全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

KIFUDOH

潔き武士道精神と止まることなき音楽的革新の超絶融合

ウッドベースを取り入れた独自のファスト/ハードコア・サウンドで、東京の地下シーンで異彩を放ってきたKIFUDOH。

遂に発表される1stアルバムは、新ボーカルで録り直した既発音源も含めて全20曲。痛快ですらある奇想天外なアレンジセンスは、豊穣なルーツを持つ彼らの貪欲な音楽的挑戦の賜物だ。

楽曲もバンドの行く先も含め、次はどうなるか全く予測不能。
音楽だけでなく芸術を愛する全ての人に、今作に触れてみて欲しい。

Interview

●バンド名のKIFUDOHとは、"黄不動"のこと?

Waccho:浅田次郎の小説で『天切り松 闇がたり』という義賊の話があって、背中に黄色い不動明王を彫った"黄不動の栄治"っていう人が出てくるんですよ。その人がすごくカッコ良くて…、とにかく潔すぎるんです。バンド名を考えていた時にその話をドラマ化したDVDをメンバーと見ていて、「これしかない!」と。

●Wacchoさんは時代小説が好きなんですよね。

Waccho:そうですね。俺を支えているのは武士道しかないので!

●すごい名言が出ましたが…(笑)。

Waccho:「武士に二言はない」と言いたいがために、「え、本当に大丈夫?」って念を押されそうなことを自分から言います。…ちょっとバカなんですけど(笑)。

一同:(笑)。

Waccho:でも俺は、日本が海外に誇れるものって武士道しかないと思っていて。潔さとか、すごくカッコ良いと思うんですよ。

Takeru:俺がWacchoさんと一緒にバンドをやりたいと思ったのも、そこですからね。 "本当に二言はないんだ…この人、何かカッコ良い"って。

●Wacchoさんの潔い生き様に惹かれたと。

Waccho:筋を通すことにも、うるさいかもしれない。自分のバンドメンバーやレーベルメイトにいつも言うんですけど、「もしお前らのCDを買った中学生が高校も行かずに上京してバンドを始めたら、お前らの責任だ」と。だから「責任を取れるようなバンドの活動と気持ちを持って、ステージに上がれ」と言っていて。人生を変えてしまうくらいの音楽を作っていると俺は思っているので、「常に意識は高く持て」と言いたいんですよね。Takeruもそれくらいの気持ちはあるでしょ?

Takeru:俺はもう…歴史を変えたいですね。本当にそれくらいの気持ちで音楽をやっています。

●Takeruくんは今作から加入したわけですが。

Takeru:俺は普通にKIFUDOHのファンで、よくライブも観に行っていたんです。自分が本当に大好きなバンドから誘われたので、最初はすごくビックリしましたね。

Waccho:ボーカルって、基本的に立っているだけでカッコ良くないとダメだと俺は思っていて。Takeruはステージに立った時の迫力やオーラというか、…変なものは持っていましたね(笑)。今までのKIFUDOHの延長線上で考えたら、ナシだったと思うんですよ。でも入れてみると、何か変わりそうだなという予感があったんです。

●Takeruくんは、別でメタルコアバンドのNoLAもやっているんですよね。

Takeru:NoLAのライブで出している声とは全然違うから、俺は自分の声がKIFUDOHの音になるのがすごく怖かったんです。でもスタジオで合わせてみたら、ナチュラルに入り込めて。

Waccho:別に意識しなくても、意外と合ったよね。曲は知ってくれていたので、スタジオでもすぐに歌ってもらって。もちろん声やニュアンスは前と違うんですけど、全然アリだなと。

●確かに変化はあったけど、良い方向だった。

Waccho:単純にTakeruが入ってからフットワークが軽くなって、ライブが増えたんですよね。それによって、逆に今のKIFUDOHのイメージのほうが定着してきたんじゃないかな。まだ実際にライブを観た人は少ないだろうけど、インパクトはより強まった気がする。ボーカルが新しくなったことによる勢いもあったので、"ここでアルバムを作るしかない"となりました。

●過去の音源も録り直していますが、Takeruくんは新加入でいきなり20曲もあって大変だったのでは?

Takeru:俺が録り直したかったんです。今までの楽曲をただ俺のものにしたい一心で。俺は前のボーカルさんの歌が大好きだったし、それを自分では絶対に表現できないなと思っていたんです。でも前からKIFUDOHを大好きだった人たちを裏切らないように変えながら、形にしていかなきゃいけなくて…。

Waccho:最初の1〜2ヶ月くらいはそこに囚われていた気がするけど、今はもうないんじゃないの?

Takeru:今はもう吹っ切れていますけど、やっぱりKIFUDOHを自分のものにするには、それくらいの時間が必要でした。

Waccho:ってお前、まだ入って半年だろ! (笑)。でも半年でよく作ったなぁ。本当に吸収力がすごいんですよね。

●レコーディングは相当、厳しかったそうですが…。

Waccho:今までにないくらいの絞りを見せたよね(笑)。

Takeru:かなり絞られました…。でもそれくらいしないと、今までKIFUDOHが創り上げてきたものを俺の中で覆せなかったと思います。ボーカルが変わったことで戸惑う人も多いんでしょうけど、それでもカッコ良いと思わせるようにするにはここまで追い詰められなきゃいけないのかと(笑)。

●(笑)。その分、充実したものが作れた感覚がある?

Waccho:あります。だから本当に、今作は集大成というか。楽曲も含めて、今の新しいKIFUDOHを見せられる作品をコンセプトに作ったところもあって。でも俺らとしては、もう次の構想があるんですよ。新しいところへ行くためにも、今作で一度終わらせたいという部分もありました。新しいボーカルを入れて今までの楽曲をやることで、1つの清算をした感はありますね。

●次は全然違うものになるんですか?

Takeru:次のKIFUDOHの作品ではもう今作に入っているようなものは1曲もないかもしれないし、もっと違うステップに行ける気がしていて。これから、どんどん新しいものができていくと思う。

Waccho:バンドは生き物みたいなものだから、常に変わって当たり前だと思うんですよね。もちろん、変わった時に離れていく人もいるわけで。でも次で変化するとしても、今作を気に入ってくれた人たちも楽しませられるものを作れなかったらダメだと思うから。「2ndアルバムもやっぱり良いな」と言わせる方向に引っ張る力を、アーティストは持たなきゃダメなんですよ。リスナーの感性を刺激して一緒に上げていきたいし、引っ張っていく位置にアーティストはいるべきだと思いますね。

Interview:IMAI
Assistant:Hirase.M