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ノグチサトシ

真っ白なキャンバスに一点の濁りもない心の叫びを綴るロックンローラー

ノグチサトシ真っ白なキャンバスに一点の濁りもない心の叫びを綴るロックンローラー、ノグチサトシ。2002年から路上で歌い始めた彼は、自分にしか書けない言葉と自分にしか歌えない歌を探し、自分なりのペースで歩んできた。海北大輔(LOST IN TIME)、片山豊(SLIMEBALL,NOSHOW)、遠藤貴志(GOOFY'S HOLIDAY)、町田直隆(ex.BUNGEE JUMP FESTIVAL)を迎え、11年目にしてリリースする初の全国流通盤・1stミニアルバム『負け犬』は、毒がありながらも、とても温かくて愛に溢れた作品だ。

 

 

 

●今作『負け犬』を聴けば、ノグチさんの人間的なバックボーンがすごく伝わってくるんです。世の中をちょっと斜めから見ながらも、根底は愛に溢れていて、愛が多い故に腹が立つことも多い人というか。

ノグチ:本当にそのとおりですね(笑)。それしかないです。

●大阪で弾き語りを始めたとのことですが、出身は沼津ですよね?

ノグチ:出身は沼津なんですけど、中学〜高校が大阪の全寮制の学校だったんです。寮だからやることもなくて、ギターを始めて。最初は尾崎豊のコピーとかしていたんですけど、高校卒業してから弾き語りをするようになったんです。大阪で音楽の専門学校に通っていたんですけど、その日暮らしみたいな生活をしていたんですよ。お金を稼ぐために夜な夜な路上で弾き語りをして、もらったお金でご飯を食べて。いちおう仕送りはあったんですけど、バイトもしていなかったし。いっぱい貰えたときはめしや丼(今のやよい軒)に行って、少ない日は吉野家で。ルンペンみたいなダメな生活をしていたんです。

●「ルンペン」という言葉がもうダメですけどね(笑)。

ノグチ:専門学校を卒業したら沼津に戻って就職したんですけど、大阪を離れる直前に、すごくかっこいい人の路上ライブを偶然観たんです。そこで衝撃を受けて。沢田ナオヤという人なんですけど、ギター1本声1つでこんなにかっこいいんだ! って。歌詞も丸裸だし。沼津に帰る2ヶ月前くらいに出会って、その人のライブをめっちゃ観に行ったんです。観れば観るほどかっこよくて。だから沼津で就職しながらも音楽は続けて。今も全然超えられない壁なんですけど、僕はその人がきっかけで弾き語りをやっています。

●沢田さんを観て人生が変わったと。

ノグチ:でも最初の何年間か、僕は沢田ナオヤになろうとしていたんですよね。それじゃあ絶対にあの人とは勝負できないということに気づいたとき、自分の武器を見つけようと思って、赤裸々にというか、自分のゲスな部分を詰め込んだ曲を書いてみたんですよ。女が聴いたら絶対に引くだろうなっていう曲。

●自分のドロッとした内面性を吐露してみたと。

ノグチ:周りのミュージシャンを見たときに、みんな美辞麗句を並べているように見えることがしばしばあったんです。自分の歌詞の中にもそういうものがチラホラ見え隠れすることがあるな、という自覚もあったので、もう本音を全部出しちゃおうと。非道徳的なことを。

●非道徳的(笑)。

ノグチ:そういう曲を3〜4曲書いたんですけど、女の人はライブに全然来なくなっちゃって。でも男の人からはすごく支持を受けたんです。あばずれの歌とか、「俺は人間生殖器や!」みたいな歌とか。

●ハハハハ(笑)。

ノグチ:それは5〜6年前のことなんですけど、そこで自分の武器というか、自分と人との違いを見出したんです。その時は非道徳的なテーマで書いたけど、ちょっと軌道修正すれば人との違いを出すことが出来るんじゃないかなって。要するにそれまでの僕は万人受けをしようと思っていたんですね。ダウンタウンの松本人志が書いた『遺書』というエッセイに「笑いに敏感な若い男性というすごく狭い層に的を絞って笑いを考えている」と書いていて“なるほど!”と。それもあって、考え方を変えて“失うものは何もない”という気持ちで音楽をやるようになりました。

●どうせやるんだったら自分にしかできないことをとことん追求しようと。

ノグチ:そうです。でも、非道徳的なことばかり歌っていると、傷つくこともあるんですね。そういう歌が好きな人たちは喜んでくれるけど、家に帰って1人になったらすごく寂しくなったんです。考えてみると、その時の僕の歌には何の優しさも愛もないんだなと思って。でも、“愛とはなんぞや?”と。

●また考えたのか(笑)。

ノグチ:その頃から自分なりの優しさとか愛をちょっと歌詞に入れて歌うようになりました。

●ざっとノグチさんのミュージシャン人生をお聞きしましたけど、今作にはM-5「オーマイハニー」という曲が収録されているように、ノグチサトシというミュージシャンにとって、奥さんの存在も大きいんじゃないですか? 優しさや愛を歌う、という部分で。

ノグチ:あ、すごく大きいです。あの子と交際するようになってから、歌詞の内容が変わったよなって自分でもめっちゃ思います。嫁はものすごく純粋なんです。僕は自分のことを不純だと思っているんですよ。汚れた部分もたくさんあるし。でもあの子と一緒に居たら、ちょっと心が洗われるような感じがあるんです。こんな俺でもまだイケるんじゃないかなって。

●いい話だ(笑)。

ノグチ:非道徳的な頃の僕を知っている人からすると「トゲがなくなった」と言われることもあるんですけど、それも俺だからなって思って。

●ノグチさんは音楽にそのまま出ますね。嘘がないというか。

ノグチ:そうですね〜。嘘を書いちゃったら、その曲は長く歌えないんですよ。「オーマイハニー」ではタバコを辞めたことも歌ってますけど、僕はもともとタバコを喫ってたんです。この曲がなかったら、きっと僕は誘惑に負けてまたタバコを喫ってただろうなって。

●ハハハ(笑)。

ノグチ:だから自分のために書いている歌がすごく多いんです。別に狙って書いているわけじゃないんですけど、後々から聴き返してみたりすると、ちょっと元気が出たりするんですよね。そんな感じで、これからも書いていけたらなって思ってます。

interview:Takeshi.Yamanaka

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