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Nothing’s Carved In Stone 10年続けてきた。全てはこれからのために。

Nothing’s Carved In Stone 10年続けてきた。全てはこれからのために。


 
 
今年5月にシングル『Beginning』をリリースし、日比谷野外大音楽堂での3回目のワンマンも含めたツアー“Tour Beginning”を大成功させたNothing’s Carved In Stone。一切妥協することなくストイックに、そしてエゴイスティックに音を練り上げてきた唯一無二のバンドが、10枚目となるアルバム『By Your Side』を完成させ、Silver Sun Recordsからリリースする。4人が人生を賭けて鳴らす音は、10周年を経たバンドと我々の未来を切り拓く。生形と村松に、アルバム『By Your Side』のこと、自身のこと、バンドのこと、そしてこれからのことを訊いた。
 
 

NTERVIEW #1
 
「今までわりと構成とかもきっちり組み立ててきたけど、今回はそういう曲はあまりないかな。「Beginning」の時にそういう雰囲気になって、シンプルにしたくて」

 
 
 
 
●シングル『Beginning』のツアー“Tour Beginning”の一環として日比谷野外大音楽堂でのワンマンがありましたが、野音は3回目でしたよね。
 
 
 
3回やったことでちょっとホーム感が出てきましたね。バンドが馴染んできたかなという感じはしました。慣れてきている感覚もあったし、1回目はやりづらかった。

 
 
●席があるからですか?
 
 
 
席もそうだし、環境も。やりづらいというか変な感じだったけど、それが馴染んできた。

 
 
●今年は昼間に雨が降っていましたよね。
 
 
 
でもライブが始まる前に止んで。日が落ちるタイミングがちょうどライブの真ん中くらいで。

 
 
●たしかあの日は19時ごろの日の入りでしたよね。照明もめちゃくちゃ映えて。
 
 
 
そもそもライブの始まりがあまり明るくないから、それもすごくいいなと。俺が持ってる野音のイメージってあんな感じなんですよ。夕方から始まるっていう。

 
 
●お客さんにとっても、日比谷野外大音楽堂でのワンマンって特別な日になってきた感じがあって。
 
 
 
“Live on November 15th”と同じように、“Live at 野音”もそういう風になりつつあるのかと思いますね。

 
 

 
 
●ツアー全体としてはどうでした?
 
 
 
ツアーと言っても野音以外は2本だったんですけど、場所によってキャパシティも全然違ったんです。だから三者三様というか、それぞれの場所での見せ方が出来たかなと自分たちなりに思いました。やっぱりライブハウスは暑苦しいライブになるし、野音は照明の演出のこととかも考えたし。ファイナルは福岡で、個人的に好きな場所なので、いいファイナルに出来たかなと思います。

 
 
●福岡に想い入れとか縁があるんですか?
 
 
 
昔からやってたというのもあるし、福岡DRUM LOGOSは始まる前に上から客席を見れるんですよ。3階の客席の後ろが楽屋なので。そういう雰囲気がわかるのが、俺はすごく好きで。

 
 
●ステージ出る前になんとなく雰囲気がわかるんですね。「Beginning」という曲は、武道館ワンマンの後の独立…その流れの中でNothing’s Carved In Stoneというバンドのお客さんに対する意思表示が詰まった曲だと思うんですね。それを実際ツアーで演って、何か反応はありました?
 
 
 
自分たちの企画のライブがしばらくなかったので、“「Beginning」だから”という反応は特に感じてないですね。ただ、あの曲を作ってライブで出来るというのが、今の気持ちをステージで言えてる実感はありました。ああいう曲が作れてよかったなって思います。

 
 
多分だけど、インタビューとかで聞かれてるから「意思表示だ」みたいに答えてるだけで、お客さんにとっては独立ってそんな関係ないんじゃないですかね。

 
 
●そうなんですかね(笑)。
 
 
 
だからそこを敢えて気にしないようにしていたというか。インタビューとか取材で「独立したんですね」とか言われるけど、聴く側は気にすることじゃないのかなって。逆に言うと、気にしないくらい変わらずにいたかった。曲作りにしても。

 
 
●スタンスは変わらない。
 
 
 
うん、どちらかというと、そういうことを伝えたかった。

 
 
●この半年間を振り返ると、スタンスは前から全然変わってないですね。
 
 
 
やっぱり、いちばんはクオリティを下げたくなかったんです。今まですごく良い環境で曲作りが出来てたし、いつでもその環境を使うことが出来ていて。でも今回は、俺なんかはこの間まで内装工事していた事務所で曲作りをしたんです。音が変わるのは全然いいんだけど、クオリティは下げたくなかったんです。

 
 
●今回、作品の全体イメージや、曲を作ろうとした時の心持ちとかに違いはあったんですか?
 
 
 
スタジオが変わったりという環境の違いはありましたけど、根本的なスタンスは変わってないかな。ただ、物理的に場所が変わるということは当然音も変わるし、曲を作ってる時のテンションも変わりますよね。今回、一軒家みたいなスタジオで曲作りしたりとか、結構いろんな場所で作ったんですよ。なんかそれも新鮮で楽しかった。

 
 
●今回も生形さんが持ってきた曲が多いんですか?
 
 
 
いや、今までより少ないですよ。4曲がひなっちで、1曲が拓ちゃん。

 
 
●日向さん4曲も? 今までより多いですよね?
 
 
 
今まで2~3曲だったけど、今回ひなっちがデモを色々と持ってきてて。それも新鮮でしたね。

 
 
●今まで日向さんが持ってくるのは曲のアイディアだったりフレーズだったじゃないですか。今回はデモ音源だったんですか?
 
 
 
今回初めて、ちゃんと打ち込んで持ってきたんです。

 
 
●気合い入ってたんですね。
 
 
 
そうですね。「心境の変化があった」と自分で言ってました。1コーラスとイントロから入ってたりとか、ドラムもギターも入ってた。

 
 
●メロディを付けているものもあったんでしょうか?
 
 
 
メロディはベースで弾いてました。

 
 
●ちなみにその4曲とは?
 
 
 
M-3「Blow It Up」、M-6「The Savior」、M-7「Kill the Emotion」、M-9「Still」ですね。

 
 
●なるほど。アルバム全体の印象としては、簡単に言うと伝わりやすいと感じていて。めちゃくちゃ音が入ってて、ヘッドホンとかで聴いたら「何この音!」という驚きが多いんですが、曲それぞれの歌詞だけじゃなくて着地点とか爆発点がすごくはっきりしてるから、「シンプル」というとちょっと語弊があるんですけど、伝わりやすくて複雑に見えないんです。
 
 
 
今回、4人で意識したのは「少し曲を簡潔にしようかな」っていうくらいだったんです。今までわりと構成とかもきっちり組み立ててきたけど、今回はそういう曲はあまりないかな。「Beginning」の時にそういう雰囲気になって、シンプルにしたくて。

 
 
その手応えがあったよね。

 
 
今までみたいに展開の多い構成の曲もあるけど、全体で見れば減ったかもしれないですね。

 
 
●具体的には長い曲が少ないですよね。いちばん短いのが3分14秒(「The Savior」)。
 
 
 
こないだオニィが「みんなが持ち寄ったアイディアに寄り添って余計なことをするのはやめよう」と言ってたんですよ。それは、バンドに自信がついたからなのかなって。

 
 
●小細工しなくてもいい、みたいな。
 
 
 
曲の良さが勝つというか、個々のエゴみたいなものではなく、“どうやってこの曲を活かそうか?”みたいな。

 
 
●もともと曲が持っている良さを最大限に引き出そうと。M-1「Who Is」や「The Savior」は歌がちゃんと聴こえてますけど、めちゃくちゃ音が入ってますよね。
 
 
 
ややこしいですよね。「Who Is」とか「The Savior」は、感覚で言ったら作り方はLed Zeppelinに近いですよね。リフがあって、そこに歌を乗せる。

 
 

 
 
 
●ただ、Led Zeppelinほど複雑には感じないですどね。
 
 
 
本当ですか。じゃあ聴きやすくさせてるのかもしれないですね。それにLed Zeppelinはメロディアスではないから、その違いかもしれないですけど。

 
 
●Nothing’s Carved In Stoneの魅力の1つは、4人がバラバラにやっていると見せて曲としてキチンと成立させるところだと思うんですが、4人が同じ方向を見ている度合いがどんどん強くなっているような気がするんです。
 
 
 
メンバーでテーマとか決めずに作ってきたのにそうなってきたのは、やっぱり10枚作ってきたからだと思うんです。

 
 
●その「4人で同じ方向を見ている度合い」に関連する話なんですけど、「Who Is」とM-2「One Thing」と「Blow It Up」は結構大きめのブレイクがあって。「Who Is」はイントロで約0.7秒、「Blow It Up」がサビ前に1秒弱、「One Thing」はかなり長くて約1.4秒。
 
 
 
ブレイクはリズムとかの兼ね合いもありますけどね。

 
 
●僕はNothing’s Carved In Stoneに対して、あまりブレイクのイメージがなかったんです。なので過去のアルバムを調べてみると、音が一切無いブレイクが印象的なのは「Prisoner Music」くらいで、あまり見当たらなくて。なのに今回は3曲もあるというのは、4人がより同じ方向を見ているからなのかなと。
 
 
 
ああ〜、個人的には今までブレイクを結構使ってきたなと思っていたんですけど、今言われてわかったのが、演奏的にはブレイクだとしても、歌とか何かの音が鳴ってたんですね。俺らにとってはそれもブレイクなんですよ。

 
 
●なるほど。ということは、感覚はそこまで変わっているわけではない。
 
 
 
「One Thing」のラスサビの前に1小節空けているのとかははすごく覚えてますけどね。でもあまり意識してはなかったかな。

 
 
ブレイクが効果的に使えるようになったのかもね。

 
 
むしろ、逆にサビ前のブレイクが多いと思ってた。でも歌があって無音じゃないから聴く方にとってはブレイクじゃないか。「Shimmer Song」もサビ前は俺らにとってはブレイクなんですよ。でも“誰だって〜”と歌ってるから。

 
 
●うんうん。曲の伝わりやすさや緩急、曲の展開という意味では、ブレイクは効果的ですよね。今回の3曲のブレイクは、曲作りの段階からあったんでしょうか?
 
 
 
アレンジの最中に付けたんじゃないかな。「Who Is」のイントロは元から空けていて、「Blow It Up」と「One Thing」はアレンジの最中に付けたと思います。

 
 
●それと「Blow It Up」はすごく不思議な感覚があったんです。“[[Anybody I don't care / Oh come and stay with me]]”という、メロディが踊る感じのキラーフレーズがあるじゃないですか。このメロディは曲の前半に2回しか出てこないけど、でもこの曲を印象付けている。後半にも出てくるのかと思ったら、歌ではなくてシンセでメロディが鳴っているだけという。これ、絶妙ですよね。
 
 
 
あの和っぽい感じはひなっちが持ってる要素ですね。オリエンタルというか。

 
 
サウンドのアプローチと、あえて真逆のメロディを入れることで世界観を広げているんだと思うんですよね。ひなっちはそういうのが好きなんですよ。

 
 

 
 
 
●「Blow It Up」はシンプルに聴こえるなと思ったんですけど、よくよく聴くと“この構成はなんだ?”とびっくりして。
 
 
 
構成はやっぱり考えますね。邦楽と洋楽の違いで、どちらにも良さがあるんですけど、海外のアーティストは繰り返さないこととか普通にありますよね。

 
 
●それも結局、その曲に合うかどうかだという判断ですか?
 
 
 
うん。でも怖くなりがちですよね。繰り返さないことに対して。

 
 
●繰り返すことが当たり前になってるから。
 
 
 
そんな気がする。Nothing’s Carved In Stoneはそこを念頭に置かないほうがいいと思ってて。

 
 
●そこは意識している。
 
 
 
昔は意識してましたね。だから今はそれが自然になったし、そこに縛られちゃったらつまんないなって。

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

INTERVIEW #2
 
「聴いた人が居て初めて完結する作品というか。まわりくどい言い方をしないで、“あなたのため”というか。聴いてくれたらそれはあなたのためということを伝えたかった」

 
 
●もう恒例となっておりますが、この辺で生形さんが歌詞を書いた曲を当てたいと思うんですが…。
 
 
 
今回絶対わかんないですよ(笑)。自信ある(笑)。何曲あると思います?

 
 
●えっ、曲数クイズからですか。
 
 
 
見当はついてるんですよね?

 
 
●はい。過去のアルバムはだいたい2曲だったと思うんですが、今回も2曲か3曲だと思ってます。
 
 
 
まず何曲あると思います?

 
 
●うーん……2曲!
 
 
 
あー、合ってます!

 
 
●やった!
 
 
 
これ当たったらすごいな(笑)。どれだと思います?

 
 
●M-2「One Thing」とM-8「Music」!
 
 
 
あ〜、残念(笑)。

 
 
残念(笑)。

 
 
●えーーーー!!
 
 
 
「One Thing」は合ってます。「Music」は拓ちゃんですね。

 
 
●くぅ、なるほど。…だとしたらM-4「Alive」!
 
 
 
そうです(笑)。

 
 
●悔しい〜。
 
 
 
アハハハ(笑)。

 
 
●でも、「Alive」は歌詞を見ながら聴いたら泣いちゃう曲ですよね〜。
 
 
 
「Alive」めちゃくちゃいいですよね。

 
 
●じゃあ「Alive」のことを訊きますが、いつくらいのタイミングで出来た曲なんですか?
 
 
 
制作の最後の方ですね。久しぶりに綺麗なギターの曲を作りたいなと思って。

 
 
●この曲のギター、綺麗ですよね。キラキラしてる。
 
 
 
1番きらびやかにしてます。リフから作ったのかな?

 
 
●生形さんは、心の奥底で思っていることをできるだけ素直に飾らずに出していくという想いで今まで歌詞書いてきたと思うんですが、この歌詞を生形さんが書いたのか…。
 
 
 
意外ですか?

 
 
●いや、意外じゃないけど、ジーンときます。
 
 
 
その時の心境で書きました。

 
 
●ずっと自分たちが良いと思った音を鳴らし続けてきたバンドが、“I wanna sing for someone”という気持ちを吐露しているのが、もうグッときます。
 
 
 
これはバンドとのことっていうより、もっとプライベートなことですよね。人としての。英語の歌詞だと直接的にならないからわりと好きに書けるんです。日本語だと聴こえ方を気にしたりとか、“聴き取れるかな”とか考えちゃうんだけど。

 
 
●要するに制限が付くんですね。
 
 
 
そうそう。英語の歌詞だとそういうことを考えないでいいから、もう少し突っ込んだことまで書けるというか。だからわかりやすい歌詞になるんですけどね。

 
 
●元からこういう想いを歌詞にしようと思ってたんですか?
 
 
 
実を言うと「One Thing」の歌詞を書くのに時間がかかったんですよ。さっき言ったように日本語の歌詞だから。

 
 
●メロディとのハマり具合とか、いろいろ悩んだんですね。
 
 
 
はい。「One Thing」に時間がかかって、録り終わってから「Alive」の歌詞を考えたから、“何書こう?”と悩んだんです。その時に自然に出てきたのがこれだったのかな。まず最初の一行が出てきました。

 
 
●“Say the world that we live in now will end today”(例えば今日世界が終わるとして)”。
 
 
 
そこからどんどん考えて歌詞を書いていったんです。

 
 
●インタビューであればある程度こういう話はすると思うんですけど、ここまで生形さんが言葉にしてはっきりと表現するのは、結構なことだと思うんです。
 
 
 
10年やってきて心境が変わったんだと思います。ミュージシャンとして20年以上やってきて、だんだん気持ちも変わるだろうし、歳もとる。色んな事を考えるようにもなるし。

 
 
●“自分以外の誰かのために”という一節がありますけど、そういう風に変わったのは?
 
 
 
“自分たちがいいと思う音楽を鳴らす”というスタンスは今も変わったわけじゃないけど、“自分以外の誰かのために”と考えて生きていくと、色んな事のつじつまが合うんですよね。

 
 
「Alive」の歌詞はすごくストレートだったから最初は「わっ!」と思って。でもなんか、すごく代弁してもらった気持ちになりましたよね、自分の気持ちを。

 
 
●うんうん。
 
 
 
その時点で僕は既に「Music」の歌詞を書いていたんですよ。「Music」で書いた“いつか誰かを救えるような”ということより、もっとストレートなことを書いてくれたなと。

 
 
●なるほど。「Music」もすごく刺さりますよね。聴いている人に直に歌っているような曲というか。
 
 
 
誰しも孤独じゃないですか。「Music」はそういうことを含めて書いたつもりなんですけど、僕はバンドに人生を賭けていろいろ実験を繰り返したりしてきていて、その中で“いつか誰かを救えるような”というフレーズを書けて、自分自身にすごく響いたんです。そこが、真一とリンクしてるんだなって感じましたね。

 
 
●「Music」の歌詞は早い段階で書いたんですか?
 
 
 
そうですね。なんか書けると思って。

 
 
「Beginning」の後に作った曲だもんね。

 
 
 
 

 
 
 
●一方で、Nothing’s Carved In Stoneが持つ全能感も僕は大好きなんですけど、例えばそういうタイプでいうと「Kill the Emotion」はめちゃくちゃエネルギッシュな曲ですよね。
 
 
 
これはひなっちが持ってきた曲で。ギターのカッティングとかデモのまんまですよ。ひなっちが弾いたものをそのまま俺が弾き直してる。こういうのは、俺からは絶対出てこないフレーズなんです。

 
 
●日向さんっぽいですよね。踊れる。
 
 
 
それにこういう曲はまだNothing’s Carved In Stoneにはなかったなとも思って。もう聴いた瞬間に「これやりたい!」と言ってました。たしかに我が道を行くというか、余計な口を挟ませない曲という感じがありますよね。

 
 
●ありますね。やっぱりバンドでアレンジを詰めていく中で、自分たちの中でアガる感覚があるんでしょうか?
 
 
 
これをNothing’s Carved In Stoneがやったら絶対かっこよくなるというのは聴いた瞬間にわかりましたね。アイディアもどんどん出てくるし。

 
 
うんうん。

 
 
●あと「Still」ですが、ギターというか琴みたいな音が入ってません? あの音やばくないですか?
 
 
 
あれやばいですよね(笑)。

 
 
●何の楽器なんですか? 琴?
 
 
 
ギターです(笑)。あれはもうどれだけ考えたことか…。色々みんなに聞いた。

 
 
●ああいう音を出したくて、試行錯誤したということ?
 
 
そう。それでエンジニアの人が「古い弦が張ってあるギターを木のピックで弾いたらイメージに近づくかも」と提案してくれたんです。ちょうど、ずっと弦を替えてないギターがあったんですよ。音がすごい丸くなって。

 
 
●ずっと弦を替えてないギターがあるって、ギタリストですよね(笑)。
 
 
 
それで、エンジニアの人が持ってた木のピック…なんの木だっけ?

 
 
ローズウッド。

 
 
ローズウッドってバラなの?

 
 
バラなんじゃない(笑)。

 
 

バラって木なの?

 
 
●誰も正解がわかんないです(笑)。
 
 
 
もちろんマイキングもしてくれたと思うんですけど、そのローズウッドのピックで弾いたら、ああいう音になったんです。

 
 
●あの音すごいですね。すごくいい。
 
 
 
あれやばい。

 
 
●拓さんとタイに行った時にオリエンタルな音がするタイのギターがあって。それにちょっと近い感じがある。
 
 
 
そうそう。オリエンタル感は出したかったです。

 
 
●ライブで演る時はどうするんですか?
 
 
 
アコギにして拓ちゃんが弾く?

 
 
昨日木のピック買ったから出来るよ(笑)。

 
 
●ピックだけでそこまで変わるんですか。
 
 
 
結構変わりましたね。あとは鳴らないアコギっていうのが大事なんです。簡単に言うとそのアコギってあまり鳴らないんです。鳴らないというか、音がゴツいというか。でもバンドサウンドとかにハマると、不思議とその音が前に出てくるんです。

 
 
●へぇ〜、なるほど。
 
 
 
しかも、そのギターの弦が錆びてたから、更にギターっぽくないというか、ああいうオリエンタルな感じになったんです。

 
 
●最初は“機械的に鳴らしてるのかな?”と思いました。シンセとか。
 
 
 
めちゃくちゃ生です。

 
 
●これはライブも楽しみですね。今回、歌録りはどうだったんですか?
 
 
 
場所が変わって、エンジニアが変わってめっちゃ気持ち良かったですね。あと、今回の歌録りの中で、若干オニィと喧嘩みたいなものがあって。「口出ししてくんじゃねえよ」みたいな(笑)。

 
 
●フフフ(笑)。
 
 
 
迷ってたわけじゃないんですけど、「Still」を録るときに弱く歌ったり強く歌ったりしていたんです。この曲の魅力を引き出すには色気が必要だなって思って、さびれた感じというか、大人の色気を醸し出せる歌にしたくていろいろ試してたんです。

 
 
●ふむふむ。
 
 
 
今回のレコーディングから自分たちでやることになってたから、環境が変わってオニィも気合いが入ってて、歌録りにも来てくれてたんですよ。俺が迷った時とかにアドバイスをくれたりしてて。そこでちょっと意見がぶつかった。でもその結果、ようやく答えが出て。そういう部分での苦労はありました。

 
 
●曲を良くするための前向きなぶつかりだったんですね。今作も音がいっぱい鳴ってますけど、拓さんの声がどっしりと真ん中にありますよね。それはNothing’s Carved In Stoneというバンドのフォーマットというか。その像がどの曲でもハッキリと見えている感覚がありました。
 
 
 
そこをより考えたかもしれないですね。特にサビとか。

 
 
たしかにその感覚はあったな。歌をちゃんとど真ん中にいさせてもらえる感じ。

 
 
●それはアレンジの話ですか? 音作りの話ですか?
 
 
 
両方ですね。歌を聴かせる場所は余計なことをやらない。逆に言うと、歌が引き立つようにしたい。

 
 
●曲を活かすためのバンドの意志として。
 
 
 
今思うと、1stアルバムの時にそうやって作っていたんですよ。そういう意味では、1stは今聴くとめちゃくちゃシンプル。そこの感覚に近いですよね。あの頃はシンセもほとんど入れてなかったし、本当にバンドサウンドだった。

 
 
●確かにバンドサウンドだった。
 
 
 
今は10年経って色々な要素が入っているけど、聴かせ方としてはそこに近いかもしれないですね。

 
 
●それと、アルバムのタイトル『By Your Side』は、今作にすごくハマってますよね。
 
 
 
今回のアルバムですごく変わったところは、“歌が心に響くものであってほしいな”と思って歌詞書いたところ。歌う時もそうだし、バンドも歌を真ん中に持ってきた。だからメッセージとかアティチュードが絶対不可欠だなと思っていて。

 
 
●どの曲もそういう要素が結構ありますよね。
 
 
 
そこは明確に前までのアルバムとは違うなと思うんです。だから聴いた人がいて初めて完結する作品というか。まわりくどい言い方をしないで、“あなたのため”というか。聴いてくれたらそれはあなたのためということを伝えたかった。

 
 
●武道館ワンマンがあって『Beginning』をリリースして、という流れがあったからこそ出来たアルバムなんでしょうか。
 
 
 
そういうのもあるかもしれないですね。

 
 
●武道館やらなくても別の形の今があると思うんですけど、武道館やってよかったですね。
 
 
 
オニィも言ってたんですけど、「武道館やって自信がついた」って。エゴみたいな、“どんな作品を作りたいか”というところだけじゃなくなれたのが、バンドとしてすごいですよね。

 
 
●うんうん。そのエゴは、この4人から取り払うことは絶対に出来ないでしょうし。
 
 
 
そこが無くなったら終わりですよね。

 
 
●エゴのぶつかり合いがNothing’s Carved In Stoneの良さというか、それが誰も予想してなかったバンドマジックを産んできたと思うんです。その上で武道館ワンマンをやったことで音楽の在り方みたいなものがはっきりして。だから「Alive」のような歌詞も生まれたのかなって。別にしっかり歌詞を読まなくてもかっこいい曲たちだと思うんですけど、もっと人間を知れるというか。これはとてもツアーが楽しみです。
 
 
 
今回のツアー、最後の5ヶ所以外は対バン形式で、対バンも若い世代なんですよ。10代もいます。

 
 
●半分以下。
 
 
 
そうっすね(笑)。こないだの“Hand In Hand”がすごくいい刺激になったんですよ。同じ世代にしようか、先輩もごちゃまぜにしようか色々考えたんですけど、対バン形式のツアー自体もすごく久しぶりで。

 
 
●いつぶりなんですか?
 
 
 
『Sands of Time』以来ですね。

 
 
●新しい刺激を受けるでしょうね。
 
 
 
俺らも刺激を受けたいっていうのがいちばんですね。

 
 
●今回のツアーの繋がりが、来年、再来年に別の形に発展するだろうし。
 
 
 
それが広がっていけばいいなと思ってます。俺らもかっこいいバンドはみんなに知ってもらいたいから。

 
 
 
interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:Yuina.Hiramoto
 
 
 
 

10th Album
『By Your Side』

 
Silver Sun Records
[初回限定盤:CD+DVD]
DDCZ-9058
¥3,500+税
[通常盤:CD]
DDCZ-9057
¥2,800+税
 
2019/9/25 Release

 
 
“By Your Side Tour 2019-20”
10/02(水)恵比寿LIQUIDROOM:Newspeak
10/04(金)金沢AZ:Suspended 4th
10/06(日)高崎club FLEEZ:Tempalay
10/12(土)高松MONSTER:BBHF
10/13(日)松山W studio RED:雨のパレード
10/20(日)LIVE ROXY SHIZUOKA:teto
10/27(日)郡山HIPSHOT JAPAN:WOMCADOLE
11/03(日・祝)札幌PENNY LANE24:CVLTE
11/04(月・祝)函館club COCOA:CVLTE
11/08(金)鹿児島CAPARVO HALL:SIX LOUNGE
11/10(日)広島CLUB QUATTRO:SIX LOUNGE
11/17(日)長野CLUB JUNK BOX:teto
11/27(水)滋賀U★STONE:Age Factory
11/28(木)神戸VARIT.:Age Factory
12/10(火)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3:DATS
12/11(水)F.A.D YOKOHAMA:DATS
 
[2020年] ONE-MAN
01/09(木)Zepp Tokyo
01/11(土)Zepp Fukuoka
01/13(月・祝)仙台Rensa
01/17(金)Zepp Nagoya
01/18(土)Zepp Osaka Bayside
 
 
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