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SPECIAL LIVE REPORT:国吉亜耶子and西川真吾Duo

1つの大きな節目を越えた2人の前には、まだこれからも道が続いている

2013/7/18@渋谷WWW
“Album Release Tour 〜RECORD〜 TOKYO FINAL”

zentai

アルバム『RECORD』を4月にリリースしてから約3ヶ月、のべ40ヶ所のツアーを全国各地でまわってきた国吉亜耶子and西川真吾Duo。そのファイナルとなる渋谷WWW公演が、7/18に開催された。ライブが行われるフロアに入ると、ステージ上の両端にそれぞれ設置されたグランドピアノとドラムセットが目前に現れる。いわゆる“バンド”の場合に見られるライブ前のステージ上とは少し違う景色からは、どこか神聖な空気とピリッとした緊張感が漂ってくるかのようだ。

そんな中で会場が暗転し、下手からまず国吉亜耶子が1人で登場する。ゆっくりと気持ちを高めるようにピアノを弾き始めたかと思うと、会場内に響く小銭を落としたような音。客席の方を向き「お金の音がする」と笑顔でつぶやいた国吉の言葉に、漂っていた緊張感がグッと和らぐ。ドラムセットに向かって歩いてくる西川真吾を観客がはやし立てると、もういつもの彼らの空気感だ。1曲目に「path」を演奏した後に西川が「初めて2人でスタジオに入って合わせた曲なので、この曲を最初にやりたかった」ということを話せば、国吉が「初めてはこれじゃない」と即座に否定して観客の笑いを誘う。

とはいえ、結成当初からの歩みを振り返るかのように、1stアルバム『antenna』の楽曲を冒頭から3曲続けて披露。そして詩を朗ずるような国吉の語りから、うれしい新曲も聴かせてくれた。途中からはベースとストリングス隊もサポートに加わって2人が鳴らす音を増幅し、より豊かで壮大な情景を描き出していく。「パラグラフ」「東京」といった名曲の数々に浸っていると、時間はあっという間に過ぎていった。「2人でやった本当の最初の曲」という大名曲「こんなに大きくなりました」に続いては、いよいよ本編ラスト曲が来てしまう。

ドラムの大きな音に負けないよう全力でピアノを弾き、会場全体に響き渡る声で歌い上げた「The freeze by phrase」。そこで本編を終えても、客席から2人を求める拍手は止まない。再びベースとストリングスも交えて、アンコールで「セレモニー」を演奏する。まだまだ彼らの音を味わいたいオーディエンスの声に応えてのダブルアンコールは、Duoの2人だけでの「真珠道[まだまみち]」だ。感極まった表情で演奏前に語りかけた国吉の想いは、ピアノとドラムの音に乗り確実に聴衆の胸へと届いたことだろう。

1つの大きな節目を越えた2人の前には、まだこれからも道が続いている。その長い旅の途中で、また進化を遂げた彼らの音に出会うことを楽しみに待ちたい。

TEXT:IMAI

nishikawaKuniyoshi