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京都大作戦2013〜天の川 今年も宇治で 見上げな祭〜 参戦後記

目の前で起きた奇跡に涙した

キッズのキッズによるキッズのための夏フェスは、今年も暑くて熱い瞬間の連続でした。今年も太陽が丘でしか生まれない奇跡がたくさんありました。音楽ファンにとって夏の風物詩と化した“京都大作戦”、太陽が丘にはたくさんのキッズが集まり、全員で暴れ、笑い、汗をかき、歌い、全員で泣いた2日間。出演者だけではなく、観客やスタッフも含めて全員が全力で楽むイベントはおそらく他にはないでしょう。あの日同じ時間を過ごし、あの丘でたくさんの感動を共に体験したのべ2万人のみなさん、来年もまた会いましょう。

源氏ノ舞台 レポート

2013年7月6日(土)源氏ノ舞台
太陽が丘に降り立った瞬間、“また今年もここに帰ってきた”という実感に包まれる。今年で6回目。毎年参戦させてもらっているけれど、いつの頃からか“来た”というより“帰ってきた”という感覚になったこの瞬間がとてつもなく心地いい。みんなが1つの目的(楽しむこと)を持ち寄る僕らの夏フェス。空には雲が多く、気温はちょうどいい感じ。バックヤードでは10-FEETのメンバーが出演者やスタッフと談笑し、スタッフはそれぞれが持ち場について、客席エリアにいる観客は期待で胸を膨らませる。全員がその瞬間を今か今かと待ち構える中、遂に今年も“京都大作戦”が始まった。

トップバッターは皆勤賞となるdustbox。Ba./Cho.JOJIが「今年もやっちゃおーぜ!」と叫び、Vo./G.Sugaが「思いっ切りいくぞ!」と更にハッパをかける。幕開けの「Hurdle Race」から、客席エリアの至るところでサークルモッシュが発生。観客の“思い思いに楽しむ度”は年々右肩上がりで、全員が楽しみ方を心得ているようだ。続いて名曲「Try My Luck」が鳴り響き、“帰ってきた”という実感が更に強くなる。会場全体が楽し過ぎて浮き足立っているというか、なんかいい意味でふわふわしている。Sugaが「自分のこと“弱い”なんて傷つけないで! 自分の可能性を信じて!」と叫び、ザクザクと心地よいリズムとダイナミックな緩急が印象的な新曲「Riot」で更に会場の温度が上がる。もちろんみんなdustboxが奏でるメロディやビートに合わせて暴れたり踊ったり腕を振り上げたりしているのだが、もはや客席エリアは何が起こるかわからないほどのカオス状態。毎年トップバッターがえげつないライブをすることで最高のイベントになるということを知っているからこそ、dustboxの3人は最高のアクトと最高の熱量と最高の気合いで音を鳴らす。最後は10-FEETの3人がステージへと現れて「Neo Chavez 400」。曲中に客席エリアへと身を投げたJOJIが、汗まみれの笑顔で「大作戦最高!」と叫んだ。

次に登場したのは、4月に解散した花団。京都出身の彼らは、10-FEETメンバーの呼びかけにより1日限定で復活を果たしたのだ。Vo.塚原が会場を見渡して「めっちゃ広ーい!」と感慨深げに叫ぶ。解散したにも関わらず出演を決定するまでには、おそらく色々な想いが彼らの胸で渦巻いたことだろう。しかしこの日の4人は、とても清々しい表情で思いっ切り“花団”を見せつけた。持ち前のバイタリティと強引なまでに客を巻き込むエネルギーは絶大で、「先輩はところてん」「ラーメンチョップ」「松ぼっくり爆弾」と惜しげもなくキラーチューンを投下し、太陽が丘をシンガロングと笑い声で包んでいく。「俺のブーメラン」で「タオル回しの練習しとこ」と塚原がタオル回しを煽り、会場の至るところで色とりどりのタオルが回ったかと思えばタオル回しの本家・MINMIが登場し、会場は大興奮。そして最後は尾崎豊の「15の夜」。G.森の暴走につぐ暴走でオーディエンスは狂喜&大爆笑。森の暴走は最後まで続き、ステージのセットに登ってかなり高所からのジャンプで終演。奇跡と感動の限定復活劇を他人の曲で終わるという、実に花団らしいライブだった。

まさかあの強靭なロックンロールをこの“京都大作戦”で聴けるとは思わなかった。あの無慈悲なほど荒々しくもたくさんの愛を内包したスケールの大きなステージが、ここ太陽が丘で体感できるとは思わなかった。次に登場したのはThe Birtyday。音の1つ1つの破壊力は、1曲目の「涙がこぼれそう」から桁外れ。「ALRIGHT」ではイントロのギターをVo./G.チバがかき鳴らした途端に客席から大きな歓声が沸き起こり、“夢を見ようぜBABY 世界中どこでも 空は青いはず きっとうまくゆくさ”というチバの歌が宇治の空に吸い込まれていくのが印象的だった。dustbox、花団と続いてこのThe Birthdayは3組目。3組ともまったく違うタイプのアーティストだし、まったく種類の違うライブであることは間違いないが、どのバンドでもオーディエンスの盛り上がりが尋常ではない。The Birthdayのドラマティックな音に酔いしれながら、各々が全身で、全力で音楽を楽しんでいる。MCの少ないライブながらも、強烈なカリスマ性と生命力が溢れるロックでオーディエンスを魅了し続けた彼らは、最高の盛り上がりのまま「OUTLAW II」でステージを後にした。

2年前は牛若ノ舞台で入場規制、そして昨年は源氏ノ舞台で意表を突く演出(尺八と琴でのオープニング)からの狂騒を生み出したMAN WITH A MISSION。この3年で目まぐるしいほどの成長を遂げたオオカミたちは、ステージでその実力をまざまざと見せつけた。心憎いほどのキャッチーさと攻撃的なサウンドで大きな一体感を生み続けるそのセンスは凄まじく、「distance」「Get Off of My Way」と続けて広大な客席は前から後ろまでダンスホールになる。彼らの支配力は抜群で、会場に超巨大なサークルを作り出したかと思えば、シンガロングでみんなの心を1つにして興奮を爆発させる。たくさんのダイバーが宙を舞い、汗にまみれてぐしょぐしょになった客は、また高々と跳ぶためにステージ方向へと押し寄せる。アドレナリンが吹き出しまくり、気持ちが沸騰し、全員が全力で叫ぶというライブハウスの非日常が目の前で繰り広げられる。「Smells Like Teen Spirit」でオオカミのマスクを付けたKj(Dragon Ash)が加わるというサプライズの後、最後はライブキッズのマストアンセム「FLY AGAIN」で手が付けられないほどの興奮状態。これが“京都大作戦”だ。

“京都大作戦”を語る上でこの人は外せない…女番長・MINMIの登場に、会場の至るところから歓声が沸き起こる。主催者である10-FEETの交流の広さ故に、“京都大作戦”は様々なシーンの第一線で活躍するアーティストが集うという側面を持つが、今年のレゲエ代表はMINMI。3回目の出演となるそのライブはさすがのひと言。たくさんのタオルが舞い、まるで花がパッと咲いたかのように一瞬で会場がきらびやかに彩られる。「2年ぶりの京都、最高や!」と喜びをあらわにし、感情豊かに歌い、そして全員を巻き込む強烈なステージングは圧巻。サプライズのお返しとばかりに花団も登場。「このイベントではたくさんの出会いをもらってる」というMINMIの言葉に思わず胸が熱くなる。「ラララ〜愛のうた〜」で最高に盛り上げた後、最後は「さくら〜永遠〜」。その歌唱力と音楽の力とバイタリティで観客はもちろん、他の出演者も魅了しまくった。

登場するなり「ぶっ壊れるまで歌うので、ぶっ壊れるまで踊ってください」と言ったのはKEMURIのVo.伊藤ふみお。スカパンクシーンのレジェント・KEMURIが復活を果たして“京都大作戦”のステージに立つ。今年の超見どころに期待が大きく膨らみ、ぶるぶると身体が武者震いする。それはお客さんも同じ気持ちのようで、伊藤の声に大きな大きな声で応える。「Rules」がスタートして会場の至るところではスカダンス。ステージではところ狭しと跳ねまくるメンバー。やはりスカパンクは最高だ。音のひとつひとつがエネルギーに満ちていて、1音聴くだけで飛び跳ねたくなる衝動に駆られる。みんなでジャンプしまくった「Prayer」を経て、伊藤が「ボロ雑巾のように見えるかもしれないけど、いつでも闘える準備はできてるから」と笑って「Standing in the rain」がスタート。エモーショナルな歌詞が身体の隅々まで染み渡る感触を覚えながら、夢中で音に乗って暴れる。10-FEETのTAKUMAがギターで参加、そしてHEY-SMITHのG./Vo.猪狩とSax.満も参加した「P.M.A」は、待ってましたとばかりにオーディエンスが熱狂。ダイブにモッシュにスカダンス、太陽が丘の大きなライブハウスが揺れまくる。伊藤が更に煽りに煽り、最後は「Ato-Ichinen」。駆け上がるように次から次へと宙を舞うダイバーたちを前に、誰よりもKEMURI自身が思いっ切りライブを楽しんでいた。

“京都大作戦”には、10-FEET以外に毎年出演しているバンドが2組存在する。1組目はトップバッターを飾ったdustbox。そして2組目はDragon Ash。そのDragon Ash、彼らの音楽が持つ凄まじい求心力、圧巻のステージ、誇り高きマインドは、初年度から“京都大作戦”にはなくてはならないもの。もちろん今年も、存分に見せつけた。1曲目から観客全員が腕を振り上げて客席エリアが肌色に染まるという光景を作り出し、とっくに限界を超えているであろう会場の興奮は更に高まっていく。「La bamba」では幾万のタオルが回り、何が起こっても不思議ではない感覚に身体が包まれていく。ライブハウスでしか味わえない、1秒が永遠にも思える、1日が一瞬にも思えるその感覚に震えながら、Dragon Ashが鳴らすミクスチャーロックに酔いしれる。彼らは10-FEETの「SHOES」を鳴らし始め、オーディエンスは「オオオオオー!」と叫びにも似た歓声をあげる。その後、「百合の咲く場所で」で2万人を魅了した後、Kjは観客に向かって「ミクスチャーロックは好きですか?」と問いかけ、客席からは大きな大きなレスポンス。そして最後は「Fantasista」。Dragon Ashの凄まじさは、そのときの客席の盛り上がりを見れば一目瞭然。会場がたくさんの興奮と感動と笑顔で隙間なく埋め尽くされる圧巻のステージで、今年もミクスチャーロックの持つ力をまざまざと見せつけた。

10-FEETのロゴがプリントされたたくさんのタオルが頭上に掲げられる。日が傾き、暗くなり始めた太陽が丘で、いつものSEを聴きながら3人の登場を待つ。“京都大作戦2013”、初日のトリはもちろん10-FEET。3人がステージに現れ、手を合わせて気合一閃。TAKUMAが「振り落とされるなよ」と言って「JUNGLES」がスタート。まるで極限まで引かれた弓が矢を鋭くはじくように、我々の興奮は一気に音速まで到達。TAKUMAは「フェスもライブも、1日1日も、仕事も学校も、なかなか難しいけど、勇気ひとつで日常を非日常に変えられるよ」と言う。そう、僕らは非日常の渦中にいる。「hammar ska」「Freedom」と続き、「暴れろー!」の声に会場はぐちゃぐちゃ。筆者は毎年10-FEETのライブを客席エリアで観ているのだが、年々落ち着いて観ることが出来る場所が少なくなっているというか、年々観客の暴れっぷりが凄まじくなっている。2009年の京都大作戦で初めてTAKUMAが弾き語りで歌い、そして2011年に歌詞が“僕”から“僕ら”に変わった想い出深い「風」。曲中でぽつりとTAKUMAが言った「あれから2年や」という言葉が胸の奥底に響く。Kjが参加した「RIVER」、小雨が降る中で2万人が一緒に歌った「4REST」。どの曲も、今まで何度も聴いているはずなのに、その場でしか感じることができないみずみずしさで鳴り響く。アンコールは「SHOES」と「2%」。Ba./Vo.NAOKIが「京都! 最高やろ!」と叫び、TAKUMAが「気持ちひとつで世界を変えるぞ!」と言う。1日中暴れまくったのにまったく疲れを見せず、10-FEETのライブで火照った身体と心を持て余しているオーディエンスが「おおーっ!」と全力で叫び返す。さて、明日も全力で楽しもう。

2013年7月7日(日)源氏ノ舞台
宇治の空は快晴。早い時間から太陽がジリジリと照りつけ、夏本番の到来を感じる。昨日は曇り空ですごしやすかったが、今日は比べものにならないほど暑く熱くなりそうだ。毎年トップバッターが凄まじい気迫でライブをすることで最高のイベントになる“京都大作戦”、2日目のトップバッターはSiM。ステージに出てきたVo.MAHは「2008年、あの丘の向こう牛若ノ舞台で客席はスカスカでした。2009年、声はかからず、悔しかったです。2010年、もう1回牛若ノ舞台でした。2011年、声がかからず、“あ、これでもまだダメなのか”と思いました。2012年、HEY-SMITHがここに立って、仲間を祝福する気持ちと、悔しい気持ちが半々でした。…2013年! 5年かかったよ! あの丘を越えるまでに! 夢にまで見た源氏ノ舞台! SiMがこの手で夢を掴んだんだ!」と叫び、「KiLLiNG ME」がスタート。客の盛り上がりはステージの4人が放つ気迫と想いの強さに比例して一気に沸点へ。音楽性、メッセージ、想い、気迫、ステージング…そのどれもが抜きん出ている彼らのライブ、初っ端からダイブにモッシュ、2ステップ、スカダンスの嵐。緩急自在の展開からサビで大きな一体感を生む新境地「Blah Blah Blah」と続き、「JACK. B」はMAHがステージを降りて客席エリアで大きなコール&レスポンス。「何十年も先まで、頭の中では記憶の中ではずーっとずっと一緒にいましょう」と「Same Sky」で魅せ、最後は「Amy」からの「f.a.i.t.h」。オーディエンスは体力の限界まで暴れ、喉がかれるまで歌い、ふらふらになるまで踊り続けた。

タイトでギュッと詰まった硬質なサウンドが宇治に鳴り響く。10-FEETの盟友、UZUMAKIの登場に大地が揺れる。「Blaze of glory」からライブをスタートさせた5人は強烈な存在感を放っている。観客がみんな腕を振り上げて彼らを称える「RECALL」で大きな一体感を生んだかと思えば、G.YOSHIOがアンプを唸らせて凶悪なギターを叩き込む。「GHOST」でたくさんのクラップが会場を埋め尽くし、「TWO FACE」「T.H.C」と極上のミクスチャーロックを連射。客席エリアの至る所に渦巻き(サークル)ができ、Vo.JYUが「今日の主役はお前らや!」と叫んで会場の興奮は更に高まる。「EXTINCT FREEDOM feat. TAKUMA」では我々の期待通りTAKUMAが登場。「こういう自由な空間を与えてくれたTAKUMAに感謝、そしてリスペクト」というJYUの言葉が胸に刺さる。ライブキッズを大いに暴れさせ、大いに楽しませたUZUMAKIのライブ、最後は「What's UP」。百戦錬磨のステージから繰り出されるコール&レスポンスと、ハードかつラウドなサウンドで存分に楽しませた。

音で盛り上げる…単純なことだが、簡単にできることではない。その凄さを見せつけてくれたのが東京スカパラダイスオーケストラ。観客はみんながみんな、東京スカパラダイスオーケストラが「Return of Supercharger(2013 ver.)」を鳴らし始めた途端に楽しそうに踊り出す。弾けるように身体を揺らす。その音が持つエネルギーは甚大で、客席エリア前方でダイブが多発するのはもちろん、後方のシートエリア近くまで軒並みの大盛り上がり。PA後方にいた筆者の近くではなぜか胴上げも起こっている。「DOWN BEAT STOMP」ではTAKUMAもステージに飛び出して暴れまくる。B-Sax.谷中敦が「最強のアーティストが集まる最強のフェスに参加できてとても嬉しく思っています。最高のお客さんの前で最高の演奏をしようと想います。闘うように楽しんでくれよ!」と叫び、大きな歓声と無数の腕が宇治の空高く突き上げられる。「Born to be wild」「SKA ME CRAZY」「ルパン三世'78」と激アガリ必至ナンバーを連発し、最後は「White Light」でクラウドをとことん酔わせて終了。暴れ続けて汗まみれになったクラウドは「スカパラすげぇ」「楽しかったー」と感嘆の声をあげる。

響く都・響都から参戦したROTTENGRAFFTYの前で、2万人の手拍子がこだまする。G.KAZUOMIのアンプから歪んだ音が鳴り響く。それが「零戦SOUND SYSTEM」だとすぐにわかり、激しくアガるオーディエンス。2008年の“京都大作戦”でオープニングアクトとして出演していた彼ら。毎年“京都大作戦”のバックヤードや客席エリアでその顔を見かけることはあったが(昨年はなぜかVo.N∀OKIが牛若ノ舞台に出演したSUNSET BUSのステージに乱入してたけど)、2011年に続き再び源氏ノ舞台に立った彼らの表情からは、想いの強さがビンビンと伝わってくる。ものすごいことが起こりそうな雰囲気に会場が包まれてぞくぞくする。1曲目から勢いは半端なく、「俺たちとお前らでどっちが最後まで立っているか勝負しろ!」とVo.NOBUYAが叫び、KAZUOMIはステージを降りて客席エリアに突入。「This World」ではMAN WITH A MISSIONのメンバーがステージに乱入し、NOBUYAもN∀OKIも、そしてKAZUOMIも再び客席エリアへ。放り出されたギターはTAKUMAが演奏し、異様な興奮&混乱状態。彼らはその熱を一切下げることなく、N∀OKIが「灼熱のライブハウスからやってきたROTTENGRAFFTYです!」と告げて「響く都」へと突入し、何度も何度もコール&レスポンス。「大阪の雷神と風神」とHEY-SMITHの満とTp.Ioriがステージに呼び込まれ、新曲「Error…」を初披露した後、「金色グラフティー」で最高の盛り上がりのままライブは終了。想いが音と言葉の塊となり、2万人の心を震わせたROTTENGRAFFTYの生き様、しかと見た。

「普通にやりにきたんじゃないんですよ。奇跡を起こしに来たんですよ。ここでミラクルを起こして東北に伝えたいわけ」と、観る者の心を惹きつけてやまないサンボマスター。彼らは2010年、2011年に続いて3度目の出演で、過去にもその強烈なパフォーマンスと魂がこもった言葉の1つ1つに2万人が胸を焦がしたが、今年のアクトも尋常ではなかった。「ロック!」と全員が腕を突き上げて叫び、メロウな歌をVo./G.山口と一緒に歌い、憎いほどグルーヴィーで鋭いサウンドに酔いしれた心を、山口がその場で発する言葉のひとつひとつでぐいぐいと掴んでいく。やろうと思ってできるわけではない、サンボマスターの生のライブに圧倒される。「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」と山口が叫び、その想いに応えて2万人が叫んだが、きっとその現象自体が愛のひとつの形なのだろう。今年もサンボマスターは、サンボマスターにしかできないロックを見せてくれた。

宇治の空には雲ひとつなく、灼熱の太陽が照りつける。汗にまみれ、何度も何度も宙を舞い、歌い、叫び、暴れたであろうオーディエンスはまったく疲れを見せずに元気いっぱい。緑の中にぽっかりと浮かび上がった音楽の楽園に重く激しいパンクサウンドが響き渡る。2011年に難波章浩-AKIHIRO NAMBA-として出演した難波章浩がNAMBA69として渾身の音を放ち、それを観客が全身で受け止める。「ETERNAL GOLD」から始まった彼らのステージは、さすがの貫禄をみせつつ、いつまでも初期衝動を抱き続ける者が共通して持つ“青さ”と“強さ”に満ちあふれていた。中盤の「MY WAY」ではたくさんのサークルモッシュで土煙がおこり、「ONE MORE TIMES」でG.ケイゴが放つギターに反応してオーディエンスの興奮は最高潮。そこでVo./Ba.ナンバが「Stay Gold」と叫ぶ。まるで時が止まったかと思えるほど、その言葉は2万人の心に瞬間的に作用したようで、各々が弾かれたように狂喜乱舞。爆発的な盛り上がりは数え切れないほどのダイブを生み、最後はナンバが「未来は自分の手で掴まないと来ないぜ!」と「未来へ 〜It's your future〜」。会場の熱を更に上げ、Ken Yokoyamaへとバトンを渡した。

陽が傾きかけた頃に「Running On The Winding Road」のイントロが鳴り、大歓声が会場を包む。太陽が丘全体の興奮がどんどん上がっていくのが肌でわかる。客席エリア前方はもうぐちゃぐちゃで、音の1つ1つに狂喜するキッズが飛び、跳ね、宙を舞う様は壮観。Ken Yokoyamaの凄まじい気迫が1人1人に伝播し、会場全体の勢いを加速させているのだ。「京都大作戦! Ken Band! You And I!」とKenが叫び、「You And I, Against The World」を繰り出して更に熱を上げる。「甘いんだか辛いんだかよくわかんねぇような音楽聴いてんじゃねーだろーな? ここはお前の土地だろ? 俺は今を生きるただの40代のパンクスだよ」と「This Is Your Land」を鳴らしたそのステージはまさに闘いだった。「マナー違反かもしれないけど、10-FEETのフェスだからわかってくれる」と、何度も何度もマイクを放り投げて「歌ってくれる?」と客にシンガロングを求める様、日の丸の国旗を肩にかけて叫ぶように歌う様、東北ライブハウス大作戦の紹介をして「Let The Beat Carry On」で一瞬たりとも緊張を途切らせることなくライブを展開する様…彼は正真正銘のパンクスだった。バンドマンの強さを見せつけられた思いがした。

夕日が沈もうとする頃、遂にこの瞬間が訪れた。“京都大作戦2013”、2日目、トリ、10-FEET。この2日間の熱狂と感動とたくさんの思い出を全員が胸で噛み締めながら、彼らの登場を待つ。ステージに3人が現れ、TAKUMAのギターが鳴り響く。「その向こうへ」だ。客席エリア後方の土手の上からステージ最前列まで、全員が爆発したような盛り上がりで10-FEETの音に身を投じる。みんなが暴れ、全員が跳んだ「VIBES BY VIBES」。数えきれないほどのサークルが発生し、いたるところでキッズの笑顔がはじけた「STONE COLD BREAK」ではTAKUMAが歌詞を変えて“太陽が丘に集まったおバカさんたち見せてくれ”と更に煽る。「世界でも色んなことがあった。日本、俺らの住んでる国はいつまで平和なのか、何の保証もないねんで。平和も、貧困も、今とは比べものにならへんくらいの時代が来るかもしれん。人生、長くても80年。なんか迷ってることや、後悔のないように、決めるときは少々歯が浮くようなことでも決めなあかんねんで」というTAKUMAの言葉が心に響く。なにも混ざっていない真っ直ぐな気持ちに反応し、2万人の魂がぐっと震える音がする。本編最後に「RIVER」で最高の一体感を生み出した後、アンコールで奇跡は起きた。
「super stomper」でオーディエンスが「これで最後!」とばかりに暴れまくった後、3人がたくさんのリスペクトを込めてカヴァーしたのはHi-STANDARDの「Stay Gold」。その曲中、なんとKenと難波がステージに現れ、TAKUMAとBa./Vo.NAOKIから楽器を奪ったのだ。まさかの展開に観客は歓喜し、言葉にならない叫び声を上げながら腕を振り、疲れを忘れてクラウドの中心へとまた身を投げる。NAOKIは喜びをあらわにステージを走り回り、TAKUMAはステージで泣き崩れる。終演後にある出演者が言った「誰も動かせなかったレジェンドを10-FEETが動かした」という言葉そのままの奇跡。Kenと難波、そしてDr.KOUICHIという奇跡の編成で「Stay Gold」を歌い切る。Kenからギターを受け取り、最後の「CHERRY BLOSSOM」を演奏する前にTAKUMAはつぶやいた。「やっぱりあれやな。死んだらあかんな。生きてたら…すげーこと起こるな」と。そのすげーことが目の前で起き、その感動を共にできた“京都大作戦2013 〜天の川 今年も宇治で 見上げな祭〜”。今年もこの2日間、太陽が丘でかけがえの無い時間を過ごせたことに、心から感謝します。

 

牛若ノ舞台 レポート

2013年7月6日(土)牛若ノ舞台
素晴らしい天候に恵まれた“京都大作戦”。初日のトップバッターは福岡の3ピースバンド、S.M.N.だ。メンバーが水鉄砲とシャボン玉製造機を持って噴射しながら登場する。1曲目「We're Gonna Rock You」からアクセル全開で、早くもダイバーが続出! 「Foresight In Both Hans」、そしてコニー・フランシスの名曲「Vacation」のパンクアレンジと快晴の空に相応しい爽快なナンバーを繰り出すと、沸き上がるハンドクラップとコール&レスポンス。ここまで一気に駆け抜けて来たS.M.N.だが、「I Love You」ではうってかわってUKロック的なミドルナンバーを披露。このバンド、パンクバンドらしいライブの勢いもあるが、しっかりと聴かせるグッドメロディをも持ち合わせている。

続いては京都のKiM。ボーカルが厳つい声で高々に「Are you ready!?」と呼びかけたかと思うと、いきなりヘヴィなサウンドをブチかます! 迫力ある演奏風景が衝撃的だった彼ら。特に身の丈以上もある大きなウッドベースを思い切り担ぎ上げたり、持ったまま飛び上がったりと自在に操る姿は最高にクールだった。一聴しただけだと重厚なサウンドに意識が偏ってしまっていたが、よく聴くと日本語で綴られた歌詞には、強いメッセージが詰まっている。不満や怒りといった剥き出しの強い感情さえも、ある意味不器用なまでの真っ直ぐさでぶつけるKiM。MCからも、随所随所で地元に対する誇りや大切な仲間たちへの愛が感じられた。激しい感情の中にも、優しさや愛情といった暖かい気持ちが感じられる、真の“漢気”を持った人たちだった。

三番手は“日本一泣けるコミックバンド”こと四星球。「今日は七夕ですね。短冊に願い事を書きましょう」と、Ba.U太が言うと、フロアの後方から緑の全身タイツを着て竹のコスプレをしたVo.北島が登場。そして「このあとMAN WITH A MISSIONを見る人! みんなのために、あらかじめセットリストを公開したいと思います!」と、最初にこの日の曲順を公開するという謎の展開に(笑)。さらに「最後の曲「フューちゃん」はバラードなので、その前に移動することをオススメします」とまで言う。そのうえ会場を移動しようとしている人を見かけると「こっちにもマンウィズがおるで!」と、オオカミの被り物まで用意しているのだ。毎回イベントや出演者に合わせて、その都度ピッタリのネタを考えているあたり、“さすが四星球!”と唸ってしまう。

スカを基調にレゲエ、パンク、ロックを独自の解釈で昇華させたMOTORS。まずは管楽器の音が奏でる、血湧き肉踊るパーティーミュージック「火の鳥」で、至るところでスカダンサーが発生する。それでいて、ゆったりとしたミディアムテンポの「a song of the joy」は、思わず身体が揺れ出すほどグルーヴィー。曲の緩急の具合が絶妙で、どんどんテンションがアガってくる。随所随所でクラシックや民謡の名曲をアレンジしたフレーズが入っていて、初めて聴く曲でも耳馴染みのあるメロディがあるのも楽しい。ラストは、一際華やかなブラスサウンドとシンガロングが愉快な「まほろばの唄うたい」! オーディエンスが入り乱れながら自由に踊り、スウィングするような心地の良い時間が流れていった。

SECRET 7 LINEは常にど真ん中直球で、気持ちの良い音を放り込んでくれた。「1993」から「MY HERO」そして「DOWN TO HELL」というキラーチューンの繋ぎはもはや反則級のカッコ良さ。まだまだオーディエンスの勢いも留まるところを知らず、音に合わせてモッシュしたり、次々にダイブする人たちがそこかしこに見受けられる。あれほどたくさんの人が、肩車でサークルを組む様子は初めて見たほどだ。そして、その誰もがとびきりの笑顔を浮かべているのがなんとも良い。“京都大作戦”への出演は初めてとのことだが、会場にいるキッズの誰もが彼らを心待ちにしていたようだった。「IT'S ALL RIGHT」の曲中で、フロア全体が一斉にジャンプする様子はまさに壮観! 心のモヤモヤをすべて吹き飛ばすような、清々しいステージだった。

「まだまだやれるっしょ! 遊ぼうぜ!」と、威勢の良い声を聞かせてくれたNUBO。“この場にいる誰よりも楽しんでやろう”、という心の声が聞こえてきそうなくらい、活気と情熱に溢れたライブだ。彼らの音楽はとにかくダンサブル&ピースフル。ラテン系のノリからメロディアスなサウンドのものまで幅広い楽曲があるが、どれも自然と踊り出したくなるような雰囲気がある。ライブは、日常生活ではなかなか素直に出せない感情も曝け出せる場所だと思うが、NUBOのライブだとそういった感情がナチュラルに表現できる気がする。きっと彼らの曲が、私たちのごく近くに寄り添うような、とても人間味溢れるものだからだろう。「Circle」で文字通りオーディエンスが輪を作って、最高の笑顔を浮かべているのをみて、ふとそんなことを思ったのだった。

1日目、牛若ノ舞台のトリを飾ったのは、新世代メロディック・パンクシーンの中核を担うBUZZ THE BEARS。ロックなサウンドに乗せて、ストレートな言葉が心に響いてくる。英詞の曲もありながら、最前列にいるファンたちがずっと歌を口ずさんでいたのがとても印象的だった。途中、MCでのこと。G./Vo.越智がオーディエンスに「今日、仕事が終わってから来た人?」尋ねた。すると、客席から何人かの手が挙がる。それに対して越智が「ありがとう!」と答える。「朝早起きしてここに来た人?」越智が訊くと、今度は結構な人数が手を挙げる。するとまた「ありがとう!」と大きな声で返す。「Dragon Ashが終わってから、こっちに走って来た人?」たくさんの人が手を挙げる。「ありがとう!!」と、三たび本当に良い表情で越智が叫んだとき、じわりと涙が浮かんできた。気持ちと気持ちを全力でぶつけあっているというか、お互いが全身全霊で応え合っている光景に、思わず涙腺が崩壊。最後に会場全体で「約束」を大合唱したときには、震えるくらいの感動が胸に込み上げたのだった。

2013年7月7日(日)牛若ノ舞台
強い興奮と感動に包まれて終えた1日目を経て向かえた、“京都大作戦”最終日。2日目はTHE SKIPPERSから始まった。しょっぱなからオーディエンスのアガりようはすごいもので、まだライブが始まる前からハイテンションで待ち構えている。そして、SEが鳴った瞬間にダイブが発生! いくらなんでも早すぎる(笑)。きっとメンバーが登場する前にダイブが起きたのは、この会場でTHE SKIPPERSだけだろう。満を持して始まった彼らのライブは、とにかくアツい。決して演奏がズバ抜けて上手いわけでもないし、特別個性的なことをしているわけではないのだが、歌にこもっている熱がダイレクトに伝わってきてグッとくる。かつどことなくフレンドリーで、ファンがステージに飛び乗ってスカダンスを始めたり、ベースにメンチを切ったり(笑)、なんとも距離感の近いライブだ。いかにメンバーたちがオーディエンスに愛されているのかがよくわかる。

お次は京都のメロディックハードコアバンド、LABRET。空間を裂くような激しいギターが唸るライブアンセムで始まり、哀愁漂う美しいメロディの応酬が心を掴む。正直3ピースということで、どちらかというと音数の少ないシンプルな構成をイメージしていた。だが、彼らの演奏はそんな先入観をぶち壊すほどに、音の広がりを感じさせる。そのうえ、ベースとギターの双方がボーカルを執っていたのだが、歌いながらあれほどテクニカルなプレイを見せる彼らの技術に脱帽。LABRETの曲で特に印象的だったのは、「Nostalgia」という曲。本人たちいわく“ライブハウスについての歌”とのことだったが、どこか懐かしさを覚えるメロディと、希望に胸が膨らむようなキラキラしたサウンド、そして突き抜けるような疾走感がとても素晴らしかった。

「ビアガーデン、HAKAIHAYABUSAへようこそ!」というG./Vo.KZの言葉を皮切りに、辺りは常夏の海岸のようにゴキゲンな空気が満ち満ちていく。HAKAIHAYABUSAのライブは、最高にアットホームでフリーダム。その自由度たるや、曲中にいきなり演奏を止めたかと思うと「いっぺん水分を補給しましょう」と言ってドリンクを飲み出したりするほどだ。変に肩肘を張らずいつだって自然体なのが、よりいっそう彼らの良さを引き立てている。「GOD FISH」「いつものmusic」といった、ゆったりとした陽気なリズムが魅力的で、ガンガンお酒が進みそう。KZの伸びやかな歌声と相まって、ずっと揺れていたくなるような心地良さを生み出す。よく「音楽は国境を越える」と言うが、彼らの曲を聴いていると確かにその通りだと思った。なんとなく、HAKAIHAYABUSAのライブでは、言葉が通じない人でも肩を組みながら酒を酌み交わして仲良くなれる気がする。それくらい暖かくてハッピーな音楽だった。

4番目の出演者は札幌のハードコアバンド、SLANG。「TOKYO SUICIDE HELL」「AIR RAID DAYS」「BLACK RAIN」「QUESTION NOW」と、ギュインギュインに歪んだパンクサウンドを怒濤のようにたたみかける。Vo.KOのデスヴォイスの迫力はすさまじく、思わず圧倒されてしまった。何十年にも渡って熱を帯びながら音楽を発信し続けている彼らのステージは、やはり気迫に溢れているというか、一瞬一瞬に鬼気迫るものがある。“メッセージ性のある音楽”といっても、その方法はいろいろある。ストレートに明確な言葉で伝えるもの、遠回しな表現で考えさせるもの、言葉ではなく態度で伝えるもの。SLANGの場合は、感情に訴えかける言葉と、自ら行動する姿でメッセージを伝えているように思う。だからこそ、あれほど気迫のこもったステージを見せられるのだろう。

暑さのピークも過ぎ去って、徐々に涼しげな風が感じられるようになった16時頃。ゆったりとしたこの空間には、レゲエとロックを愛するG-FREAK FACTORYの音楽が良く似合う。Vo.茂木の大らかな声はゆるやかに広がれば、ひとり、またひとりとオーディエンスがステップを踏み始める。ときにはファンキーなサウンドと軽快なカッティングに合わせジャンプしたり、ポジティブな優しい歌に聴き惚れたりと、曲ごとにまた違った楽しみ方を味いながら、始終グッドバイブスが辺りを包み込んだ。曲は全体的に穏やかなのに、その実、歌詞の中にはとてもポリティカルなメッセージがあったりするのも印象的。もっと知りたい、もっと聴いてみたいと思わせる、不思議な魅力のあるバンドだった。

SCOOBIE DOのライブでの爆発力は、いつ観てもすさまじい。「ハバナイ、ウィーアースクービードゥー!」とお馴染みの掛け声で入り、いきなりニューリリース曲「かんぺきな未完成品」を放り込む。続く「Disco Ride」で辺りをダンスフロアへと変貌させた後は、「トラウマティック・ガール」「Back On」「MIGHTY SWING」とSCOOBIE DOの大ヒットナンバーメドレー! セクシーなパフォーマンスと歌声で魅了したところで、Vo.コヤマが「誰がいちばん高く飛べるんだ?」と観客を煽れば、誰しもが競って飛び上がる! しゃべりも演奏も、ここぞという場所でビシッとキメてくるのがさすがだ。最後の曲は「夕焼けのメロディ」。ちょうど夕暮れ時のロケーションで、この曲を持ってくる辺りがまた心憎い。“ライブチャンプ”の二つ名に相応しい、激アツなステージを見せてくれた。

長かった2日間もいよいよ大詰め。牛若ノ舞台のラストを飾ったのは、長崎発の3ピースメロコアバンド、SHANK! 熱狂的なファンが肩車をして出迎える中、メンバーが勢い良く飛び出してスタートした。“ギィン”とすさまじい爆音を鳴らすギターと、正確無比なドラムのリズム、骨太なベースラインの絡み合いが純粋にカッコ良い。Vo./Ba.庵原のエモーショナルな声との相乗効果で、既にオーバーヒート気味だった会場のボルテージをさらに上げていく。何千人もの人が空に向かってつき上がっている光景や、顔をくしゃくしゃにして泣いたり笑ったりしているお客さんたちは、なんだかとても輝いて見えた。非日常的な光景と眩しいまでの輝きに感動を覚えて、またまたウルッときてしまう。ラスト1曲は「submarine」。最高速を保ったまま、フルスロットルで駆け抜けた。

TEXT:Takeshi.Yamanaka / 森下恭子
PHOTO:みやざきまゆみ / HayachiN

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