音楽メディア・フリーマガジン

ROCK THE SPIRIT 2013

ロックシーンの問題児! ガンズワードの意志。ROCK THE SPIRITに宿る言霊を見た日

2013/5/26@NAMBA HATCH

<出演>GNz-WORD / 山嵐 / DAMAGE / EDGE OF SPIRIT / JESSE and The BONEZ / HAKAIHAYABUSA / FABLED NUMBER / TIGER M.S.K / sylph emew / KNOCK OUT MONKEY

<DJ>HIROKI(Dragon Ash) / 細美武士(the HIATUS) / KENZ1(BLACK BEATZ BOX) / TOYO(BLACK BEATZ BOX) / NAO THE LAIZA / KOCHANG(DRAGNET) / OHTA(DRAGNET) / RYUJI(DEFCULT) / ACCHAN(Feelin') / ЯYO-SK(激ロック) / ITCH(ROCKROCK/激ロック) / KO-JI ZERO THREE(GNz-WORD/BIG MIC KILLERZ) / HIKARI CONNECTION / GOLOW / RAGFACT / ROAD WARRIORS / LOCANDA / オトザイサトコ / Timon(the MOVEMENT) / BIG MIC KILLERZ / Song Riders / KIDS dancer(dance show)

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2010年4月にスタートした、GNz-WORDがホストバンドとなり開催されるROCK THE SPIRIT(通称ロクスピ)も4回目を迎える。今回は、会場となる大阪なんばHatchに3ステージを設け、20組以上のバンドと10名以上のDJ、シンガー、ラッパー、ダンサーによる音楽の祭典が行われた。そのラインナップとは、彼らの人脈を物語る布陣となっている。RIZEのJESSE率いる、JESSE and The BONES、山嵐、KNOCKOUT MONKEYをはじめ、DJには、DJ HIROKI(Dragon Ash)、細美武士(the HIATUS)、など錚々たるメンツが集結した。
トップバッターは、滋賀県出身のガールズボーカル5ピースロックバンドのsylph emew(シルフエミュー)。Vo.の良夢がその小さな身体で、本気のパワーをぶつけながら、のっけから客を煽ってくる。続いては、正統派ラウドでラッパーヴォイスなTIGER M.S.K。イベント幕開けにふさわしい熱い流れを作っていく。注目株の若手エモバンドと言えば、FABLED NUMBERだ! エモには収まらないオシャレでアンビエントな雰囲気も醸し出していた。そして、DAMAGE登場。ベースシンセが軸となるR指定エッジーアシッド・パンク・バンドだ。海外のダンスアクト、US変態アバンギャルド系をはじめ国内最前線アーティストともジャンルレスに共演してきた強者の圧巻のステージが印象に残る。
さあ、真打の出番となった! 言わずと知れた山嵐。1996年結成、湘南エリアを中心に活動をはじめ、今ではラップメタルバンドの兄貴的な存在となっている。そのステージには余裕すら感じられ、会場全体が温かみを帯びてくる錯覚に陥る。彼等のバイブスは確実にオーディエンスを包み込んでしまった。EDGE OF SPIRITの登場で会場の空気は一変する。「俺らは空気を読んでその場をつくろうなんて大きらいだ、自分の意志で、それぞれの思いでかかってこい!!」確かなサウンド・プレイに支えられたパフォーマンス。会場にはカポエラの渦が巻き起こる。その容姿からは想像もつかないアーティストがHAKAIHAYABUSAだ。日本を代表するアメリカ西海岸系バンドとしての申し分のないサウンドと、ファッショナブルなステージ展開には脱帽。決して飾らない自然体で音楽を鳴らす姿に、思いはウエストコーストへと飛んでいく。
後半戦の幕開けは、間違いなく今後のラウドシーンに躍り出てくるであろうKNOCKOUT MONKEY。スタイリッシュなVo、w-shunを中心に神戸で結成され、ライブハウスを遊び場としてきたバンドだけにライブでは独特の色気を放つ、圧巻のパフォーマンスで迫ってくる。RIZEのフロントマンJESSEのソロプロジェクトJESSE and The BONES。リズム隊にはPay money To my Painの2人を迎えたその重厚感漂う、正確無比な音の配列は、どこにも属さないオリジナリティを確立している。
DJ HIROKI(Dragon Ash)を挟んで、いよいよGNz-WORDの登場となった。チェックのロングジャケットに身を包んだKO-JI ZERO THREE「関西にもいろんなフェスはあるけど、俺たち呼ばれないんですよね。でもロクスピあるから、これをしっかりやります。今回もたくさんの仲間が参加してくれたけど、GNzがやるなら出るよ!! って言ってもらえてほんとに感謝してます。バンドの繋がり、心の繋がりだけでやってるイベントにみんな来てくれて、ありがとう」。ロックシーンの問題児と、揶揄される面もある彼等だが、そのステージングに溢れる真摯さや嘘のない言動には、間違いなくROCK SPIRITが宿っている。大阪アメリカ村を根城に、誰よりもアメリカ村を愛し、この街で息づいているバンドだから、これだけの共感を集め、オーディエンスが集い、唄う。インディペンデントの真の意味を問うとき、ROCK THE SPIRITは、その歴史と共に輝きを放つと信じている!!

TEXT:PJ
PHOTO:Atsushi Nakai
Tetsuya "MSD" Masuda

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