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GOOD4NOTHING

イケてるヤツらの魂に共鳴する最高のパンクロックアルバム

大阪・堺が世界に誇る、イケてるヤツらによるイケてるヤツらのためのパンクロックバンド・GOOD4NOTHING。現体制になって3年となる彼らが、前作となるアルバム『BACK 4 GOOD』から約2年、ショートチューンアルバム『It’s shoooort time!!』とベストアルバム『GREATEST HITS!?』、シングル『RIGHT NOW』のリリースを経て過去最高傑作を生み出した。世界に誇る唯一無二のメロディ、タフな現場を重ねて作り上げた強固なグルーヴ、そして自然に滲み出るクレイジーなマインド。人生の酸いも甘いもすべて飲み込んで鳴らされる男前なパンクロックは、全てのイケてるヤツらの魂に共鳴する。今月号では、そんな彼らの中で最もイケてる2人、U-tanとTANNYに訊いた。

 

GOOD4NOTHING U-tan & TANNY INTERVIEW #1
「みんなめっちゃ本気でアレンジするじゃないですか。ウオー! って。
でもみんな本気でかき混ぜすぎて、本来あった形が溶けてなくなったんです」

●最近はショートチューンアルバム(アルバム『It’s shoooort time!!』2011年7月)やベスト盤&シングル(ベストアルバム『GREATEST HITS!?』/シングル『RIGHT NOW』2012年1月)の取材をさせていただいていますのでしょっちゅう会っている感じがしていたんですけど、オリジナルアルバムは結構久々なんですね。

U-tan:そうですね。アルバム『BACK 4 GOOD』から約2年ぶりという。

●シングル『RIGHT NOW』を1月に出して中国のツアーがあり、韓国でもライブして、日本に帰ってきてから5〜6月にワンマンツアーがありましたね。

2人:うんうん。

●ブログなんかを見ると中国ツアーは結構な過密スケジュールだったようで。

U-tan:わかりやすく言うと、新幹線で15時間移動とかありました。日本で想像してみてください。15時間あったら東京からどこまで行けます?

●うーん、ロシア?

U-tan:1回の移動がそれくらいですからね(笑)。

TANNY:俺ら毎回移動する前に「はい、今日は◯◯時から××時まで電車移動があります。日本で換算すると、仙台〜福岡間になります」「うわー! やったー!」みたいなやり取りをしてました。

●エグいな(笑)。

U-tan:夜の8時50分過ぎくらいにライブハウスに着いて、9時過ぎくらいにはライブやってたこともあります。

TANNY:リハ中にお客さん入っとったしな。

U-tan:あれ何なんやろな。

TANNY:バー営業でもうオープンしてるんちゃう。

●中国ツアーは今回でもう4回目となりますが、楽しかった?

U-tan:楽しかったですね。お客さんも行くたびに増えてるし、毎回こっちに興味がないお客さんを振り返らせるのがやっぱり楽しい。

●なかなか濡れない女を濡れさせるのが楽しいと。

TANNY:うんうん。

U-tan:やっぱり日本だと言葉が通じるじゃないですか。だから英語で歌っているとはいえ、伝えやすいといえば伝えやすいんです。でも中国とかだとそうじゃなくて、身体全体を使ってやらんとあかんところが試されている感じがあって燃えるというか。リハがないこともあるし。「では本番お願いします!」って言われて待っててもSEが鳴らへんから「どうしたんですか?」って訊いたら「あ、30分後にお願いします」みたいな(笑)。こっちは気持ち作ってるのに。

TANNY:毎日そんなことがあったよな。

U-tan:どんなことでもプラス思考で受け取って「これでもやらな真のバンドマンにはなれへん」みたいな。

TANNY:やっぱりね、キレそうになるんですよ。こっちは真剣にモチベーションも上げてるわけですよ。もう導火線に火を点けてるのに、日本ではありえへんような感じがあったりしてキレそうになるんですけど、「いやいやいや。俺は何しに来てんねん? いいライブをやりに来てんねん」と。

U-tan:「いいライブをやるためにここまで何時間かかった?」って自分に言い聞かせて。

●中国人と喧嘩しに来たわけじゃないと。精神修行ですね。

TANNY:今まで中国に4回行ってバンドの精神レベルはだいぶん上がりました。

●さっきU-tanが「なかなか濡れない女を濡れさせるのが楽しい」と言ってましたけど…。

U-tan:僕が言うたんとちゃいますけどね。

●海外でライブをするようになってから、GOOD4NOTHINGのライブが変わったという印象があるんですよね。それは言葉が通じないところで、音とステージングだけで勝負した経験が活きていると思うんですけど、自分たちが変わったという自覚はありますか?

TANNY:そうですね。以前よりも視野は広くなったと思う。前は小さいところにこだわっていたところもあるんじゃないかな。

●そんな感じでシングル『RIGHT NOW』以降も忙しくしていた2012年ですが…今作の曲はいつ作ったんですか? そんな暇あったんですか?

U-tan:でも短期間というわけではなく、今作の曲はアルバム『BACK 4 GOOD』からの2年間で作ったという感じですね。

●あ、そうなんですね。

TANNY:アルバム制作のときって、精神的にマックスにまで集中するんですけど、割と今回はその期間自体が長かったよな。

U-tan:候補曲だけ言うと60曲くらい作ったかな。

TANNY:何をしててもアルバム制作のことが頭にあって。だから寝付きがすごい悪かった。

U-tan:今作を作るとき、みんなでハードルを決めたんですよ。「このハードルを超えない曲は入れんとこう」って。

●そのハードルとは?

U-tan:みんなが「この曲めっちゃイイやん」と思うこと。多数決じゃなくて満場一致じゃないとダメやと。その制作過程でシングル『RIGHT NOW』を作って、次は「じゃあこれを超えていこう」と。

●シングルで更に自らに課すハードルが上がったと。

U-tan:だからボツもめっちゃ多かったし。

TANNY:しかもその制作期間の間にベストアルバム『GREATEST HITS!?』があったでしょ。15年の集大成を出したわけで、その集大成も超えなあかんしシングルも超えなあかんと。

●要するに「過去最高にせなあかん」というプレッシャーが勝手にかかっていたと。

U-tan:いつもはそんなこと考えないんですけど、今回だけはほんまにやらなあかんぞと。

TANNY:「絶対にやったる!」みたいな。

U-tan:ベストってやっぱりバンドが一段落付くイメージありません? だから間髪入れずにシングルを出して、ただの通過点やでっていう感じにしたかったんです。

●それにこのメンバーになって3年くらいですよね。そういう意味でもここがポイントになる。

TANNY:そうなんですよ。SUNEが入っていちばん最初にアルバム『BACK 4 GOOD』を作ったんですけど、やっぱりね、僕の中では何かが足りてない部分があったんです。

●足りてない部分?

TANNY:バンドとして何かが足りてないというか、完成してない感じがあって。もちろん、そのときに自分がやれることは全部やったと思うし、作品としてはめちゃくちゃいいと思ってるんです。でも、なんか今までの…KAWAJIN(前ドラム)がおったときのアルバムの達成感には達していなかったんです。僕の中で。

●そうだったのか。

TANNY:要するに、メンバーチェンジでバンドの演奏力が1回フラットになったわけじゃないですか。「ここでがんばらなあかん!」と気合いはめちゃくちゃ入ってましたけど、発想的な部分とか精神的なところをあまり動かしてなかったんかなと。でも今回はそういう紆余曲折も経て、メンバーが同じ気持ちになってやれたんちゃうかな。

●いい話ですね。「プレッシャーがあった」と言っていましたが、曲作りのモードは今までと違ったんですか?

U-tan:そうですね。まとまらへん曲は全然まとまらへんくて。実際のところ、去年の12月と今年の3月の2回にわけてレコーディングしたんです。12月は7曲録ったんですけど、今度はその7曲を超えることがすごく難しくて。曲はあったんですけど3月までにアレンジがまとまらなかったんですよ。で、「すみません」って言ってスタジオをズラしてもらって。ワンマンツアーが終わってから録ったんです。

●アレンジがまとまらなかったというのは、具体的にはどういうことでしょう?

U-tan:上手く表現できなかったんですよ。僕とかは「全然イケる!」みたいな感じやったんですよ。でも他のメンバーが「ちょっと物足らん気がする」と。「じゃあそこを突き詰めようぜ」みたいな感じで、結局その1曲に1ヶ月半くらいかけたんです。

TANNY:M-1「BROKEN RADIO」なんですけどね。

●あっ、そうだったのか。

TANNY:「BROKEN RADIO」の原曲ができたときに「この曲は絶対にダイアモンドになる!」っていう僕らの中の手応えが満場一致だったんですよ。だからみんなめっちゃ本気でアレンジするじゃないですか。「ウオー!」って。でもみんな本気でかき混ぜすぎて、本来あった形が溶けてなくなったんです。

●ハハハハハ(笑)。アホの集団じゃないか(笑)。

TANNY:そうですよ、ほんまに(笑)。

U-tan:1ヶ月も同じ曲をずーっと煮詰めてたら、最初に「イケる!」と言ってた俺の勢いもだんだんなくなってきて「あれ? やっぱりあかんのかな?」となってきて。「BROKEN RADIO」が進まへんから他の曲も全然進まなくて。だからみんなで「ちょっと待て! ここで1回気持ちリセットしよ!」って。

●その話はちょっと意外です。というのは、「BROKEN RADIO」は一聴したときのインパクトがすごく強いし、絶対にライブ映えするような曲で、練って練って作った感じがしなかった。

TANNY:それは僕らが導き出した正解なんですよ。みんなが気合いを入れて120%を目指してやってたんですけど全然まとまらなくて、「俺ら120%なんてそもそも持ってないんやから100%でやろうぜ」って1回リセットしたんです。ほんまに何も考えずに、ありのままのマインドでやったら「普通にかっこええやん!」って。だから最後は、何かを加えたわけじゃなくて、引いたところでまとまったんです。

U-tan:そこでシングル『RIGHT NOW』を超えた達成感があって勢い付いたから、残りはすんなり進んだかな。

●「BROKEN RADIO」が突破口になったし、キーとなったんですね。今作は全体的なイメージとして、すごくシンプルに聴こえるんです。音楽的な要素が前に出てくるというより、曲に込めた感情や気持ちみたいなものが前に出てくるアルバム。おふざけの曲もないし、エモいですよね。

U-tan:それはショートチューンを作ったことが活きていると思います。“1分の間にこの曲のどこをいちばん聴かせたいのか? 何をいちばん伝えたいのか?”ということを突き詰めた経験があったから、曲作りの優先順位…例えば明るさなのか感情なのか力強さなのか…を4人全員がうっすら同じ形を見れるようになったというか。それが大きいと思います。

●ちなみにこの15曲の作曲者の割合はどうなってるんですか?

TANNY:U-tanが14曲です。MAKKINが1曲で、M-12「Go ahead」。

●え? TANNYは?

TANNY:僕は7曲くらい作ったんですけど全部ボツりました。僕が1曲も選抜されなかったというところで今回のハードルの高さをわかっていただけたら幸いです。

U-tan:サラーッとボツになった曲とかいっぱいありました(笑)。僕はデモをGarageBandで作るんですけど、いい感じに聴けるレベルまで作って持っていくんですよ。それをスタジオや機材車で流すんですけど…誰も何も言わへん。もう2度と再生することはないという。

●ハハハハハ(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

GOOD4NOTHING U-tan & TANNY INTERVIEW #2
「そういう音楽を未だに“メロディええな”と思いながら聴いてますけど、そういう雰囲気が入りつつも“GOOD4NOTHINGっぽいメロディやな”と言われることがすごく嬉しい」

●さっき「今作は全体的に気持ちや感情が伝わってくる度合いが強いと感じた」と言いましたけど、そういう自覚はありますか?

U-tan:どうかな〜? いつもシビアなメロディのマイナーな雰囲気をスパイスとして入れてきたんですけど、その延長かなと思うんですけどね。

●なんか詰め込まれている感情の生々しさを感じたというか。歌詞だけじゃなくてメロディも含めて。それは単に“哀愁感”という言葉では説明しきれないんですけど、なんというか…生きていく上でしんどいこととかいっぱいあるじゃないですか。

2人:はい。

●そういう感情にすごくシンクロするという。人生のエモい感じ。

U-tan:それ、この前NOT REBOUNDの片桐さんにまったく同じこと言われて、すごく嬉しかったんです。やっぱり自分らの中でも、KAWAJINが抜けたりとかして同じメンバーでずっとやっていくことの難しさとかリアルに感じたし、MAKKINも僕も子供ができたりして。

●うんうん。

U-tan:難しさでもありますけど、でもそれを理由に自分のやりたいことを曲げたくないっていう葛藤というか。今34歳なんですけど、いちばんそういうことを考える時期なんかな〜と思って。で、後から自分が書いた歌詞とかを見ると、自分に対して「しゃあないこともあるけど、でも踏ん張れ!」と言ってるような感じもある。

●今回そういう曲多いですよね。

U-tan:同時に、ここからの未来に対して「大丈夫や!」と言ってたり。みんなどんな場面でもそういうことってあるじゃないですか。順風満帆に人生なんて行かへん。

●うん。そんな人生ありえへん。

TANNY:綺麗事だけじゃあやってられへんのです。若くてピチピチしたGOOD4NOTHINGはもういないんです(笑)。

U-tan:それがいい年輪になってるんかな。

TANNY:メンバー間のグルーヴだったりとか。でもそんなこと考えて作ってないんですよ。

U-tan:そう。SUNEが入って「またゼロからやります!」と言って、ほんまにその気持ちでやってきて。SUNEが入ってから今回で2枚目のアルバム…要するに今のGOOD4NOTHINGにとっては2ndアルバムなんですけど、でもちゃんと14年間の歴史というか、今の僕らをちゃんと詰めることができたっていうのが…なんか今そう思いましたね。

TANNY:うん。KAWAJINが居た頃の音源は超えました。

●さっきTANNYが「アルバム『BACK 4 GOOD』のときは何かが足りてない部分があった」と言ってましたが…。

TANNY:12〜3年と同じメンバーでやってきて、いきなり違うメンバーが入ったとき、それまでやれていたことがやれなくなった葛藤があったんです。メンバーチェンジ後の1発目のライブが、すごいメンツが出るイベントやったんですよ。そんな大舞台がSUNEの1発目やったんです。で、主催者の計らいで敢えてマキシマム ザ ホルモンの次の出順に僕らが抜擢されて。でも、悔しくて僕はバックヤードで1人泣いたんです。

●え? 何が悔しかったんですか?

TANNY:要するにチャンスを貰ったのにKAWAJINがいないのが悔しくて。「なんでKAWAJINおらへんねん! お前がおったらホルモンとも対等に闘えたのに!」って。これは誰にも言ってなかったんですけど。

●ああ…。

TANNY:SUNE本人にそんなこと絶対に言えないじゃないですか。誰よりもあいつがいちばんがんばってた時期やったし。だから“バンドマンの先輩である俺がこんなに日和ったこと思ってたらあかんわ”って振り切ったんですけど。

●なるほど。そういうこともあって、「何かが足りてない」に繋がるのか。

TANNY:そうですね。何かはわからへんけど、何かが『BACK 4 GOOD』では足りていなかった。気持ちなのか…。SUNEが入ってから4人のノリをみんなで作り上げていってたんですけど、『BACK 4 GOOD』のときはそのスピードをもっともっと上げていかなあかんという想いが強かったんです。それをこの3年間続けてきて、今作は「悪いことも含めて4人が出すものをごちゃ混ぜにして、ありのままの自分らを出そうや」と思って作ることができた。「こんなことクサくて言われへんわ」と思っていたことも「思ってるんやから言えるよ」と思えるようになったというか。

●そんなこと思ってたんですね。

TANNY:そういう葛藤があったからまた着火できたし、更に“俺ががんばらなあかん”とも思えた。

●TANNY男の子ですね。そういう面は出してなかったもんね。

TANNY:僕はチャラいキャラでいいんですよ(笑)。

●でも、そういう感情は結構どの曲にも出ていますよね。個人的にいちばんグッときたのがM-15「Out of the wall」なんです。

U-tan:これは自分に言うてますね。「音楽やっててええんやぞ」って。

●この曲はGOOD4NOTHINGのことを歌っているけど、でも最後に“It's your song”というフレーズがあって。だから聴いていると自分の歌になる感覚があるんです。それがもう、グッとくる。

TANNY:そうなんですよね。聴いてたら自分の歌になるんですよね。

●U-tanは、歌詞はどうやって乗せてるんですか?

U-tan:メロディができてからですね。曲とは別に、僕は日頃歌いたいテーマみたいなものをメモってるんですけど、それを見ながらメロディを聴いてると、言葉とメロディの世界観がビシッとくる瞬間があるんですよ。そしたらそのテーマで歌詞を書いていくんです。

●ということは、メロディを作るときは気持ちとか感情とか関係なし?

U-tan:最初に鼻歌と口笛でメロディを作るときはあまり関係ないですね。その後、やっぱり自分が好きなメロディの抑揚とか泣きにいく部分とかを付けていって、そのときに感情のイメージができるというか。

●その「メロディの抑揚と泣きにいく部分」ということについては、M-8「Moving Forward」が顕著だと思うんですよ。このメロディの流し方とかはすごくGOOD4NOTHINGっぽいというか。こういうのは他にはないと思うんです。

U-tan:ああ〜、確かにないっすよね。

●メロディの持っていき方がすごく個性的だと思います。2回目のサビのメロディをちょっと裏返すところとかのメロディアレンジも含めて。

U-tan:ああ〜。

●メロディは鼻歌と口笛から作るということですが、GOOD4NOTHINGのメロディは以前からすごく個性的だと思っていて。俗に言うメロディックパンクのメロディはルーツが見える場合が多い気がするんですけど、GOOD4NOTHINGは記憶や感情、雰囲気や匂いみたいなものを感じるというか。

U-tan:そうかもしれないですね。そう言われて思ったんですけど、僕ね、小6くらいのときからB’zがめちゃくちゃ好きなんですよ。

●嘘?

U-tan:ほんまに。B'zのメロディがめっちゃ好きなんです。しかも、ちょっと暗めの曲とかのメロディが好きで。「ALONE」とか「もう一度キスしたかった」とか。

●そういうところが出ているかもしれないと?

U-tan:かもしれないですね。特にちょっとエモい曲とかやったら。

●ああ〜、ちょっとわかった気がする。なるほどね。メロディをちょっと裏返すところとかB'zっぽい感じが出ているかも。

TANNY:U-tanのメロディはめっちゃB'zからの影響を受けてますよ。あとはBOØWYとかも。だってBOØWYとか楽曲は洋楽っぽいけどメロディは日本っぽいやん。

U-tan:そうやな。

●日本人のツボをくすぐる感じがある。

U-tan:あとはSPREADですね。未だに新譜が出るたびにドッキドキする。

●そういうのが自分たちの音楽に無意識的に出ているっておもしろいですね。

U-tan:そうですね。そういう音楽を未だに“メロディええな”と思いながら聴いてますけど、そういう雰囲気が入りつつも「GOOD4NOTHINGっぽいメロディやな」と言われることがすごく嬉しい。

TANNY:関西人特有なのかもしれないですけど、誰かと同じことはやりたくないんですよね。18〜9歳のバンドをやり始めたころから「俺らにしかできひんことをやるぞ」と言ってたんですよ。

●初期の頃のインタビューでもよく言ってましたね。それを探しすぎて煮詰まったこともあったけど(笑)。

TANNY:そうそう、そのせいで紆余曲折もありましたけど(笑)、昔から血気盛んに言うてたじゃないですか。だからそういう想いがもう血の中に入ってて、自ずとその流れで今もやってる。もちろんルーツは取り込んでいるんでしょうけど、年々GOOD4NOTHINGのフィルターが分厚くなっているというか。

●うんうん。

TANNY:そういうことを自分らで言い続けてきたことも大きいと思うんです。結局、音楽なんて誰かのコピーからのスタートじゃないですか。でも1年経ち2年経ち、5年経って10年経ったらそれが徐々に本物になっていくと思うんです。矢沢永吉さんとまったく同じ格好をしていても、続けることによってそれが自分というか本物になっていくと思うんです。

●はい。

TANNY:で、僕が10年を経たときに“俺はほんまもんになれてるのか?”自問したら自信を持って“なれてる”と思えなかったんですよ。10年やった自信はあったけど、アーティストとして本物になれているという自信はなくて。“これじゃあいかん”と思って、そこでもう1回イチから練習したんです。それまで持っていたハッタリとか全部捨てて、もう1回基本から。

●そうだったんですね。

TANNY:関西人特有の“誰かと同じことはやりたくない”という気持ちかもしれないけど、それって向上心だと思うんですよ。それが今の僕らを作ってるんじゃないかなと思います。

●さっきも言いましたけど、今作は音楽が前に出てくるというより、曲に込めた感情や気持ちみたいなものが前に出てくる作品だと思うんです。だから音楽がどうという以前に、“GOOD4NOTHING”というバンドというかキャラクターというか人間性が見える。例えばM-13「MAKE IT CRAZY」という曲がありますけど、この曲はいうバンドの核となるマインドを歌ってますよね。そもそも“Make it crazy”というフレーズはGOOD4NOTHINGのキャッチコピーみたいな言葉だし。

U-tan:そうですね(笑)。

●“Make it crazy”は言い得て妙だと思う。

TANNY:僕らは昔からそんな感じやったんですよ。僕とU-tanは9歳から一緒なんですけど、ノリが9歳のままなんです。

●バンドを始めた18歳とかじゃなくて?

TANNY:9歳ですね。さっきも道を歩いてて、U-tanと2人で蝉を見つけてワイワイやってて。

●ハハハハ(笑)。

U-tan:大阪って「ミーンミンミンミンミーン」と鳴く蝉はいないんですよ。それを東京でさっき見つけたから珍しくて。

●え? 大阪ってミンミンゼミいないんでしたっけ?

U-tan:いないです。アブラゼミとニイニイゼミとクマゼミしかいない。

●えっ? ヒグラシは?

U-tan:ヒグラシはもうちょっと田舎に行かないといないです。
(※しばらく蝉の話で盛り上がる)

●そういう子供の頃のノリを今でも持っているのは何故なんでしょうね?

TANNY:答えは簡単やと思うんですけど、大人になって知り合っているのと子供の頃からの知り合いの違いだと思うんです。

●そうか。だからGOOD4NOTHINGの音楽やマインドは、その関係性も含めてのものだという。

U-tan:あ〜、そうですね。それはあるかもな。

●そう考えるとなんか納得できますね。ところでMAKKINが作ったM-12「Go ahead」ですが…この曲はちょっと暗いですよね(笑)。

2人:ハハハハ(笑)。

TANNY:MAKKINの歌詞はいつも迷ってるんですよ。

●いきなり“Nobody knows how I believe”(誰も俺の気持ちはわからない)から始まりますもんね。

U-tan:これは僕の見解なんですけど…MAKKINは今までさんざん打ち上げでパンツを脱いできて、そんな俺の気持ちは誰もわかってくれへんと。

●ハハハハ(笑)。

U-tan:昔はみんな「キャー!」とか言ったりチン毛に火を点けたりしておもしろがってたけど、最近は脱いでも周りは全然騒がへんから、そのまま正座して真剣な話とかしたりして。MAKKINはそこで色々と迷ったんでしょうね。でも自分らしくしていればいいと思って、歌詞の最後では“What I have decided/I won't let it go/Just let me”(自分が決めたことだから/諦めたりしない/そうさせてくれ)と宣言している…そういう歌だと思います。

TANNY:MAKKINも辛かったんやな。

●アハハハハハハハ(笑)。めっちゃエモい曲だ(笑)。

U-tan:僕は歌詞のことをMAKKINから聞いてないですけど、いちリスナーとして解釈するとそういうことじゃないかと思います(笑)。

●でも真面目な話、気持ちや表情が音楽から見えやすくなったイメージはあります。歌い方もそうで、上手く歌うことを考えてないというか、自己表現している感じがする。

TANNY:ああ〜、うんうん。

U-tan:それも曲ごとに“何を伝えたいか”というところが明確になったからだと思うんです。今作はハードルが高かったと言いましたけど、その“何を伝えたいか”を4人がちゃんと見えないとクリアできないハードルだったのかもしれないです。

TANNY:4人それぞれの個性とマインドがあるじゃないですか。それを1つの器に盛ることなんてたぶん無理なんですよ。でもそれを1回みんなでごちゃ混ぜにして再構築したから、自ずと曲ができていたという感じ。それは今までの苦労や経験が勝手にそうさせてる気がします。

●なるほど。

TANNY:だから今まで以上にハードルは高かったんですけど、“でもこの4人やったら絶対にクリアできる”と全員が思っていたからできたアルバムやと思います。お先真っ暗な時間はいっぱいありましたけどね(笑)。

interview:Takeshi.Yamanaka
Live Photo:H.and.A

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