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ROACH×FLiP

ROACH・Vo.taama × FLiP・Vo./G.サチコ 特別対談 沖縄出身アーティストが一堂に会する大型イベント“098-”開催!

 沖縄出身アーティストが一堂に会する大型イベント“098-(ゼロナインエイト)”開催決定! ROACHを中心とする全5組が、9/30に渋谷CLUB QUATTROで挑戦的な試みを行う。MONGOL800、ORANGE RANGEなど第一線で活躍するアーティストを輩出してきた沖縄のシーンが今、新たな世代の登場により再び活況を呈しているらしい。そのさらなる活性化と日本全体のバンドシーン盛り上げを目指して、立ち上げられた本イベント。主催のROACHと新世代の代表格FLiPとの対談から、大きな第一歩を踏み出そうとする今の心境に迫った。

Interview

●両バンドの出会いは?

taama:最初の出会いはスタジオですね。俺たちの周りにいる人たちがみんな使ってるスタジオが沖縄にあって、そこで色んな人と出会うことが多いんです。
サチコ:初めて会ったのはFLiPを結成した高校2年生の頃なので、7年前のことですね。

taama:「女子高生がスタジオに来た!」って、みんな大騒ぎだった(笑)。みんながチヤホヤしてましたね。「お菓子食べる?」みたいな(笑)。
サチコ:みんなによくしてもらいました(笑)。taamaさんには「高校生の内だけだぞ!」って言われましたけど。

一同:(笑)。

●当時からROACHのことは知っていた?
サチコ:私がライブハウスに足を運ぶようになったのはバンドを結成してからなんですけど、そこでROACHのライブを観て一方的には知っていましたね。当時のtaamaさんはドレッドヘアーで全身黒ずくめだったので、"うわっ、怖い…"と思いました(笑)。

taama:KORNとかSlipknotを意識していた全盛期でしたね。…このへんはカットしてもらっていいですか?

●しませんよ(笑)。最初は怖いイメージだったと。
サチコ:同じステージに立てると思えないくらい、迫力がありましたね。でも話してみるとすごくフレンドリーで優しいし、"みんないい人だな"と思って。FLiPが初めてライブハウスに出たイベントは、ROACH主催だったんですよ。

taama:あっ…、そうだったっけ?
サチコ:だったんですよ(笑)。だから私たちはすごくうれしくて"ROACHに誘ってもらったー!"と思って、みんなでハシャいだ記憶は残ってます。

taama:そうなんですよ!
サチコ:絶対覚えてないでしょ!

一同:(爆笑)。

●逆に当時のFLiPはどんな印象だったんですか?

taama:当時からすごかったですね。声もガッツリ出てるし、めっちゃ頑張ってたんでイベントにも出てもらったんですよ。あとサチコはめっちゃ真面目で、当時からすごく雰囲気もあって。「taamaさん、カート・コバーン(ニルヴァーナ)が~!」とか熱く話しかけてくるので、こっちは「とりあえず、落ち着こう?」みたいな(笑)。
サチコ:(笑)。taamaさんも最初は面白いことを言うお兄さんっていう印象しかなかったんですけど、喋ってみるとすごく熱い人で。親身になってくれるし、ピンチの時は相談に乗ってもらったりしましたね。泣きたいのに泣けない時も、それを察して「最近どう?」みたいな感じで話を聞いてくれたりするので、ありがたいです。

●相談できる相手だったんですね。
サチコ:自分の心をさらけ出すようなものだから、やっぱり相談できる人って限られてくるんですよね。しかもFLiPの同世代にはギャルバンだけじゃなくて、男の子のバンドもそんなにいなかったんです。

taama:周りは先輩ばかりだよね。
サチコ:当時は本当に先輩ばかりで、後輩もほとんどいなかったかな。taamaさん世代はすごく盛り上がっていたんですけど、自分たち88年生まれの世代はライブハウスよりもクラブに行っちゃう人が多くて。

taama:でも自分たちの世代ですらも、そんなイメージがあって。俺がガキの頃はバンドシーンがすごく盛り上がってたんですけど、高校を卒業してからはだいぶ下火になってた時期もあったかな。そういう状況でもみんなが頑張ってる中で、下の世代からもバンドがちょこちょこ出てくる感じでした。

●その中でFLiPも出てきたと。

taama:でも、FLiPも最初は"4人で仲良くバンドがやれたらいいな"っていうくらいの雰囲気だったよね?
サチコ:自分はそうじゃなかったんですけど、他のメンバーはみんな"趣味としてやってみようかな"くらいでしたね。当時はまだ女子高生だったからキャピキャピしてる部分もあったし、そういう雰囲気が漂ってたのは自然なことだと思うんですよ。そもそも結成した時に私が「このバンドで一生いくつもりでいるから、みんな一緒にバンドしない?」と言ったところから始まったので、自分だけその気持ちが強すぎて最初は温度差があったんです。

taama:そこからいきなりポンッと変わったよね。気付いたらユウミ(Dr./Cho.)のドラムが上手になってきて、"どうしたの?"みたいな(笑)。
サチコ:ユウミは負けず嫌いなので、男の人が多いバンド社会の中でも同じドラマーとして負けたくないと思ったタイミングがあったんじゃないかな。

●メンバー同士の関係性という部分でも、ROACHを見て学んだ部分もあったりする?
サチコ:そうですね。ROACHのメンバーがモメてるところにも遭遇したりしてるので(笑)。

taama:スタジオで大ゲンカしてる時とかね(笑)。
サチコ:そういう部分も見てるから、こっちのメンバー間のことも話しやすいっていうか。バンド内でケンカしたりすることへの恐怖感で、言いたいことも言えなくなることってやっぱりあるから…。

taama:サチコは前よりもだいぶ大人になって、感情のコントロールもできるようになったよね。昔は自分だけで抱え込んでどうしたらいいのかわからなくなって、"留まるのもイヤだけど進むのもイヤだ!"みたいになってたから。"じゃあ、どうするの!"って(笑)。
サチコ:それで2人とも一緒に爆発して、「うわー!」ってなってました(笑)。

●一緒に爆発しちゃうんだ(笑)。

taama:俺もそういう気持ちは、何となくわかるから。何でもいいから口に出すだけで、だいぶ変わるんだよね。
サチコ:人間関係的な部分もそうだし、ROACHがデビューしてから苦しんでいる時期も見ていたので、音楽業界は甘くないんだっていうことは先輩の姿を通してヒシヒシと伝わっていて。"taamaさんたちはあんなにきつい状態でも頑張ってたんだから、自分たちが今いる状況は全然きつくないや"って思えたりもしましたね。

taama:音楽業界の悪いところばかり見せちゃってるんで、FLiPには大人を疑わせすぎないようにしようと頑張りました(笑)。確かに気を付けなきゃいけないことはあるけど、デビューする前からネガティブになりすぎてしまうのが一番心配だったから。

●デビューするにあたって、県外でも活動しているROACHが参考になったりもした?
サチコ:私たちも沖縄だけで留まるつもりは最初からなかったし、行けるならどこまででも行こうっていう気持ちだったんです。ここまでアグレッシブにずっと動ける人って、すごいと思うんですよ。行動力って瞬発力が必要だけど、やっぱり忍耐力も必要だと思うから。そういうことをここまでずっとやり続けてる姿は、見ていて尊敬に値すると思ってます。

●もしかしたら尊敬できない部分も見てきたかもしれないですけど…(笑)。

taama:ちょっと!(笑)。
サチコ:ハハハ(笑)。でも、それが人間ですよ。

taama:そういう部分も見てるっていう意思表示が、ヒシヒシと伝わってきました(笑)。何を見られたのかな? おかしいな…。

一同:(笑)。

●FLiPがデビューしてからも、お互いの関係性は変わっていない?
サチコ:デビューしてからも同じ感じですね。

taama:沖縄のスタジオに帰ってきたら、「おかえり」「ただいま」って言い合うみたいな。つながりがすごく強くて、スタジオ自体が1つの集合体になってるよね。そもそも俺がバンドを始めたのもただ仲間を作って一緒に遊びたいっていう流れの延長線上ではあるので、そこの空気は何となく継承できてるかなって(笑)。
サチコ:やっぱりロックって、心の叫びだから。そういう人間臭さがあるので、一緒にいるとすごく居心地がいいんですよ。だから今でもお互いのライブを行き来したりもしていて。最近観たライブでもROACHのメンバー1人1人がすごく充実した表情でステージ上にいたので、私自身が観ていて幸せでした。

●そういう充実した状況も観て、今回のイベント "098-"に出ることに決めた?
サチコ:私はROACHに誘われたなら、いつでも何でも出たいです。

taama:自分たちの世代も先輩的な位置になってきたので、"俺が見てたモノとか感じてきたモノをちゃんと後輩たちに渡せてるかな?"っていう想いがあって。色々あった中で自分たちのやってきたことに胸を張れる場所を持ちたいし、沖縄から出て頑張ってる他のバンドたちにも東京で落ち着ける場所があったらいいなと思ったんですよ。あとは沖縄のバンドが頑張ってるところをこのイベントで見せることによって、県内の子たちにももっと目標を持ってもらえたらうれしいなと。

●沖縄のバンドシーンが活況になってきていることも今回の開催につながっている?

taama:今はインターネットが発達しているので中学生とかが俺よりも世界中のアーティストに詳しかったりして、すごく勉強しながら音楽をやってるんですよ。最近では沖縄から若いバンドもどんどん本土へ出ていくようになったし、逆にまた昔みたいに本土からバンドを呼べるようにもなってきてるんです。
サチコ:全国的にもギャルバンが増えてきてるんですけど、沖縄でもFLiPと同じ形式でバンドをやってる子たちが出てきてるのはうれしいですね。

taama:最近は高校生が増えてきて、また女子高生のバンドも出てきてるんですよ。
サチコ:私たちはまだ"自分たちのバンドはどこに進んでいくんだろう?"っていうところで精一杯な部分があって、"下の世代のバンドたちをどういう環境に置いてあげたら、もっと音楽シーンが盛り上がるんだろう?"とまでは考えられていないんですよね。でもtaamaさんたちが一生懸命耕してくれた畑でのびのびやらせてもらえているんだから、自分たちも精一杯やろうっていう気持ちではいます。

●それを発揮する1つの場所が、今回のイベントというか。
サチコ:メジャーもインディーズも関係なく沖縄のバンドが東京に集結して、自力でイベントをやるっていうのは今までになかったことだと思うんですよ。やっぱり見ていてROACHはすごいと思ったし、そこに自分たちが呼ばれたのもうれしかった。ライブでしか感じ取れないモノがきっとあるので、"ライブハウスって居心地がいいな"とか"やっぱりライブっていいな"っていう根本的な部分がみんなにも伝わってくれたらなと思います。それで東京も沖縄も関係なく、ライブシーン全体が盛り上がってくれたらもっといいですね。

taama:人と人とのつながり方みたいなモノが伝わったらいいなと思います。ジャンルもどんどん細分化していってるけど、やっぱりバンドも人と人同士だから。人と人がつながってイベントも成立するわけだし、自分の中にある"こうありたい"っていうモノを来てくれた人たちにも伝えたいですね。そこで俺たちのつながり方を見た人が自分の隣にいる人をまた同じように愛してあげたらいいなと。…LOVEですね、愛です(笑)。

Interview:IMAI
Assistant:小林美咲