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Nothing’s Carved In Stone “Live at 野音 2019 〜Tour Beginning〜”

彼らがいろんなものを掴み取っていく瞬間をこの目で見たい

SPECIAL LIVE REPORT
Nothing's Carved In Stone “Live at 野音 2019 〜Tour Beginning〜”

2019/6/22(土)日比谷野外大音楽堂

 

 Nothing's Carved In Stoneと我々にとっては特別な場所の1つ、日比谷野外大音楽堂。彼らが初めてここでワンマン公演を行ったのは2016年。2回目は2017年、そして今回が3回目。だんだん暗くなっていく大都会の森の中で観る彼らのライブは壮観のひと言で、視覚と聴覚だけではなく五感全部を駆使して浴びる轟音のシャワーは格別。日比谷の森に同志が集い、ステージに4人が登場してBa.日向が右手の人差し指を天高く掲げ、Vo./G.村松が腕を大きく広げて深呼吸する。
 
 
 
 

 始まりの歌はなんと「Beginning」。新曲を1発目に持ってくるという点、そして4人が発する音の圧から、彼らの気迫がビンビンに伝わってくる。わっ! と一斉に客席各所から歓声が沸き起こり、「ツバメクリムゾン」では無数の腕が振り上げられる。
 
 
 
 
 すり鉢状の造りになっている日比谷野外大音楽堂、そのすり鉢のいちばん底に立つ4人から、客席を通り越して空に向けて放たれる音は大きな塊となって鳴り響く。会場全体がまるで大きなスピーカーのような効果をもたらしているのか、それとも4人が放つ音のパワーが桁外れなのか、とにかく臨場感がえげつない。
 
 
 
 

 村松がステージ最前で客を煽り、歌自体に熱をこめる。G.生形、日向、Dr.大喜多の演奏にも熱が入る。既にエンジン全開。まったく容赦がない。「Chaotic Imagination」を終え、村松が広いステージを左右に歩きながら眼光鋭く客席を眺めていく。今まで何度も経験したことだが、こういう素振りを見せた後の彼の爆発力は凄まじい。次の「Out of Control」でオーディエンスの感情は制御できなくなってしまう。最初のブロックで完全に空間を支配した彼らは、客席を沸かせに沸かせまくる。
 
 
 
 


 「すげぇ大切な家族や恋人や友達に合うテンションで来たよ」と村松は笑い、生形のギターが鳴り響き、大喜多がドラムをスタート。「PUPA」でえも言われぬ美しい情景を目の前に描き出し、一陣の風が目の前を吹き抜けるような「Brotherhood」へと続く。そのサウンドを浴びて恍惚な表情を浮かべているオーディエンスをあざ笑うかのように「Rendaman」「(as if it's)A Warning」「MAZE**」という凶悪なライブチューンで殴打し、「きらめきの花」で巨大な一体感を創り出す。
 
 
 
 

 「ステージには出来るだけパーソナルなものを持ってきて、出来るだけ素の状態でやりたいといつも思っているけど、みんなの前で居るのがいちばん楽だ。ありがとう」と村松が笑い、2016年のダブルアンコールで彼が弾き語った「Adventures」で魅せる。
 
 
 
 

 青空も見え、夕日が雲を紅く染めていた空をだんだん夜が塗り替えていく。この日の日の入りは19時1分。ステージにはスモークが焚かれて「Pride」「Milestone」で魅了した後、村松はメンバー紹介を経て「俺たち新体制になって新しい一歩を踏み出しています。全部自分の力で掴み取ってやる。…みんなの気持ち、俺は知ってるよ。好きなバンド何? って訊かれて答えたときの“ポカーン”を俺は何度も経験してきた。でもここに来てくれたみんなには“Nothing's Carved In Stone好きなの? かっこいいよね”って、寂しい想いをさせたくない。そのために2年間突っ走って掴み取る」と宣言し、ハンドマイクで「In Future」「Bog」「Sing」と続け、日比谷の森に大きな大きなコールが響き渡る。
 
 
 
 

 そこからは更に加速。生形がステージ端まで移動してギターでオーディエンスを挑発した「Idols」、そしてオーディエンスの魂を沸騰させた「Spirit Inspiration」で沸かせ、「音楽は生もので、ライブも生ものだけど、みんなが独りになったときに背中を押せる、寄り添える。僕らの音楽がそういうものになってほしいと思います。何かを始めよう、何かを変えよう…そんな人たちの足元を照らせるようなこの曲を」と「朱い群青」で本編終了。そしてアンコールがまた素晴らしく、「Shimmer Song」では歌詞に合わせて照明が会場を青く、そして紅く染め上げて最高の情景。そして最後は彼らにとって、そしてみんなにとって大事な楽曲の1つ「November 15th」で終幕。
 
 
 
 

 この日のステージで9/25にニューアルバムをリリースすることを発表したNothing's Carved In Stone。彼らがいろんなものを掴み取っていく瞬間をこの目で見たい、そう思わせる大切な夜になった。
 
 
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:TAKAHIRO TAKINAMI、アミタマリ、西槙太一