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OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2012

大阪極上バンドHEY-SMITHの企む、あの最強モンスターイベント“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2012”がアメリカ村をジャックする! 休憩する暇なんて与えない、最初から最後まで見逃せない激アツのメンツ。 男も女もミナミのど真ん中で“ハジケテマザレ”!

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2012/12/15@なんばHacth / BIGCAT / FAN-J twice / CLUB DROP / KINGCOBRA / Pangea

 

 

HEY-SMITHがアメリカ村を三度目のジャックする日が来た。その名も“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2012”。通称ハジマザと呼ばれるそのイベントは、音楽キッズのためのバケモノパーティーフェスティバル! 主催のHEY-SMITHと深く親交のあるバンドが勢揃いし、その顔ぶれは今を駆け抜ける激アツのバンドしかいない。 もちろんチケットは即日ソールドアウト。わずか3年目にして、これだけの人気のあるフェスティバルはなかなかないのではないだろうか。そんなイベントを大阪ミナミのど真ん中、心斎橋アメリカ村で開催するところがHEY-SMITHらしい。
開場前のリストバンド交換には、目を見張るほどの長蛇の列ができていた。それはそれは並ぶのもしんどいのではなかろうかと思うほど。列に並びながらまだかまだかと胸を膨らませる人々。それは“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2012”には期待とわくわくが詰まっていることを意味する。そして心斎橋•アメリカ村のシンボル、三角公園はどんちゃん騒ぎ。既に酔っぱらっていたり、これからのライブのために準備運動していたり。半袖で行動しているキッズもたくさん! この寒空の下、アメリカ村を自分たちの遊び場に変えていく元気いっぱいのキッズたち。さぁ、今年もなにもかも忘れてハジケテマザレ!
まずびっくりしたのが、Pangeaへの入場列が三角公園に出来ていたこと。「並ぶ人が多過ぎる」ため、溢れかえるほどの人が三角公園で列を作っていたのだった。なぜならPangeaのトップバッターはSiM。なるほどね、と思わずうなずいてしまうほどの人気ぶりは、群を抜いている。Pangeaでの彼らのステージは今までのSiMの軌跡をなぞるようだった。
大阪といえば忘れてはならないのがSUNSET BUS! ゲストに10-FEETのVo./G.TAKUMAをむかえ「ツナゲ」が演奏された。あのDROPいっぱいのきらきらとした笑顔が焼き付いていて忘れられない。
ライブパフォーマンスには目を奪われるし、曲も演奏も全てが激アツのTHE CHERRY COKE$、ずるいほどの会場の盛り上がり様だった。彼らには凄まじいものを感じる。
他に北海道のスカパンクバンドFREE KICKがこのハジマザに出演していたのが非常に印象深かった。北海道から来たというのに、KINGCOBRAがお客さんでいっぱいだったことに驚いたし、とてつもなく良いものを持っているバンドだった。
今波に乗っているEGG BRAINは、エネルギッシュかつご機嫌なステージング! いつだって活気がある彼らの演奏は、どんな人が見てもハイテンションになれる。
FAN-J twiceでのSHANKには人だかりが出来ていた。入場規制がかかり、入れなかった人たちはみなモニターを見ながら悔しそうにしていた。そこに「この先入場規制で本当に危険です、本当に本当に体力に自信のある方のみ入場してください!」とのアナウンスが。並んでいる人がみんな「ハイ!」と手を挙げてこぞって我行かんとする。この日のSHANKを見た人は、「最高だった!」と口を揃えて言うのだった。
SECRET 7 LINEの絶好調のステージは見逃せない。思わず腕を突き出したくなるその音楽性がオーディエンスの心をがっちりつかんで離さない。メロディアスなシンガロングは一緒に歌いたくなる力がある。
HEY-SMITHと同じく大阪出身のバンド、PAN! BIGCATがオアシスになる瞬間だった。ハイテンションでポップ、粋のいいステージは会場を笑顔で埋め尽くしてゆく。
BIGCATのトリはROTTENGRAFFTY! HEY-SMITHへのバトンタッチには彼らがとても相応しいと思った。演奏する曲すべてが、応援するかのような力強いメッセージが込もっているように感じた。
実はこの日の天気予報は雨。日が暮れ出すとともに冷たい冬の雨が降り出す。でもどうだろう、お客さんはみな元気に会場と会場を走って行き来しているではないか。最後の大トリHEY-SMITHのみ、なんばHatchでの演奏となる。降りしきる雨にも負けず、HEY-SMITHのステージを観るために濡れながら走る人の波。お昼から動き回りっぱなしだというのに、疲れなど感じさせなかった。満面の笑顔で走っていく人々は最後のステージに期待を寄せているのだろう。そこから感じられるのは音楽を心から好きだということ。雨だろうが晴れだろうが、みんなから元気があふれているのは音楽への愛がそうさせているのではないだろうか。
そしていよいよHEY-SMITHの出番、なんばHatchは超満員。SEがかかるやいなや、ぎゅーっと会場が縮こまる。そこへ猛ダッシュで突っ込んでいくキッズ。ギターが会場全体を貫いた瞬間、人でいっぱいの会場はもう灼熱&はちゃめちゃ! これでこそHEY-SMITHのステージだ。終始ダイバーの波でモッシュピットはぐちゃぐちゃ、スカダンスとモッシュもノンストップ。全力で遊び倒せるその空間を生み出すことができるのは彼らだったからだろう。Vo./G.猪狩秀平の煽りにオーディエンスも全力でレスポンス! 彼らの「初期衝動」がむき出しになったライブだった。その衝動が、オーディエンスのテンションメーターを振り切ってモッシュピットを作っているのだろう。本当に「生」を感じさせる生き生きとした演奏は、体中にどくん、どくん、と血が流れて体を熱くさせる。ライブが終わった瞬間のアンコールを叫ぶ声がなによりも愛されている証拠だ。彼らにとって、このなんばHatchというステージに立つことは夢だったはずだ。仲間のバンドに支えられ、オーディエンスに最高のステージに立つ彼らは一段と輝いていたように思えた。
総勢31バンドという豪華さで、チケット料金が4000円を切るこのイベント。チケットもすぐに売り切れてしまい、熱狂の1日となった。これほどの規模のフェスティバルをやるということは、ここまで来るのに相当な根気と体力が必要だったはずだ。タイムテーブルもできるだけ被らないように悩みに悩んで組んだようだ。それを成し遂げたHEY-SMITHというバンド自体がもはやモンスターのような存在なのではないか。それでもまだ、底知れぬパワーはまだまだ未知数のようだ。絶え間なくどんどん成長していく彼らの今後はどうなるだろう? 絶対にもっと高みを目指して最強のバンドにのぼりつめるだろう。これからも彼らにしかできない、なにか大きなことを成し遂げて欲しい。

TEXT:Kaori.T

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