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nano.RIPE

フロアに広がる星の光に照らされて、美しく花開いた渋谷の夜

SPECIAL LIVE REPORT:2013/5/26@渋谷WWW
nano.RIPE Tour 2013「かえりみち」追加公演ワンマンライブ「ココカラミンナガミエルヨ」

188_nano10thシングル『影踏み』のレコ発ツアーで全国を行脚し、さらなる成長を遂げて東京に帰ってきたnano.RIPE。この日の渋谷WWWワンマンライブはそのツアーの追加公演でありつつ、5/22にリリースしたばかりの11thシングル『サンカクe.p.』を祝うような形にもなり、たくさんのファンが会場に集った。

会場の暗転と共に、強い光、淡い光、寄り添う2つの光をそれぞれ星に例えたVo./G.きみコのナレーションが入る。ふんわりと柔らかな声に、雲の上で星空を眺めているような気分にさせられた。そこへ勢いよく彼女らが登場すると、場の雰囲気は一瞬でライブモード全開に。夜が明けて、燦々と降り注ぐ朝日を浴びたかのような晴れやかさで、笑顔が、手が、咲き乱れた。

最新シングルにも収録の「スターチャート」ではひたすら真っ直ぐな声を羽にして、きみコが会場中を飛び回るかのよう。カラフルなライトがポップな世界を表現する中、対比するように演奏は骨太で心の芯にまで響く。色とりどりの音や声に溢れた空間は、めったに見ることができないものだろう。カーテンに映し出される星の淡い輝きと天からのライトで、きみコがまさしく月明かりに照らされた花のように見えた「月花」。一輪ぽつりと、しかし力強く咲く「月花」を切なく、甘く歌い上げる彼女の姿は美しかった。

「絵空事」では跳ねるような開放感と切なポップなメロディを、ロマンティックにアクティブに演出してみせる。観客と真剣に向き合っているからこその、全身全霊のパフォーマンスだ。力強い歌声から温もりたっぷりの歌声まで、きみコの声の魅力を存分に味わうことができたのは「ページの中で」。ステージ上と会場でたくさんの男子に囲まれながらも、バンドの紅一点としてパワフルに魅せてくれる。フロア全てを見渡すことができる渋谷WWWのステージ上で、思い切りの“ただいま!”を音に載せて届けてくれた「ツマビクヒトリ」、そして大合唱が巻き起こった「面影ワープ」。音楽が弾ければ、会場もそれに負けじとボルテージを上げていく。

“帰り道は歩けないくらいになって帰ってもらおうと思うんですけど!”ときみコが煽ると、その言葉通りにスピードも華やかさも増していくステージ。「リアルワールド」のサビでは、たくさんのタオルが宙をぐるぐると踊る。昨年には喉の手術を乗り越えて、新しい声を手に入れたきみコ。その声と共に、どこまでも上昇していく。「世界点」「影踏み」ときみコの突き抜ける声が響き、その直後には全てが散ったかのように爆発する音の波。まるでビッグバンでも起きたかのようだ。自分たちの全てを出し切るため、会場からの追い風を受けながらどんどんと大胆に加速するnano.RIPE。それは永遠に続いて欲しい、幸せな光景だった。

ファンの熱いアンコールの声に応え、再びステージに立った彼女たち。その光景を目に記憶に焼き付けるために会場を隅々まで見渡した後、この日1番の熱と愛がこもった「架空線」が奏でられる。その瞬間、誰もがみな星のように光り輝いていた。Wアンコールではきみコからの“みんなの声が聴きたい!”というリクエストに応えて、全員で「ハナノイロ」を熱唱。ファンからnano.RIPEへ向けられた愛も、とびきりの笑顔の大輪の中で確かに届いたことだろう。

TEXT:栗山聡美
PHOTO:キセキミチコ