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SiM

4人が成し遂げた奇跡

 ダブやレゲエ色の強い音楽性からスタートし、ライブハウスの猛者たちとしのぎを削っていくウチに段々と幅を広げつつ、最高のメンバーが揃って唯一の音楽を手に入れたSiM。

ソリッドかつラウドなサウンドと、懐の深いグルーヴ、歯に衣着せぬ攻撃的なリリックと精神性が貫く先には、希望に溢れた瞬間が待っている。

ライブバンドとして成長を続けるSiMが作り上げた待望の2ndアルバム『SEEDS OF HOPE』。1分でも1秒でも早く、4人が成し遂げた奇跡をライブハウスで体感せよ。

Interview

●前号167号で書いていただいたライナーノーツに、"メンバーチェンジなど色々と大変なことがあった"とありましたが、そもそもこのメンバーが集まったのは?

MAH:SiM自体はもう8年目なんですよ。でもオリジナルメンバーは僕だけで、SHOW-HATEが入った後、立て続けにベースとドラムが抜けたので2人だけになって。そこから「どうしよう?」という話になったんですけど、バンドを止めたくなかったので急遽メンバーを探して。

SHOW-HATE:2人しかいないのに60本のツアーを組んだよね。

●え? ベースとドラム決まってないのに? アホなの? (笑)

MAH:よく言われます(笑)。でも決めなかったらそこでバンドを辞めてしまう気がしたんです。

●自分を奮い立たせるためにも先にツアーを決めたと。

MAH:それで、中学校の時の先輩で高校時代には対バンもしたことのあるベースのSINに最初はサポートでやってもらったんです。その間に、ドラムコンテストで優勝したことがあるGODRiを知り合いに紹介してもらって、初めてのスタジオで2ndシングル曲「Murderer」(2009年3月リリース)を合わせたんです。難しい曲なんですけど、2人とも技術が高くて、自然とできたから"大丈夫かな"と。その後、SINも正式に加入することが決まって60本のツアーをやって。そのツアーで"このバンドは間違いない"って確信しました。

●最初に合わせたときにフィーリングが合って、しかもすぐに60本のツアーがあったからバンドがガッチリと固まったんですね。

MAH:そうですね。今から考えたら、メンバー決まってなかったけど60本組んでてよかったと思います(笑)。

SIN:もともとダブやレゲエ色の強いSiMを知っていたんですけど、実際にメンバーになってツアーをしたり曲を作っていく中で"こういう方向性かな"っていうのを掴んでいったんですよね。それが自分にはピッタリで、あのタイミングで入れてよかったなって感じです。

●SiMはもともとダブやレゲエ色が強かったけれど、このメンバーが揃ったからこそ、今のような音楽性になっていったんでしょうか?

SHOW-HATE:そうですね。"こんな感じをやりたい"という気持ちはあったんですけど、前のメンバーだと表現しきれなかったというのが大きいかな。

MAH:このメンバーになって、幅をもっと自由に振れるようになったから自然と今の音楽性になったんです。この4人は対応力があるというか、色んな雰囲気の曲を表現できるんです。それは技術的なことというより、音楽的な幅という意味で。だから今のような音楽性になっていったんだと思います。

●時系列的には横ノリな雰囲気からだんだんラウド色が強くなってきていると思うんですけど、それは何からの影響なんですか?

MAH:当初は地元中心に活動をしていたので、湘南特有のユルいノリだったんです。でもツアーをまわる中で、お客さんがダイブやモッシュを求めていることがわかって、僕もパンクが好きだからそういうライブが大好きで。1stアルバム『Silence iz Mine』(2008年6月)に何曲かスカパンクの曲を入れていたのもあって、ちょっとスカパンクに寄せていこうかなとまず思ったんです。対バン相手もみんなツアー慣れしているメロディックの人たちが多かったから、自然と影響を受けていったんでしょうね。

●"ライブを楽しい場にしたい"という意識が、バンドの音楽性を変えていった?

MAH:そうかもしれないです。会場が盛り上がっていないと納得いかなくなったんですよね。そしたらライブも自然とアグレッシブになっていって。

●なるほど。ところで今作の全体的なイメージなんですけど、1曲の中にいろんな要素が入っていて、それぞれのパーツをパズルの様に緻密に組み替えているのかな? と思ったんです。と言いつつ、すごくフィジカルな感じもするから、いったいどうやって作っているんだろう? と。セッション的に作っているんですか?

MAH:いや、僕がまず8割くらいはデモを作ってくるんです。その後にそれぞれの細かいフレーズを任せて仕上げるというか。デモの段階で"Aメロとサビを入れ替えてみよう"とか、"別の曲のフレーズを持ってこよう"っていう作業を自分でやっておいて、あとはみんなで話し合ってる感じですね。

●あ、そうなんですね。かなり複雑な構成の曲が多いという印象なんですけど、MAHさんは何を思い浮かべながら曲を作るんですか?

MAH:うーん、何でしょうね(笑)。僕は移動中とかにフレーズが浮かぶんですけど、それはグルーヴを含めたオケの上にメロディが乗っているイメージなんです。それをギターで弾いて書き起こすことが多いですね。だいたい適当にギターを弾きながら鼻歌を歌って、"これいいかな"っていうのが思いついたらドラムを決めて、ベースを乗せて、というのをその場でやっちゃいます。

●え、天才?

MAH:いやいや(笑)。

GODRi:天才です。

●構成が複雑と言いましたけど、でもどの曲にもキャッチーな要素が入っているんですよね。ラウドかつダイナミックな展開でライブ映えする曲ばかりですけど、でもキャッチーさが必ずある。

SHOW-HATE:"キャッチーに"という意識は根底にあります。俺は聴いたら絶対耳に残るようなフレーズとか、内容にあった風景付けみたいな感じでギターを作っていくんですけど。

MAH:実はこのメンバーになってから、とにかくライブを意識した曲作りに変わったんですよね。色んなバンドと対バンする中で、みんなで一緒に歌えたり盛り上がれる要素をもっと取り入れていきたいと思って。レゲエとかラウドという、ちょっとわかりにくい音楽を上手く中和させるためにも、キャッチーなフレーズを意識的に入れるようにしています。

●1曲ですけど日本語詞もあるじゃないですか。これは何かきっかけがあったんですか?

MAH:僕は言葉遊びが好きだし、キッズの頃から色んなバンドの歌詞を読んだりしてきたんです。すごくおもしろいなと思って。だから日本語で歌いたいという気持ちがずっとあったんですけど、なかなか納得のいくものが作れなかった。それで今回、M-8「I'm Alright」を作っている時に、"I'm Alright"と"何もない"という韻を踏んだ言葉を使いたいというアイディアを思いついて、サビのワンフレーズだけ入れてみたんです。納得いくものができたら、いつか全編日本語とかも出したいなと思っていて。

●さっき言葉遊びとか、色んな人の歌詞に刺激を受けてきたという話がありましたけど、MAHさんの歌詞はストーリーがあるものもあれば、なかなか表現できないようなポリティカルな主張のものもある。その2つが大きな柱になっていますよね。例えば震災以降、色んなミュージシャンが色んなことを感じて、たくさん考えたと思うんです。震災以降、色んな人の作品を聴いている中で、表現の内容が変わったという実感がすごくあって。

MAH:はい。

●でもMAHさんのように、ここまでありのままの形というか、濁さず飾らず、リアルに感じたことを歌詞にしている人は知る限り初めてだったから新鮮だったんですよね。

MAH:幼い頃から無意識のうちに"愛"だとか"友情"を歌うのが歌詞だと当たり前に思っていたんです。でも洋楽のパンクロックを聴くと、例えばSex Pistolsが"第3次世界大戦が必要なんだ"みたいなことを歌っていたりして、そこで自分の中の常識が変わったんです。"思ったことを書くのが歌詞なんだ"って。

●ああ~。

MAH:だから意識的に"こういうことを書きたい"とか"こういうメッセージを伝えたい"とかもなくて、自然に書いた言葉がそうだった感じです。たぶん僕の歌詞を見たり聴いたりして衝撃的だと感じるのは、音楽が割とぬるいものになっちゃっているからだろうなって思います。さっき言ってくださったように、僕が書く歌詞はストーリー性のある考えさせられるものか、ストレートにポリティカルなもの、その2つを書くことが多いんです。それは昔からそうで、人が作った作品とかも、歌詞を読みながら考えるのが好きなんです。

●ふむふむ。

MAH:自分が作品を作るにしても、読んだ人や聴いた人が"自分はこう思うな"って考えてくれるようなものを作りたい。だから英語と日本語訳と意味合いをちょっと変えていたりするんですよ。日本語の方が割と曖昧にしてあったり、英語ではもっとストレートだったり。逆に濁してあったり。その変も楽しんでもらえたらいいなって。

●なるほど。11/4の渋谷O-WESTからツアーが始まりますが、このメンバーになってだんだん音楽性や考えも変わってきて、現時点で感じるライブの楽しさや面白さはどういうところでしょうか?

MAH:客席が盛り上がっている感じというか、みんなが楽しんでいるところを見るのがいちばん楽しいんですよ。

SHOW-HATE:うん、俺もお客さんの反応を見るのが好きですね。多分自分が100%出しても、100%そのままは伝わらないと思うんです。そこはみんなが自由に捉えて、自分なりに受け取って欲しいし、逆に「おっ! そういう反応なんだ!」っていう発見もあって。それが楽しいですね。

GODRi:みんなが歌ってくれたり楽しんでいる光景をステージから見るといちばんアガるし、面白いですね。

SIN:それに、まず自分が演奏していて楽しいというか。弾いてて楽しいし、ライブ中にメンバーと掛け合いしたりするのも楽しい。

SHOW-HATE:SINはアドリブとかもすごく多いよね。絶対に入れてくる。

SIN:前回のライブを超えていきたいという気持ちが毎回あって、パフォーマンスにしろプレイにしろ、同じことはしたくないんです。そうやって必死でやることがいちばんの楽しみですね。

Interview:Takeshi.Yamanaka
Edit:HiGUMA

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