリじゃないかなと。だから後付けなんです。曲ができてから、上から同期を乗せたっていう感じ。

●こういう現場感のある曲が象徴していると思うんですが、“怒り”や“不満”などネガティブなものが今作の曲の源泉になっている気がするんです。「レゲエはレベル・ミュージックだ」と言われていますけど、一般的にレゲエとされている音楽は“ラブ&ピース”な印象の方が強くて、個人的には身近な音楽として捉えることができないんです。異国のものでリアリティを感じないというか、ピースだからこそ非日常に感じるというか。

茂木:ああ〜。

●対して、G-FREAK FACTORYは“怒り”や“不満”などネガティブなものを感じさせるからこそすごく日常に寄り添っている。音楽の中にリアリティや説得力があって、信頼できるんです。

茂木:“怒り”はたぶん、人間の原動力の中でいちばんパワーがあるものじゃないですか。レゲエミュージックも、絶対に最初は“怒り”から生まれたもので。賛美歌やゴスペルみたいなところから、僕らには無縁な人種差別だったり植民地とかのレベルミュージックとして発展していったもので。

●はい。

茂木:それが“怒り”を通り越して“ラブ&ピース”になったと思うんですよね。異国のものっていうか、そこにリアリティがないっていうのは僕もすごくよくわかる話なんですけど、その時代のその風土の、その環境じゃないと絶対に歌えないことを歌っていて、それが今でも色褪せない音楽として残っていて。その時のその人たちが、その人たち自身を歌っている。だから僕らもそうあるべきだと思うんです。“2013年の日本にいる”っていう事実から逃げちゃいけない。今の日本をちゃんと残せたらいいなと思ってます。

●“2013年の日本にいる”という事実から逃げないというのは、「島生民」(2003年リリースのアルバム『島生民』収録)で歌っていることそのもののような気がするんです。茂木さんは常にそういう意識を持って音楽を生んできましたよね。

茂木:そうですね。そういう意識は、実は今よりも以前の方が強かったんです。やっぱりアメリカで暮らした経験が大きくて。日本に帰ってきて、完全に安全でストレスのない国だなということを痛感したんですけど、それが音楽の根本的なテーマというか、きっかけになっていますね。暮らしに不満を持っている人でも、そこまで怒らなくて済んでしまうじゃないですか。酒とか飲みながら「しょうがないよね」と言って流れてしまう。

●うんうん。

茂木:でも最近は進んでデモが起こったり、いろんな社会現象が起こっている。これが本来の姿だと思うんですよ。デタラメに対してちゃんと「デタラメだ」って言えるし、色んな物がだんだん丸裸になってきていて。ライブはいちばんそういうものが出せる場所なんじゃないかなって思うんです。

●それはすごく思います。震災以降、特に強く思います。

茂木:思いますよね。それをやってもいい場所っていうか。

●ライブは奥底の感情を出していい場所というか。演者だけじゃなくて、お客さんも含めて。

茂木:そうですよね。もしかしたらそれができる唯一の場所なのかもしれない。しかも一方通行じゃなくて、ちゃんとレスポンスまで見えていく場所。だからやりがいがあることだと思うんです。

●「島生民」は自分が生まれた故郷や家族、ルーツに対する愛を歌っていますが、今作もそういうテーマの曲が多いし、アルバムタイトルの“SONS OF SON”にも繋がっている。それはG-FREAK FACTORYのマインドと言ってもいいと思うんですが、歌っていることはずっとブレてないですね。

茂木:アメリカで暮らしていたときに“日本”という国の見られ方を肌で実感して、そこで初めて歴史を色々と勉強したんですけど、“日本人”というプライドというかアイデンティティを持ってないとダメだと僕は思っているんです。偏った考えかもしれないですけど、それをなりふり構わずに言っていかないといけないなって。

●それがG-FREAK FACTORYの説得力に繋がっている気がします。

茂木:まだまだですけど、説得力のある生き様を音楽にしたいなと思っています。

●ところで、M-10「sore-nari」はすごくライブ映えする曲だと思うんですが、2ビートは初めてらしいですね。自分たちが今まで大切にしてきた“2ビートはやらない”というこだわりを捨てたわけですよね?

茂木:そうですね。今回でそこを乗り越えることができたんです。今までは“2ビートは絶対にやるもんか!”くらいに思っていたんですよ。それはなぜかと言うと、僕は2ビートが大好きなんです。パンクロックが大好きで、でもメロコアが出てきたとき、NOFXをアメリカで聴いて「これは絶対に超えられない」と思ったんです。好きすぎて、だからこそ自分たちでやるのは絶対に無理だと。

●なるほど。

茂木:どっぷり通ってきたところだから、NOFX直系のバンドにはなりたくなかった。でもそういうところを超えて、今回初めて2ビートにチャレンジできたんです。

●今回なぜチャレンジできたんですか?

茂木:楽曲としてそういう面も持っていたいと思えたんです。変にこだわって閉じ込めていたし、周りに2ビートのプロフェッショナルがたくさんいたから“自分たちじゃなくてその人たちがやればいいんだ”と譲っていた部分もあったんですけど、待てよと。自分たちなりの2ビードをやってみたらどうかなと。で、やってみたら意外に良かった(笑)。

●この曲いいですよね。ライブがすごく楽しみになる。

茂木:ギターがドンシャリで「ジャーン」と歪むことですら、今までのG-FREAK FACTORYでは考えられなかったことなんですけど、「原点に帰ろうぜ」って。僕らは初期衝動の延長で今もやってるわけだから、アイディアとしてそれをやってみようぜって。最初はみんな照れてましたけど、音を合わせ始めたら早かったんです。

●2ビートだけじゃなくて、今作は色んな要素が入っていますよね。レゲエはもちろん、パンクやメロコア、ラウドミュージック…そういうものがG-FREAK FACTORYの音楽として昇華されていて、ジャンルを意識せずに入ってきたというか。

茂木:今のG-FREAK FACTORYが足りないものを入れたという感じなんです。2013年の日本のシーンで僕たちがやっていく中で、圧倒的に足りないものと圧倒的にやりすぎているものを1回精査したというか。そうすると、今作のような形になった。

●ということは、今作自体がチャレンジだと。

茂木:すごいチャレンジです。自分たちの中になかったわけではなく、さっきの2ビートの話もあったように、むしろルーツとしては根底には持っているんですけど、プレイはしていなかったもの。そういう初期衝動を全部出したんです。なんせ約9年ぶりのアルバムリリースでオールド・ルーキーなわけですからね。完全なるド新人のつもりで作りました(笑)。

interview:Takeshi.Yamanaka

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