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GEEKS

息つく隙もなく繰り出されるパンク・アンセムの嵐がキッズを正しき道へと導く

GEEKSアー写GEEKSが前作の1st Square Album『GRIMOIRE(グリモワール)』を発売したのは、今年7月のこと。そこからわずか3ヶ月という異例の早さで、新作となる1st Circle Album『PEDAGOGUE(パダゴグ)』が10/16にリリースされる。前回に続いて気鋭のクリエイター・ファンタジスタ歌麻呂が手がけたジャケットのイメージ通り、ファンタジックな雰囲気を漂わせる今作。持ち味のコーラスワークはまるでモンスターたちの合唱のごとく、シンガロング感を増している。いずれもGEEKSにしか生み出し得ない、新たなパンク・アンセムに満ちた傑作だ。

 

 

「僕らは口うるさくて厳しい先生みたいなものですから。どうしようもない世の中なので、せめてGEEKSのリスナーだけでもしっかりと僕らに教育されてほしいなと(笑)」

●前作からたった3ヶ月でのニューアルバム発売となりますが、当初から計画していたことなんですか?

エンドウ.:今年の初めにメンバーみんなで1年間の活動計画を立てている時に、「2枚出しちゃおうよ」という話は既にしていたんです。周りを見ていても、流れ的に1回CDを出すと3ヶ月でみんな落ち着くんですよね。じゃあ、もう(リリースを)2回に分けて、「山を2つ作ったほうが楽しいんじゃないの?」と思って。僕らとしてもコンパクトに曲を振り分けることによって、世界観もまとめやすくなるかなと。

●10曲入りでもコンパクト?

エンドウ.:僕らは海外の汚いパンクバンドの20何曲入りのアルバムとかが好きで、ずっと聴いて育ってきたので。そういうバンドのフルアルバムって20曲くらいは入っているものだから、今回はそれをあえて半分に分けた感じなんですよ。最初から2枚出すと決めていたので、そんなに進行も厳しくなかったですね。

●曲作りも2作分まとめてやっていたりした?

エンドウ.:全てを2作同時に作っていたというわけではないんですけど、アイデアは断片の状態でたくさんあって。その中から「こっちのアイデアをまず使おうか」というものでまず『GRIMOIRE』を作って、残ったほうで今回の作品を作った感じですね。

●2作にアイデアを振り分ける基準というのは?

ミツ:明確にはなかったですね。

エンドウ.:あまり具体的にはなかったんですけど、何となく『PEDAGOGUE』のほうは“B面集”というか。

●“B面集”って、あまりイメージが良くないような…。

エンドウ.:いや、僕らの中で“B面集”っていうのは、“一番カッコ良い”という意味ですから。それを大々的に言ってしまうと「B面集かよ?」と思われちゃうから、あんまり言えないんですけど(笑)。B面の曲って、真のファンには一番嬉しいものだったりするじゃないですか?

●コアなファンだけがわかる、隠れた名曲というか。

エンドウ.:僕ら自身もGEEKSのファンなので、“B面集”が最も愛すべきものという側面があるんです。あと、実は古くからある曲のアイデアで一度ボツになったものや音源化していないようなものを今回の作品には持ってきていて。今回のジャケットイメージを“モンスター”っぽくしているのは、そういうものの“復活”だったり“死人”といった意味を込めてあるんですよ。

●ある意味で一度死んでいたところから復活してきた曲たちが、今作には収録されている。

エンドウ.:自分たちの中ではすごく気に入っているんだけど、リリースのタイミングが合わなかったり、ある作品に入れるには他の曲と雰囲気が違っていたりといったことで陽の目を見なかった曲たちを今回こそは入れちゃおうというのはありました。死蔵されていたアイデアを使いたいなって。そういうものと、2013年に新体制でドーンと行く時の名刺代わりとしての『GRIMOIRE』という感じで、2作を何となく分けていたんですよ。

●逆に言えば『GRIMOIRE』は新たに作った曲ばかりだった?

ミツ:ほとんどが書き下ろしでしたね。

エンドウ.:古いアイデアや眠っていたアイデアも少しは使っているんですけど、ほぼ新たに作った曲でした。

●『GRIMOIRE』には1曲ごとに物語性があったわけですが、今回もそういうものがあるんですか?

エンドウ.:何となくですけど、“夜のヒーローたちのテーマソング”的なコンセプトが僕らの中でありましたね。

●“夜のヒーローたち”というのは?

エンドウ.:“モンスター”的なイメージですね。怪物や魔物とか幽霊やゴーストみたいな感じで、おとぎ話感のあるものをイメージしていました。そのイメージを、今回もジャケットを描いてもらったファンタジスタ歌麻呂さんにも伝えて。それを伝えたことによって僕らの中でもさらにイメージが明確になって、どんどんそっちの色が強くなっていったんです。

●だから、今回のジャケットのキャラクターは墓場から甦ってきているイメージになっているんですね。

エンドウ.:「闇のモンスターが世直しするぜ」みたいな。そういう『少年ジャンプ』の読みきり作品みたいなのが大好きなんです。

●反響が良ければ連載化されるけど、大体はそれ1話で終わってしまうというアレですね…(笑)。

エンドウ.:そういうやつです(笑)。

●M-1「PEDAGOGUE CIRCLE」は、今作の世界観への導入みたいなイメージ?

エンドウ.:映画で言うとイントロダクションというか。作品の世界観をみんなにわかって頂くためのトラックですね。世界観や時代背景みたいなものは作品全体で共通しているんですけど、それぞれの歌には別々の主人公や情景があるという感じです。そこはここ2作のテーマ的な部分でもあるので、意識してそうしました。

●今作の主人公はどれもモンスターなんですか?

エンドウ.:全部がモンスターというわけではなくて、ファンタジックな空想上の存在という感じですね。たとえばM-4「MUNCHAUSEN JOURNEY」は“ホラ吹き男爵”をイメージした歌だったり、M-6「WENDY.13」は「ピーターパン」に出てくるウェンディをテーマにした歌だったりして。

●M-7「GENIUS MONSTER」はタイトル通り、モンスターが主人公?

エンドウ.:これはフランケンシュタインの怪物を思い描いて書いた歌ですね。歌詞カードに挿絵が入っているので、それを見てもらえればわかるようになっているんですよ。そこは配信で音だけ買った人にはわからない部分になっていて。

●ただ歌詞のテキストが載っているという以上の意味が、GEEKSの歌詞カードにはある。

エンドウ.:音楽にとって歌詞カードというのはどうでもいい存在と思われているかもしれないんですけど、そこにちょっとヒントを描いておくことでイメージが一気に広がる部分もあるんじゃないかなと思っていて。小説とか本でもたまに入る挿絵によってイメージがすごく増幅される部分があるので、僕らの歌詞カードはいつもこんな感じになっているんです。音だけでも聴けるんですけど、歌詞カードがあると作品がより楽しめるようにしたいなとは思っていますね。

●歌詞にはメッセージ性も込められている?

エンドウ.:自分の中では1曲ごとで明確に表現すべきキャラクターが見えているんですけど、それになぞらえた上でもっと深いメッセージや意味を持った歌詞にしたいなと思って書いています。

●今作に込めたメッセージとは?

エンドウ.:作品全体で言えば、“戒めと制裁”ですね。「ふざけんじゃねえぞ。しっかりやれよ」というメッセージを大まかには込めたつもりなんです。『PEDAGOGUE』っていう言葉の意味自体が、そういう“口うるさい教育者”や“ウザい先公”みたいな意味なんですよ。僕らは普段からそういう感じで、いつも怒っているので。

●“PEDAGOGUE”は自分たち自身を指していると。

エンドウ.:本当に僕らは口うるさくて厳しい先生みたいなものですから。どうしようもない世の中なので、せめてGEEKSのリスナーだけでもしっかりと僕らに教育されてほしいなと(笑)。

●辞書では“PEDAGOGUE”という言葉に教師の蔑称的な意味があったので、てっきり口うるさい先生への反抗の気持ちからなのかと思っていました。

ミツ:そんな気持ちはないです。僕らは大人の味方なんです! (笑)。

エンドウ.:僕たちは教師側ですから。なっちゃいないガキどもを導いていきたいなと。自分から憎まれ役を買って出ているんですよ(笑)。

●GEEKSは世の中のガキどもを導く教師だと(笑)。

エンドウ.:僕らは世の中の全てに不満を持っているので、やむなく教鞭をとることになりました(笑)。「GEEKSってどんなバンドだ?」と言われた時に、客観的に見ても主観的に見ても「いつも怒っていて、ほとんどのものに文句を言っている」というイメージがあって。かといって、自分たちの性格がすごく悪くてヒネくれているとは思っていないし、僕らは圧倒的に正しいと思っているんです。そういう側面を考えてみると、自分たちはやっぱり教育者だなと。「わかっていないヤツらをわからせて、正しい方向に導いてあげたいから怒っているんだ、わかるか!?」っていうところが本当はありますからね。もちろん愛を持って、世の中にツバを吐いているわけで。

●ただ怒りを吐き捨てているだけではない。

エンドウ.:世の中に不満はあるけど、ヒネくれて不貞腐れているわけじゃないですからね。

ミツ:自暴自棄にはなっていない。

●ちゃんとみんなを良い方向に導こうとしている。

エンドウ.:それが前面に現れて、『PEDAGOGUE』というタイトルになりました。

●そういうことだったんですね。今作は“1st Circle Album”ということですが、そこにはどんな意味が込められているんですか?

エンドウ.:前作が“1st Square Album”だったんですけど、“Square”には“広場”という意味があって。だから収録曲の中には、“広場での出来事”みたいなイメージが少しあったんです。今回の“Circle”には“仲間”や“つながり”、“グループ”みたいな意味合いがあるので、僕らがまさに“PEDAGOGUE CIRCLE”かなと。“口うるさい教師の集団”みたいな意味なんですよ。

●今作はコーラスが特に印象的だったんですけど、サークルのみんなで合唱しているようなイメージとつながる気がします。

エンドウ.:合唱している感じは確かにあって。サークルなので、シンガロング感は欲しいなと思っていましたね。サビをみんなで歌うことで、モンスターたちの大合唱みたいな雰囲気を出したかったんです。ワンダーランド感みたいなものを出したかったというか。

●シンガロング感を意識していたんですね。

エンドウ.:あと、ラフに歌おうということも意識していて。あえて、きっちり歌わないというか。たとえば大勢で歌えば、その中には絶対に下手なヤツや間違えているヤツがいるわけじゃないですか。それも含めて雰囲気が出るものなので、歌を録る時にラフな感じは意識しましたね。

ミツ:僕は技術的なことよりも精神的に気持ちよく歌いたかったので、あんまり細かいことを考えずに歌おうと心がけましたね。「結局、良いものができるんだろうな」と楽観的に考えながらやったというか。

●深刻に考え過ぎないというか。

ミツ:世の中が深刻でつまらないから。僕らはもっと楽しいことをやっているわけだから…という考えはありますね。

●本人たちはラフに歌っているつもりでも、他の人が真似できない感じになっていると思います。

エンドウ.:僕らはノリでスパッとやっているだけなんですけどね。でもそれって要するにその人やそのバンドのキャラクターのみでやったということなので、他の人が真似するとなると難しんだろうなって。

●それが自分たちにしか出せないオリジナリティということですよね。

エンドウ.:そういうことは作品を作る度に思いますね。僕らには僕らのスタイルしかできないし、何をやってもそれが僕らのスタイルになる。だからこそ「適当なノリでいっちゃおうぜ」っていう気持ちが、やればやるほど磨き上がっていくんですよね。

●今作の楽曲もバラエティはあるんだけれど、どれを聴いてもGEEKS以外の何者でもない。

ミツ:それが理想だし、逆に言えば、「何をやってもGEEKSになっちゃう」ということなんですけどね(笑)。

エンドウ.:ようやくそういう感じになってきました。活動を続けている内に、僕らとしても自信を持ってそう思えるようになりましたね。自分らでも「GEEKSっぽいな」と思うし、「これが僕らのスタイルなんだな」っていうものが無意識にできているんだと思います。アンプのセッティングからドラムの叩き方まで全部がGEEKSになっているので、もうGEEKS以外できないだろうなって(笑)。

Interview:IMAI

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