音楽メディア・フリーマガジン

“ムーンストラックジャンボリー2013”

浮かれたような、ドキドキするような、不思議な高揚感に包まれた日

189_DO_main2013/7/20(土)@大阪服部緑地野外音楽堂
DOBERMAN / MONGOL800 / Blue Beat Players / フラワーカンパニーズ / カジヒデキ / 赤犬 / OLEDICKFOGGY / TOMOVSKY

 

 

 

 

“ムーンストラックジャンボリー”は、浪花のスカバンド・DOBERMANが2年に1回開催している音楽イベントだ。会場にはたくさんのオブジェや装飾が施され、お祭らしいわちゃわちゃ感を醸し出していた。まずは、急きょ出演が決まったTOMOVSKYの“開会の宣言”からスタート。「世界が代表する曲をお届けするぜ!」と宣言し、フラワーカンパニーズの「深夜高速」をギターの弾き語りで大熱唱! 途中フラカンの鈴木が現れ大盛り上がりを見せた後は、ラスティックバンド、OLEDICKFOGGY。マンドリンやバンジョー、ウッドベースなど用いたフォーキーなサウンドが特徴的で、節々から垣間見える激しさにはどことなくパンク / ハードコア精神を感じる。聴けば聴くほどに惹かれていく深みのあるバンドだ。

真っ赤なスーツの演奏陣と青スーツのコーラス陣に、一際目立つスパンコールを着たボーカル。2番手の赤犬は、華やかな衣装とゴージャスなブラスの音でステージを鮮やかに彩る。大人の色香漂うムーディーな楽曲で魅了しつつ、MCでは軽快なジョークをかますのが赤犬流。対照的に、シンプルなボーダーシャツにトレードマークの短パン姿で登場したのは、“永遠のブルーボーイ”ことカジヒデキ。サックス&フルートはSCAFULL KINGのNARI。ラストの「LA BOUM〜MY BOOM IS ME〜」ではDOBERMANのタクロウもハーモニカで参加して、透明感のある歌声とポップな音楽を会場に響かせる。

DOBERMANが「ずっと出てほしかった」と出演を熱望していたフラワーカンパニーズは、熱量の高いライブでテンションを上げていく。特に、グレートマエカワがスキップをする様にベースを弾く“グレートステップ”も印象的だった。「真冬の盆踊り」では出演者も入り乱れて“ヨサホイ”の掛け声と共に踊り回る! また伝説のスカバンド、Blue Beat Playersの盛り上がりもすさまじかった。演奏している本人たちが、心から音楽を楽しんでいるからだろう。聴くだけで踊り出してしまうほどに、ハッピーなアンサンブル。トリではないにも関わらず、彼らのライブ後は「BBP!」と叫ぶ観客の声が止まなかった。MONGOL800がステージに立つだけで、うだるような夏の暑さもカラッとした心地の良いものに思えてくる。カリスマ溢れるロックスターというより、友達のような親しみやすさがある彼ら。ライブでも、オーディエンスとメンバーとが一緒になって遊んでいるような、楽しい雰囲気が満ちていた。

遂に本日の主役が登場だ。「朱い太陽」で開幕したDOBERMANのステージで、吉田田が「頭をからっぽにして楽しめ!」と煽り、オーディエンスもそれに答えるように腕を突き上げる! さすがは15年間突っ走ってきた歴戦の猛者、ライブの破壊力がハンパない。原がキーボードの上に立ちながら演奏したり、スピーカーによじ登って踊り出したときには本当に驚いた。そんな型破りな姿を見せられたものだから、こちらのリミッターも外れていく。音にもパフォーマンスにも魅せられてトランス状態に。頭を空っぽにして、ただただ思うがままに楽しんだ。最後は出演者が全員ステージに登場、横一列に並んで手を繋ぎ、一礼して大団円! 熱中症対策か、塩飴を客席へ投げ込みながら(笑)ステージを去ったのだった。

まるで文化祭のときのように、ちょっと浮かれたような、それでいて胸の奥からドキドキが沸き上がってくるような、不思議な高揚感に包まれた日。この熱狂的なお祭り騒ぎで感じた“ドキドキ”を、ぜひ再来年も体感したい。

TEXT:森下恭子
PHOTO:竹田俊吾、森下洋介(studio713)

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