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Nothing’s Carved In Stone

更に進化した彼らの新たな一歩は、より深く、そして温かく響く4thシングル

PHOTO_NCIS昨年11月にリリースした3rd『Spirit Inspiration』に続き、Nothing's Carved In Stoneが新たなシングルを完成させた。彼らの真骨頂とも言える強烈なビートが感覚に作用する表題曲「Out of Control」、昨年のアルバムツアーを経て生まれた「Crystal Beat」、そして包み込むようなメロディと体温を感じさせる言葉が刺さる「Raining Ash」。更に進化した彼らの新たな一歩は、より深く、そしてどこまでも温かく響き渡る。

「俺はやっぱり、自分たちで素晴らしいものを作って、対等な目線で、同じ目線で、同じ人として、“こういうことやってるよ”ってただ言いたい」

んです。

●3/6にシングル『Out of Control』がリリースとなりますが、今作の3曲はいつごろに作ったんですか?

村松:前のアルバム『Silver Sun』(2012年8月)の制作が終わった以降、継続的に曲作りを行なっていたんですけど、去年の6月の段階で今回のM-1「Out of Control」とM-2「Crystal Beat」は原形ができていて、M-3「Raining Ash」は今年の1月に入ってからくらいに完成したんです。

●結構早い段階で「Out of Control」と「Crystal Beat」は原形ができていたんですね。

村松:そうですね。「次に残せるように」と早い段階で作っていたんです。

●「Out of Control」はタイアップが付いていますが、昨年6月の段階で原形ができていたということは、タイアップの話があってから作ったわけではない?

村松:そうですね。気持ちの持って行き方としては、「次に出すであろうアルバムに入れたくなる曲を作ろうじゃないか」という感じで作っていた中の1つです。

●「Out of Control」はリズムとリフが合っていないような感じなんですけど、でもその絶妙な違和感がすごく癖になるという。こういうトリッキーさはNothing's Carved In Stoneの得意とするところですよね。

村松:そうですね。「Out of Control」は最初に“近未来”みたいなイメージがテーマとして挙がっていて。この曲はイントロから特徴的なギターリフが入ってるかと思うんですけど、真一が最初にあのネタを持ってきて、そこからみんなで合わせて膨らませたんです。

●セッションからの曲作りという。

村松:ネタがありつつも楽器で会話しながらっていう。

●リズムとリフの微妙なズレの違和感や、ラウドな要素が多いのに、楽曲としてはすごく気持ちよく聴けるんですよね。それはNothing's Carved In Stoneが作る楽曲の大きな特徴だと思う。

村松:やっぱりノれるのが重要で。本来は絡まなそうなところが絡んでいたり、キーボードで出すような音もギターやベースで出したりすることで、それで平熱感みたいなものが出ていて。なおかつ、その中でビートを感じてノリが出るような曲にしたいと思っているんです。そういうところに楽曲の焦点を合わせているというか。

●それはもうバンドの個性になっているんですか?

村松:そうですね。リズムはみんなこだわっているんですけど、オニィ(大喜多)とかは基本的に叩いてノらせたいっていうか、曲でノらせたいっていうのがあるみたいで。バスドラ1つの置き方にしても、フックになるようなものを入れてちょっと喰わせてっていう。だからリズムでそういう風に持っていくのはウチの得意分野だと思います。

●なるほど。この曲の間奏やアウトロはメタルというかハードロック的な要素もあって、楽器それぞれの見せ場がありますよね。でもそこも行き切っていないとうか、ベタになる直前の絶妙なポイントを突いていると思うんですね。

村松:そうですね。“いなたさ”みたいなものを感じたらなるべく排除するようにして。やっぱりロックはかっこいいものであって欲しいじゃないですか。

●うんうん。わかります。

村松:コード進行にしても何にしても、実際にハメてみて「やっぱり違うね」ということがあるんですよ。そういうところはなるべく排除して、アレンジを変えたりしてやってます。

●あと歌詞についてですが、今作の3曲ともに共通することだと思うんですが、拓さんが前からテーマにしている“青春”…衝動や本能的なエネルギー、年を取ったり経験を積むことによって見失いがちなもの、初期衝動…そういったものを希求している視点を感じたんです。

村松:そうですね。俺、ライブで最近オーディエンスに対してよくしゃべるようになったじゃないですか。

●はい。

村松:あれは伝えたいことがより出てきたっていうことが大きいんです。もっとオープンになって、バンドの窓口に俺がなりたいと思っているんです。でも俺たちは音楽をやっているので、究極的にいえばMCは要らないと思いながらやってるんですよね。

●うんうん。

村松:今、ライブのいろんな形を探していて。一番は、何も考えずに俺たちの音楽を楽しんでほしいんですよね。という想いは言葉にしたらちょっと損なわれるというか。今はいいかもしれないけど、洗練させていかなくていいのか? っていう自問が常にあって。だったらそういう気持ちを1度曲でちゃんと言わなきゃと思って書いたのが「Crystal Beat」なんです。

●あ、なるほど。

村松:だからおっしゃっていたように、もっともっと本能的になったり、衝動的になりたいと想って書いた歌詞なんです。ライブで「もっと楽しんでいいよ」って言うために、英語も簡単な言葉を使っていたり。

●そういう想いがより強くなってきているんでしょうか?

村松:そうですね。「Crystal Beat」の歌詞を書いたのはアルバム『Silver Sun』のツアーが終わった時期だったので、よりそういう想いが強くなっていました。

●その話を聞いてちょっと納得できるんですけど、今作は“君”という対象が今まで以上に見えている印象もあって。

村松:ああ〜、そうですね。どの曲も対象の“君”が居ますね。

●拓さんが書く歌詞から受けていた印象は“内面との対峙”だったんです。でも今作は届ける先が見えているなって。

村松:「Crystal Beat」はオーディエンスに向けた歌詞で、「Raining Ash」はバンド愛を歌っていて。去年のアルバムツアーで地方に行ったことがきっかけになっているんですけど、その土地に寄せる愛とかを感じて…愛みたいなものを歌えたらいいなと思ったんです。

●ほう。

村松:今、身近にあるものっていったらやっぱりバンドかなと。だからバンドに対する愛をちょっと含めて歌詞を書いてみたんです。

●「Raining Ash」の歌詞は驚きました。愛を歌っていて。

村松:結構素直な気持ちで書いたんです。

●歌詞については、照れくささとかがどんどんなくなってきている感じがありますね。

村松:そうですね。なるべくストレートに…でも最近はちょっとストレートになり過ぎてきていて。

●え? そうですか?

村松:いや、なってるんですよ(笑)。歌詞だけじゃなくて人間としてストレートに。もともとオープンじゃなかったから、そこからまた押し戻されるときが来ると思うんですよ。押し戻されたとき、どれだけギャップに苦しむのかなと。ちょっと怖いんですよね。

●ハハハ(笑)。でも今のオープンな感じは心地いいんですよね?

村松:心地いいです。心地いいし、20代って大切な仲間がいっぱいできたし、いろんな経験ができたんですよ。でも俺にとっての20代は結構暗黒時代で。

●え? 今いくつでしたっけ?

村松:いま30歳です。10代から20歳になったくらいの頃はすごく活き活きしていて。でも20代は俺のイメージでは結構暗黒で。でも30歳になってその闇からちょっと抜けて、「そういえばもともとこういうことを考えていたな」っていうところに戻ってきた感じがあるんです。10年間かけて(笑)。

●そういう変化が歌詞にも出ている?

村松:そうそう。愛を歌ったことも今までもちろんあるんですけど、“愛を歌いたいな”という気持ちになったことも含めて、どんどんオープンになってきているなって。

●そうなんですね。「Raining Ash」はサビの包み込むような感じがびっくりしたんです。「このピースな感じはなんだ?」って。

村松:ハハハ(笑)。あそこは俺と真一の声が6つくらい重なってるんですよ。神様みたいな感じですよね(笑)。

●まるで雲の切れ間から差し込んだ光に包まれているような(笑)。

村松:作ってるとき、エンジニアさんに「お前、神みたいになってるけどいいの?」って言われましたもんね(笑)。

●こういう雰囲気はNothing's Carved In Stone的には珍しいですよね。

村松:ですね。あのコーラスの部分のメロディは後で付けたんです。曲を作りながら「ここはコーラスみたいなものが入るだろう」という感じで曲を作り進めていて、メロディを考えてきてハメてみたんですけどなんか良くなくて。それでみんなで「ここどうしよう?」と話しながらいろいろと試してたら、自然にゴスペルっぽくなったんです。なんでこういう感じになったのか、本当に自然にできたんですけど、こういうのすごくおもしろいですよね。

●おもしろいですね。ところで、さっき「Crystal Beat」について「オーディエンスに向けた歌詞だ」とおっしゃいましたが、現時点の拓さんは聴いてくれる人たちに対してどう対峙したいと思っているんですか?

村松:おもしろいことをやっているし、ウチのバンドはかっこいいから、観て刺激になってほしい。例えば友達でも「なんだあいつすげえな!」と思うことってあるじゃないですか。あとTVで登山家とか観て「俺もああいう風にがんばりたい!」と思うじゃないですか。それって、そこに自分を重ねることで、観ている側が感動したり、そこに近づきたいと思ったりすると思うんです。

●そうですね。

村松:俺はやっぱり、自分たちで素晴らしいものを作って、対等な目線で、同じ目線で、同じ人として、「こういうことやってるよ」ってただ言いたいんです。

●ああ〜。

村松:やっぱり音楽はアートな部分があるから、ライブで最大限の魅力をアピールして音楽で伝えたいですね。そうすれば「がんばれよ!」と言わなくても、聴いてくれる人たちの応援はできると思うし。

●直接「がんばれよ」と言うんじゃなくて、自分たちが精一杯表現すると。

村松:そういうことを伝えたいし、想いはいっぱいあるんです。自分自身でまだ答えが出ていなことでも、音楽だと表現できるし。バンドだとそういうことに対するジレンマも表現できると思っているんですよね。なるべくおこがましい感じでは伝えたくないというか。難しいな…。

●ニュアンスはわかります。

村松:俺たちが音楽に深く突っ込んでやって、対等な目線でそれをおもしろがって「何してるんだろう?」と観てくれて、そこで「じゃあ自分は何をするんだろう?」と感じてくれたら嬉しい。そういうことなんですよ。

●それは拓さんのスタンスですよね。「お前ら元気になれよ」とか「助けたい」みたいな、直接的に手を差し伸べたいわけではない。

村松:そうなんですよね。音楽ってすごく自由じゃないですか。「聴いている人を元気にするためだけにやってます」なんて絶対に嘘だし。

●そうでしょうね。

村松:俺の尊敬している海外のミュージシャンは「金が欲しくてやっているわけじゃない」とか言いつつ金のためにやっている人なんていっぱい居るし。どれが真実で、どこを吸い取ったら伝わるかなんて、俺たちが考える必要はないと思うんです。だからありのままを見てほしい。難しいんですけど、やっぱり俺は対等なところに居たいんです。

interview:Takeshi.Yamanaka

 

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