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SAY MY NAME.

ライブハウスで起きた奇跡を信じて4人は自らを進化させた

昨年11月に2ndミニアルバム『ADDICTION』をリリースし、全国ツアーを経て渋谷O-WESTでのワンマンライブを成功させたSAY MY NAME.。

一度聴いたら忘れないキャッチーなメロディと声、エモーショナル感溢れる日本語詞、そしてソリッドなサウンドを鳴らしてきた彼ら。そのライブは前作ツアー以後、加速度的に温度と激しさを増している。

現メンバーでは初のリリースとなる1stフルアルバム『Just OK!!!』は、そんな彼らの飾らない姿が投影された、モッシュ&ダイヴ必至のキラーアンセム揃い。

7/15から始まるレコ発ツアーで、進化を遂げた4人の熱く激しいライブを体感しろ。

#Interview

「叩いて割れる壁は全部割ったんです。でも"叩いても割れないものがたくさんあるんじゃないか?"とも思ったんですよね」

●2ndミニアルバム『ADDICTION』のツアーはどうでしたか?

小林:1本1本無駄なライブがなかったですね。成長したと思います。轟さんが正式加入してすぐツアーだったんですよ。だからここにきて、バンドにとって基本的なこと…演奏だったり、ステージの空気感だったり…をみんなが改めて見つめなおした感じがあって。

轟:"バンドとは?"みたいなところをみんなで考えながらやっていました。僕はツアーがめちゃくちゃ楽しかったんですよ。メンバーそれぞれの性格を知る機会でもあったし。バンドって家族みたいなもんだから、"光ちゃん(小林)はこういう性格なんだな"とか"俊ちゃん(原)はこうなんだな"、"敬くん(北島)はやっぱりそうなんだ"みたいな発見がライブの1本1本でありました。すごく楽しかったです。

●SAY MY NAME.のライブを初めて観たのは去年の秋、轟さんが加入した最初のライブだったんですけど、この短期間のうちにライブがすごく変わりましたよね。

北島:変わったと思います。ライブハウスの人たちからも「え? 違うバンドじゃない?」って。

●前のちょっとスカしていたSAY MY NAME.とは違うと(笑)。

北島:そうそう(笑)。

●意識してライブを変えたんですか?

小林:というか、聴き手にとっての肩透かし感やクールで熱し切らない雰囲気を詞や曲が呼んでいたから、そういった佇まいだったりライブをしていたんだと思うんです。でも今回のアルバム『JUST OK!!!』に収録されているような最近の楽曲は、日本語だけど2ビートだったりして、熱量ありきの歌詞と曲なんですよね。

●うんうん。

小林:アーティスト写真も、以前の僕らだったら絶対に今回のようなものは使わなかったんです。でも今はこういうのもアリにしてくれた曲たちが揃ったというか。今まではNGだったものを使って作っていった感じがあって。だから今は純粋に楽しいし、お客さんが盛り上がってくれたら単純に嬉しいんです。このアルバムに向かい始めたころから変わっていったんだと思います。

●今作に向かい始めたのはいつごろだったんですか?

小林:ツアーのファイナル、2/16の渋谷O-WESTワンマンが終わったころだと思います。ワンマンをやって何かに区切りがついたのは確かだし、たぶんみんな"もっと開かなくちゃいけないな"と思ったと思うんですよ。ワンマンはワンマンで、ツアーの集大成として良かったんです。

●はい。

小林:でも、これまでは"内にこもったパワーの美学"みたいなものがあったけど、外に向かっていく言葉とか曲とか表情みたいなものの必要性に気がついたんじゃないですかね。メンバー間でそういう話もするし。叩いて割れる壁と、叩いても割れない壁があることに気づいたんですよ。

●あっ! なんか詩的な発言が出た!

小林:叩いて割れる壁は2/16までに全部割ったんです。でも"叩いても割れないものがたくさんあるんじゃないか?"とも思ったんですよね。人の心や感情に入ろうと思って詞や曲を書いている以上、澄ましているよりも心を開いた方が絶対にいいじゃないですか。だから今回こういう曲が揃ったし、こういうジャケットやアーティスト写真になったし、ライブも変わってきたんだと思います。本当に全部ですよね。

●勝手な想像ですけど、轟さんはめちゃくちゃ楽しそうにドラムを叩くじゃないですか。もう"生きていることが嬉しい"くらいのエネルギーが全身から出ていて。

北島:そうですね(笑)。

●彼の人柄もすごくバンドの変化に影響しているのかなって。

小林:すごく大きいですね。前任のドラムのときの僕らは、1つのイメージに自分たちを入れ込んだ方が凛としていられたんですよ。でも轟さんが入ってからの4人ではそんなことをやっても誰も活きないし、そもそも1つのイメージにバンドを入れようとしたところではみ出ちゃうんです。だからそこを諦めたんでしょうね。

●諦めたって(笑)。

小林:でもそれが結局バンドにとっていい方向に働いていて。言ってみれば、"こう見られたい"みたいなイメージを僕らが作っていたということを、轟さんが気づかせてくれたんです。だから今は"作らない"ということしかなくて。

●なるほど。

原:轟さんはドラムプレイも人間性も包容力があるんです。相手を居心地よくしてくれるというか。だからこっちは無茶できるし。

轟:人に合わせちゃうところがあるからね(笑)。

●優しいんですね。

小林:優しいんだけど、たまたま力があったという感じなんですよ。

一同:ハハハハハハ(笑)。

小林:幅があるんだけど全部の音に力があるという。だから曲もシンプルなことが許されるし、流行に乗っかろうとして複雑なことをやったりしたら"あ、恥ずかしいな"ってすぐに気づくんです。轟さんがいたら間が保つから普通の8ビートでいいやって。そういう感じで、いろんな無駄がなくなってきたんじゃないですかね。

原:人間の繋がりでやれているっていう、この4人のバランスがすごくいいよね。

●取材とかでお会いしたとき、真面目な話だけじゃなくてアホな雑談とかもさせてもらっているじゃないですか。最近のライブは、そういったメンバーの素の姿に近い気がするんですよね。

北島:そうかもしれないですね。

轟:どんどんみんな砕けていっている姿を見るのがおもしろいですね(笑)。

●そういう流れで今作『JUST OK!!!』に辿り着いたと。

原:でもツアー中にこのアルバムを意識していたわけではないんです。さっき光ちゃんが言いましたけど、ファイナルが終わった時点で、みんなが"これからはもっと開かなくちゃいけない"と感じたんですよね。だから特にメンバー間でアルバムのことを話したわけでもなく、光ちゃんが作ってくる曲が自然にこういう方向を向いていたし、僕らも自然にそれを受け入れることができた。

●その中で、きっかけになった曲はあったんですか?

小林:M-3「Turning」ですね。この曲は"歌謡曲と2ビートの融合"みたいなイメージで書いたんですけど、この曲をライブでやるようになって、グッドモーニングアメリカ主催のフェスに出てたときとか、みんなが身体をぶつけ合ったり人が飛んできたりして、"これこれ!"って思ったんですよね。「Turning」をやったとき、前回のツアーでは壊せなかった壁を初めて壊せたような感触があったんです。ステージの上でやっている側と聴く側との間の壁が無くなったというか。別に"絶対にモッシュしてほしい"と思っているわけではないですけど、ひとつの基準というか軸になった曲ですね。

●なるほど。ところで、アルバムタイトルを『JUST OK!!!』にしたのは?

小林:轟さんは別として今年僕らは30歳になるし、2ビートを導入したこととかも含めて、ギリギリセーフな感じが今回あったんです。M-5「Just OK」というタイトルの曲も入ってますけど、この曲は"自分たち的にはテンションがアガるけどみんなわかるかな~?"っていう意味でのギリギリセーフ感というか。

●ハハハ(笑)。

小林:そういうことをわかってもらうためのアルバムなんですよね。"OK"という言葉が持っている包容力というか、これを作品タイトルに持ってきてリリースするということ自体が、僕らにとってはすごくデカい気がするんです。今までだったらこういうタイトルは付けないし。

●今作は2ビートが主体ではありつつ「Just OK」に象徴されるようなハードロック的な要素もたくさん入ってますよね。そういう要素は意識的に入れたのですか?

小林:いや、そこは意識したわけではなくて、自然に出てきたものなのかな。

原:曲の表情は光ちゃんがデモで作ってきてくれて、そこに対して各々が膨らませていくような作り方だったんですけど、最初からそういったハードロックっぽい匂いも入っていて。リズムが2ビートというだけでもわかりやすいじゃないですか。そこに対するアプローチは"こういうギターを付けたらアガるだろうな"っていう感じでアレンジしたんです。

●はいはい。

原:更に僕の場合はライブのことも考えたりして。"こういうギターアレンジだとライブでは動けないな"みたいなことを意識したんです。頭の中でライブの映像を流しつつ作ったりして。前回のツアーでそういう視点が欲しいと思ったので、今回はライブも想定しつつという。

●ある意味、肉体的なアレンジだったと。

北島:そうですね。基本的には"シンプル イズ ベスト"ということを根底に持ちつつ、サウンドを広げていった感じですね。

●ベースはどうだったんですか?

北島:今回は裏方に徹しようというか、あまり深いことは考えませんでした。考えて作ったというより自然に作ったアルバムです。

●感覚を大切にしたと。

北島:そうですね。そんな中でいきなりハードロックっぽいギターを入れてくるので「おおっ!」と驚かされたりもして。「絶対今までやったらやらんかったやん!」っていう。そういう感じで、すごく楽しみながら作れました。

●制作は順調だった?

小林:順調でしたね。早くアルバムを出したいと思って、先にレコーディングスタジオを押さえたんです。曲は目処が立っていたので、そこに向けてアレンジをガーッと固めていって。レコーディングに入る前の段階で迷ったり、いろんな駆け引きをするという考えにならなかったというのも作品にとってはよかったと思います。いろいろと考えてもいい結果を呼ばなさそうだったし。歪んだギターとベース、音がデカいドラムを、"気持よく演奏する"、"曲の良さを伝える"というところに集約させてやってみたらこうなった。

●なるほど。

小林:キーの設定も、M-1「At A Risk」とか「Just OK」は今まででいちばん高いんですよ。

●それもテンションの高さの表れなんでしょうか?

小林:そうだと思います。下げて試したりもしたんですけど、下げちゃダメだったんです。どっちの曲も、ギリギリのところで踏ん張ってる声がどうしても必要だったんです。今までだったらキーを下げてたし、それでリフが変わるんだったら違うことをしたりしていたんですけど。

●綺麗に歌うことを意識していたということ?

小林:そうですね。それも今回が初めてかもしれないです。僕は昔、喉にポリープができて手術したということもあって、高いところで踏んばって歌うのはよくないっていう固定観念があったんです。でもちょっとだけなら大丈夫なんじゃないかなと。

●Just OKだと。

小林:そうそう(笑)。

●アルバムもライブも、4人のキャラクターや気持ちが見えるのがバンドらしくていいですよね。エネルギーに溢れている感じがする。

轟:そういうエネルギーをこっちが出せば、聴いてくれる側も同じくらい反応してくれるっていうことを感じたのかもしれないですね。それはグッドモーニングアメリカ主催のフェスだったのかもしれないし、ツアーやワンマンだったのかもしれないけど、「Youth」(2ndミニアルバム『ADDICTION』収録)とか「Turning」でお客さんがウワッと盛り上がったんです。それはこっちがガッと出した曲だったからかもしれない。

●うんうん。

轟:これはもうそれが全部詰まってます。だから絶対にグワッてくる。そしたらこっちは「ウウッ!」つって。フフフフ(笑)。「ウウッ!」つって(笑)。

●テンションが高くなってるのはわかりますけど、何言ってるかわかんないです。

一同:アハハハハハ(笑)。

Interview:Takeshi.Yamanaka