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“RUSH BALL☆R”

夏の始まりを告げる音が鳴り響いた

2013/6/1@大阪城野外音楽堂
Czecho No Republic / The Flickers / GOOD ON THE REEL / KANA-BOON / THE ORAL CIGARETTES / SHISHAMO / Suck a Stew Dry / Wienners

 

もはや夏の風物詩として広く知られている、イベンターGREENS主催の野外音楽イベント“RUSH BALL”。開催当初から数々のドラマを生み出してきたこのイベントも、今年でなんと15周年! その幕開けイベントである“RUSH BALL☆R”でも、オーディエンスの期待が例年以上に高まっているように感じたのは、果たして私だけだろうか。

トップバッターはTHE ORAL CIGARETTES。妖しい音がギミックのように作動しあう彼らの音楽。ギィン、と空間を割くようなギターがあまりにもクールで鳥肌が立つ。反面、MCでは驚くほど気さくで、ファニーな言動でオーディエンスをグイグイと惹き込んでいく。「大魔王参上」では会場全体を巻き込んでのコール&レスポンス! 続くWiennersは、のっけからMAXハイテンションなステージングで攻めたてる。カートゥーンのようなわちゃわちゃ感を醸し出す楽器隊と、絡み合うキャッチーなメロディー、そしてVo.MAXの可愛らしい声が実に心地良く、意識はあっという間に高いところまでぶっ飛んでいった。何ものにも囚われない自由なパフォーマンスこそ、彼らの大きな魅力だろう。

「神奈川県から来ましたSHISHAMOです」。ロックバンドらしいシンプルな挨拶を終えると、いきなり鋭いテレキャスターの音が響き渡った。声や主旋律からはポップさが伺えるが、その実3人から生じるサウンドは意外にもグランジでエッジの効いたもの。奇をてらったわけではないが、良質なメロディーと彼女達が醸し出す空気感は、それだけでひとつのスタイルが出来上がっている。The Flickersのステージが始まると、辺り一帯が亜空間と変わっていた。ブーミーなベースイントロが聴こえてくれば、身体が揺れ出すのはもはや必然。浮遊感のあるスペーシーなサウンドがこだまする中、ハイトーンなVo./G./Prog.安島のボーカルが突き抜けていく。独特の雰囲気をまといながら、キャッチーなライブを展開した。

Suck a Stew Dryの出番になった時、少し会場の空気が変わったような気がした。彼らの曲は、まるで自己と向き合った際に生まれる悩み・葛藤・怒り…そんなどろどろした、だけどとても正直な感情が表れている。あまりにもまっすぐに突き刺さる歌は、時に受け入れがたくもある。だけどまっすぐだからこそ、その感情は素直に共感できるものだった。壮大なSEと共に登場したのはGOOD ON THE REELだ。曲の情景を表現するかのように、全身を使って歌うVo.千野。言葉はいくらでも偽れるし、超能力でもない限り、実質的に他人の本心を見透かすことはできない。それでも「俺は自分が見るもの全てに生かされている」という千野の言葉には、彼らの感情や歌が“真実”だと思わせるほどの説得力がある。

リハで軽く音出しをしただけで、後方フリーエリアに砂塵が巻き起こる。さすがは若手の中でも最注目バンドのひとつであるKANA-BOON、オーディエンスの関心もハンパじゃない。一音一音にしっかりとした重量感のあるなかなか渋いクールなサウンド。大人数の前でのステージを経験し、さらにライブ力を付けた彼らの成長が見てとれた。トリを飾るのは、“RUSH BALL”でもすっかりおなじみ、本編への出場も決定したCzecho No Republic! 3本のギターとドラム、ベース、グロッケンやシンセサイザー、さらには曲によって変わるボーカルの声…さまざまなパートと音色を活かし、実に色彩豊かな旋律を奏でている。始終ハッピーなアンサンブルで、会場を暖かく包み込んだ。

どこよりも速く発表された第三弾出演アーティスト、そしてCzecho No RepublicとThe Flickersの“RUSH BALL 15th”出演決定など、続々とホットなニュースが飛び出したこの日。前にますます高まる期待を胸に、当日を心待ちにしたい。

TEXT:森下恭子

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