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Half-Life

再びここから駆け上がっていく3人の新たな始まりの序曲

 歌い手の体温まで伝わってくるような生々しい言葉と音に満ちていた1stミニアルバム『drama』を、Half-Lifeが発表したのは昨年9月のことだ。

そこからわずか半年というスパンで、3rdフルアルバム『replay』が2/8にリリースされる。前作で初めてプロデューサーに久保田光太郎氏を迎えたことで、彼らは新たな視点と方向性を手に入れた。

シンプルでありながらもダイナミックさを兼ね備えたサウンドと、生々しくも根底に明確なポジティブさを持った言葉。前作同様の熱量を放ちつつも、ポップ感すら漂わせる耳触りの良さが今作から感じられるのはその両者を彼らが獲得したからだろう。初めてのアルバムを作った時のような気持ちで、“今”のHalf-Lifeが創り上げた音楽。

今作は3人が今やれることを全て出し切った総決算的な1枚であると同時に、新たな旅路へ向けてスタートを切る第一歩でもあるのだ。3/10には初の渋谷CLUB QUATTROワンマンも控え、ここから彼らはまた1つ上の高みへと駆け上がっていく。

Interview

●昨年9月に発売した1stミニアルバム『drama』から約半年でのリリースになりますが、前作制作時にはもう既に今作『replay』のイメージも見えていたんでしょうか?

健人:『drama』ではあえて抑えていた演奏面の勢いを出して、アグレッシブな作品にしようと思っていました。前作リリース後に色んな人の意見を聴いて、"Half-Lifeに求められているものは何なのか?"っていうことを考えたんですよ。そこで自問自答した結果を踏まえて作ったのが今回の『replay』なので、原点回帰したような部分もありますね。

●曲作りのペースも速かったんですか?

健人:今回から曲の作り方が変わったんですよ。今までは洋志が作ってきたネタを元に、3人一緒にスタジオで作っていく形だったんです。でもそういう方法だと3人それぞれに違う意見になった時は、なかなか前に進まなくて。今回は〆切も決まっていたのでまずは曲を量産しようということになって、俺がそこに参加しなくなったんです。

●洋志くんと有くんの2人だけでまず作っていった。

健人:有くんは元の曲を聴いただけで、アレンジがすぐ頭に浮かんでくるんです。だからまずギターとドラムだけで骨組みを録ってしまって、その上に俺がベースを乗せるという形で進めていきました。ベースを乗せる時点で初めて自分もアイデアを出すので、そこで少し変わったりもして。今回はその方法で作っていたので、前半は特にハイペースで進んでいたんですよ。

●制作に入ったのは、いつ頃から?

有:『drama』をリリースした直後からですね。

洋志:ツアー中に曲を作っていった感じです。M-4「どーやって」やM-9「ロックチューン」に関しては、曲の根っこになる部分が前作を作っている頃からあったりしましたね。

健人:その時点で次は2月にフルアルバムを出すっていうことが決まっていたから、作り始めてはいたんです。

●「どーやって」の歌詞には、前作のインタビューで洋志くんが話していた当時の苦悩が出ているのかなと。

洋志:同じ時期に作っていたものなので、その時の自分が出ていると思います。そこから3人で話し合って今の形になっているんですけど、基本的にはあの頃の鬱憤が溜まっている感じが出ていると思いますね。

●ささくれだっているような生々しい質感が印象的だった『drama』に比べて、今作は耳触りが良い気がします。

洋志:ポップですよね。"Half-Lifeに求められているもの"を自問自答した結果、今回は今の自分たちの力で再び1stアルバム『second narrow』みたいなものを作りたいなと思っていたんですよ。だからジャケットのイメージも『second narrow』に近いし、『replay』というタイトルも"今のHalf-Lifeでもう1回再生する"っていう意味を込めていて。その当時と比べても単純に大人になったからというのは、音の印象にも影響しているんじゃないかな。

●前作の「アオイ」で初めて、久保田光太郎さんをプロデューサーに迎えて作業したことも関係しているのでは?

洋志:それはメチャクチャありますね。「アオイ」を光太郎さんと一緒に作ったことも影響して、基本的に『drama』を作っている時よりも自分の性格が明るくなったんですよ。あの当時は健人にぶん殴られるくらいダメダメだったのが、今回はそこまで落ち込むこともなくて。前向きで気持ちが明るかったから、曲にもポップ感が出ているんじゃないかな。

●メンバーから見ても、洋志くんは変わった?

健人:変わらないとおかしいくらいのことが『drama』の制作時にはあったので、"これで変わってもらわないと困るな"っていう感じでした(笑)。歌詞は毎回メンバー内でもモメるんですけど、前作で階段を1段登ったことで洋志は俺らの意見も噛み砕いて考えられるようになったと思います。

●歌い方も前とは少し変わった気がします。

健人:歌入れに関しても、前作で光太郎さんと一緒にやったことが大きくて。別に上手く歌わなくてもいいんですよね。でも気持ちをちゃんと込めて歌わないと、聴く人には届かない。カッコ付けて歌っていたら本来は届くはずのものも届かないし、そういうところも洋志はちゃんと噛み砕けるようになったんじゃないかな。

洋志:3人で悩みに悩んで作った歌詞だからちゃんと届けたいし、そのための歌い方をしたんです。歌い方が変わったように聞こえる理由は、そういう部分かもしれないですね。

●今作でもM-10「プロローグ」は、光太郎さんのプロデュースなわけですが。

洋志:また一緒にやってみたいという気持ちがあったんです。最初に5曲くらい候補を持っていったんですけど、「おまえから聴きたいのはこんな曲じゃない」と言われて全部ボツにされて(笑)。その時に光太郎さんから「2月にリリースするんだから、2月に生活している人たちに聴かせることを想像して作るんだ」ということを言われたんですよ。

●2月のイメージに合う曲を作っていった?

洋志:寒い月だし、春に新生活を迎える少し手前で進路が決まらず不安になっている人もいる時期なんですよね。「もし自分がそういう立場の人間だったら、どんな曲を歌ってもらいたいのか?」っていうことを光太郎さんに問われて。でも答えは教えてくれないので、後は自分で考えていったんです。そこから休みの日にしょっちゅう光太郎さんの家に行って、地下のスタジオにこもって曲を作っては聴いてもらうという過程の中でできたのが「プロローグ」でした。

●自分なりの答えが、この曲に表れている。

洋志:2月は寒いから、僕なら温かい歌が欲しいなと思ったんですよ。新生活に向けて、ちょっと背中を後押ししてくれるような曲になればいいなっていう気持ちを素直に書いて。光太郎さんに聴いてもらったらOKが出たので、これが自分なりの答えだったんだなと思います。

有:この曲に関しては、俺も健人もあまり手を加えていなくて。歌詞を読んで"洋志はこういうふうにやりたいのかな"っていう流れに沿って、各自のパートを重ねただけなんです。

●歌詞のイメージから自然に浮かぶものを形にした。

洋志:複雑なことはあえて何もしない、っていうのがこの曲のテーマでもあったんですよね。バンドを始めたばかりの高校生でもコピーできるような曲にしたいなと思っていて。だからコードも2つくらいしか使っていないし、リズム隊も淡々とした感じなんだけど、その上でHalf-Lifeらしいものにするというか。今までにないやり方だったので難しかったんですけど、今回はこうしたかったんです。

●あえて難しいことにチャレンジしたわけですね。

洋志:淡々とした演奏に聴き応えを出せるとしたら、それは自分たちのオリジナリティしかないんです。今までなら曲にダイナミックさを出すために、あからさまにダイナミックなプレイやアレンジをしていた。でもシンプルなことをやりながら、ダイナミックさを出すのは本当に難しくて。それをやれたのが、この「プロローグ」なのかなと。

●曲調で言うと、健人くん作詞のM-7「How long」のエモっぽい感じが今作中でも異色な気がします。

健人:この曲はエモいですね(笑)。

洋志:JIMMY EAT WORLDみたいな曲が作りたかったんです(笑)。元々好きだったし、リフでザクザク刻む感じの曲をやってみたかったので作ったんです。有くんに聴かせたら気に入ってくれたので、曲自体はすぐにできましたね。

有:でも洋志が歌詞を全く書けなくて結局、健人が1日で書くことになったんです(笑)。

●そんなギリギリの状況だったんだ(笑)。

健人:時間がない中で書いていても、気持ちはちゃんと言葉に乗っていますけどね。

有:それはできあがった曲を聴いてもらえば伝わると思います。

洋志:M-11「エクストラ」は自分の中ですごく大事な曲なんですけど、この曲も歌詞を読んでもらえば他にもう何も言うことはない感じというか。

●これをラストに持ってきたのは、そういう想いの強さがあったから?

健人:俺は歌詞の内容に沿って曲を並べるわけではないので、曲調で決めた感じですね。今回の曲順を決める時に俺と有くんは今の並びで一致していたんですけど、洋志の考えがちょっと違ったので難航して。

洋志:逆に僕は歌詞に沿って並べたりもするので、曲順はいつもモメますね。今回は2人が一致していたことも大きくて、そっちに決まりました。でも「エクストラ」だけは、3人ともラストだと考えていたんですよ。

●そこは3人の想いが一致していたんでしょうね。今作を作り終えてみて、どんな作品になったと思いますか?

有:今回のアルバムで俺は全てやりきった感覚があるので、言葉で語るべきことはほとんどないんです。これを作ったことでもう"いつ死んでもいい"と思えているくらいの作品になりましたね。売れても売れなくても"これで辞めてもいいや"と思えるくらいの出来なので、ぜひ聴いて欲しいです!

洋志:結果が大事なんだということもこの2年間で痛感したけど、今回のアルバムでは僕も自分がやれることは全てやれたと思っていて。でも今は作り終えてから少し時間も経って気持ちも落ち着いてきたので、また何か新しい曲を書こうっていう気持ちになれているんです。今作を踏まえた上で、次の曲を作ろうかなと思います。

●リリース後の3/10には、初の渋谷CLUB QUATTROワンマンも控えています。

健人:2年前に同じ場所で自主イベントをした時と、日程も同じなんですよ。この2年間でやってきたことが全て出るようなライブでもあるし、これから自分たちが進んでいくべき道をこの日からスタートしなければいけないんです。本当に色んな想いが詰まっていますね。当日来た人だけに未発表音源も無料配布するので、絶対に絶対に来て下さい!

Interview:IMAI