全国15万部を誇る日本最大級のミュージックフリーマガジン on Web!!

twitter instagram

NoGoD

交差する5つの個性がハイブリッドなロックに進化を遂げた

メインA写NoGoDがメジャーでの3rdにして、バンドとしては通算5枚目となるニューアルバム『V(ファイヴ)』をリリースする。前作のメジャー2ndアルバム『現実』(2011年8月)発売後、ライブを重ねていく中でバンドとしての転換期を迎えつつあることに気付いたという彼ら。そこで明確なコンセプトを持って制作してきた前作までとは異なり、メンバー5人が今やりたいことを形にするという作り方で今回のアルバムを完成させた。結果として今作では各楽曲の個性をより強めながら、全体としては不思議な統一感を持った作品となっている。積み重ねてきたメンバー個々の力を結集して生み出された音は、もはや“NoGoD”と呼ぶしかないものだ。単なるメタルでもヴィジュアル系でもJ-POPでもない、圧倒的なオリジナリティを備えた彼らの音楽に今こそ触れてみて欲しい。

 

「このアルバム自体が、NoGoDというバンドが今ここにあるということの証みたいなものなんじゃないかな」

●ニューアルバム『V』を2/6に発売するわけですが、アルバムとしては前作の『現実』から1年半ほど空いたことになりますね。

団長:自分たちとしては、何かとバタバタやっていたつもりなんですけどね…。こうやって見ると、ちょっとした活動休止明けみたいですよね。

Kyrie:そんなことはないでしょ(笑)。元々、前作の『現実』をリリースしてから次のアルバムまではちょっと時間を置こうかなと思っていたんですよ。というのは前作をリリースしてからツアーを1本終えた時に、ライブがそれまでの自分たちの感覚とは違っていたりして。音楽的にも1つの転換期になってくるんだろうなと感じていたので、そこをしばらくは見据えたいという気持ちがあったんです。

●あえて時間を置いたと。

Kyrie:今回のアルバムの構想自体は2011年末頃には考えていたんですけど、発表はこれくらいの時期まで待とうかなとは思っていました。その間に自分たちの転換期に対する1つのケジメとして、『STAND UP!』というシングルを出した感じですね。

●『STAND UP!』までが前作からの流れというか。

Kyrie:僕のイメージ的には、そんな感じですね。

●実際に今作の制作に入ったのはいつ頃?

Kyrie:動き始めたのは去年4月に『STAND UP!』の録音を始めたのと同時期でしたね。僕1人だけ先駆けて、次の制作に入っていたんですよ。ストックを貯めながら、「次回のアルバムはこういう感じにしようかな」とイメージしたりしていて。だから片方はシングルとしてそれまでの流れにケジメをつける作品で、もう1つはそこから次に向かう作品という形で並行して作っていました。

●次に自分たちが向かうべき方向性が見えていた?

Kyrie:僕自身、最初から見えていたわけではないと思うんですよ。その結果、こういう作品になったんだろうなと思っていて。(『V(ファイヴ)』という)タイトル通り、インディーズ時代から数えて通算5枚目のアルバムを作るとなった時に、僕ら5人そのものが内容であればいいっていうイメージだけがあったんです。だから5人のメンバーがそれぞれどういう音楽をやりたいかというリサーチから入って、それをひたすら具現化して曲にしていった結果が今回の作品になったという。…言ってしまえば、ノーコンセプトなアルバムですね。

●それを1つの作品として形にできるのは、5人それぞれが経験を重ねてきた今だからこそでは?

Kyrie:言われてみればそうかもしれないけど、そこはあんまり考えていなくて。ただ、自分たちの中でバンドとして向かうべきところには向かっているというのは感じていたんです。そういうバンドとして1つの流れがある中で、個々のメンバーが改めてNoGoDというバンドでどういう音楽をやろうとしているのかというところに目を向けて考えたら、また違う何かができるんじゃないかというのはありましたね。

団長:今だから、こういうアルバムができたというか。過去4作のアルバムには何かしらのコンセプトがあったんですけど、今回はコンセプトに縛られたくなかったというのもあったんです。『STAND UP!』を出してから1年間ライブに明け暮れて、戻ってきたところはすごく初期衝動的な部分だった。

●バンドとしての原点に戻ってきたというか。

団長:“バンドとは本来どういうものなのか”とか“1人1人のアーティストが集合体となってバンドをやるというのはどういうことなのか”っていうことを考えさせられたんです。その中で“今回のアルバムではまず好きな曲を出し合ってやってみないか?”となった時に、みんなが“それでいこうよ”となれたのは必然的な流れだったからなのかなと。今この段階でこのコンディションとこのモチベーションでメンバーの向いている方向でやるとしたら、これだったのかなって。俺はすごく必然的なものを感じましたね。

●団長にも明確なイメージがあったわけではない?

団長:なかったですね。でもメンバーがやりたいと言ってきた曲に、そこまでの意外性を感じなかったんですよ。昔だったら「こういう曲は好きじゃないからやりたくない」とか言っていたかもしれないんですけど、今ならそういうものでも“やれそう”って思える。“NoGoDになりそう”って思える曲が出揃った時に、“みんな同じような方向を向いているんだな”と感じましたね。もちろん根本は違うんですけど、バラバラに見えて1つでもあって…。本当に聴いてもらわないと、そこの絶妙なサジ加減はわからないですね。ただ…クドいです!

●自分で言っちゃう(笑)。

団長:とにかくクドいですね。1曲目から最後まで、牛肉を食った後に豚肉を食って鶏肉を食って魚を食った後にまた豚肉を食う…みたいな肉を食い続けている感じがします。全曲、メインディッシュを食べている感じなんですよ。たとえるならメンバーみんなで食べたいものを持ち寄ってピクニックに行ったら、全員がハンバーガーだった…みたいな感じじゃないかな?

Kyrie:…わかんないです(笑)。

●Kyrieさんにも、もう少し伝わりやすく…。

団長:全員ハンバーガーなんですけど、フィッシュバーガーを持って来る人もいるんですよ。1つの筋は通っているんですけど、その中で細かい個人の趣味嗜好とかがしっかりと見えるっていう。ただバラバラになっているんじゃなくて、ちゃんと1曲1曲が意志や責任感を持って独立してくれている。要はバンドっぽいんですよね。12人メンバーがいる1つのバンドみたいなアルバムになっているっていうか。

Kyrie:彼は何を言っているんですか…? (笑)。

●ハハハ(笑)。要はそれぞれに個性を持った楽曲が集まりながら、ちゃんと1枚のアルバムとしても成立しているという感じですよね。

団長:自分の中で今回の『V』というタイトルには、“Various Artists”の“V”という意味もかけていて。曲だけならオムニバスっぽい感じもあるんだけど、歌っている人間としてはそんな印象はないんですよ。でも聴いていると、不思議とそういう感覚に陥ってしまうというところもすごいなと…。本当に良くも悪くも“クドい”アルバムですね。

●自分でも“すごい”と思える作品になっている。

団長:マスタリングが終わった音源を聴いてみて、俺は改めて“すごいな”と思ったんですよ。このバンドが出す音っていうものは日本のどこにも属さないというか、“NoGoD”っていう音になってきちゃったなと。やっとNoGoDっていうものがどういうバンドで、NoGoDっていうジャンルがどういうものなのかをパッケージングできるようになってきた最初の作品かもしれないですね。

●NoGoDというバンドを1つのジャンルと言えるほどに確立できた。

団長:だから最初は“セルフタイトルでもいいんじゃないか?”という話もあったんですよ。でも“これがNoGoDの全てじゃない”という意見もあって。今の5人をどう表現するかというところで色んな意味を込めて、『V』というタイトルにしました。

●歌詞の面では人間の内面にある生々しい部分を描いていた前作から、もう一歩踏み込んで人間の醜さといったところまで描いている感じがします。

団長:ここ2作ではアルバム全体のコンセプトが先行していたので、そういうものを書くタイミングがなかったというのもあって。“こういう曲だったらこういう歌詞を乗せたいけど、アルバムのトータルコンセプトとぶつかるな…”ということで書けなかったものもあったんです。でも今回は曲のイメージに合った歌詞を乗せるっていう当たり前の作業に立ち戻ったので、一切そういう制限がなかったんですよ。曲の行きたい方向に歌詞も寄せられるし、すごく幅広い歌詞を乗せられたなという感覚はありますね。

●コンセプトがないことが良い方向に作用した。

団長:今回に関しては、そのおかげで歌詞も曲もすごくソリッドになったと思いますね。1つ1つの曲にシンプルでソリッドな歌詞を独立して乗せられたかなと。全体を通してのストーリー性はないアルバムなので内容も別につながっていなくていいし、1曲目と2曲目で言っていることがバラバラでもいいんです。M-11「感情」みたいに“今の自分が思った気持を大切にしろよ”という曲もあれば、M-2「絶望、バイバイ。」みたいに“今すぐ変わらないと、何も変わんねぇぞ”っていう曲もあって。“どっちやねん!”と思われるだろうけど、どっちでもいいんですよ(笑)。どちらも大切なことだと思うから。

●そういう二面性があるのも人間らしさですからね。「絶望、バイバイ。」の“イタイ、イタイと言われ続け”というのは、団長自身のことだったりする?

団長:これは自分のことですね。“イタイと言えば、俺でしょ?”って。

●団長はイタさの象徴だと(笑)。

団長:象徴ですね(笑)。基本的に自分にも言い聞かせるし、他人にも言い聞かせる内容というか。

●自分自身のコンプレックスをさらけ出すような歌詞も多い気が…。

団長:元々そういう歌詞は多かったんですけど、特に『STAND UP!』以降でさらけ出すことに慣れてきた感じがあって。実際にライブでも、お客さんへのメッセージの伝わり方が良かったんですよ。そこで“今ならもうちょっと突っ込んだ言葉を投げかけられるかもな”と思うようになっていったんです。特にM-1「現世ホラーショー(ウツシヨホラーショー)」やM-10「鐘を鳴らせ」では、だいぶ突っ込んだ言葉を使いましたね。

●自分自身をさらけ出している言葉だから、リスナーにもよりリアルに響くというか。

団長:制限がなくなった分、『現実』よりもリアリティは増した気がします。あと、今作ではセンシティブな言葉も使えるようになったのでM-4「空の公園(カラノコウエン)」ではファンタジーみたいなニュアンスも出せたし、M-5「Sabbath(サバト)」では全く逆のおどろおどろしい世界観みたいなものも出せていて。そういう中でも、伝えたいメッセージは前作よりもリアルになったと思いますね。

●より自分らしい言葉で歌えるようになったのでは?

団長:バンドが“自分たちらしいことをやりたい”というモチベーションにあるから、そこに刺激を受けて自分自身もそういう方向に向いていった部分はありますね。

●曲順としてもM-9「STAND UP!」を境にアッパーチューンが続く展開が、まさにNoGoDのライブ終盤を思わせる流れで“らしいな”と思いました。

Kyrie:「STAND UP!」という曲自体がこのアルバムにとって異色といえば異色なんですけど、かといって馴染まないわけでもなくて。でもやっぱり1つの転換点になる曲ではあったのでここに置いて、そこまでの流れを変えた感じですね。

団長:そこまで意識したわけじゃないんですけど、何となくそういうことができるようになったのはバンド力が強まったからかなと思います。出揃った曲を並べた時にこうなったのも、やっぱり必然だったのかなと。

●なるべくしてこうなったというか。

団長:偶然の産物というわけではないんですけど、“やっぱりこうなるんだな”っていう。今の俺たちがやりたいことだけを純粋に突き詰めて作った作品だから、こういう初期衝動に満ち溢れた、ライブの景色が見えやすいアルバムになるんだなって思いました。できあがったものを聴いてみて自分では“なるほどね”と思うんですけど、リスナーに対しては“こんな僕たちですけど、いかがなもんですかね?”という感じで(笑)。

●今の自分たちをアルバムという形で提示している。

Kyrie:今回のアルバムには明確なコンセプトがなくて、バンドそのものを伝える作品だったので“こうだったんですよ”という感じだけなんです。自分たち自身を分析して作った結果、こういうものができあがったので“どうですか?”と言うしかなくて。聴く人によって色んな聴き方や捉え方があると思うんですけど、僕自身が今作を聴いて思うのは“NoGoDってこういう感じだったんですね”ということで。このアルバム自体が、NoGoDというバンドが今ここにあるということの証みたいなものなんじゃないかなと思います。

団長:どう捉えられるかはまだわからないし、皆さんが聴いてくれての答えが俺たちの手応えになるから。

●それを確かめに行くのが、リリース後のツアーなわけですよね。

Kyrie:「STAND UP!」を除いては全て新曲なので、それを初めてライブで届けられるということで楽しみですね。規模としては過去最大のツアーでもあって。

団長:今までファンの方から「地方組はライブになかなか行けなくてつらいです」と言われたりもしたんですけど、今回は言わせないよと。“もう言い訳させないから、来てね!”という感じですね。

Interview:IMAI

new_umbro banner-umbloi•ÒW—pj