息苦しい日本では発売禁止級…
だから法律の無い自由の街・WHITE POOLで緊急発売!
“MASTER COLISEUM”開催直前に放たれるバンド史上最高傑作!
PUNKキッズの間では、その名を知らぬ者はいないくらい有名で、愛されているバンドSABOTEN。結成13年にしてその懐の深さを見せつけた今作は、SABOTENのポテンシャルの高さを大きく示してくれた。ただガムシャラに突き進む若さからくる押しつけの言葉、叩き付けるだけの激しいビートを経て、聴く者の心に深く刻み込む“言霊と音魂”を手にいれた。この三人でしかなし得ない音楽の境地を体現させてくれる新作『WHITE POOL』完成。SABOTENは、日本の音楽シーンに“なくてはならない存在”となった。
JUNGLE☆LIFE PJ
PUNK ROCKはキッズだけのモノじゃない!
今作『WHITE POOL』は繰り返し聴いても飽きることがない! 元来、洋楽ロックで育った世代なのでバンド物の音楽にはうるさい、いや好き嫌いがはっきりしている方の僕が…。また職業柄、たくさんの音源やライブに出会い一般人より音楽情報は、はるかに多いはずの僕が…。SABOTENのメジャーデビュー当時より、よくよく知っているバンドだからこそ聴いてすぐに、今までとは“何か”が違う気がした。アレンジ、録音、MIXに余裕が感じられ、ツボを心得た、邪魔しない、押しつけのない色気が存在している。Vo./G.キヨシの絶妙なコード&リズムワークと、優しい声で静かに迫る、説得力を兼ね備えた唄。Ba./Cho.ヤッソーのパンクテイスト溢れるベースラインは、むしろ歌をイキイキとさせている。Dr./Cho.のサケのドラミングも小気味よく、表現力が豊かで包容力すら感じさせる。
“PUNK ROCK”はキッズだけのモノじゃない! もっと僕等の世代が聴く“べき”だと本気で思う。その一例として、僕の好きな歌詞の一部を紹介します。
“感情が爆発しそうな、そんな時は力いっぱい手を握りしめろ。そして握り込んだその拳は、誰にも向けずにそっとポケットの奥にしまえ。その手の中にある今にも爆発しそうな感情から生まれた小さな種がめをだしたとき、その時こそが、勝利の瞬間だ。俺をなめてる奴は俺になめられている”
「俺をなめてる奴は俺になめられている」より引用
レビュー執筆者 : PJ
81年初来日のチャック・ベリーのサポートバンド。ストレイ・キャッツとTVで共演。RCサクセションとは、フェスでよくご一緒しました。当時はTVとラジオのレギュラーを持つイケメンボーカル。現在、本誌の発行人&営業マン。
大切なものは今でも変わらず輝きを放っている
約8年前に初めて取材で会ったときは人見知り過ぎて発言が少なく、その後は会うたびにニコニコヘラヘラと掴みどころがない感じ。だんだん会う回数が増えていくうちに本心を徐々に話すようになってくれ、いつもお客さんのことを考えてチケット代をギリギリまで抑えることを考え、先輩や仲間たちからたくさんのことを学び、今年で結成13年。
透明度の高いピュアな心の姿勢、怒りからスタートさせたシニカルな視点、日常生活で溜め込んだうっぷんを晴らしてくれるような言葉、社会からはみ出てしまった僕らに差し伸べられる手、反骨精神、いつまでも持ち続けている中2的精神性。
SABOTENはずっと変わっていない。もちろん経験を積んで人間的に成長しているだろうし、音楽的にも幅が広がって演奏力が上達していることは明らかで、バンドとしても随分成長したのかもしれないけれど、彼らが本当に大切にしているものというのはずっと前から変わってないと思う。それはSABOTENが磨いてきたかけがえのない財産であり、僕らが生きていく上で大切にしなければならないもの。今作には、そんなキラキラと眩しいほどに輝くたくさんの大切なもの(とウンコ)が詰まっている。
レビュー執筆者 :山中 毅
幼稚園はピンクレディー、小学生のときにYMO、中学でオフコース、高校でユニコーンと野球と彼女にハマる。JUNGLE☆LIFE編集部に加入して10年強。実はパンクを通っていない40歳。
足踏みしている“今”を打破する力をくれる
透明感のある音が爽やかに弾け飛んで、目の前が開けた。1曲1曲、順に再生していくにつれ、目の前が晴れていく。スピード感溢れる軽快なリズムに背中を押されて、なんだか無性に叫んで駆け出したくなるような衝動に駆られた。美しいハーモニーを織りなすコーラスで届けられる歌詞も、全速力で掻き鳴らされるサウンドも、すべてが足踏みしている“今”を打破する力をくれるように感じたのだ。
今まで私の聴いてきたスピーディーなパンクは、言葉もサウンドの一部として流れていきがちだったように思う。気持ちよくなれるが、いざ歌詞を語ろうと思うと“はて?”と思うことが多かった。しかしSABOTENの楽曲からは、勝手に言葉が胸に流れ込んでくるのだ。いちいち、動揺するほどに、私の胸中をかき乱す。もちろんメロディーはずっと頭の中で鳴り響いているし、彼らの音楽に、どうしようもないくらい心を動かされている。
『WHITE POOL』、これは大変な1枚。言霊と音霊が詰まっているアルバムだ。
レビュー執筆者 : Hirase.M
メタルにテクノにヴィジュアル系、弾き語りのポップスやキャピキャピのアイドル…アーティストと呼ぶに相応しい表現者からエンタメ路線まで、ビビっときたら全部好き! 素敵な音が耳に入った瞬間、無意識に表情筋と涙腺が緩み、じっとしていられなくなる病気患う22歳。
キラキラ+遊び心から生まれた歴代最高傑作
思い切り表情を歪めたアー写や、息を止めている間だけ楽曲が再生されるPV…“今回も思い切り遊んでるなあ! 曲もちょっとふざけた感じなのかな”なんて、初めは思っていた。安直だったあの頃の自分が恥ずかしい。
実際にアルバムを聴いた最初の印象は“キラッキラしてるやん!”ということ。今までもハッとするような叙情的フレーズが魅力のひとつではあったが、今作『WHITE POOL』のソングライティングはSABOTENの歴史を振り返ってもズバ抜けて良い。純度の高いメロコアの旋律がふんだんに散りばめられているうえに、Vo./G.キヨシの透き通るような声がダイレクトに脳に響いてきて、思わず歌詞の一言一句を反芻してしまうほど。鳴り止まない言葉達には、今のSABOTENだからこそ出せる深みを感じる。
とは言ったものの、決して遊び心が失われたわけではない。カッコ良い曲にふざけた歌詞を(しかも一聴しただけではふざけているのがわからないように)乗せるあたりがすごくSABOTENっぽくて、“彼ららしさ”が失われていないことに少し安心する。これまでの良さを持った上でさらに深みを増した、間違いなく歴代最高傑作です。
レビュー執筆者 : 森下 恭子
酒とゲームと音楽があれば幸せな21歳。よく一眼レフを片手にライブハウスを駆け回っているため、JUNGLE☆LIFE専属のカメラマンだと思われがちだが、本職はあくまでライターです。慢性的な腰痛が悩みの種。