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ポルノ超特急2014

冬の京都に音と想いが鳴り響く

P00_ポルノ超特急2014年12月23日 京都パルスプラザ
出演:ROTTENGRAFFTY / 10-FEET / coldrain / DIR EN GREY / Dragon Ash / グッドモーニングアメリカ / locofrank / MAN WITH A MISSION / キュウソネコカミ / The BONEZ / 四星球 / SHANK / 04 Limited Sazabys / KNOCK OUT MONKEY / tricot / レイザーラモン / 野性爆弾 / ダイノジ / サバンナ

 

 

バンド結成から2年後の2001年1月にROTTENGRAFFTYがスタートさせた、「ジャンルの垣根を越えて音楽の既成概念を壊し、演る側も観る側も裸のバカ騒ぎしよう」というコンセプトの自主企画イベント、“ポルノ超特急”。2012年からは年末の風物詩として京都KBS HALLで開催されてきたが、今回は満を持して京都パルスプラザにて開催された。

寒風吹きすさぶ中、朝早くから京都パルスプラザに向けてたくさんのキッズが列をなす。京都を拠点に活動を続け、自らが生まれ住む街を大切にし続けてきたROTTENGRAFFTYの想いがぎゅっと詰まったこのイベント、会場に溢れる期待感はハンパない。京都駅の南方、工場やビジネスビルが並ぶ立地のパルスプラザは、バンドTに身を包んだ15000人が殺到して瞬く間にロックの聖地へと変貌と遂げる。あまりにもたくさんの観客が一度に詰めかけたために混乱はあったものの、ROTTENGRAFFTYはもちろんのこと、すべての出演者やオーディエンスの夢と想いを乗せた超特急が無事発車した。

広い金閣のステージ、まず最初に登場したグッドモーニングアメリカが金閣の会場をひとつにし、04 Limited Sazabysは銀閣の会場を熱気で充満させる。イベントがスタートした瞬間、それぞれの出演者の気迫がハンパないことを直感する。その感覚は多くの観客も同じだったのだろう、出演者に負けじと初っ端から大きな会場全体が揺れるほどの盛り上がりをみせる。もちろん豪華なお笑い芸人たちのライブも見逃せない。レイザーラモン、ダイノジ、野性爆弾、サバンナといった面々が金閣と銀閣を爆笑で埋め尽くす。

locofrank、KNOCK OUT MONKEY、coldrain、tricotは、「主催者なんか関係ない」「誰にも負けない」と言わんばかりの気迫溢れるライブで圧倒。それは主催者であるROTTENGRAFFTYへのリスペクトの現れだろう。出演者たちの繋がりによって作られたその空気感は、なんとも言えないものがある。1つ1つのステージから、意志と想いと気持ちがビンビン伝わってくるのだ。

Dragon Ashが強烈な存在感を放ち、MAN WITH A MISSIONは広い会場の前から後ろまで満遍なく観客の心と身体を飛び跳ねさせる。筆者の隣に居た観客が、その友達に「やっぱりバンド主催のフェスは違うね!」と嬉しそうに言う。まさにその通り。The BONEZのVo./G.JESSEが興奮気味に「京都やべーじゃねーか! 夏と冬、ばっちりじゃねーか!」と叫び、銀閣の観客が大きな大きな歓声をあげる。主催者の想いが、主催者の言葉からだけではなく、他の出演者のステージや観客の表情など、まさに会場の隅々から感じられるイベントなんて他にはそうないだろう。

四星球やキュウソネコカミはステージからはみ出さんばかりのバイタリティで興奮と爆笑の大きな大きな渦を作り出し、DIR EN GREYはまさに圧巻のひと言、ストイックかつ荘厳なステージで15000人と全出演者を圧倒する。金閣の客席エリアを隙間なく埋め尽くした肩車を前にスタートしたのはROTTENGRAFFTYの盟友にして京都のもうひとつの雄、10-FEET。ROTTENGRAFFTYが“ポルノ超特急”に出演するときのみ着用してきたというスーツ姿に身を包んだ3人が、多大なる愛をもって音を響かせる。1日中暴れまくっていたキッズたちは疲れもみせずに宙を舞い、汗だくで叫び、歌う。

SHANKが銀閣のステージで暴れまくり、興奮が頂点に達したタイミングで登場したのは、トリを飾るROTTENGRAFFTY。バックドロップがステージ後方にせり上がり、地響きのような歓声が至る方向から響いてくる。Vo.N∀OKIが「お前らの想いを全部ぶつけてこい! 世界がもし明日で終わるなら今から始めろ!」と叫んで「世界の終わり」で響宴の口火を切る。吠えるN∀OKIとVo.NOBUYA、一音一音に想いを込めるG./Programming.KAZUOMI、Ba.侑威地、Dr.HIROSHI。鋭く重いその音に触れ、5人の表情を目にした瞬間、心が共鳴を始めて身体の芯が熱くなる。思わず駆け出さずにはいられないほどの衝動を胸に、多くの観客がステージ方向へと殺到し、興奮の渦の中に身を投じ始める。そんな客席エリアを5人は眼光鋭く睨みつける。殺気立った表情のNOBUYAが「おいクソガキども! 全員まとめてぶっとばしてやる!」と叫び、KAZUOMIが鳴らしたリフがまるで警報のように鳴り響いた「零戦SOUNDSYSTEM」。ヤバい。ROTTENGRAFFTYは超攻撃的なセットリストで、我々を本気でぶっとばそうとしている。

音に込められた凄まじいほどの気迫に、会場の興奮と熱は右肩上がり。NOBUYAが「おい! 京都のクソガキ! こんなもんか?」と挑発し、「銀色スターリー」でオーディエンスを沸かせた後の「響く都」はたまらなかった。ROTTENGRAFFTYというバンドを象徴する曲の1つである同曲、オーディエンスは楽しそうに腕を振り上げて暴れまくり、想いを爆発させたKAZUOMIが神懸かりのプレイで魅せ、興奮を溢れさせたN∀OKIが「人と人が作り出すエネルギー、間違いないぜ!」と感嘆の声をあげる。「I&I」「D.A.N.C.E.」で15000人を踊らせ、NOBUYAが「俺らのミクスチャーロックをみせてやる」と「This World」。客の上で吠えるNOBUYA、暴れるKAZUOMI、ギラギラと眼光鋭く叫ぶN∀OKI、汗と髪を振り乱して演奏する侑威地とHIROSHI…その壮絶な美しい光景に圧倒される。

MCで感謝の気持ちを伝えた後、超特急はますますスピードをあげる。「悪巧み~ Merry Christmas Mr.Lawrence」で感情をぐわんぐわんと揺さぶらせた後、バックドロップのバンドロゴからレーザー光線が放射された「STAY REAL」で会場の興奮が限界を超え、本編最後の「金色グラフティー」はまさに狂乱。ステージで繰り広げられる凄まじいライブ、広いフロアの至るところで暴れる者、歌う者、踊る者、宙を舞う者、サークルモッシュ、笑顔、涙…金閣の大きな会場は、15000人と全出演者の色んな感情が入り混じったぐちゃぐちゃの状態。フェスでしか体験できない瞬間に心と身体がブルブルと震え出す。ROTTENGRAFFTYの音を全身で浴びながら、このなんとも言えない瞬間を体験するために我々はここに来た。

体力をすべて使い果たしたかに見えた5人は、アンコールのステージで10-FEETとのコラボという超豪華な「その向こうへ」で魅せ、感謝の気持ちがいっぱい詰まった「Bubble Bobble Bowl」で15000個の笑顔を作り出して終幕。京都を大切にし、京都を誇りに活動を続けるROTTENGRAFFTYらしい、人と人との繋がりと、ピュアで真っ直ぐな人間味が溢れるフェス“ポルノ超特急”。“夏と冬、またこの街で”という想いを胸に、響宴が幕を閉じた。

TEXT:Takeshi.Yamanaka