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Hello Sleepwalkers

メンバーの個性が有機的に反応したシングル完成

昨年10月にタワーレコード限定シングル『センチメンタル症候群』をリリースし、今年1月にアルバム『マジルヨル:ネムラナイワクセイ』で鮮烈に全国デビューを果たしたHello Sleepwalkers。

革命的かつ普遍的な輝きを放つ楽曲を作り出した彼らが踏み出す次の一歩は、メンバー5人の個性を有機的に反応させたシングル曲「円盤飛来」。

既存の枠組みに当てはまらない価値観を持つソリッドなロックサウンドに、シュンタロウとナルミの対照的なヴォーカルが絡む同曲は、メンバーの個性が有機的に反応した新たな側面。

目覚しい進化を遂げるニューカマーの現在を訊いた。

#Interview

「ドラムとギターという2つだけの音でエネルギーが生まれたというか。
それはモチベーションでもあるんですけど、奮い立たされた」

●昨年10月にタワーレコード限定シングル『センチメンタル症候群』をリリースし、今年1月にアルバム『マジルヨル:ネムラナイワクセイ』で全国デビューされたわけですが、最近はライブの機会も増えてきましたよね。アルバムリリースから半年くらい経ち、実感や感触みたいなものは感じますか?

シュンタロウ:そうですね。地方とかにライブに行かせてもらったときとか…まあ"地方"と言ってもまだ大阪、名古屋、東京、松山くらいなんですけど…僕らはずっと沖縄でやってきて、沖縄で作った音楽を別の土地の人が歌ってくれたり認識してもらったりしているということを目の当たりにして。すごく感動しました。

タソコ:"知ってもらっている"っていうのは実感するよね。

●そういう状況をCDデビュー前は想像していたんですか?

ナルミ:いや、まったく。"どうなるんだろう?"くらいにしか思ってなくて。デビュー前は沖縄の人たちにしか知ってもらっていない状況だったから、色んな反響があることが単純に"すごいな"と思います。

●アルバムリリースから半年くらい経ちますが、この半年間はどういう感じだったんですか?

シュンタロウ:ちょこちょこライブもやりつつ、ひたすら曲を作っていました。今回のシングル曲「円盤飛来」はアルバムを録り終えるころにはほぼ形になっていたんです。だからこの先に向けての曲作りをしていた感じですね。それは今現在もそうなんですけど。

●「円盤飛来」はどういう経緯でできた曲なんですか?

シュンタロウ:作り方としてはいつもと一緒でした。僕が1人でAメロを作り、次にBメロを作るっていう感じで、部分部分で順番に作っていくという。でも今回は、曲の印象がついたきっかけがあったんですよ。

●というと?

シュンタロウ:スタジオで僕が適当にイントロのフレーズを弾いてたんです。"曲を作ろう"とか"これを採用しよう"みたいなことは何も考えずに、本当に適当にフレーズを弾いて。そしたらそこにユウキが四つ打ちで乗っかってきて「円盤飛来」のイントロができたんです。それを僕が持ち帰って、各パートを考えて曲の形に仕上げたんです。

●あのイントロは偶然の産物だったと。

シュンタロウ:そうですね。そういった作り方が今までになかったパンチ感というか、インパクトに繋がったのかなと思います。

●確かにこの曲はパンチがありますよね。

シュンタロウ:だからまだ音源として世の中に出ていないですど、ライブの1曲目にやったりしているんです。

●スタジオにはメンバー全員いたんですか?

シュンタロウ:いました。でもメンバーはそのときのことを覚えてないと思いますけど。

ナルミ:うーん、ぼんやりとしか覚えてないです(笑)。
タソコ&
マコト:うん。

●でもユウキさんはそこに何かを感じて四つ打ちのリズムで乗っかったんですよね?

ユウキ:僕もあまり覚えてないです。

●当事者すら覚えてないんかい(笑)。

シュンタロウ:でもそこで僕は"これで曲が書けるぞ"と思ったんですよね。ドラムとギターという2つだけの音でエネルギーが生まれたというか。それはモチベーションでもあるんですけど、そういう感触がありました。奮い立たされたというか。

●今まではシュンタロウさん1人で全パート最初から最後まで作っていたわけですよね。ということは、「円盤飛来」はかなり珍しいケース?

シュンタロウ:珍しいですね。こういうきっかけで作ったのは初めてです。コードから作るときもあれば、ドラム始まりのときもあるし、歌から曲を作ることもあるんですけど。

●以前から感じていたことなんですけど、Hello Sleepwalkersのメロディやアレンジ、歌詞はエッヂィなものが多いと思うんです。

シュンタロウ:はい。

●更にシュンタロウさんのヴォーカルにはどこか平熱感があって。"激しいサウンド+平熱感のある歌"というバランスから、全体的に無機質というかちょっと冷ややかな印象を受けていて。でも今作「円盤飛来」はシュンタロウさんのヴォーカルも含めて、熱が今までより高いと感じたんですよね。感情的というか、体温を感じる楽曲で。

シュンタロウ:"平熱感"というのは本当によく言われるんですけど…僕的には別に冷めているわけではなくて、むしろ本気で歌っているんです。でも録って聴いてみたら"あれ? こんなものなのか?"と。声質の問題だと思うんですけど。

●うんうん。

シュンタロウ:できるものならもっと熱のある歌い方をしたかったんですけど…無理ですね(笑)。

一同:ハハハハハ(笑)。

●自分の個性を知ったというか。

シュンタロウ:自分にはこういう表現しかできないのかなって。

●でも「円盤飛来」は、もう1人のヴォーカルであるナルミさんとの歌い分けという部分で、楽曲全体としての感情を表現していますよね。

ナルミ:ああ~。

●ナルミさんはシュンタロウさんとは対照的な歌い方で、熱量が高いし感情の湿度も高いじゃないですか。コブシが効いているというか。その対比がおもしろいなと。

シュンタロウ:曲を作るとき、"どこにナルミのパートを入れたらおもしろいかな?"という発想で歌い分けを考えるんですけど、場合によっては入らないこともあるんです。

●緻密に考えてそうするわけではなく、曲が呼ぶという。

シュンタロウ:そうですね。だから「円盤飛来」はたまたまこういう歌い分けになったという感じです。

ナルミ:最初に「円盤飛来」を聴いたとき、"たぶんちょっとエグいくらいに歌ったほうが曲としておもしろくなるんだろうな"と思って、デモの段階から感情を込めて歌ってみたんです。そしたらそれが採用された。

●その時点でヴォーカルの対比が出来上がるんですね。

ナルミ:私とシュンタロウって声が全然違うじゃないですか。私は女なのに少年っぽい声をしてるし、シュンタロウは平熱だし(笑)。だから私は高熱な感じで歌った方がいいのかなって。

●うんうん。

ナルミ:たまに「え? ヴォーカル2人いるの?」と言われたりもすることもあるんですけど、私の理想としては、ヴォーカルが1人だと思う人もいれば、2人だとわかってくれる人もいる、みたいな感じで歌いたいなと思ってるんです。

●そういうことを意識して、ちょっとキレ気味で歌ったと(笑)。

ナルミ:そうですね。半ギレで、顔もエグい感じで(笑)。

●「円盤飛来」について、他のメンバーは最初どういう印象を受けたんですか?

マコト:ベースについては、この曲は何も考えずにやればいいなと思っていました。逆に、カップリングのM-2「21」みたいなシンプルな曲だといろいろと考えなきゃいけないんですよ。でも「円盤飛来」は出しっぱなしでいいなと。デモを作る段階でシュンタロウの家に行って、いちばん最後にベースを付けたんですけど。

●ん? いちばん最後にベース?

シュンタロウ:いつもそうなんですけど、全パート出来上がってからベースアレンジをマコトが考えるんです。

●メロディと歌詞も付けた後にですか?

シュンタロウ:そうですね。完全に歌を付けた後、いちばん最後にベースを入れるんです。

●ということは、Hello Sleepwalkersのベースは超上モノということ?

シュンタロウ:そうですね(笑)。最初の頃は僕がベースフレーズも考えていたんですけど、自分が持っていないものを楽曲に入れたいと思うようになって、それからはずっとそういうやり方ですね。だからベースは超上モノです。

●それはすごいな。

マコト:考えてみたらおかしいのかな?

●おかしくはないと思いますけど、普通ではないですよね(笑)。

タソコ:最初にこの曲を聴いた段階で"おもしろい曲だな"と思ったんですけど、ライブでやるようになってお客さんと曲を共有できている感覚になったときに完成した感じがありました。

●ユウキさんのドラムがきっかけになってこの曲ができたわけですが、ユウキさんはどういう感じでドラムを考えたんでしょうか?

ユウキ:ドラムについては、僕はいつもそうなんですけど、最初のデモよりも難しくしてやろうと思うんです。難しいというか、自分なりのものを。

●自分の個性を入れるということ?

ユウキ:そうですね。基本的にドラマーじゃない人が作ってくるリズムアレンジなので難しいんですけど、更にそこを超えたものを出したい。そしたらオリジナリティが出てくるような気がするんです。そんな感じでドラムアレンジを考えました。

●最初の頃はシュンタロウさんがほぼ全パート1人で作っていたけど、今後は5人それぞれの個性を持ち合わせて楽曲を作っていく、という方向になるんでしょうか?

シュンタロウ:完全にそうですね。この前のスタジオでみんなに同じことを言いました。「自分らしさって何だろう?」って。

●ワンマンバンドにはしたくないと。

シュンタロウ:ワンマンバンドだともったいない個性を各メンバーが持ってますからね。

●それに各メンバーの発言から察するに、シュンタロウさんが持ってきたもの以上のものを出したいという意識が強い気がする。

ナルミ:そうですね。私は常にそういう意識があります。

マコト:さっき言ってましたけど、このバンドを始めた当初はシュンタロウがベースを作ってたんですよ。それに僕はムカついていたんです。

一同:アハハハ(笑)。

●ムカついてたのか(笑)。

マコト:その嫉妬心から、曲が全部できたあとに僕がベースを作る、というおかしなスタイルになったんでしょうね(笑)。

●歪な作曲スタイルは嫉妬心の現れだと(笑)。

マコト:いちおうデモにもベースは入ってるんですよ。ルート弾きとかで。でもそれは一切聴かずにベースを考えますからね。

●今現在もめっちゃ嫉妬してるじゃないか(笑)。

ユウキ:確かにムカつきますよね。ヴォーカルがなんでドラムも考えてくるんだろう? って(笑)。

●でもいいですね。メンバー同士が闘ってる感じがバンドならではというか(笑)。今後Hello Sleepwalkersはどんどんおもしろくなると思う。

シュンタロウ:みんなが持っているものを持ち寄りたいんですよね。理想はスタジオでセッション的に作るしかないのかなと思ってるんですけど、現段階ではいきなりそれは無理かな。

●まとまらないんですか?

シュンタロウ:1日12時間くらいスタジオに入らないと無理でしょうね(笑)。たまにセッションっぽくやるんですよ。そこでなんとなくいい雰囲気になることがあって、そこをもうちょっと突き詰めれば曲になりそうな感じがあるんですけど。スタジオでノリノリに作ったものは、ライブハウスでもお客さんをノリノリにさせることができると思うんです。部屋で1人で作ってるときも、ノレる曲を作るときは立ち上がって暴れながら作ったりするんです。そういうのって大事ですよね。

●各メンバーの台頭を楽しみにしています。

Interview:Takeshi.Yamanaka