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NoGoD

珠玉の名曲たちが鮮やかに彩る“四季”をテーマに生まれたコンセプト・ミニアルバム

shikisai main昨年12/2に赤坂BLITZで敢行されたNoGoDのワンマンライブは、まさに圧巻だった。バンドとしての演奏力やパフォーマンスの高さはもとより、過去最高の動員を記録した大観衆と一体になり生み出す空間はもはや唯一無二の域に達したと言えるだろう。そして迎えた2014年1発目のリリースとなるのが、今回のミニアルバム『四季彩』だ。[visions]と[sounds]の2形態で発表される今作は、四季をテーマにしたコンセプト作。アコースティック・ヴァージョンなどの新たな試みも見せながら、彩り豊かに表現される楽曲は彼らの次なる進化を予感させる。

 

 

 

「心に残る傷っていうものはどこかにあるから、そこをあえて今回はほじくり返した。それは自分が次のステップへ進むために必要なものだったのかなと」

●去年12月の赤坂BLITZワンマンは、すごい盛り上がりでしたね。ライブのクオリティが高まるにつれて、動員数も着実に増えている気がします。

Kyrie:お客さんがどんどんバンドを愛してくれて、ライブも一緒に盛り上げてくれている感じがしますね。今回のライブ音源に収録されている「FRONTIER」の冒頭なんて、編集で聴いた時に「こんなに盛り上がっていた?」と思ったくらいで。お客さんがライブを作ってくれる割合がどんどん大きくなっていると思います。

団長:“NoGoD”っていう空間を全員が共有できるスペースというか。俺たちが憧れていたライブのあり方って、心の底から沸き立つ何かがあるようなものなんですよ。ちゃんと音楽をやった上で、それ以上に伝えられるものがあるんじゃないかなと思っていて。自分の中で「ライブってこうあるべきだな」と思う形に近づきつつありますね。

●BLITZのMCでも、Kyrieさんが「最近ライブが好き」だと話していましたよね。

Kyrie:…そんなことを言った気がしますね。

団長:この人、昔はライブがそんなに好きじゃなかったんですよ(笑)。

●言っちゃった(笑)。

Kyrie:もちろん嫌いなわけではなかったんですよ。ただ元々僕はライブを観に行かないので、ライブという空間を楽しむことに慣れていなかったというか。ライブを何本もやっていく中で、同じ曲を演奏しながら毎回新しい何かを見せるっていうのは難しいなと感じていて。でも、そうじゃないところでライブというものに対して価値を見出せるんだということをお客さんに教えてもらいましたね。

●ライブを通してお客さんから学んだと。

Kyrie:別にさして目新しいことはなく、やっていることはいつもと同じかもしれないし、毎回必ず新しい曲があったりするわけじゃない。それでもNoGoDっていうバンドと、ライブを観に来てくれた人たちで作り上げる空間がすごくハッピーなものであるっていうところが大事なのかなと思って。同じ曲を演奏していても、同じ服を着て同じ動きをしていても、その時にしか感じられないものがそこにあるっていうことがすごく大事で。1本1本のライブについて、その空間自体を自分自身がすごく楽しめるようになったし、お客さんにも楽しんでもらえるようになったなと思います。

●今作に収録されているライブ音源は、今のライブの魅力が凝縮されている4曲という感じ?

団長:あくまでも音源は取説(取扱説明書)なので。オーディエンスの反応だったり、視覚的な部分も含めて色んなものが混ざり合って、ライブで初めて曲が完成すると思っているんです。だから、今回はその片鱗をお見せできればなと。

●BLITZの時に今作のリリースを発表したわけですが、当時から既に制作は始まっていたんでしょうか?

Kyrie:録音自体はまだ始まってなくて、アレンジがひと通り終わったくらいでしたね。でも構想自体は2009〜2010年頃からあったんですよ。

●数年前から温めていた企画なんですね。

Kyrie:温めていたというか、やる機会がなかった(笑)。

団長:曲自体も古かったりするんですよ。M-1「櫻」なんて、18歳くらいの時に作った曲ですからね。

●以前から再録したいと考えていた曲だった?

Kyrie:2009年にM-3「あの日の空は極彩で」を収録した『極彩色』というアルバムができて。その時点でギターがShinnoくんに変わって今のメンバーになったので、「櫻」についても当時から再録のオファーを頂いていたんですよ。

団長:「櫻」は元々、お客さんの人気も高かったんです。

●ファンからの要望もあったと。

Kyrie:当時から「(再録を)やって欲しい」という声もあったんですけど、どうせやるなら4つの季節をテーマにした1枚の作品として出したいと思っていたんです。それで一昨年くらいにM-2「千夜を越えて花束を」という夏の曲が完成して四季が全部揃ったので(M-4「彩白」は2006年発売)、どこかのタイミングでやりたいねという話はしていて。あまり長く放置しておきたくなかったのもあるし、もうそろそろ行けるんじゃないかというところで今回になりました。

●再録曲に関してはアレンジも当時と変わっている?

Kyrie:「櫻」に関しては収録が決まった時点で、しっかりリアレンジしようと思っていました。Shinnoくんが入ってから、この曲はどうも消化不良を起こしていた気がしていて。何度か(リアレンジを)チャレンジをしたことがあったんですけど、どうにも消化しきれなかったんです。だから今回出すにあたっては何とかしようということで、本腰を入れてリアレンジしましたね。少なからず今のNoGoDとしては、消化できたんじゃないかなと思っています。

●ところで今回の収録曲は、別れた人を想うような歌詞が多いように感じたんですが…。

団長:特に「彩白」と「櫻」を作った時はまだ若かったので、そういう歌詞を書くのがカッコ良いと思っていたんでしょうね。今では絶対に書けない、10代ならではの青春な感じですね。逆に「あの日の空は極彩で」は今の心情に近い書き方をしているので当時とニュアンスが変わっていて、だいぶカラッとしているなと思います。

●ちょっと大人になった感じですね。

Kyrie:作った時期によって、(失恋の)引きずり具合が違っている…(笑)。

団長:そういう意味では、「櫻」が一番引きずっていますね(笑)。今回どうしても統一したかったテーマとして“失った人を想う歌詞を自分目線で書く”っていうことと、“華を使った季語を入れる”ということがあって。だから「彩白」は“雪の華”というニュアンスで、「あの日の空は極彩で」は“秋桜”、「櫻」は“サクラ”、「千夜を越えて花束を」は“花火”をテーマにしているんです。

●引きずっているということは、やっぱり実体験が元になっている…?

団長:そこはまあ…女々しさ全開ですね(笑)。10代の頃なんて、失恋したら部屋に1日中こもって宇多田ヒカルさんの「First Love」を聴き続けていたりして(笑)。

●リアルさが伝わるエピソードですね(笑)。

団長:「千夜を越えて花束を」に関しては、毎年思い出すことがあって。夏に車で地元へ帰る時に、ふと気付くといつも花火大会をやっているんですよ。「あ、今日は花火大会なんだ」って思うと、「あの時付き合っていた彼女がいたな…」とか思い出しちゃう。10代の頃は、花火って恋愛の一大イベントじゃないですか。でも今はゆっくり見ているヒマもない。だから「家族を作って落ち着いたりしないと、もう誰かと見に行くこともないんだろうな」なんて思いながら、イメージを広げた曲ですね。

●そういった感傷が込められているからこそ、今回は特に叙情的な歌詞になっているのかなと。

団長:本来は出したくない部分なんですよ。特にここ最近は「強く生きようぜ!」って歌うことが好きなので。でも心に残る傷っていうものはどこかにあるから、そこをあえて今回はほじくり返した。それは自分が次のステップへ進むために必要なものだったのかなと思います。「前を見ろ!」とか「もっと強く生きろ!」とか歌っているけど、「オマエモナー」って(笑)。

●ハハハ(笑)。次のステップを見据えてという点では、『四季彩[sounds]』に収録したアコースティック・ヴァージョンも新たな試みでは?

Kyrie:やっていて楽しかったですね。聴き慣れたアレンジではないし、新しい作品として自分で聴いていても楽しいんです。

●「櫻」のボサノヴァ的なアレンジが印象的でした。

Kyrie:バンドとして持っている要素ではないけど、僕が大学のジャズギター科にいた頃にはよく触れていて。この曲を改めて聴いて歌詞も見直した時に、もっと柔らかく伝える方法があるんじゃないかなと思ったんです。それでピアノで弾いたりアコギで弾いたりと色々試している中で、最終的にボサノヴァが良いかなと。

●バンドとしては、新たな要素を取り入れたわけですよね?

Kyrie:でも、やること自体は変わらないんですよ。僕たちはメンバー全員が同じバックボーンを共有しているわけじゃないから、例えば『神髄』シリーズを作った時も「こういう音楽をイメージしているよ」っていうものをみんなにまず聴いてもらって。その上で消化してもらったりすることが多いんです。それが今回は、たまたまボサノヴァだったというだけですね。

●「あの日の空は極彩で」なんて、この曲だけなら爽やかなフォークデュオみたいにも聴こえます(笑)。

団長:こういう形でアコースティック・ヴァージョンが成立するバンドって、実はすごく少ないんですよ。何か1つのジャンルで他に誰も代わりができないほどすごいことをできる人はいても、こんなに多くのジャンルをこれだけのクオリティでアレンジできるバンドは自分たちしかいないなって思うんです。1つの自信にもなったし、今作を録り終えて改めてNoGoDは唯一無二に近づいたなと思いましたね。

●自分たちの独自性を再認識した。

Kyrie:僕たちは結局、飽き性なんですよ。バンドとしては基本的に激しい音楽をやっていますけど、それだけが全てじゃないし、同じことばかりやっていてもつまらない。僕は色んな音楽を取り入れて、ツールとして楽しみたいなと思っていて。それを「こういう形で伝えられたらいいな」っていう想いが、今回のアコースティック・ヴァージョンには込められていますね。

●ファンにもそういう楽しみ方を知って欲しい?

団長:自分で言うのはおこがましいんですけど、良い音楽を聴いて欲しいなと。その上で、好きなものを見つけて欲しいんですよ。自分の知識だけで全てを語り尽くせるわけじゃないし、どんなジャンルでもそれしか聴かなかったら凝り固まってしまう。色んな音楽があった上で俺たちも成り立っているわけだから、聴いてくれる人たちもそうあって欲しいんです。

●色んな音楽を聴くことで、NoGoDの音楽性もより深く理解できるというか。

Kyrie:“突き詰める美学”っていうものもありますけど、僕たちには向いていないと思うんですよ。

団長:俺たちが突き詰めるのは、音楽ジャンルだけじゃなくて“NoGoD”っていうバンドがどこまでやれるかというところであって。音楽のジャンルに囚われるのはもうしばらくいいやっていう感じですね。

Interview:IMAI
Assistant:馬渡司

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